無限の赤龍帝
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ライザーとの戦い
前書き
遊びすぎたぜw
ユーリとイチャイチャ、にゃんにゃんして待っていたら、白音がお土産を持って来た。
「…………連れてきた」
「ありがと、白音」
「にゃあ♪」
「ひっ!?」
白音がお土産の持って近づいて来たので、喉を優しく撫でてやると喉を鳴らして喜ぶ。そして、ユーリに突き刺さっている物を間近でみたレイヴェルは悲鳴を上げた。
「いっ、いやっ、近づけないでくださいっ!!」
仕方無いのでユーリを開放してやる。
「…………むぅ…………残念…………」
不満タラタラの様子で俺から離れたあとは、となりに座って身体を預けて掃除してくれる。
「さて、お前のお兄様は負けそうだぞ」
「そんなはずありえませんわっ!! お兄様は私と同じフェニックス。不死鳥ですのよ!!」
顔を真っ赤にしながら、チラチラとこちらを見てくるレイヴェル。
「死なないってだけだしな。ただの雑魚だろ。ほら」
俺はレイヴェルの手を掴む。
「ひっ! 私に触れないで、この下郎っ!!」
「はいはい」
「いっ、いやぁああああああぁああぁあっ!!」
レイヴェルを膝の上に無理矢理乗せて、顎を持って顔を固定する。
「いやっ、気持ち悪い硬いものがあたってますわっ!! 犯されますのっ!!」
「安心しろ。まだ犯さないから」
「まだっていいましたの!!」
「このレーディングゲームに勝つまでは何もしないさ。それよりも見てみろよ」
机の上に置いて有る鏡を見せる。この鏡は魔力を登録した者の見ている物を映し出す力を持っている。つまり、九重とリタが遠くから現在みているライザーと母さん…………白夜叉の一方的な戦いだ。
「なななななっ」
顔面を蒼白にして震え出すレイヴェル。それもそのはずだろう。白夜叉は扇子だけで戦っていて、戦闘開始から一歩も動いていない。それなのに閉じた扇子をライザーに合わせてひと振りしただけで吹き飛んで殺されている。
「どうだ? うちの臨時クイーンは強いだろう」
「あっ、有り得ませんわ…………」
『飽きて来たの』
『おのれっ!!』
大量の炎を白夜叉に放つが、それらも扇子を開いて仰ぐだけでかき消されて消し飛ぶ。それはライザーの炎とて例外ではない。そもそも、属性の相性からして悪すぎる。太陽を13個も持ち、夜叉にして白夜を司る星霊なのだから、炎の属性など吸収してもおかしくないくらいの耐性を持っているのだ。はなっから相手になどならぬというのに、わざわざかき消して、炎は効くと思わせているのだから、どれくらい怒っているのか…………怖すぎる。まだ、大人化していないだけマシと言えるがな。
「おっ、お兄様…………」
「このままじゃ死ぬな」
「っ!?」
嘘の情報を教えておく。多分、殺されないだろう。
「ゆっ、ユーリ様っ!!」
「ぷい」
知らないとそっぽを向くユーリ。どうやら、中途半端に止められて怒っているみたいだな。
「ユーリ様っ!!」
「…………私は…………知らない…………全部…………イッセーの…………ご主人様の心次第…………」
俺の腕を取って、撫でてと頭に乗せるユーリ。仕方無いので、撫でてやる。ちなみに白音は猫の姿になって、俺の頭の上に寝そべっている。
「あっ、貴方の目的はわっ、私ですのよね!!」
「ああ」
「なっ、なら質問ですの。貴方とあの人はどっちが強いのですか?」
「あっち。比べものにならないくらい」
「「うんうん」」
ユーリも白音も頷き、満場一致する。
「そっ、それなら私は貴方に従ってあげますから、お兄様と一体一で戦いなさい!! 私の殿方になるなら力をみせてくださいまし。もちろん、殺しては駄目ですのよ」
「まあ、良いか。どうせ無理矢理にでもその身体を痛めつけて調教するんだからな」
「ひぃっ!?」
取りあえずはレイヴェルの提案に乗ってしまう。流石にそろそろ運営側も黙っていないだろう。母さんは本当の意味での禁手(バランス・ブレイカー)なんだからな。
『ユーリ様。クイーンの白夜叉様を引かせてください』
「…………嫌…………」
即答するユーリ。
『魔王級の戦闘能力を想定した結界なんて張っていません。このままでは引き分けになりますが、それでよろしいですか?』
