IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第369話】
前書き
お風呂のお話
――大浴場――
広々とした大浴場に、食事を終えた一年生女子一同が産まれたばかりの姿のまま、背中や髪を洗ったり、湯船に浸かりながらのんびりと寛いでいたりする。
一方、一部の海外からやって来た生徒は、水着を着用しての入浴――その最もな例は彼女だろう。
「~~♪ ~~~~♪」
セシリア・オルコット、イギリスの代表候補生。
湯船に浸かりながら、気持ち良さそうに鼻歌を歌う彼女の背後から忍び寄る黒い影――そして、むにゅぅっ!っと、豊満な乳房を背後から鷲掴みされてしまう。
一瞬、何事が起こったのかと目をぱちくりさせるセシリア――だが、鷲掴みされた胸に刺激が走ると――。
「ひゃあっ!? な、な……!?」
驚きの声に反応して視線がセシリアに集中するが、セシリアはそれ所ではなく、絶え間なくやって来る胸からの刺激に、身を捩らせていた――勿論、こんな事をする犯人は一人しか心当たりが無い、それは――。
「うーん。 セシリアのおっぱい、前とあまり変わらないね?」
「み、美冬さんっ! い、いつも胸を揉むのは――ぁあんっ!!」
犯人は有坂ヒルトの妹、有坂美冬だ。
セシリアにも負けない程の自身の乳房をセシリアに押し付けたまま、甘美な声をあげるセシリアをニヤニヤした表情で見つめて、耳元でいつもの台詞を言う。
「……いいじゃん。 私の手、お兄ちゃんの手だと思えば――私達、双子なんだから……私が揉むのはお兄ちゃんが揉むのと同じ様なものだよ……♪」
こじつけた様な理屈だとは思っても、想い人の妹だと思うと妙な説得力を感じるセシリア。
今なお揉まれている乳房へと視線を移し、この手がヒルトのものだと思うと身体の芯から熱くなり、このまま逆上せるのではと思いつつも快楽には逆らえずにいた。
――と、突如揉まれていた両手の動きが止み、手が離れていく。
軽く安堵の溜め息を吐くセシリアだったが、先程まで感じていた快楽が無くなると、少し残念に思う。
セシリア自身に同性愛というものは無いものの、美冬が言った想い人の手だと思えば快感も数倍感度が上がる。
勿論、本人の手なら想像も出来ないほどの快楽に襲われるだろう――またそう思うと、セシリアは湯船に顔半分浸かると、ぶくぶくと口から空気を吐き、湯船に沫をたてるのだった。
一方、先程までセシリアの乳房を揉んでいた美冬は新たなターゲットへと迫っている――そのターゲットは、セシリアと同様の金髪で、いつもは一纏めした髪を下ろしていた。
その隣には、いつもの銀髪を無造作に下ろして湯船に浸かっている生徒もいた。
「んんッ! やっぱりお風呂って気持ち良いよね、ラウラ?」
「うむ。 これで嫁と一緒なら良いのだが……」
「あ、あはは……さ、流石にヒルトがここに居ると、他の子が洗面桶をヒルトに投げちゃうよ?」
「フッ……その時は夫である私が守るだけの事だ。 夫婦だからな、嫁を守るのが夫としての役目だ」
シャルロット・デュノア、フランスの代表候補生。
そして――ついでにラウラ・ボーデヴィッヒ、ドイツの代表候補生もターゲットに加える。
二人は仲が良く、大浴場でも二人セットで居ることの方が多い。
それ故に、二人纏めて美冬の餌食になる事も多く――美冬の目が怪しく光ると、ゆっくり狙いを定める。
不穏な空気を察知したのか、ラウラが急に後ろを振り向くが、美冬はそれすらも想定していて湯船に浮かんでいた洗面桶を頭に被り、カモフラージュする。
