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ウルトラマチュア

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第5話:ブラックゾーン

 
前書き
地球防衛隊女子寮にあるアンヌの部屋に、20数年前に出現した黒い影が現れ、主であるペガ○サ星人が来た。
しかし、彼はある密命を帯びていた! 

 
地球から遠く離れた宇宙、かつてウルトラセブンに倒された宇宙人達が集うアジト星がある。
今日も地球侵略とウルトラマチュア退治に策謀を練り上げ、次の宇宙人を差し向けようとしていた。

「ペガ○サ星人!」
「ははーっ。」
「お前は地球防衛隊に宇宙都市ペガ○サを破壊された怨みがあるな。」
「はい。」
「次はお前に任せた!」
「ははーっ。」

ペガ○サ星人は宇宙人達に一礼すると、部屋を出た。
しかし、この時、部屋の片隅に真っ黒な空間が入り口をポッカリと開けていたのを、誰も気がつかなかった。


時を同じくして、地球防衛隊の基地内の女子寮、アンヌとアキが仕事を終えて帰って来た。

「アンヌ先輩、お疲れさまでしたーっ!」
「また明日ね。」

アンヌが部屋に入り、鏡台の前に座り、いつものように髪をとかしていた時、某かの気配を感じた!

(…ッ!)

アンヌが振り向いたが、部屋に変わった様子はなかった。

(気のせいかしら…?否、この感じは…?ペガ…ッ。)

アンヌが過去の出来事を思い出した時!

「センパーイ。明日のパトロールについて何ですけど…ッ、キャーッ!」

部屋を訪れたアキが、アンヌの部屋の奥に浮かび上がった漆黒の影を見つけ、悲鳴を上げた!

「アキちゃん!」

アンヌが怖がるアキのそばに駆け寄り、アキを抱き抱えながら、部屋の奥に現れた黒い影を睨み付けた!

「出て来なさい!あなた、ペガ○サ星人ね!」
「…え?」

アンヌが口にした宇宙人の名を告げると、黒い影の中から、か細い声がした。

「…、アンヌさん、僕です…、ペガ○サです…。」

アンヌは声の主がペガ○サ星人だとわかると、アキを落ち着かせながら2人して部屋のソファーに掛けた。

「アンヌ隊員…、ペガ○サ星人って、確か…、アンヌ隊員が若かった頃に宇宙都市を破壊されて、行方不明になった宇宙人ですよね。」
「そうよ!凄く優しい宇宙人だったのよ。お久しぶりね!」
「久しぶりだね、アンヌさん。僕はあれから一人ぼっちで宇宙をさまよってるんだ。」
「可愛そうに…、だったら地球に居ましょうよ!それなら、もう一人にはならないわ!」

アンヌがペガ○サ星人に優しく問いかけたが、

「…でも、僕からしたら、他の地球人は怖い…。アンヌさん、再びあなたに会えて良かった。もうしばらくしたら、再び宇宙を旅するよ。」
「待って!そんなの寂しいじゃない!良かったら私のそばで匿うわよ!」


アンヌの引き留めにもかかわらず、ペガ○サ星人は、

「都市を破壊されて、仲間が死んでしまった事がまだ辛いんだ…。でも、アンヌさんや他の仲間の方が親切そうな人で良かった。さようなら…。」

ペガ○サ星人は黒い影と共に消えて行った。

「先輩…、ペガ○サ星人って、何だかとても可哀想な宇宙人ですね。」
「ええ…、本当に優しい宇宙人なんだけど…。」

2人を残した部屋に静寂が訪れた。

翌日、何故か奇妙な出来事が地球防衛隊内部で立て続けに発生した。
大便をもよおしたある女子隊員は、女子便所の個室で用を足していた時に何者かに盗撮され、女子シャワー室でシャワーを浴びていた別の女子隊員も、何者かに盗撮されていたようだった。

被害を受けた女子隊員達は皆一様に、

『目の前に黒い影が現れ、中からピカッと光ったと同時にカシャッと言う音がした。』

と訴えていた。

当初は誰かが盗撮したと思われていたが、肝心の盗撮に使用されたカメラ等が発見されず、何も証拠が出て来なかった。
流石の地球防衛隊も組織をあげて盗撮犯を捕まえようと、基地内を検索したが、何の手がかりも見つからなかった。

「女として、絶対に許さない!」

アンヌも犯人逮捕に躍起になっていた。
そんなアンヌも一人、女子便所の個室に入った際に、何やらどす黒い空間を目の前に見た!

