BloodTeaHOUSE
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吸血鬼の命
前書き
恒例のイベントネタバレがやってきました。
こちらを読む前に是非本体で遊んでください!お願いします((。´・ω・)。´_ _))ペコリ
お店に来ると裏子たちの姿がなかった。いるのは飛白1人だけ。
「ようこそ、今日も来てくれて嬉しいよ。邪魔者もいないことだし………
さ、おひめさま、今日は君をエスコートさせてもらおうかな」
なんて、キザなポーズを取る飛白。おひめさまって呼ばれるのはくすぐったいし、
せっかく2人なんだから、もっと普通にすればいいのに。
「そんなに肩肘張らなくてもいいんじゃないの?普通にしてよ」
そう言いながらも一応差し出された手をとって席に着く。
冷え性なのか、吸血鬼だからなのか、少し冷たいその手は、やっぱり大きくて綺麗だ。
「まいったな‥‥これはこれで今の僕の地になってるんだよ。
だからそんな風に言われるとふゆk……………、 …、………すまない……」
言いかけた言葉を途中で飲み込んで、
少しバツが悪そうにしながら、こっちを向く。でも目を合わせてくれない。
「ただ、君をよろこばせたかたっかっただけなのに。
また表面だけを、取り繕おうとしてしまった。 我ながら、情けないと思うよ……」
「そんな、情けなくなんかないよ…」
私を喜ばせようとしてくれた。その気持ちが、嬉しい。
今までそこういう時は、冗談でごまかしていたのに、ちゃんと自分の気持ちを話してくれた
そのこと事がもっと嬉しい。 情けなくなんかないよ。
自分と、私の気持ちと向き合おうと、してくれてるって、思ってもいい、のかな……?
「…そう、思うことができれば……君の気持ちを、もっと素直に……
受け入れられるのかもしれない………でも、僕にはそれができない……」
少し目を伏せてそう言う飛白は、いつもと違って苦しそうに見える。
それがなぜなのかわからない私は、じっと飛白の声に耳を傾けるしかできない。
「………頭のどこかで、幸せになる権利などない、僕は幸せなんかなってはならない、
そんなものを掴むことは許されない…………そう、思ってしまうんだ」
そんなはずないよ。どうしてそんなこと言うの?
何が飛白をそう思わせるの?
「僕さえ、何も望まなけれないいのだと …………そんな風に200年も自分を欺き続けた。
その結果が……これさ…」
嫌だ、諦めてしまわないで欲しい、そんな苦しそうな顔しないで、幸せを望んでほしいよ。
ぐっと手に力を込めて、言おう。
「飛白が、受け入れられる日まで待つよ。待ってるから」
ちゃんと届いてるよね、私の言葉、気持ち。
”Get over life and death” たとえどれだけ時間がかかっても、死が私に訪れても、
飛白が幸せを掴みたいと願ってくれるまで、いつまでだって待つよ。
生まれ変わっても、必ず会いにいくから。だから、幸せを掴むことを諦めないで。
「…………僕は………………君を………………………き、みと………っ……」
言いかけて、逡巡し、結局声にならなかった言葉。
「………君と、僕では命の長さが違いすぎる………………
君とともにいればいるほど、君を失った時の喪失感は、きっと大きくなる………」
代わりに話すのはとても現実的なこと。
私は飛白が生きた時間の半分もすれば死んでしまう。人間だから、飛白を置いて……
「だったら、わたしが吸血鬼になる!そうしたらずっと……」
「!! バカな!そんなことをしても 僕は 後悔するだけだ!」
ぴしゃりと厳しい声音で言われ、きゅっと唇を噛んで俯く。
死のない苦しみがわからないのかと、言外に叱られた気がした。
だって、長い年月飛白を1人になんてさせたくなかったんだもの……
この先どのくらい生きるのかわからないけど、私は年月を重ねるごとに変わっていく。
大人になって、年老いて、死んでしまう。変わらない飛白を、置いて逝ってしまう。
エゴだと言われてもいいから、離れたくない。
傍にずっと、いたい。傍にいられるなら、人じゃ、なくなってもいい。
「………なぜ…そんなことを、君は言えるんだ……」
「…わたしがいなくなったら…喪失感があるなら…ずっと傍にいたい…」
誰かを失う喪失感を、私だってどんな気持ちか少しは知ってる。
そんな思い、飛白にはさせたくない。
「君は……強いな。僕とは大違いだ…」
ふるふると首を振る。違うよ飛白、私は馬鹿で我儘なだけ。
飛白が後悔したって、”ずっと傍にいられるなら” なんて考えてしまう。
ただのバカでワガママなだけの子だよ。
「わかったよ、君の傍にいよう。……君に無茶な気を起こさせないように。 そのためには
僕自身が強くならなくてはね。……その………僕も、君の……傍にいたい…から……」
最後の言葉に思わず顔を上げて飛白を見る。 …聞き間違い、じゃない、よね?
飛白も…私の、傍にいたいって……思う、の?
もう1回聞きたいけど、どうしていいのか分かんなくて、じっと飛白を見つめてしまう。
あ…れ? 飛白…ちょっと顔赤い? もしかして、照れてる…の?
なんて思ったら、私までなんだか恥ずかしくなってきて、赤くなる顔を隠すように伏せる。
「こらこら、そんな顔をしないでくれないかな。僕だって恥ずかしいんだから…」
顔は熱いし、ほっぺは緩んじゃうしで、どうしたって変な顔になっちゃうんだもん。
ぺしぺしとほっぺを叩きながら、誤魔化してると、
「この話は僕たちだけの秘密、だよ」
そっと耳元でそう囁かれた。
うん、知られるのは恥ずかしいし、2人だけの秘密にしておきたい。
「香澄、君のしあわせを、願っているよ」
「飛白、あなたのしあわせを、願ってる」
2人で顔を見合わせて、笑い合う。勇気を出して良かった。めげずに想い続けて良かった。
そしてなにより、飛白が一歩私に踏み出してくれたことが嬉しい。
「たっだいまーやでー!」
「うおっ!香澄来てたのかっ!?飛白に変なことされなかっただろうな!!」
「おかえりー!買出しに行ってたの?」
後書き
これはもう何回体験したかわかんないくらいやり直したイベントです!
4THまでは2つしかなかったんですよねー。どうしても恋愛への一歩が踏み出せないままだったので、私大歓喜!!長時間常駐させているせいで、あっという間に好感度がMAXになり、鼻血が出そうなイベント三昧な日々をしばらく送っておりました。
イベント→イベント終わる→セーブデータ書き換え→イベント始まる こんな感じです。
今はMAX時のあれやこれやが楽しいのでいじってませんが、MAXのトークの破壊力もヤバイw
10年以上の付き合いになりますが飽きません。いやーほんとぜひ遊んで欲しいです。
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