「…………こっちが…………有利…………」
『ですが、あの方は臨時で悪魔ですら無いですよね。この場合、別世界の魔王とは認められません。あちらでの魔王は厳密に言えば違いますので』
「…………どうする…………?」
ユーリが上目遣いにこちらを見て来る。
「まあ、受けていいよ。母さんには連絡しておく」
「…………わかった…………ひかせる…………」
『ありがとうございます』
という訳で、レイヴェルを横に置いて立ち上がる。
「じゃあ、ちょっくら倒して来るわ」
「…………行ってらっしゃい…………」
「はいはい、行ってきますと」
白音を置いてからダッシュして、瞬時に母さんの下へと行く。
「母さん」
「ん? 何用じゃ?」
「選手交代。結界が持たないらしい」
「では、私が張ってやっても良いぞ?」
「本音は魔王以上の力を出して欲しくないんだろ。それも多世界の存在を」
「ふむ」
「今は微妙な情勢だしね」
「そうじゃな、聖書の神と本当の魔王共は死んでおったか。まあ、息子が変わるというならよかろう。私は見学するとしようかの」
そう言って、素直に下がってくれる母さん。だいぶ丸くなってるし、助かる。問答無用で外
の連中ごと虐殺とか無くて良かった良かった。それぐらい簡単とはいわないでも、やってのける実力は確実に有る。いや、簡単か。仮にも下級とはいえ魔王を一撃で殺すんだからな。外にいるサーゼクスだって、母さんにかかれば下級魔王にしかならないんだから。
「ああ、そうじゃ。私の息子として恥ずかしい戦いをしたら…………」
「しっ、したら…………」
「私とオーフィスで手とり足取り嬉しドキドキの大特訓大会じゃ♪」
凄い笑顔でそんな事を言って来る母さん。全身に鳥肌が立ってくる。
『…………楽し…………そう…………我…………やる…………』
「じゃろ! 場所はそうじゃの、箱庭で良いか。ギフトゲームにも参加させてみたいしの。うむ、牛魔王とかに喧嘩売らせるのも面白そうじゃの」
「死ぬからっ!!」
七大妖王の長とか絶対無理だし!!
「じゃあ、迦陸ちゃん辺りが良さそうじゃな」
「鵬魔王も無理だろ…………いや、ギリでいけるか? 神器しだいで…………」
鵬魔王は七大妖王の第四席にして混天大聖とも呼ばれる存在だ。純血ではないが、護法十二天に匹敵する神鳥の金翅鳥だ。
「貴様ら、俺を無視するなぁあああああああぁっ!!!!!!!!」
「五月蝿いぞ、焼き鳥。まあ、貴様を倒せばいいだけだ。行くぞ、ドライグ」
『ああ』
殴りかかってくるライザーの炎の拳を赤龍帝の篭手で受け止める。
「オーフィス」
『…………嫌…………』
「なっ!? まさかの拒否だとっ!!」
くっ、特訓させられる方が良いというのか。
『おい、手伝ってやれ』
『…………嫌…………我…………修行の方が…………良い…………ドライグも…………手伝っちゃ…………駄目…………』
その瞬間、赤龍帝の篭手が解除された。
「おいっ!?」
『すまん、相棒。支配権を奪われた』
「はっ、どうやら神器に見放されたようじゃないか!! おらぁっ!!」
「ぐっ!!」
片手で殴り飛ばされる。むろん、ガードしたが。手が少し熱い。
「まさかの神器の反乱とは驚いたが、やってやろうじゃねえか、焼き鳥野郎」
「貴様ら、どこまで私を愚弄するかっ!!」
「はっ、焼き鳥に焼き鳥と言って何が悪い。あっ、お前の妹はうちの本陣で預かってるぞ」
「なんだとっ!!」
あっちの映像も見せてやる。
「きっ、貴様っ!! 人の妹に何してやがるっ!!」
「え?」
俺も鏡を見ると…………そこには裸にされて亀甲縛りされたレイヴェルの姿が床に有って、人間化した白音とユーリが羽でこちょこちょとしていた。
『やっ、やめなさいっ』
『…………嫌…………イッセーとの時間…………邪魔した…………罰…………』
『そっ、それは私のせいじゃ…………ひゃわっ!! ちょっ、そこの猫娘、そんな所を…………やめっ!!』
『…………私より大きい…………このっ、このっ』
『いっ、痛いですわっ!! 胸をつつかないでっ!!』
という展開が行われていた。
「だが、ライザーよ。いい光景じゃなか」
涙目のレイヴェルも可愛いし、他の二人もやっぱり可愛いな。
「ふざけるなっ!! 他人ならいざ知らず、実の妹に興奮できるかっ!!」
「うわっ、以外にまともな兄貴だ!!」