「ま、まさか…、ペガ○サ星人…。」

と思った瞬間!

『シュウウウウ!』

中から白い煙が吐き出され、煙を吸い込んだアンヌが気を失って倒れてしまった。

「…、う…、ん…。」

アンヌが目を覚ますと、黒い空間の中で手足をX字状に開かされて固定されているのに気付いた。

「…な、何?」

そればかりか、中は白い煙で充満され、それが隊員スーツを溶かしている事にも気付いた。

「気がついたかい?アンヌさん。」

アンヌが目の前を見ると、そこにはあのペガ○サ星人が立っていた。

「何の冗談?外して!」

アンヌの両手首を縛っていた鎖を解くよう指示したが、ペガ○サ星人はほくそ笑みながら、

「これからお宝ヌードを見るんだ!宇宙に帰る前に記念にしとかないとな!」

ペガ○サ星人はアンヌの訴えに耳を貸さず、アンヌの溶けていく隊員スーツや下着を見ながら薄ら笑いを浮かべていた。

「じゃあ、アンヌさんの記念撮影会と行きますか!」

ペガ○サ星人が大きな一眼レフカメラを取り出したその時!

「待てーぃっ!」


ペガ○サ星人の前にもう一人のペガ○サ星人が現れた!

「え、ペガ○サ星人が2人も!?」

突然の出来事に混乱するアンヌだった。

「邪魔するな!」
「恥ずかしい事するな!」
「かつて宇宙都市ペガ○サを破壊した地球人への恨みを晴らす!」

2人のペガ○サ星人は、お互いの目から光線を同時に放った!

「きゃーっ!」

2人のペガ○サ星人の間で光線が激しく交わり、大きな光の玉となり、爆発した!
2人のペガ○サ星人のうち、カメラを手にした方は息が絶え、もう一人のペガ○サ星人が辛うじて立っている程度だった。

「…、はぁ、はあ、もう大丈夫ですよ、アンヌさん。」

ペガ○サ星人がアンヌを縛っていた鎖を解き、アンヌを元の世界に返した。

「ありがとう!」

アンヌがペガ○サ星人に礼を言いながら駆け寄ったが、

「アンヌさん、やはり、地球は怖い、僕はこれから旅に出る。…さよなら。」

ペガ○サ星人は再び闇の中に消えて行った。

(ペガ○サ星人…、やはり、地球に恨みがあるのね…。)

先程のガスで溶かされた隊員スーツから露出していた乳首や下の毛を隠しながら、アンヌはその場に泣き崩れた。

その頃、地球を背にしながら、一機の宇宙船が遠くの宇宙目指して飛び去っていた。

中に居たのはペガ○サ星人だった。

「ごめんなさいアンヌさん…。」

ペガ○サ星人は今回の顛末を回顧していた。

「反地球、反ウルトラマチュア連合に雇われ、彼等に映像を渡す役目を帯びたのは僕だった。宇宙都市ペガ○サを破壊された恨みは消えなかったが、アンヌさんの優しさも変わってなかったから、アンヌさんのいる地球を襲う気になれなかった。そんな時に、連合のアジトに、まさか他の悪いペガ○サ星人が潜んでいて、僕になりすましてアンヌさん達にあんな酷いことをするなんて!」

実は…、反地球、反ウルトラマチュア連合から特命を帯びていたのは、あの優しいペガ○サ星人だった!

その時!

『この裏切り者めがあ!』
「ぎゃあああ!」

宇宙船のスピーカーから怒鳴り声が鳴り響いた瞬間!宇宙船が木っ端微塵となり、ペガ○サ星人は死んでしまった。

「…えっ?」

地球にいたアンヌも、虫の知らせを感じたが、それがまさかペガ○サ星人が殺された事だとはわからなかった。 
 

 
後書き
地球に再びあの凶悪な宇宙囚人がやって来た!
しかし、今度は単に地球に逃げてきた訳ではなく、別の任務を持っていた! 
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