エロゲー世界に神様転生って勝ち組じゃないのか?
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第34話 愛国獅子団と平良英知の危険な野望 ターン32
前書き
書きながら何度も過去最大級に自重しろと思ったが止まらなかった……。
――――エイリス首都ロンドン、枢軸国臨時大使館――――
ベトナムの第三艦隊を経由した秘匿量子暗号通信が届く。
東郷毅海軍長官は見事に元寇の騒乱を鎮圧したみたいだ。
第一陣が北京から攻めてきたモンゴル艦隊を撃破し、そのまま逆侵攻して北京星域を奪還。
翌月には第二陣も加わり敵本拠地であるモンゴル星域に侵攻し敵艦隊を全滅させる。
鬼畜王ランス・ハーンは不思議な扉を利用して逃亡、捜索したが行方不明。
頭を失ったコアイ・マラル提督、残された敵国主要人物達が降伏し、
惑星モンゴルを占拠したことで元-ゲン-は滅亡した。
南京モン、ア・バオア重慶の治安も陸軍の働きによって回復し日常を取り戻した。
デーニッツ提督からは僕とゲッペルス宛てにレポートが届いている。
落ち込んでいるアドルフを元気づけたいが、自分やケッテンクラート少佐だけでは
力不足だから早く二人に帰ってきて欲しいと珍しく弱音を吐いている。
惑星ベルリンを挟んで東西にエイリスとソビエトが睨み合っているドクツのことも心配していた。
東郷長官に相談したところ「ボーイフレンドでも紹介したら?」とあしらわれたそうだ。
最近では木刀を持った目つきの悪い提督(田中少将だろう)が周辺をうろつき、
レーティアにちょっかいをかけていると聞いたゲッペルスが歯軋りしている。
杉原うめ外務次官から宇垣さくら外務長官はガメリカから引き揚げたと連絡があった。
日米交渉は失敗、日英の停戦交渉も暗礁に乗り上げており、帰国の日も迫っている……。
損害は第一艦隊が中破、第六艦隊が撃沈されて惑星日本の大修理工場に入渠。
損害としては充分に少ないため大日本帝国海軍の健在を示すために公表している。
何もしていない第七艦隊の平良中将が愛国朝毎新聞の取材に答え、
自分が指揮すれば無傷で勝てたと気炎を吐いたそうだ。
ついに御前会議で帝ちゃんが「愛国獅子団」の解散を勅命として各長官に命じた。
とは言っても原作ゲームのように翌日に即解散となる訳ではない。
とりあえず愛国獅子団の本部は内務省の監査が入り差し押さえられた。第七艦隊は謹慎待機だ。
愛国獅子団はプレミアム会員だけでも250万人を超える国内最大規模の超右翼団体である。
関連団体や友好団体を含めればもっと人数が増えるだろう。
右左の過激派組織というのは何処の国にも大なり小なり存在してる。
愛国獅子団は極度の愛国主義と純血主義が特徴で、
純潔主義以外認めず、外国人を一方的に排除しようとする団体だ。
当然ながら帝ちゃんが推進する「世界日本化計画」に反対する最右翼である。
愛国獅子団は会員に動員をかけ帝都で連日の抗議活動を行っている。
下部組織には「世界日本化計画を糾弾する市民の会」の扇動家、桜藤誠がいる。
彼らによる差別や嫌がらせは大きな社会問題となっている。
更にはエロ伝道師として知られ、多くの愛人がいる
「愛国実現党」の細川隆も「愛国獅子団」と行動を共にして政界進出を狙っている様だ。
同じく『性書』を記したペロリストの生まれ変わりを称し、多くの男娼がいる
「宇宙平和純潔家庭同盟」の阿屁文子にまで声をかけてるんだから同床異夢も良い所だ。
極秘のはず日英米停戦交渉の一部が軍内部から情報が洩れ、
「愛国朝毎新聞」「賭博嘘売放送」「妄想正義通信」などのマスメディアが反発、
「腰の軍刀は竹光か」「勝てる戦争なぜやらぬ」「撃ちてし止まん」「世界征服は浪漫」などと
軍国美談を謳って対外強硬論を煽っている。
極秘交渉の内容の一部が漏れたことは米英でも当然ながら問題になった。
停戦に反対する米英の主戦派がハワイ、ベトナムに艦隊を派遣し力を示すべきだと騒いでいる。
実際に現地指揮官の判断で威力偵察が行われたが第二艦隊と第五艦隊が対処して撃退した。
小澤は迎撃中に交渉のことが頭をよぎり敵艦隊を討ち漏らす。
指揮下の潜水艦隊が撃沈、第五艦隊も中破の損害を受け修理工場に入渠した。
東郷毅もそうだが外交中のFriendly fire(後ろから味方に銃で撃たれること)は遠慮して欲しい。
英米では世界日本化計画について植民地経営と何が違うのかと突っ込まれ、
愛国獅子団の支持者たちが日本以外の星域に慰問・慰安旅行などの名目で押しかけていることが指摘された。
彼らは旅の恥は搔き捨てとばかりにアジア・オセアニア星域で、
バブル期のおっさんのように少女売春ツアーなどを頻繁に行い実際に裁判沙汰にもなっている。
日本星域で禁止されている違法薬物を、
此処は植民地だと言って試したり遊んだり……酷い有様だ。
非犯罪化や医療大麻は理解できるが、愛国大麻はどうかと思うよ?
