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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第379話】

 
前書き
はてさて、どうなるやら 

 
 事情聴取されること約10分程、俺とシャルに関しては被害者という事で何の音沙汰も無しとなった。

 正直、シャルが罪に問われなくてホッとしている……下手すると、シャルは今回の事で強制帰国させられ、専用機と代表候補生という立場を剥奪、その後終身刑とかにでもなったら……。

 決め手は複数の目撃者で、何人も俺とシャルは絡まれただけの被害者だと証言してくれたからだ。

 正直、凄く有り難いことだ……もちろん、一人一人に頭を下げて俺とシャルは感謝の言葉を伝えた。

 ナンパ男の二人組は、派出所の別室で今も取り調べられているが……多分有罪だろう。

 そして事を大きくした張本人の一夏は今、中年巡査の人に取り調べられている。


「君、何であの男をいきなり殴ったんだ?」

「ですから、友達が殴られそうになっていたから仕方なく――」

「とは言ってもねぇ……。 先に手を出すのは不味いよ。 とりあえず、身元引き受け人に連絡するから、名前は?」

「え……と。 織斑千冬です」


 一夏のその言葉に、中年巡査は目を見開き――。


「お、織斑千冬!? じ、じゃあ、き、君の名前は!?」

「はぁ……織斑一夏ですけど」

「そ、そう。 ちょ、ちょっとそこで待っててね、織斑一夏君」


 愛想笑いをし、携帯を取り出して奥の部屋へと消えていく中年巡査。


「……ヒルト、男なら女を守れよ。 何でなすがままに殴られそうになってんだよ、俺が助けたから良かったものの、下手したら怪我してたぜ?」


 一夏はそういうが、もう先日俺を殴ったことは忘れたのだろうか?

 青アザは昨日で消え、痛みも無くなったとはいえ……うーん。

 ――と、シャルが口を開く。


「……一夏が事をここまで大きくしたんでしょ? 一夏はそういうけど、ヒルトはちゃんと僕を守ってくれたよ……。 というか一夏、いきなり相手を殴るなんて、カッコ悪いよ。 正直がっかりだよ……」


