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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第487話】

 
前書き
お待たせ( ´艸`)

続きをどうぞ(^o^)/ 

 
 目映い閃光の中から現れたヒルトの機体【イザナギ】。

 装甲の色も工業的な灰色ではなく、村雲や弐式の様な漆黒に覆われていた。

 一次移行を終えたと同時に分子結合殻に覆われた証拠だ、だがこれまでの分子結合殻ではなく二次移行を終えた村雲・弐式のナノマシン型のタイプ。

 ハイパーセンサーに表示された説明を軽く流し読みしているとさっき聴こえてきた声が俺に語りかけてきた。


『マスター、Nice to meet youなのですよー( ^ _ ^)∠☆PAN! 僕の名前は、イザナギなのですよぉ~(≧ω≦)b よろしくなのですよ♪( ^_^)人(^_^ )』

「………………」


 なんと言うか、ハイパーセンサーに表示される顔文字の無駄さに若干呆れ返っていると怒った様な口調でイザナギは応えた。


『むぅ、呆れ返ってると……ナギちゃんおこになっちゃいますよ~(`ε´) プンプンなのです!(*`θ´*)』

『わ、悪い。 何だか今までのコアと全然違ってるからな』


 軽く謝ると、声色がさっきとうって変わって元に戻った。


『当たり前なのです! 僕は僕なのですから、他の子と違って当たり前なのですよぉ( ̄^ ̄)b』


 こんな感じにドヤ顔の顔文字がハイパーセンサーに表示される――細かい事を気にしても仕方ないと思い、俺はあるがままの彼女を受け入れる事にした。


『それはさておき、マスター。 一次移行を終えたので僕の武装全部使えるですよぉ( ´艸`)』


 そう言って武装欄を表示するイザナギ、其所には強制使用許諾で使ったギガント・マグナム――否、気づけばギガント・マグナムの名前が【ギガンティック・マグナム】へと変わっていた、しかも形状も変化していて、指先はまるでそこから粒子ビームを発射出来るような構造へと変更されていた。

 同様に北落師門も【北落師門・真打ち】へと名前が変更されていて、北落師門の項目を見ると特殊能力にバリア無効化攻撃が備わっていた。


『フッフッフッ( ̄ー+ ̄) 僕の力を持ってすればお茶の子さいさいなのですよ!(b^ー゜)』


 何をもってお茶の子さいさいなのかはわからない、だが……。


「……今はあの紅い機体を沈めるのが最優先だな」


 俺の視線の先には既に立ち上がっていた紅い機体が居た、両腕のブレードからは雄々しく光の刃を輝かせていた。

 ――と、ここで今まで黙っていた一夏は叫ぶ。


「ヒルトが……俺の言葉を否定しても! 俺は! 俺は人間なんだ! ヒーロー何て崇高なものなんかじゃねぇが! 第一回モンド・グロッソ優勝者、織斑千冬の弟で白式の操縦者! 織斑一夏なんだ!! 箒ぃぃぃぃっ!!」