湯気が大浴場全体を覆っていて視界が悪いのも想定済みであり、暫く様子を伺うとラウラは何事もなかったとシャルロットへ伝えると、また談笑に戻った。
その隙を見逃さず、ゆっくりと迫る美冬――さながら、ワニが河辺へ水を飲みに来た黒ウサギと白ウサギを狙う――そんな構図だ――そして。
「シャルーッ! ラウラーッ!」
ザバァッ!と湯船から勢いよく出、二人の乳房を後ろから鷲掴みする美冬に――。
「ワアッ!?」
「むっ!?」
驚きの声と共に表情に表す二人を他所に、水着越しに二人の乳房を先程のセシリアと同様に揉みしだく美冬。
「やんっ……! み、美冬……揉んじゃ……だめぇ……! ひゃんっ……!」
「……っ! んんッ……! んあっ……!」
「へへへっ、お姉ちゃん達、良い胸してますねぇ~♪」
何処かのエロ親父が呟くような台詞を言う美冬だが、二人はそれにツッコミをする余裕はない。
美冬の揉む手付きのイヤらしさが、全身に快感を伝えていく――更にラウラに到っては、先程ヒルトとキスをし、彼の欲望の塊を制服のズボン越しとはいえ撫でていて、身体の芯はずっと熱いままだった。
ヒルトの言っていたまた今度という言葉――いつになるかはわからないが、その日に備えてヒルトを悦ばせようと夜中にこっそり仕方などを勉強しようと思っていたため、更に感度が良く、徐々に普段のラウラとは程遠い『女』の声を上げ始めた。
「み、みふ……やぁんッ! だ、だめ……だよぉ……っ」
親指を口で噛み締め、身悶えるシャル――そして、ラウラは――。
「アン……ッ! ……は……ぁあっ!」
ダメという言葉すら出せずに『女』の声を上げるラウラに、周りの女子も赤面しつつその様子を眺めていた。
セシリアも、さっきまでその視線に晒されていた事を思い出すと湯船に頭まで浸かり、またぶくぶくと空気を吐いていた。
「うーん、シャルはやっぱり前より大きくなったね? 多分今86ぐらいかな? ラウラはあまり変わらないけど……感度が良いよね♪」
美冬の声も、既に快感に支配されかけていた二人の耳には届かなかった。
カラカラカラ……脱衣場の戸が開く音が聞こえ、さりげなくISの一部分を展開してハイパーセンサーで確認する美冬――入ってきたのは、鈴音とそのルームメイトのティナだった。
二人して一糸纏わぬ姿で入ってくるが、胸囲の格差社会があそこにあると思うと鈴音が不憫でならない。
部分展開を解除し、シャルとラウラの乳房を揉む手を止め、解放すると二人して気だるそうに風呂に凭れると、肩で大きく交互に呼吸をした。
そんな二人を他所に、美冬は鈴音とティナの二人を待つが、彼女達二人は滝湯側へと移動した為、残念だと思いつつ新たなターゲットを探し始める。
流石に周りにいた女子は、被害が及ばないように警戒をするものの、美冬の事自体は嫌いではなく、友達として好意を抱いていた。
カラカラと、また脱衣場の戸が開く音が聞こえ、再度部分展開を行うと入ってきた子を確認――何と山田先生と織斑先生の両名だった。
一年生担当の教職員は基本、一年の後に風呂に入ると訊いていたため美冬も他の生徒も驚きの表情を隠せずにいた。
かけ湯を終えた二人は、タオルを頭に乗せて湯船に入ると織斑先生が――。
「む? ボーデヴィッヒ、どうした? デュノアも、二人して逆上せたのか?」
「「…………」」
二人して顔を横に振る――怪訝な表情を一瞬浮かべるも、織斑先生は「そうか」と一言言い、湯船に肩まで浸かった。
「ふぅ……。 いい湯ですね、織斑先生」
「そうだな。 風呂に入ってる時が一番の至福の時間だ」
「そうですね。 今日も一日お疲れ様でした、織斑先生♪」
「うむ。 山田先生もな」
