IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第480話】
前書き
黒夜叉対ゴーレムⅢ複数戦っす
因みに短いっす
無人機襲撃の少し前、学園外周部を歩いて警備をしている一人の男が居た。
「あふ……眠いぜ……。 やっぱちゃんと睡眠取らねぇとな、ワハハハハッ」
鳩の鳴き声を聞きながら暇そうに外周部を警備する有坂陽人、特に何も無く、一旦学園内のアリーナ周辺へと戻ろうとした矢先、衝撃が襲い掛かってきた。
もうもうと立ち込める砂煙の中心に居た鉄の巨人――。
「……襲撃? チッ! 黒夜叉のセンサーには何も反応が――」
そう言って確認する有坂陽人だったが、直ぐに自身の機体のセンサーがオフラインになってるのに気付いた。
自身の間抜けさに叱責しつつも直ぐ様黒夜叉を身に纏う――ツインアイに光が灯った。
そして、直ぐ様衝撃が学園のアリーナ方面から伝わってくる。
内心で舌打ちしつつ、腕部装甲から飛び出したナイフの柄を掴むと刃が形成された。
真っ黒な鉄の巨人が立つ瞬間、ナイフの剣閃が機体を捉えると激しい火花を撒き散らせ、装甲を溶解し、一撃で心臓部へと突き刺した。
直ぐに機能を停止させる機体、そのままナイフの二刀流によって無人機の腕、足、頭部とバラバラにして完全に機能を停止させた。
「……生体反応が無かったから無人機だとは思ったが、本当に無人機だったとはな。 ……何て言ってる場合じゃないッ!」
センサーに反応が有り、上空をズームすると更に十機が急降下してくるのが見えた。
一部は既に学園――アリーナに侵入してるのは明白だが、そちらは最悪他の教師陣、或いはヒルトや美冬達が応対するだろう。
大人として、子供に戦わせるのは釈然としないのだが緊急事態の為、今はそんな考えを捨てる事にした。
背部フライヤーユニットのスラスターを点火、学園中央タワーの上空に陣取り、直ぐ様両手に粒子ライフル、フライヤーユニットに備わっているガトリング砲二門とミサイルを一斉に射撃。
空薬莢が空を舞い、地表へと落ちていく。
一部対空砲火の直撃を浴びた機体は、片腕、もしくは両腕を欠損し、機体によっては足を欠損していた。
先制攻撃は成功――と共に敵の目標を此方に向ける事に成功した有坂陽人。
周囲の機体全てからロックオンされ、けたたましくアラート音が鳴り響いた。
乾いた唇を舌で舐め、有坂陽人は叫ぶ。
「さあ来なッ! この俺、有坂陽人と黒夜叉が相手をしてやるぜッ!!」
新たに槍を粒子化させて展開、柄を両手で回して構えると同時に無人機は一斉に襲い掛かってきた。
両腕を欠損してる機体はシールドビットを展開、他は近接戦闘を仕掛けてくる。
まず有坂陽人が狙いをつけたのは右後方から迫る敵機、槍の柄部分で勢いよく突き上げると破片を散らせて体勢を崩す、次に向かって来たのは正面の二機、左側から来た機体の袈裟斬りを半身ずらして避け、右側から来た機体に対しては槍の刃を突き刺す。
深々と刺さり、貫通した槍――機能停止する無人機は、その槍事地表へと落下していった。
得物を失った黒夜叉に、更に機体が迫る。
体勢を崩された一機と、それに連携する一機だ。
武器が無い――粒子展開するにも時間差で間に合わない――ならば。
有坂陽人は直ぐ様徒手空拳による反撃を試みる。
一機の機体の斬撃を払い除け、もう一機に対してはわざと体勢を崩して攻撃を回避、其処から機体のスラスターを巧みに使ったサマーソルトキックが無人機の頭部を吹き飛ばした。
そのまま上昇と共に新たにプラズマブレードを粒子化、プラズマが収束し、刃を形成させる。
ガンッ! と鈍い金属音が鳴り響く、いつの間にか先回りしていたシールドビットが待ち伏せていた。
不味い――そう思った矢先、シールドビットは爆発、反射的に後方へのプラズマフィールドを展開し、事なきを得るものの、やはり数が多く、遮蔽物の無い場所での一対複数戦は改めて不利だと思った。
「……どうやら、ちぃーっとばかり本気を出さないといけないようだな」
有坂陽人はそう呟く――MAXモードではなく、夜叉システムの起動を行う。
最近追加された黒夜叉の機能であり、自分の妻、有坂真理亜がイザナギを完成させる合間に調整をしてくれていたのだ。
――夜叉システム起動シークエンスを開始します――。
そう機械音声が響くと、機体の各所装甲が開き、頭部もまるで夜叉の如く表情が様変わりしていた。
展開装甲の技術を応用し、機体性能を大幅に――それこそ理論上、リミッターの掛かっていないIS複数機に対しても優位にたてるだけの性能を発揮するシステム――だが、三分以上の使用は同乗者の命に関わるため、真理亜自身三分で強制解除されるようにリミッターを掛けている。
「わりぃが時間はねぇんだ、一気に行かせてもらうぜッ!!」
呼応する黒夜叉、プラズマブレードも夜叉システムに応える様にその刃を肥大化させた。
プラズマブレードによる横一閃――刃が急激に伸び、間合い外と判断していた四機は呆気なく胴を両断され、爆発四散。
「こうなったからには止められねぇぜ……? 黒夜叉の本気、見せてやるよッ!!」
そう言った有坂陽人は再度戦闘を開始した。
一方、学園アリーナ各所では代表候補生達が無人機との交戦に入っていた。
後書き
次回は代表候補生達、基本的な流れは原作まんまと思ってくだされ
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