真・恋姫無双~徐晃の道~
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第4話 妖しい視線
翌日、司馬家2人を含めた5名の女性たちを故郷に帰すことになった。
司馬家の2人はともかく、残りの3人は河東郡だった。
だから、商隊と一緒に帰すことに。
で、司馬家の2人は俺たちで帰すことに。
俺たちって言うのは、俺とサイボーグ母だ。
生まれてからほとんどこの村と、隣の村くらいしか知らない俺。
だから、丁度良いやってことで一緒に行く。
…言いだしたのは母だけどな。
珍しくぶっ飛んだ提案じゃなかったから俺も了解した。
俺も他の場所に興味あったからな。
つーわけで、俺も準備をする。
準備と言っても、武器だけなんだけどな。
二刀一対に手甲、あとは弓。
弓が使えるのかって?
いや、あんまり。
母から教わったのは剣と無手だけだ。
剣はオールラウンダーな武器だから、訓練だけはしたらしい。
無手は武器が無い状況も考えて、訓練したらしい。
母は基本は戦斧で戦うからな。
弓は練習中だ。
父を的に練習中だ。
父は驚異的な反射能力で避けてくれるから、良い練習になるんだ。
もちろん、矢尻は潰してある。
…たまに本物も仕込んでるけど。
その方が父も本気になってくれるからな!
遠くの敵に対しての命中率がまだ低い。
もちろん、獲物がでかいなら話は変わって来るんだが、人間はそれほど大きくない。
弓の師はいないもんかね。
思い浮かぶのはやっぱり、原作キャラか。
それなら、やっぱり黄忠かねぇ。
普段は清楚だが、夜とのギャップが好きだな。
俺が年上好きというのも、理由の一つなんだろうけどな。
だからと言って、同年代や年下が嫌いと言うわけではない。
あくまで、好みで考えたらの話だ。
さて、準備も終わったし行きますか。
村の入口に着くと、すでに母と司馬親娘はいた。
俺が最後か。遅くなってすまんです。
「申し訳ありません。お待たせしました」
頭を下げて、待たせたことを詫びる。
「何、構わんさ。それより、縁。挨拶だ」
「はい。姓は徐、名は晃。字は公明と申します」
頭を上げて挨拶をして、司馬親娘を見て言葉を失った。
ど、どストライクやないかー!!
あまりの衝撃に、大阪弁になっちまったぜ。
えっ、どっち?
当然、親の司馬防さんの方だ!
「丁寧にありがとうございます。私は姓は司馬、名は防。字は建公です。皐月、あなたも」
「…姓は司馬、名は懿。字は仲達…です」
司馬懿さん……。将来レベルは高そうだ。
説明しよう。将来レベルとは、その名の通り将来における容姿のことだ。
つまり、司馬懿さんは将来、かなり美人になりそうということだ。
俺の私見だけどな。
しかし、反応が薄いな。恥ずかしがり屋なのか?
それとも、俺に興味が無いのか。
「………」
司馬懿さんは、俺に挨拶し終えると明後日の方向を見ていた。
…どうやら、後者のようだ。
で、司馬防さんの方は黒髪美人のクールビューティーって感じかな。
そして、俺の女性に対しての最重要項目である胸はパーフェクト!!
原作の熟女三人組に勝るとも劣らぬともほどの、見事な乳だ。
…本人の前で言ったら、弓で蜂の巣にされるだろう。
くわばら、くわばら。
「徐晃殿、歳はいくつになる?」
「10になります」
「皐月の2つ上ですね。皐月は掴みにくいところがあって人見知りする子だが、仲良くしてください」
見たまんまですね。
司馬防さんの話は聞いているが、俺の目線は乳にガッチリ吸着している。
タコの吸盤みたいにな。…自慢じゃねぇな。
ちなみに、俺はすでに精通している。
前世の記憶があるからかな?
ある日、夢精してたんだ。恥ずかしぃーっ!
…キモい。
まぁ、それはどうでもいい。
重要なのは、出せるということだ!
「縁、何をしている。行くぞ」
「…はい」
盛り上がっている間に、置いて行かれていたらしい。
何が起こるのかね、この旅は。良い旅になることを願うとしよう。
村を出て3日。
旅は順調だ。
今はまだ漢が力を持っているからか、野盗などはほとんど出なかった。
安全面では良かったんだが、俺の経験値的には良くないな。
まあ、この旅は俺の経験のためじゃないから、安全なのを喜ぶべきか。
この3日の間に、俺に悩みが出来た。
司馬防さんの、俺を見る眼がたまに怖いんだ。
何というか、こう……。
野獣が獲物を捉えた、みたいな感じ?
俺を見ながら、妖艶に微笑んで唇を舐めるんだ。
何度、俺のジュニアが元気になりかけたか。
逆レイプというのも貴重な経験になりそうだが、今のままではやられっぱなしになることは目に見えている。
それはダメだ。俺もやり返したい。
ていうか、何だ。
司馬防さんはショタコンか?それとも、俺限定?
