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one sided-game

作者:女王蜂
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episode-0 Memory



2087年、地球温暖化は進行し続けていた。

夏になれば各所30度を常に超え、北極・南極の氷は全体の40%が溶けてしまい海の水位は上昇、沈没する島が相次いだ。

そんな中、技術の進歩により遠くの惑星まで行けるようになった人類は【氷鉱石】と名付けられた鉱石を発見する。
その鉱石は、冷気に包まれた惑星で発見された冷気を放つ鉱石だった。
人類はそこでひとつ考えた、この鉱石の冷気をうまく利用して、地球温暖化をどうにか止められないか、と。
そして人類はそれをすぐに実行に移した。
しかし、そこには誤算が存在した。
その鉱石はわずか10kgでマイナス273度の冷気を放っていた。
そんなものを地球に投入すれば起こるのは惨劇であるが…、このとき地球に導入されたのはなんと100kgだった。
そしてもうひとつ、【氷鉱石】を運ぶ宇宙船が100kgもの氷鉱石の冷気に耐えられず凍結、そのまま地球へ向かって墜落した。
ものすごい量の冷気を放つその鉱石は、墜落と同時に地球のあらゆるところへ散らばった。

この事件は後に “アース凍結事変” と呼ばれることとなる事件である。

それから地球は長い凍結期を迎え、天皇は急死しねん号は “凍安(トウアン)” に変わった。


そしてこの事件により、人類の天敵が暗い闇より目を覚ました。

鼓膜が破れそうなほど大きく響く咆哮

歩く度に地が揺れ

その血走った瞳は獲物を常に探している。

私たち人間はそれを【巨大なモノ】と呼んだ。
動くのだから動物でも良かったのだが、それは動物と呼ぶにはどこか相応しくないと感じた人びとは、それをモノと呼ぶことにしたのだ。
それが一体何なのか、私たちにはわからないけれどひとつだけ言えることは、それが私たちを喰らわんとする天敵であるということである。
人口爆発とまで呼ばれていた地球の人口は、この巨大なモノのせいで半分まで数を減らしてしまった。

天敵であるそれに対処する為、世界各所で“第2政府特殊処刑組織CHIMAIRA”を設立する。

生物が進化するなら、人間も進化する。

世界は表面上だけ平和に覆われている。
その裏側では多くの血と肉が舞っている。

私たちが “巨大なモノ” に立ち向かうための能力は、しっかり存在していた。
人類はいつからかある能力を手に入れていた、それは…。

感傷やトラウマ、コンプレックスを武器にする具現化の能力。

世界は人の心の傷によって救われている。

今こそ、君の心の傷で世界を救うのだ。
そう、他の誰でもない君が。




空を見たんだ。
それは人工物に囲まれ、少しの隙間から見える灰色の空。
青色の空、いつから見ていないのだろうか?
ずっと雪。
雪が積もっては溶け、積もっては溶け。
繰り返す、繰り返す。
人生のように同じことを繰り返している。

「ぼくが、君に青い空を見せてあげるからね。」

それは小さな約束だった。
小さな約束は世界を壊そうとしていた。
それはほんとに小さな心の傷ですか?
その傷はもしかしたら世界を滅ぼすかもしれない大きな傷かもしれないですよ?
何が始まりかなんて、誰にもわかりはしないけれど。
誰が悪いか、なんてそんなもの決めたってその業が消えるわけがないのだけれど。
人間は愚行を重ねる、どす黒くなるほど愚行を重ねる。
きっとそう、ずっと、そうなのだ。

だからこそ、そこに居たのは私じゃなくても良かったのかもしれない。
君でも、良かったのかもしれない。

そんな歪んだコンプレックスや感傷、トラウマを持った人々が主役となる物語である。
誰だって考えたはず、自分が主役の物語を。 
 

 
後書き
厨ニ病全開の小説です。
なにせ中学の頃に書いた小説のリメイクなものですからw
よろしければ続きも読んでいただけると嬉しいです。 
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