 何を思ったのか、篠ノ之の名前を叫んだ一夏、それに応える様に立ち上がった篠ノ之は――。


「任せろぉぉっ! 一夏ぁぁぁぁぁっ!!」


 一夏の声に応え、全身の展開装甲が開くと金色の粒子を背部から放出させて一気に紅い機体へと間合いを詰めた。


「もらったぞ! 有坂の攻撃でお前のシールドエネルギーは尽きている筈だ!!」


 空裂を振り抜く篠ノ之――。


『ズルいのですよぉ!(`ヘ´) マスターが頑張ってダメージを与えたのを横取りするなんて!(`ε´) 激おこなのです!(`o´)』


 当然といわんばかりの抗議をするイザナギのコア――だが。


『――――――』

「……! 何だとッ!?」


 胴抜き居合いによる一閃、それを三枚刃で軽々と受け止めるとモノアイが怪しく光を放つ。

 次の瞬間、紅い機体は篠ノ之を払いのけた。


「あぐ……っ!!」

「箒ッ!? ……テメェェエエッ!!!!」


 払いのけられ、尻餅をついた篠ノ之を見て激昂する一夏は真っ直ぐ相手に向かって突き進む。

 雪片を構え、手前でジャンプ、そのままの勢いで袈裟斬りを仕掛けるのだが紅い機体は半身をずらしてその一撃を避け、雪片の刃はアリーナ地表に突き刺さった。

 雪片を抜き取る一瞬の隙をついた紅い機体は、手で押し退ける様に一夏を突き飛ばした。


『……あの二人、とても残念な気がするのですよぉ( ´ω`)』


 対して相手にすらされなかった一夏と篠ノ之の二人を見てそう呟いたイザナギのコア、だが俺にはあの紅い機体が二人を【攻撃する気】がなかった様に思えた。

 一夏を突き飛ばした紅い機体は直ぐ様俺を捉えると瞬時加速で間合いを詰めてきた、俺は咄嗟に空中へと急上昇するとそれを見た紅い機体も同様に急上昇した。


『あわわわわっ!(・ω・;)(;・ω・) 此方に狙いを定めてるのですよぉ、マスター!(T△T)』

『慌てるな! てか狙ってきてるのは百も承知だ! 迎撃するぞ!!』


 左肩に備わった巨大なクローを射出、紅い機体へと突き進むとクローが左右に開き、中から小型の砲口が姿を表し、粒子ビームを撃ち出した。


『――――!?』


 ワイヤーで繋がったクローは、複数のプログラムに従って自動で全方位攻撃を行う、時にはクローに粒子を帯びさせて近接攻撃を仕掛けたり、先程の様に遠距離攻撃を行ったりと相手の注意を逸らせる様に動き回った。

 注意がクローに向いている間に俺は右肩に備わったランチャーを構える――今回のイザナギにはセンサー・リンク機能がついてるらしく、直ぐ様紅い機体をロックした。

 振り向く紅い機体――その隙を逃さないようにクローは紅い機体の装甲を切り刻む、そして離脱した一瞬――ランチャーの砲口が光を放ち、放たれた粒子砲が残光を残しながら突き進んだ――そして、着弾と同時に激しく爆ぜ、爆発に呑まれていった。


『やったのですよぉ!(^_^)v マスター、大勝利なのです!v(^_^)v』

「……いや、まだだな……」


 コアの言葉を否定する俺、爆煙が晴れ、ぼろぼろになってはいるもののまだまだ稼働が可能な状態の紅い機体が姿を現す。


『……しつこいのですよぉ、マスター! ここは必殺技の出番なのですよ!!o(`へ')○☆パンチ!』


 唐突な必殺技宣言をするコアだが、幾ら項目を見てもそんなのが登録されてる筈もなく――。


『マスター! 必殺技! 必殺技! 僕は必殺技を見たいのですよぉ! 動きを止めるので、必殺技で倒すのですよぉ!(`へ')』


 有無を云わさずに胸部からコア・クリスタルが露出――そこからウェーブ状の粒子が相手に向かって突き進み、それが当たると紅い機体の周囲をエネルギー状の球体が包み込んだ。

 ぼろぼろの紅い機体は身動きが取れず、モノアイで此方を睨み付けるだけで精一杯の様に思えた。

 考えていても仕方なく、特に必殺技等ないのだが学園を襲ってきた機体の一機――それも明らかに隊長機らしき機体を排除できるチャンスに、俺は地表に突き刺さったままのカリバーンを手にし、強制使用許諾を使用して長大な大剣を構えた――その時、異変が起きる。

 粒子力場による拘束の中、紅い機体は発光――周囲に膨大なエネルギーを開放――放出した。

 質量を持ったエネルギーにより粒子力場を強制解除、更にそのエネルギーが【真っ直ぐ俺だけ】に対して襲いかかる。

 刹那、イザナギの腕部装甲の一部が可変展開し、装甲が開くとハニカム状に構築されたエネルギー状のシールドが形成され、防ぐ。

 エネルギー粒子がハニカム状のシールドに当たるや、視界を覆う程目映い閃光に包まれた。

 ハイパーセンサーには紅い機体から発する異常なエネルギーによる警告表示と共に警告音がけたたましく鳴り響く。


『おろおろ(・ω・;)(;・ω・) な、何かスッゴく危なそうなのですよぉ(ToT)』


 そんなイザナギのコアの声が聞こえる中、目映い閃光は晴れ、異常なエネルギー放出を行っていた紅い機体が姿を現す――先程とはうって変わり、シャープかつ先鋭的な装甲に周囲に浮かぶ球状のビット、背部スラスターユニットは大型化され、腕部に備わった三枚刃も五枚刃へと変貌していた。

