IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第478話】
前書き
短いっす
タッグマッチトーナメント当日の朝、全校生徒が集められ、開会式が開催されていた。
「それでは、開会の挨拶を更識楯無生徒会長からしていただきます」
虚さんがそう言い、用意されていた司会用のマイクスタンドから一歩下がると楯無さんに対して一礼をした。
それをきっかけに楯無さんはマイクスタンドへと歩み寄る――それはそうと、生徒会メンバーである俺と一夏、のほほんさんも壇上のあまり目立たない所に整列していた。
反対側には教師陣が整列していて、背筋を伸ばして直立で立っている――と、隣ののほほんさんが欠伸をした。
「ふあー……。 ねむねむ……」
表情を見ると、明らかに睡眠不足そうで瞼が今にも落ちてきそうだった。
「のほほんさん、教頭が睨んでる。 とりあえず眠気我慢しようか」
「ういー……くぅ……」
小さく頷くのほほんさん、その反動なのかはわからないがふらふらと左右に揺れる――非常に可愛いのだが、教頭がまたものほほんさんを睨んでいた。
「どうも、皆さん。 本日は専用機持ちのタッグマッチトーナメントです。 生徒の皆さんにとって、この大会を見るだけでも勉強になると思いますのでしっかりと見ていてください」
楯無さんの澄んだ声が響き渡る、マイクを通しても綺麗に聞こえるのだから女性にとっては羨ましいのかもしれない。
そんな楯無さんの後ろ姿を見ていると――。
「まあ、それはそれとして!」
突如そう言い、扇子を取り出すとそれを勢いよく開いた――真ん中には「博徒」の文字が画かれている。
「今日は生徒全員に楽しんでもらうために、生徒会である企画を考えました。 ――名付けて、『優勝ペア予想応援・食券争奪戦』!」
その声に呼応するかのように、整列していた生徒たちの列が一斉に騒ぎ出した――盛り上がるのは良いのだが、鼓膜がどうかなりそうな気がしてしまった。
――と、ここで一夏が突っ込む。
「って、それ賭けじゃないですか!」
そんな一夏の突っ込みに振り向き、クスッと微笑を溢した楯無さん。
「織斑くん、安心しなさい」
「え?」
きょとんとした表情を見せる一夏に、畳み掛ける様な矢継ぎ早な言葉が――。
「根回しは既に終わっているから」
言ってから俺の方へ振り向き、にこっと微笑む楯無さん。
反対側の教師陣を見てみたが、誰も反対などしていなかった。
ただ、織斑先生は頭が痛そうに手で押さえ、山田先生は困ったような表情を浮かべていた。
「それに織斑くん、これは賭けじゃありません。 あくまで応援です。 自分の食券を使ってそのレベルを示すだけです。 そして見事優勝ペアを当てたら配当されるだけです。 ね、有坂副会長♪」
そう言いながらウインクし、同意を求めてくるのだが俺は渇いた笑いしか出てこなかった。
一夏は当たり前の様に抗議する。
「そ、それを賭けって言うんです!」
俺も聞いてはいないが、最近生徒会に出ていない俺や一夏が文句を言っても仕方ないだろう――と。
「ひーくんもおりむーも、最近生徒会に来ないから~。 私たちで多数決取って進めましたぁ。 ……あ、ひーくんは賛成票にいれてあげたからねぇ~」
……のほほんさんの贔屓(?)によってどうやら四対一で成立したのだろう――まあたまの余興位なら構わないとは思うが。
一夏は賭けが行われる事に釈然としない表情だが、決まってる以上無駄な足掻きをしても無意味にしかならないため俺は成り行きを見守る事にした。
「では、対戦表を発表します! 全生徒の皆さん、投影ディスプレイに注目してください!」
明かりが消され、空中投影ディスプレイに対戦表が映し出させる――のだが、組み合わせがランダムらしく、まだ完全に決まっていないようだ。
何処からかドラムロールが聴こえてくる、そして――ドラムロールがなりやむと同時に全ての対戦相手が決まっていた。
第一試合は――。
「む?」
「第一試合、ヒルトと簪ペアかよ」
一夏がそう言うように、表示された第一試合は有坂緋琉人&更識簪ペアvs織斑一夏&篠ノ之箒ペアだった。
「前回のタッグマッチを思い出すな、ヒルト。 ……今度は負けねぇぜ?」
自信があるのか、不敵な笑みを浮かべる一夏に対して俺は既に次の――二回戦で当たるペアを注視していた。
第二試合、有坂美春&有坂美冬ペアvsダリル・ケイシー&フォルテ・サファイアペア。
視線を上級生の二人へと移すと、彼女達も不敵な笑みを浮かべ、俺を見た後直ぐに軽いミーティングをするためかその場を後にした。
……誰が勝つかは時の運とはいうが、はてさて……。
手を挙げて騒ぐ女子生徒の喧騒を聞きながら、俺はこの場に現れていない簪の事が気になっていた。
……とはいえ、ペア同士は同じピットで待機と予め報告は受けているので、そちらに行けば会えるだろう。
連携に不安は残るが、それを気にしても大会当日な為、俺は軽くかぶりを振って払拭させるとその場を離れた。
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