麻が日本の伝統文化に関係しているのは理解できるが、産業大麻と嗜好大麻は別で考える問題だろう。
「純潔主義は?」って思ったけど避妊すれば血は残らないからOKという考えらしい。
東郷毅長官も嫁さんがガメリカ人じゃなかったら愛国者扱いされたのだろう。
温厚な帝ちゃんが御前会議で多数決を取らずに解散勅命を行ったと聞く。
推進している世界日本化計画を土足で踏み躙り、
戦争を終わらせる停戦交渉に思いっきり泥を投げつけたのだから珍しくキレるのも当然だ。
猫平デモクラシーによって表現および思想の自由が尊重されるようになったが、
今回の件については猫平内閣の閣僚たちも頭を痛めていることだろう……。
愛国獅子団の大幹部であり、軍事指導者でもある
第七艦隊提督の平良英知中将も御前会議の動きは掴んでいたのだろう。
必死に軍令部総長の僕に日本に早く帰国して力を貸して欲しいという連絡を何度か入れてきた。
第三艦隊や軍令部との秘匿量子暗号通信は防諜を恐れて最低限のやり取りしかしていないのに――。
平良中将は気軽にロンドンの大使館までホイホイと情報を送ってくるので困っている。
暗号解読について言及すると「愛国獅子団独自の高度なパープル暗号が解読されるはずがない」とのことだ。
史実の旧日本軍もそう思って英米に解読され筒抜けになっていた暗号を終戦まで使用していたのだろう。
こいつらは僕が帰国するころにまとめて処分することになるだろう。
今や「海軍一の無責任男」と呼ばれている平良中将から送られて来た
愛国獅子団の決起に参加するという血判状のメンバーが凄すぎて噴いた。
まず猫平首相に干されたはずの旧陸海軍過激派将校の面々。
・部下を虐めて自殺させたが無罪放免となったカントン軍の“酷将”花谷(陸軍)元中将。
・前大戦時に参謀に反対された兵站を無視した成吉思汗作戦で、
多くの将兵を餓死に追いやった“無能”牟田口(陸軍)元中将。
・前世界大戦で部下に特攻自爆を命令し自らは敵前逃亡した“最凶”富永(陸軍)元中将。
・富永の手下で特攻自爆を行わなかった戦闘機乗りを監禁する施設を運営していた“蛮人”倉澤(陸軍)元少佐。
・数々のキチガイ宇宙作戦とキチガイ特攻兵器を立案した“狂人”黒島(海軍)元少将。
陸軍の割合が多いのは、そもそも陸軍の方が人数が多いのもあるが、
海軍の腐敗軍人は満州会戦で敵前逃亡をかまして戦死したというのが理由だ。
そして満州会戦後に冷や飯を食った人物は、
・ガメリカ人にコードネーム"BAKA"と呼ばれたラブドール爆弾の発案者で、
満州会戦では敵軍に内通し、中帝国滅亡後は逃亡潜伏している“キ印”大田(海軍)元大尉
・満州会戦前にハニトラに引っかかり重要作戦情報を奪われ続けていたにも関わらず、
責任を問われることを恐れて黙っていたが、軍令部にバレて更迭された福留(海軍)元中将。
・山下陸軍長官から軍制改革の際に明るみになった、
セクハラ行為や部下への責任の擦り付け、強姦の疑いなどの罪の追及を受けて
逃亡潜伏している辻(陸軍)元大佐。
政財界の大物だと、
・旧海軍大佐の帝国議員でガメリカの軍産複合体からワイロを受け取り、
その金でマスゴミと一緒に戦争を煽って、猫平首相に公職追放された“売国奴”源田元議員
・軍閥と結託して軍部を政治に介入させ、政敵の猫平首相を追い落とそうして、
逆に公職追放された“立憲の逆賊”ミキ元首相(元内務長官)
・元軍医で前世界大戦中に集めた様々な人体実験データを
ガメリカの医薬業界に売り財産を築いた“闇の医者”石井博士
・満州事変の絡みで猫平首相に予備役に追いやられた
元陸軍中将“軍事ミステリー評論家”石原キバヤシも加わっている。