…それは無いか。ショタコンという線が濃厚か。
だが、そう考えるとチャンスは後数年か。
どうする、俺!
「縁。変な顔してないで、何か獲って来てくれ」
「了解…」
俺は弓と二刀一対を手にすると、近くの森へと歩いて行く。
クマとか虎は勘弁してほしいな。
さすがに無理だ。せめて、イノシシ。
ぼたん鍋が出来るじゃねぇか!
イノシシを探すか。
問題なのは弓は当たるか微妙だし、刀で戦うにしても突進は怖い。
身体能力が高いとはいえ、所詮は子どもの身体。
ヘタしたら、怪我じゃすまない。
不意打ちで仕留めるとしよう。
まずはイノシシを探すか。
だが、手当たり次第に探すというのは現実的じゃない。
水場を探すか。居たら、ラッキーだな。
一応、木に目印を付けながら歩いていると、水の流れる音が聞こえてくる。
あっちか。
水の流れる音を頼りに歩いていると、小川を見つけた。
そして、そばには小川に足を付けている司馬懿さんを見つけた。
司馬懿さんの見た目は、大和撫子と言った感じだ。
艶やかな長い黒髪、化粧も何もしていないのに艶のある唇、髪からわずかに見えるうなじが色っぽい雰囲気を醸し出している。
うーむ、2つ下ってことは8歳だよな。
その歳でこの色っぽさは反則じゃないか?
やはり、母親である司馬防さん譲りということか。
彼女の歳に合わない色っぽさに目を奪われていると、彼女の奥の森に居る毛むくじゃらの生き物に気付く。
イノシシだ。司馬懿さんを狙っているのか?
いや、狙っているというより警戒の対象と見ているのか。
イノシシは神経質で警戒心の強い動物だとテレビで見た、ような気がする。
この距離なら弓で狙えるが、運が悪いことに司馬懿さんが射線上に居る。
少し横に移動しよう。
良くある小枝などを踏んでバレる、なんてバカな真似はしない。
足元とイノシシの動きに注視して、慎重に移動する。
横に3mほど移動すると、イノシシを弓で狙える位置に着いた。
ここから狙うか。当たってくれよ。
俺は肩にかついでいた弓を手にすると、背中の矢筒から矢を1本抜く。
狙いは一点。イノシシの目だ。…イノシシの目って小さいよな。
いや、ここは父を的にして鍛錬した日々を思い出せ。
一発で射抜く。
俺は矢を引き絞り、イノシシの目に狙いを定める。
同時に呼吸を止め、手ぶれを少しでも止める。
そして、手を放す。
「プギャァアアアア!」
俺の放った矢は、精確にイノシシの左目に突き刺さった。
誤算だったのは、痛みで暴れ回るイノシシが司馬懿さんに突進したことだ。
「逃げろ!」
咄嗟に叫ぶが、司馬懿さんは恐怖で動けない。
俺は弓を担ぐと駆ける。
恐怖で動けない司馬懿さんを抱き上げると、イノシシの突進をかわす。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとう」
いや、俺のせいですから。
木陰に司馬懿さんを降ろすと、痛みで暴れ回るイノシシへと歩いて行く。
さっきは突発的に動いたみたいだが、今は地面に倒れてのたうち回っている。
俺はのたうち回るイノシシの頭に『青紅倚天(セイコウキテン)』を突き刺し、止めを刺した。
さて、司馬懿さんは大丈夫かな。
振り返ると、司馬懿さんが立っていた。
おぉっ、ビックリした。声をかけてくれ。
「ありがとう…ございます」
「いや、俺が悪かったよ。俺が弓を射たせいで、イノシシが暴れたから」
「それでも、助けてくれ…ました」
さすがに、俺のせいで死なれたら寝覚めが悪すぎる。
俺はイノシシから矢を引き抜くと、解体作業に移る。
『倚天(キテン』を上向きにすると、腹を開いて内臓を取り出していく。
解体の仕方は母仕込みだ。
母は習うより慣れろ方式だからな。
「司馬懿さんは、ここで何を?」
「特に何も。ただ、ボーッとしていただけ…です」
敬語がヘタだな。
「敬語は別にいいよ。お互い、子どもなんだし」
「…うん」
司馬懿さんは少々顔を赤くし、俯きながらも頷いた。
イノシシの解体を手早く済ませると、司馬懿さんと共に母たちの元に戻ることにした。
母たちの元に戻ると、司馬懿さんと一緒に戻って来た俺たちを見て、母はニヤリと笑みを浮かべた。
いや、そういうことではないぞ。
そして、司馬防さんはわずかに驚いた顔をした後、目を細めて妖しい笑みを浮かべた。
ひいっ!あの目は、あまり良くないことを考えてるに違いない!
こう考えているに違いない!
「あら、このまま進めば親娘丼になるのかしら。それはそれで、楽しみね」
とか、思っているんだ!
……俺の願望と妄想が大部分を占めていることは否定しない。
でも、アリだとは思わないか?
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