IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第484話】
前書き
待たせた
ではでは続きをどぞ(^_^)/
地上へと叩き付けられた俺、咄嗟に頭を庇うが折れた左腕に激しい痛みが襲う。
「が……は……ッ!」
痛みが全身を駆け抜け、視界がぼやける。
ぼやけた視界の向こう――両断されたISの塊が倒れていた。
俺がさっきまで乗っていた打鉄――雅のコアが搭載された機体だ、機体は完全に両断されていて、二度と動くことのない事実が非情にも俺に突き付けられた。
「みや、……び……」
涙が頬を伝う、泣いてる場合じゃない……だが、それでも、俺は雅を失ったという事実が俺に喪失感を与えた。
『――――――』
「……ッ……!」
紅い機体は両断した打鉄をまるで勝ち誇った勝者の様に見下していた。
そして、モノアイが俺を捉えると怪しく光る――粒子展開されたパイルバンカー《ジャガーノート》を構えると、見せつける様に両断された打鉄に対して何度も何度も打ち付ける。
「……お、まえ……ッ!」
『――――――』
轟く轟音、破砕されていく打鉄――そして、コアのある部分にジャガーノートを当てたその時、爆発音が再度轟き、反対側のゲートから飛び出す三機の機影。
一機は襲撃者で、その両手には一夏と篠ノ之の頭をがっしり掴んだまま現れた。
「くっ……二人を盾代わりにされてたら……!」
「チャンスを待つのよ、未来ちゃん!」
二人のそんな会話が聞こえる、そして――襲撃者は盾代わりにする事なく、俺の両隣に一夏と篠ノ之の二人を投げ捨ててきた。
意識はないが、まだ二人は生きていた、機体も破損はしているが、少なくとも俺の機体よりかはまだ稼働はするだろう。
「……!? ヒルトっ!?」
「ヒルトくん! ……あ、簪ちゃんッ!?」
楯無さんの声に反応し、力なく視線を向けると其処には涙を流し、膝から崩れ落ちている簪がいた。
『――――――』
襲撃者二機各々が、力なく倒れている俺と一夏の頭部を掴む、紅蓮の機体だけはまるでそれを見て喜んでいる様に見えた。
そして、俺は痛みのせいもあってか意識が闇の底へと落ちていった。
力なく垂れたヒルトの腕、意識のないヒルトの頭を、そのまま握り潰そうとしているように簪の目には見えてしまった。
「や……め、て……」
簪の涙は止まらない、善戦して襲撃者を追い込んだものの、ヒルトがやられたのを皮切りに、心を折られてしまった。
そして、また居もしないヒーローに助けを求めてる自分が居た――ヒーローが居ない事実に、改めて絶望に叩き落とされる簪。
「更識さん! 立って! 泣いても事態は解決しないんだからッ!!」
未来の叫びがアリーナに木霊した――未来自身、ヒルトの倒れている姿を見て平気ではいられなかった、だがそれでも涙は流さない――泣いても事態は解決しないという事を知っているからだ。
だが、簪は未来ほどメンタルが強い訳じゃない、前向きに考えようと思っていても、後ろ向きの自分の心がいつも邪魔をする。
戦意喪失した簪に狙いを定めたのか、紅い機体はジャガーノートをその場に捨て、両腕の可変ブレードの三枚刃を大きく開いた。
「簪ちゃんッ!!」
楯無の声が届かないほど虚ろな眼差しがただただ地面へと向けられていた。
頭を掴まれ、痛みで意識が戻った俺は小さく呟く。
「か、ん……ざし……」
声を振り絞るも、思ってた以上に声が出なかった――その間も紅い機体は簪へと近付き、刃を掲げた。
そして、その凶刃が襲ったその瞬間、合間に滑り込む様に庇った者がいた。
「……!! 楯無さんッ!?」
未来の言葉に、目を見開く俺――がっしりと頭を掴まれ、視界は襲撃者の巨大な手のひらしか見えない。
痛みが全身を駆け回る、痛がってる場合じゃない――楯無さんの身に何かあったんだ、嫌な予感しか過らなかった。
「おねえ……ちゃん……?」
虚ろな眼差しに光が戻る、庇うように自分わ抱き締めて凶刃から守ってくれたのは自身の姉、更識楯無だった。
傷口は深くないものの、切り傷から流れ出る血は未だに止まらなかった。
「簪、ちゃん……無事?」
にこっと笑う楯無に、簪は何度も何度も頷く、涙がアリーナの土を濡らしていく。
「……よかった。 ……また、ヒルトくんに……怒られちゃう、かな……」
「お姉ちゃん! 何で……」
何で自分を庇ったのかわからなかった。
だが、向けられた眼差しは妹を想う優しい姉の眼差しだった。