 シャルははっきりとそう一夏に伝える――だが。


「え? 何だって?」


 いつも好調な難聴が、今日も発動し、シャルはため息を吐くと――。



「もういいッ! 一夏に何言っても結局無駄に終わるんだからッ!」


 そう言って派出所を出ていくシャル――近くの柱に凭れると、また盛大なため息が足元にこぼれ落ちていった。


「……何怒ってんだ、シャルの奴……なあ?」

「俺に同意を求めるな」

「何だよ、ヒルトまで怒って……何怒ってんだよ」


 そんな一夏の言葉を無視し、派出所内の時計を見ると十時に差し掛かる辺りだ――と、奥のドアノブが回り、ドアが開くと。


「あー、織斑一夏君? もう帰っていいよ? ごめんね、拘束しちゃって……良かったら飴、食べる?」


 そう言って飴を差し出す中年巡査に、一夏は――。


「いえ、結構です。 それでは失礼します。 ヒルト、行こうぜ?」

「ちょ、ちょ――すみません、巡査部長さん。 ご迷惑おかけしましたー。 失礼します」

「はいはーい。 織斑千冬さんによろしくねー。 お疲れちゃーん」


 気さくにそう言った中年巡査部長に頭を下げて、俺は派出所を後にした。

 一方、派出所内では――。


「あのブリュンヒルデの弟を捕まえたとなっちゃ、俺のクビ所かここの職員全員飛んじゃうって。 ……娘にも怒られちゃうし……はぁ……」


 溜め息が溢れると、別室で事情聴取中の警官と替わろうと、別室へと向かっていった――。

 場所は戻ってレゾナンス駅前、俺とシャル、そして何故か一夏も着いてきて現在モニュメント前に居た。

 ナンパ男達のフランス車がレッカー車で運ばれていくのを横目で見ていると、シャルが――。


「ひ、ヒルト。 助けてくれてありがとう。 僕、凄く嬉しかったよ?」


 ニコッと笑顔でお礼を言うシャルに、少し照れながら俺は頷くが一夏が――。


「え? シャル、助けたのって俺だぜ? ヒルトが殴られそうになってたんだし」

「………………」


 そんな一夏の主張に、シャルは残念そうな視線を一夏に向け、溜め息を吐くと。


「……一夏もありがと」

「おう。 仲間を助けるのは当然だからな」


 物凄いドヤ顔でそう伝える一夏だが、俺もシャルも、事態を大きくした張本人は一夏だと思っているため、同時に溜め息を吐いた。


「……? 二人して溜め息吐いてどうしたんだ?」

「「何でもないよ」」


 見事にシンクロし、言葉がハモる俺とシャル。


「あ、ヒルト。 そういえば鈴、遅いけどどうしたのかな?」

「あ、鈴音なら今日パッケージが届いたらしく、これからトライアルだって俺に言いに来てたよ」

「そ、そうなんだ。 ……じ、じゃあ……デート……だね?」


 少し照れながら言うその姿が可愛く、正直お持ち帰りしたくなった。


「……てか、鈴もヒルトやシャルと出掛ける予定だったのか?」


 一夏の言葉に、俺は頷くと――。


「あぁ、色々な店を知ってるみたいだからな。 それで教えてもらおうって思ってな」


 咄嗟に嘘をつく俺だが、一夏は「ふーん」と言っただけで言葉は続かなかった。

 とりあえず……せっかくの休みだし、気分転換しないとな。

 そう思い、顔を上げて一夏の方へと振り向くと俺は――。


「んじゃ一夏、俺とシャルはこれから買い物だからここでな。 行こうぜ、シャル」

「あ、うん。 じゃあ――」


 シャルがそう言おうとしてるのに、一夏は途中口を挟んで言った。


「何だよ、せっかくここで出会ったんだし。 一緒に行動しようぜ? ほら、皆一緒の方が楽しいじゃん」


 俺もシャルも思わず絶句する――というか空気を読め、一夏。


「……一夏、人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじゃうと良いんだよ?」


 シャルの真っ黒な言葉に、少しびっくりするが一夏は――。


「そうだな。 そんな奴は死んで地獄に落ちないとな」


 なんという事でしょう。

 これ程大きなブーメランは見たことがありません――ていうか空気を読め、一夏。

 そんな俺の思いは虚しく、一夏は着いてくる気満々な様子だった。


 軽くシャルに目線を送り、耳たぶを二回叩くと理解したらしく、プライベート・チャネル回線が開いた。


『シャル、途中で一夏を撒こう』

『……そうだね』


 シャルが短くそう返事をすると、プライベート・チャネル回線が閉じた。


「さて、とりあえず何処から回ろうか……」

「あ、僕先にショッピングモール内に行きたいんだけどいいかな?」


 シャルの提案に断る理由もない俺は――。


「そうだな。 ならショッピングモール回るか。 一夏もそれで良いだろ?」

「ん? おう、構わないぜ」


 とりあえず賛同したという事で、俺達三人はショッピングモールへと歩き出した。

 モール内手前は、レディースショップが右手側に並んでいて、左手側には靴屋やアクセサリーショップ等がちらほらと見えている。

 前からやって来る人混みには、無数のカップルがいて仲睦まじくデートをしてる姿が目に見えた――というか、人が多いからシャルと離ればなれにならないように手を繋ぐのがベストだろうか。

 そう思っていると、一夏が――。


「シャル、迷子になったら大変だからな。 ほら、手繋ぐぞ」


 ……何ですと?

