エロゲー世界に神様転生って勝ち組じゃないのか?
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第10話 ドクツ第三帝国 ターン08
――――ドクツ第三帝国、主星ベルリン――――
ニュンベルク大集会場ではレーティア・アドルフの演説が行われていた。
「世界を牛耳っているバカな大国どもを全て打ち滅ぼすのだ!!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!
会場全体から大きな歓声が響く
「ジーク・ハイル! ハイル・アドルフ!
ジーク・ハイル! ハイル・アドルフ!」
「強く蘇った第三帝国軍に加え、
イタリン、日本との三国同盟を得て、
我らが負けることはなくなった!!
今こそ列強を打ち倒して……
我らの理想の世界を造り上げるのだ!!」
「ジーク・ハイル!! ハイル・アドルフ!!
ジーク・ハイル!! ハイル・アドルフ!!」
…………
……………………
…………………………………………
演説を終えた後、大会場控室で伸びをするレーティアに
宣伝相グルシア・ゲッベルスが労いの声をかける。
「おつかれさまー。今日の演説も素敵だったわよ♪」
ファッションに立ち振る舞い
ダサくて誰一人見向きもしなかった彼女を見出し、
現在の地位まで育て上げた敏腕プロデューサー。
獲得したファン人数は1億人を超えて、
ゲームが違えばプロデューサーランクはSSS。
アイドルマスターと呼ばれるであろう逸材だ。
だれかグルシア・ゲッベルスがPのアイマスSSとか書いて欲しい。
「結局、言ってる内容は変わらないのに
服装とか話かたとか……人間ってめんどくさいなぁ」
レーティアはアドルフ教の信者が聞いたら憤慨しそうな発言を呟く。
「それにしても大丈夫なの? 三国同盟は?
日本みたいなアジアの小国と結んでメリットなんてあるの?」
「そんなには期待してないよ。
最終的には世界征服の為に切り捨てる国だし……
日本はドクツがエイリスとソビエトを征服するまでの足止めだな」
「アジア・オセアニア星海域でガメリカと争って……
んーー、1、2年保ってくれればいいかな」
「そんなに保つの?」
「大敗戦の後に早期に軍を立て直し中帝国を滅ぼしたのも事実だ。
それにあのロンメルが珍しく褒める後輩が軍のトップにいるそうだ」
「軍のトップに? 噂に聞く海軍長官ツヨシ・トーゴ―のこと?」
「いや陸海の長官に次ぐ軍権の第三位にいるアキ・フシミという人物だ
ドクツ海軍大学校に留学中に彼が書いた論文を
いくつか読んだが軍人に似つかわしくないほど視野が広い。
兵器論、技術論、戦術論に終わらず経済、政治も含めた戦略が描ける相手だ」
「なるほど。会ったことない相手に対して珍しいくらいの高評価ね」
「論文は演説と違って内容以外の誤魔化しが利かないからな。
相手の知性がそのまま形になる。
もし在独中に出会っていれば第三帝国に引き抜いてただろう。
艦隊を預けるのが無理でも軍需省でも作って省相(大臣)のポストが用意できたな」
「ベタ褒めねー」
「優れた論文ほど心を躍らせる物は多くないからな。
……とはいえ、いくら優秀な人物が一人や二人いたとしても
国家として技術力や戦力といったものが足りてないのは分かっている。
だから手は考えてある」
コンコン……。そのとき部屋の扉がノックされる。
「総統閣下……デーニッツです」
「お、きたな。入ってくれ」
「失礼します。あ、宣伝相もおられたのですか……」
「よく来てくれたならデーニッツ。お前に新しい任務があるんだ」
「……任務ですか? 次はどちらに攻め込まれるですか?」
「デーニッツには……日本に向かって欲しい」
「え、ニホンですか? 日本! ……あの国にはアクマが……アクマがいます。
けどアクマとの戦いなら臨むところです。必ずや総統閣下に勝利を!!」
「戦うんじゃない。日本に出向して日本海軍をサポートするのだ」
「ちょっと待ってレーティア。……デーニッツ、悪魔って何の話?」
「え、出向ですか……? あっ、あの、わたし一人で?
あ、うっ、宣伝相、アクマはフシミという名前で……
同期のアイツは潜水艦の技術を推進してた私に対して
対潜水艦に備えた艦隊陣形や戦術で反論され……お陰で私は……うううっ」
「そうそう、そのフシミからのUボート技術を提供して欲しいと要望があった。
Uボートなら、こちらに影響が無い程度の兵器技術の提供が可能だ。
潜水艦指揮官もいないそうだから技術および艦隊運用の指導ができる将校を派遣して欲しいそうだ。
期限は1年から2年を考えているUボート艦隊の指揮官として日本に向かってくれ」
「私が日本に……あのアクマのお陰で閉職に飛ばされて……
せっかく潜水艦の有用性を認めて下さった閣下のお側を離れて……」
「……レーティア、ちょっと問題があるんじゃないの? なんだか犬猿の仲のようだし」
「ん? デーニッツとフシミの論文は両方とも読んだが、
アレはフシミがデーニッツの論文は、まだまだ発展性があると証明したものだろ?
それを理解できず潜水艦は使えないというレッテルを貼った当時の軍部上部が腐ってただけだ」
「あ、閣下もやはり私よりアクマの論文が優れていると……」
「あーーっ! デーニッツ提督!
これは閣下の理想実現のために
あ・な・たにしかお願いできない。極めて重要な任務なのです」
「……私しかできない極めて重要な任務?」
「たしかに閣下はフシミなる人物を評価しております。
ですが、信頼はしておりません。
優秀だが信頼できない人物に協力して
アジア・オセアニア星域でガメリカ・エイリスを牽制しつつ、
日本の動向にもニラミを利かせアクマの手綱を握れる人物……それは……」
「……ゴクリ」
「それがデーニッツ提督。貴女です!!
総統閣下が誰よりも信頼する……
他ならぬ貴女だからこそ、
いえ貴女にしか任せられない“大切な”任務です」
「私が……信頼……大切……」
「総統閣下はアクマよりもデーニッツ提督にご信頼を置かれますよね?
そ・う・で・す・よ・ね?」
「もちろんだとも。デーニッツなら120%信頼できると断言できる」
「ひゃ、120パーセント、あのアクマより、この私に……」
「(フシミには会ったことさえないからな)比べるまでもない」
「んっ……わかりました。不肖ながらエルミー・デーニッツ。
必ずや任務を全うしてみませます」
「うむ。よろしく頼んだぞ。ゲッベルス、手配はお願いする」
「はい、了解しました(なんとか丸く収まったわね)」
…………
……………………
…………………………………………
「派遣艦隊の手配は終えたけど、彼女のあの様子が心配ね
レーティアにはなるべくデーニッツ提督に連絡を取ってもらった方がよいかしら?
あの子が引っ込み思案な彼女が他人を悪魔なんて罵るなんて何があったのかしら?
アキ・フシミ調べる必要があるわね。ロンメル元帥の後輩らしいけど……」
後書き
三国同盟ルートということでドクツ第三帝国は描写が多め
逆にガメリカ共和国やエイリス帝国や他諸国はかなり端折ってます。
エイリス帝国の動きやガメリカ共和国の内部の動き(大統領選挙とかやってます)が気になる方は、
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