 ――考えたくはないが、多分強制的に【第二形態】に移行したのだろう、七月の銀の福音が一瞬脳裏を過った。

 ふと視界に打鉄の砕かれた破片が目に映る、コアのある部分が無事なのは未だに幸いと言えるが、彼処まで無惨に破壊された姿を見ると自分の不甲斐なさに苛立ちを覚える。

 ――と、ここで簪が唐突に俺を呼び止めた。


「ま、待って……!」

「簪……何だ?」


 正直、いつ此方に襲い掛かるかわからない状況での呼び止めは危険でしかなかったのだが、簪の眼差しを見て注意は紅い機体に向けたまま俺は簪に耳を傾ける――と、ここで突き飛ばされた一夏と篠ノ之の二人が果敢にも紅い機体に攻め込んだ。


「棒立ちで隙だらけだぞ!! 姿形が変わろうと、紅椿の敵ではないという事を思い知らせてやる!!」

「俺だってまだまだやれる!! ウォォオオオッ!!」


 雪片による刺突を避け、空裂と雨月による交差攻撃をまるでその場で踊るように避けた紅い機体、だがやはり攻撃の意思は無いのかただただ回避しかしなかった。

 二人が注意を引いてる合間に簪が言葉を続ける。


「ヒルト、くん……行かない、で……。 新し、いISでも、あの紅い機体に対して、勝てない……かもしれないよ……。 飯山さんだって、苦戦して……ISだって限界が来てる……!」


 言って指差す先に居た未来はいつの間にか劣勢へと追いやられていた。

 息も徐々に荒ぎ、必死に空気を取り込もうと喘ぐ様な様子も見受けられる。

 そんな様子に、俺はいても立ってもいられず飛び立とうとするのだが簪は腕を掴むとこう俺に言った。


「ヒルトくん……! 死ぬのが……死ぬのが、怖く、ないの……?」


 ――死ぬのが怖くない?

 その言葉に以前襲撃を受けた時の事がフラッシュバックされた。

 恐怖心が急激に沸いてくる、だが――無理やり俺はかぶりを振ると簪に答えた。


「……怖くないと言えば嘘になる」

「だったら……どうして……戦うの……?」


 その言葉を聞き、俺は無意識に簪に言葉を紡いだ。


「……戦うのに理由はないさ、本来なら大人が対処しなければならない事態だが、今動けるのが俺達IS操縦者だけ。 ――逃げるのは簡単だが、逃げても事態は何も解決しないどころか、下手したら無関係な人にまで危害が及ぶかもしれない」

「………………」


 俺の言葉に簪はただただ黙って聞いていた、その間も戦いは続き、重症の楯無さんは苦しそうに喘いでいる。


「今逃げないのは、俺達を助けに来てくれた理央達の想いにイザナギを俺に託した母さんの想い、そして――」


 打鉄を見る、俺を生かす為に身代わりとなった雅の想いに応える為。


「――学園の窮地にさ、在籍してる俺が逃げ出す訳にはいかないだろ? 怖いけどさ、肝心な時に逃げ出す事は俺には出来ないんだよ、これがな」

「ヒルトくん……」

「簪……勇気を振り絞るのは容易な事じゃない。 ――けどさ、もし振り絞れたその時は……力を貸してくれ、学園を守るために、大切な人達を守るためにさ!」


 そう言って俺は空中へと飛び出し、苦戦している未来の元へと向かっていった。 
 

 
後書き
一夏と箒が役に立ってる(?)様な( ´―`)

とりあえず今後どうなるやら( ´艸`) 
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