二人して労いの言葉をかけるその背後に回る黒い影――美冬はあろうことか、織斑先生に狙いを絞ってチャンスを伺っていた。
ハラハラとした表情で周りにいる女子は美冬を見つめる――だが、誰も止めようとはしない……何故なら、もしかすると織斑先生の新たな一面を見られるかもという淡い期待な物を抱いていたからだ。
流石のラウラも、呼吸を整えたのか美冬が自身のかつての教官に狙いを定めてるのを見て、ハラハラしつつも止めようとはしなかった。
少しずつ近付く美冬――その距離、僅か三メートル。
IS学園の大浴場の風呂は、下手な銭湯より遥かに多い人数が入れる様になっている――これも、国の税金をふんだんに使った結果だろう。
二メートル背後に接近――ドキドキと高鳴る鼓動を抑え、慎重に機を窺う美冬――ハラハラとした表情で美冬と教師二人を見つめる生徒達――そこへ、またも脱衣場の戸が開く音が聞こえ、教師二人の意識がそちらに向いた一瞬の隙をつき――。
「織斑先生ーッ! バストチェックさせてくださーいッ!」
ザバァッと水飛沫を上げ、織斑先生の胸を鷲掴みしようとする美冬に、山田先生は驚きの表情を浮かべ、周囲の生徒も新たな一面が見られるその一瞬に期待した――だが、それは虚しく織斑先生に阻まれた。
鷲掴みしようとする両手首を掴んだまま、軽く美冬は持ち上げられる――一瞬何が起こったのかすらわからず、目をぱちくりさせる美冬に、織斑先生は――。
「有坂、大浴場で騒ぐな。 ……いいな」
ほんの一瞬発する殺気と、怪しく光った眼に、美冬はこの世のものとは思えないものを見た恐怖の表情を浮かべ、何度も何度も頷く。
「わかれば宜しい。 因みに私のバストサイズは88だ。 これで満足だろう?」
「は、はいぃ……」
「うむ。 では山田先生、次は久しぶりにサウナでも……」
「あ、は、はいっ。 そ、そうですね! では皆さん、少しぐらいならはしゃぐのは良いですが、気をつけてくださいね~」
湯船から立ち上がる山田先生、スタイルの対比では織斑先生が勝っていて思わずその場にいた女性陣は皆羨むほどだった。
一方の山田先生も、胸の無い生徒から一部渇望と嫉妬の入り交じった視線を浴び、多少困惑しつつも先にサウナへと向かった織斑先生の後へと着いていった。
大浴場に訪れた一瞬の静寂――美冬の様子が気になったセシリアが近付き、顔を覗き込む。
「美冬さん? 大丈夫ですか?」
「にょっ!? ……ぅん、大丈夫にょ……」
「え? み、美冬さん……語尾がおかしくありませんか?」
「そんなことないにょ……。 うぅー……っ! 次の機会に、絶対直接バストチェックするんだから……!」
多少語尾がおかしかった美冬だったが、諦めた様子もなく、周りにいた生徒も苦笑交じりで美冬を見ていたが、止めるつもりもなかった。
「……何の騒ぎ?」
そう言ってやって来たのは未来で、先程あった出来事が全くわからず、首を傾げて訊くも、それに気付いたシャルは乾いた笑いでした返事を返せなかった。
「キラリッ☆ みぃちゃん! バストチェック~~!!」
「ヒャアッ!? ちょ、ちょっと美冬!? い、いつも揉まないでって言って――やぁんッ! あんっ!」
未来を見た美冬は、直ぐ様元気を取り戻し、彼女の豊満な乳房を揉みしだいた――また大浴場には活気が溢れ、女子一同の会話など、楽しい声が反響する中、美冬の魔の手にかかる女子も居たとか……。
後書き
キャラ設定に書いてるだけで今まで書かなかったお風呂での出来事を書いてみたφ(..)
多分対して期待出来ない内容かもかも(・_・;)
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