「そうじゃな。じゃが、愚か者め」
「なんだと!!」
「美少女に血が繋がっていようが繋がってなかろうが、貴賎などあらぬわっ!! 全ては等しく愛し、愛でる者じゃ!!」
「なっ、成程」
「たっ、確かにそうだ…………俺が愚かだった。確かにレイヴェルは可愛いな。以外にレイヴェルも…………」
『そこの駄目な存在様三名様、いい加減にしてくださいっ!!』
その声が聞こえた瞬間、ハリセンが飛んできて頭を叩かれた。それも三人とも。
「むっ、その声は…………」
『はい、サウザンドアイズからの依頼によって、黒ウサギがお迎えにあがりました。白夜叉様、帰りますよ。ちょっと、箱庭で魔王が暴れるとの情報がございましたので、急いでくださいと、黒ウサギはお願い申し上げますよ』
「何故じゃ、あっちにはアヤツらが…………」
『その問題児様方、お三人様が一緒になって派手に暴れようとしているのですよ!!』
「なんじゃとっ!! それはなんと面白…………「白夜叉様」…………ええい、わかったわ!! イッセーよ、私は帰るぞ。結果はオーフィスを通して教えて貰うからの。そうじゃ、勝者にはギフトを一つ景品にやろうかの。では、さらばじゃ」
水樹の苗を置くだけ置いて、一瞬で掻き消える母さん。
『それでは、お騒がせしました。この駄神は回収させていただきますが、皆様方はゲームをお楽しみください』
黒ウサギの声も聞こえなくなったし、気配も消えた。
「…………」
「取りあえず、殴り合うか」
「そうだな」
ライザーは全身に炎を纏い、俺は白い魔力を纏う。そして、瞬時にお互いが接近して拳を振るう。お互いの拳が頬っぺたに炸裂して、吹き飛び合う。
「ちっ、やるじゃねえか」
「貴様もなっ!!」
瞬時に空中で体勢を整えてお互いが接近する。ライザーは炎を放っては来ない。奴もこちらに炎がろくに効かないのを理解している。ならば、単純な戦いだ。拳と拳、蹴りと蹴りを幾度となく打ち合うが、だんだんと俺が有利になってくる。そもそもが戦闘経験が違いすぎる。こっちはオーフィス相手に密度の高い戦いを毎日繰り返して、母さんの特訓も受けたりもしてるんだ。油断しない限りは負け無い。
「くそっ!? 貴様っ、卑怯だぞっ!!」
「はっ、どこがだよ。死んでも復活するフェニックスを相手にするなら、殺さずひたすらサンドバックにして、負けを認めさせるしかねぇだろうがっ!!」
そう、殺さないように殴り続けるだけだ。激痛と屈辱を与えて精神を疲労させるのだ。だから、髪の毛を引きちぎったりしてやるし、拳整形もやってやる。
「誰が貴様なんかに妹をやるかっ!!」
「はっ、もう貰ったぜ」
「許さんっ!!」
その後も殺さずに徹底的にボコボコにした。それでも立ち上がって来るライザーはかなり凄い。ちょっと格好良いかも知れない。
「まだだ、まだ終わら…………ん…………ごほっ!?」
「お兄様っ、もういいですからっ!!」
いつの間にか、両方の眷属が集合していた。
「まだだ、まだ俺は負けて…………いないっ!!」
あれ、何かあっちが主人公でこっちが悪役になってるぞ。まあ、負けてやる気は無いけどな。だって、こっちにもユーリがかかってんだからな。
「行くぞ、イッセーっ!!」
「来い、ライザーっ!!」
そして、同時に動き出した俺達は互に殴り合う…………格好で止まった。
「あれ?」
「お兄様?」
『ライザー・フェニックス様、気絶によるリタイア。勝者、ユーリ・ナベリウス様』
アナウンスが流れて来た。よく見るとライザーは立ったまま気を失っていた。
「お兄様っ!!」
そして、レイヴェルがライザーに抱き着いた。
「なんか、凄く後味悪いな、おい」
『戦いに勝ったのに勝負に負けたな』
『…………どんまい…………?』
「オーフィス、後でお仕置きだ」
『…………望む所…………我…………嬉しい…………わ~い…………』
だっ、駄目だ…………どうにかしないと。
「…………お疲れ様…………」
「お疲れ様でした」
「…………大丈夫?」
「ああ、ありがとう」
こうして、俺達のレーディングゲームのチュートリアル対戦は終わった。そう、まさかの神器の反乱で殴り合うしかないという悲惨な戦いだが。
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