「あは……、何でって……たった二人だけの……姉妹、よ……? 助けるのは、当たり前だし……簪ちゃんを助けるのに、理由はいらない……でしょ?」
「おねえ……ちゃ、ん……っ!」
止めどなく溢れ出る簪の涙を拭う楯無――未だアドレナリンが大量に分泌されていて、痛みは緩和しているが未来から見ると酷く出血している様に見えた。
反撃したい――だけど、今反撃したらISを纏ってる人はともかく、ヒルトの命は確実に奪われるのは明白だった。
自身の力の無さを呪い、そして未来は願う。
ヒルトを助ける力が欲しい――と。
未来のそんな願いに、天照は僅かに光を放つ、それはほんの一瞬で同乗者である未来ですら気付かないほどの白亜の光だった――。
簪は姉である楯無の言葉に涙が止まらない、心の中で残っていたわだかまりがまるで雪解け水のように流れ去っていく。
しかし状況は変わらず、まだ何処かでヒーローの存在を求めてる自分が居る――この状況を打破してくれる絶対的ヒーローの存在を。
「……っ、ぐぅ……ぅッ!」
その声に、未来、簪は視線が行く。
折れた左腕も使い、必死に逃れようと――生きようともがくその姿が見えた。
「ぐっ……ぅ、……ォォォオオオッ!!」
『――――――!?』
何処にそんな力があるのだろうか、俺自身わからなかった――雅がやられ、楯無の身に何かあったのが起因なのかもしれなかった。
頭を掴んでいた手を、信じられない力で無理矢理外す。
「……っ、はぁ……はぁ……!」
「ヒルトッ! 無事なの!?」
未来の言葉がヒルトの耳に届く――振り向き、頷くヒルト。
だが、ヒルトを解放し、手空きとなった拳がヒルトを襲おうとしたその時、またアリーナシールドを貫通、落下してきた飛来物体が割って入った。
落下の衝撃波によって、小さく吹き飛ばされるヒルト――未来は咄嗟に庇うように受け止めた。
「ヒルト、大丈夫なの!?」
「み、らい……」
ちょうど自身の胸の谷間に頭が踞る状態のヒルト、未来自身恥ずかしい想いよりもヒルトの安否の方が心配だった、だが――。
「……柔らかいな……おっぱい……」
「……バカ……えっち……」
いつもの様なヒルトの口調に、未来は安堵するも、恥ずかしさの余りに抱くのを止めた。
ヒルトと襲撃者の合間に入った飛来物体――それは未来も一度だけ見た【イザナギ】の姿だった。
『――――――』
間に入った搭乗者の居ないイザナギに攻撃を仕掛ける襲撃者――だがその拳は不可視の障壁によって守られ、拳は全く届かなかった。
「いざ、なぎ……?」
俺は小さく呟き、自身の意識とは関係無くイザナギに歩み寄る。
戦う力を失った俺が無意識に求めた結果かもしれない、雅の敵討ち――楯無さんの敵討ち、そして――今なお戦い続ける、自分を慕ってくれる皆を助ける為に、ヒルトはイザナギへと歩み寄っていく。
だが、それを阻もうと今度は紅い機体がヒルトに迫った、未来は飛び出す――だが間に合わない、向こうの加速力の方が勝っていたからだ。
――構えた刃がヒルトを襲おうとしたその時、ピットから新たに現れた一機の機影が立ちはだかった。
その刃を受け止める量産機【打鉄】に乗った一人の女子生徒――褐色肌に、白を基調としたISスーツを着ていた。
「ヒルト、無事?」
「……セラ?」
凶刃からヒルトを救ったのはセラ・アーカニアンだった。
その直後、紅い機体に対して銃弾の雨が降り注いだ。
「ヒルト! 未来! 生徒会長も皆も死んでないよな!?」
「何処のどいつだぁ? IS学園に喧嘩を売ろうとする馬鹿な奴はよぉッ!?」
力強い声と共に現れたのは栗原理央と宇崎玲、ラファール・リヴァイヴを見に纏った二人の姿だった。
後書き
青鬼が現れた。
_ノ⌒ヽ
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/ ≡≡ |
( r==、ッノ=<|
丿<●> <(●ノイ
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ヽ_ノ\Lノヽ_ノ
ヽヽー―-イノ
/\_二_/\
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(_/| |ヽノ
ではなく、何とあの三人が
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