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紫天の主は管理局の少将

作者:メア
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イクスと挨拶回り

 
前書き
こんな上司が居たら良いな~いないだろうけど 

 



 先の騒動から2週間。家に帰って、お風呂に入りまったりとしながらご飯を食べ、残業を片付けつつテレビを見ていると、イクスヴェリアがやって来た。

「マスター」

「なんだ?」

そして、俺が座っているソファーの横に座り、こちらに身を任せてくる。

「私にも命令して欲しいです。今のままでは私はマスターの役に立ててないから…………この平和の時代に私はどうすればいいのですか? マスターが望むならエッチな事だって…………」

「ちなみに、誰の入れ知恵?」

「レヴィ」

あっさり暴露するイクスヴェリア。

「でも、本当にわからない。私は戦う為…………殺す為だけに存在していたから…………」

うつむくイクスヴェリアの頭を撫でながら、話をきいてやる。

「この平和の世界に私の居場所は…………」

「有るぞ。少なくともここはお前の居場所だ。それと、イクスヴェリア…………いや、イクスは俺達の家族だからな」

「でも…………それなら、尚の事役に立ちたいです」

「なら、お望み通り仕事をやる。明日から俺の側にいろ。ちょうど色々きな臭くなって来たから、俺を護衛してくれ」

「分かりました。マスターは私が守ります」

「よろしく」

さて、レヴィにはお仕置きだな。

「イクス、お菓子食べようか」

「はい」

俺はイクスと共にレヴィの秘蔵のお菓子を食べてやった。後日、レヴィが嘆き悲しんで居たが気にしない。




 さて、イクスを連れての初出勤となるが、面倒だったのでイクスをユニゾンデバイスとして登録したので問題無い。

「よっと」

「それで、マスター。私はどうすれば?」

「取りあえずはこの車椅子を押して売店に向かってくれ」

「分かりました」

俺は仕事をしながら、イクスに売店へと連れて行って貰う。

『高町なのは。管理外世界にてドローンと戦闘。全機殲滅。戦闘中に大怪我を負ったがケリュケイオンにて全回復。任務に支障見られず、至って健康体。定期的にケリュケイオン発動を申請。報告者、ヴィータ、シャマル』

ああ、例の物か。ケリュケイオン凄いな。こんな報告書が数千枚来るので処理して、別の許可案件なども処理していく。はっきり言って、オーバーワークだと思う。

「マスター、着きましたよ」

「ああ、ありがとう」

管理局の売店は一種のスーパーだ。基本的になんでも揃う。本当に何でもだ。

「おばちゃん、フルーツ盛り合わせ60人分」

「あいよ。扉を開いておくれ」

「ああ」

鍵剣で空間を開いてフルーツ盛り合わせを入れて行く。

「初めて見る子だけど、その子は少将のなんだい?」

「ユニゾンデバイスだ」

「どうも…………」

「そうなんですね。これをどうぞ食べてください」

「ありがとうございます」

何故か敬語になったおばちゃん。

「後、雑誌や新聞一式、菓子類全種2個ずつだな」

「あいよ。全部で258万だよ」

「ほい。即決で」

「まいどあ有り」

カードで支払って次の場所へと進む。次にイクスを連れて行って貰ったのは管理局の本局に併設された病院だ。そこの特別病棟、大部屋だ。特別といっても、機密事項に抵触するために隔離されているだけなので問題無い。別の所は一般人も入れるから、基本的に局員はこっちだ。

「お前ら、元気か?」

「暇です」

「退屈~~」

部屋に入った瞬間、声をかけるとそんな声が帰って来る。

「マスター、この人達はなんですか?」

「こいつらは部下だよ。お前ら、この子はイクス。俺のユニゾンデバイスだから覚えてやってくれ」

「よろしくお願いします」

「「「「「よろしくお願いします」」」」」

それから、個別に挨拶させながら先程買ったフルーツ盛り合わせをと雑誌を配って行く。

「何時もすいませんね」

「気にするな。だが、お前ら。仕事はできてるんだろうな?」

「もちろんですよ。もうちょっと量を増やして貰っても大丈夫です」

「そっか。なら増やしておくがくれぐれも安静にしろよ。悪化して復帰が送れる方が迷惑だ」

「「了解です」」

こいつらは三課や五課の連中だ。大分持ち直して来たのでもうすぐ復帰できるだろう。

「なんか要望有るなら叶えてやるが?」

「あ~家族との面会が…………」

「通信だけだったな。まあ、一時間程度なら許可を出してやる。ただし監視がわりにこの部屋でだが、それでいいか?」

「十分です。本来なら禁止ですからね」

「なら、全員で時間を調整して3回程度で行けるようにしておけ。決まったら、メールを送ってくれれば対応する。それじゃ、元気にしていろよ」

こんな感じでいろんな部署に回ってイクスを照会しつつ、購入したお菓子などを配って行く。

「なんでこんな事をするんですか?」

「喜ばれるだろ」

「確かに皆さん喜んでました…………」

「イクスの紹介もあるが、部下の状態や仕事の進み具合を自分の目で確認し、仕事をしやすい状態にするのは上司の役目だ。御蔭でうちの古代遺物管理部の業績はかなり上がっているし、他の部署にも顔出すことで比較的簡単に協力を要請出来る。古代遺物管理部は他に協力を求めたり求められる事が多数有るからな。横のつながりは大事だぞ。というわけで、部下の慰労もかねてこんなのを定期的にしている」

「なるほど、わかりました」

「よし、それじゃあ戻ってお勉強だ。イクスが俺の仕事を手伝えるようになってくれるとそれだけでおお出すかりだからな」

「はい。頑張ります」

それから、執務室へと戻ってイクスの勉強を見ながら仕事をこなして行く。しばらく、毎日はこれでいいや。お金は減って行くが溜まる一方なので、どうでもいい。いっそ、貸出オッケーにしてクルーザーでも買うか?
いや、どうせなら無人世界を一つ買い取るか。






 
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