 一夏の言葉に、何か黒い感情が芽生え始めた気がした。

 一方のシャルは――。


「いい。 僕、ヒルトに勘違いされたくないもん」


 そう言って断るシャルの言葉に、内心安堵の溜め息を吐く。

 そんなシャルの返事に一夏は――。


「遠慮するなって。 てかヒルトが何を勘違いするんだよ?」

「や、だから……もうっ! 一夏、断ったんだから良いでしょ!? 僕、迷子にならないもん!」


 怒った表情のまま、ずんずんと進んでいくシャルを慌てて追い掛ける。

 後ろから一夏の呟きが耳に届いてきた。


「シャルの奴、何怒ってんだ? 生理か?」

「………………」


 原因は全部お前だよ、てか生理だとシャルは体調崩しぎみになるからわかるし。

 ……てかデリカシー持てよ一夏。

 そんな心の突っ込みも虚しく、シャルを見逃さないように後を追った――と、突如足を止めたシャルは――。


「僕、あそこに行きたい」


 そう言って指差した先にあった店は、何とランジェリーショップ――女性用下着売り場だった。

 それを見た一夏も流石に顔を赤らめて――。


「え? あ、いや……流石にそれは……なあヒルト?」


 ――と、しどろもどろに答える。

 ホモなのかバイなのか、わからんが……まあ流石に恥ずかしいのだろう。

 勿論、俺もランジェリーショップ何てものには入った事がない。

 流石に男がランジェリーショップに入ると目立つ――とはいえ、彼氏が彼女に誕生日プレゼントを贈ることもあるらしく、今も店内に入っていくカップルが居たりする。

 一夏の恥ずかしがる素振りを見てシャルは俺の手を取ると――。


「じゃあ一夏はここで待っててよ。 僕とヒルトは中に入ってるから」


 そう一夏に伝えるシャル、俯いた一夏が顔を上げて店内を見やると不意に――。


「あれ?」


 そんなすっとんきょうな声をあげるので、俺もその視線を追うと、少し年下っぽい赤い髪をした女の子が縞パンツを物色してる姿が見えた。

 ホモでバイでロリでシスコン?

 果ては熟女までいくのか一夏?

 そんな馬鹿な考えをしつつも、彼女の顔に見覚えがあった。

 とはいっても、話したこと無いからわからないが……あれは確か夏祭、未来と回ってた時に偶然一夏と篠ノ之に会ったときだったかな。

 とはいえ、記憶が曖昧なので俺は一夏に視線を送ると言葉を放つ。


「一夏、いくらなんでも男がランジェリーショップ内を凝視は恥ずかしいぞ?」


 そう言うと、直ぐ様一夏は――。


「そんなんじゃねぇよ。 ……おーい、蘭~!」


 縞パンツを選んでいた子の名前(?)を呼びながらランジェリーショップに入っていく一夏、唖然としつつも俺もシャルに手を引かれ、店内に入るとそこはまさしく異空間だった。

 大人のランジェリーや勝負下着、普通のパンツもそうだがかなり豊富な種類がそこにあった。

 引かれて店内に入ったはいいが……正直、目がチカチカする。

 ――と、一夏に名前を呼ばれた女の子は背筋を伸ばして驚きの表情を浮かべながら……。


「え!? い、一夏さん!?」


 驚きの声を上げつつ、胸の前にあった縞パンツを背中に隠し、彼女は数秒間固まったままだった。 
 

 
後書き
案の定一夏は無罪放免でしたー

原作では事情聴取無いが、普通はあります

因みにあんな優しくないです(経験者

担当の取り調べる人が居なくなったら、他の警官がまず言うこと。


「お前、万引きしただろ?」

或いは――。


「お前、最近自転車パクっただろ? 正直に言えよ」

という

因みにこれらは点数稼ぎです、点数少ない警官も刑事も似たような事をします

そして、返事が敬語じゃない場合、胸ぐらを掴まれたりわからないように蹴ったりします

悪と判断されたら容赦ないです

まあそいつは最近テレビのニュースで証拠隠滅みたいな事して関西のニュースに流れましたが……ザマァwww


こほん、とりあえず警察が優しいのは年寄りやらなんやらだけですな 
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