・「愛国朝毎新聞」「賭博嘘売放送」「妄想正義通信」の社主や幹部
・「世界日本化計画を糾弾する市民の会」の桜藤誠
・「愛国実現党」の細川隆
・「宇宙平和純潔家庭同盟」の阿屁文子
変わったところでは尻割塾大学を経営し、
政財・法曹・芸能・教育界などに人材を輩出している
「総合学術協会」の犬神彰なんかも加わっている。
上記に愛国獅子団を支持する塔山財閥や各支援団体が加わる。
こいつらは視野狭窄的な国粋主義者だから世界日本化計画に反対するのも分かる。
もしも彼らが叫ぶ愛国維新が成功すれば、
権力の中枢に居座れるし、今より甘い蜜が吸えるという思惑もあるのだろう。
更に反乱戦力の補強の為か
・共有主義団体の「日帝赤軍」「アジア赤化武装戦線」まで加わっているのだから大笑いだ。。
・なぜか過激派宇宙保護団体「宇宙生物解放戦線」まで加わっている。
彼らはスペースパンダやスペースわになどの宇宙動物や
まんぼうやしーらかんすなどの宇宙魚類といった宇宙生物の戦争利用に
“生き物が可哀想”と反対してる愛護団体だ。
ちなみに大日本帝国海軍では魚類艦は採用していないのだが……
そういえば過激派保護団体は宇宙動物園や宇宙水族館の存在も許してないからなー
それとも記憶にないだけで戦闘中に宇宙生物を殺したことがあるのかもしれない。
世界日本化計画に反対する勢力であれば何でも取り込んでいるのだろう。
こいつらは自由主義経済を謳っているが、実際は独裁による計画経済が大好きだ。
「愛国実現党」も「純潔同盟」も反共を掲げていた気もするが、まずは権力第一主義なのだろう。
共有主義という考えも看板さえ挿げ替えれば変えれば魅力的に思えるのかもしれない。
新年初売りとか言いながら、愛国主義教育が生み出した軍人や官僚や政治家、
在野の危険分子の在庫一掃バーゲンセールでもやるのだろうか……。
何が酷いっていうかパロディより史実の方がアレなんだから救われない。
これほどの人材が揃った維新革命というのは宇宙史を通して見ても珍しいだろう。
ここまでの豪華な陣容を揃えてくれた平良提督に拍手を送りたい気分だ。
これだけの規模で集まれば隙をついてマニラ2000くらいは陥落させることができるだろう。
平良中将のダメっぷりを体感していると原作ゲーム通りの反乱など不可能ではと思っていたが……
想像していた以上にできるヤツだったみたいだ。提督スキルの「支援団体」も妙に納得できた。
「……今の帝はまともではない……狂っています!」
第七艦隊の通信設備で大使館に通信を入れてくるのはマジで止めて欲しい。
「そうか。そうか」
「日本を守るということが、どういう事であるか、まったく理解しておられないのだ……」
「そうか。そうか」
「残念だ……非常に残念だ……」
「……そうですね」(言い訳しません。反省してます)
「ふ……くくくっ……」
「とにかく短慮軽率は謹んで、軽挙妄動な決起は避けるように。
僕が帰国するまで平良中将の方で愛国獅子団が暴発しないように抑えて欲しい。
愛国維新を行うにしても“時期”というものがある」
「はっ、伏見総長閣下が戻られるまで準備を進めておきます!」
「それじゃあ、今後は緊急時以外の通信は避けて欲しい。
必要であれば軍令部の遠藤秘書官を通すように」(ブチッ)
「とりあえず秋山総参謀に一報だけ入れとくか→114514あけましておめでとうございますっと」
…………
……………………
「帝の間違いは正さねばならない……日本国の為に……どのような手段を用いても」
「そうだ……今こそ、日本人による、日本人の為の、日本帝国を作るときなのだ!」
「日本国を真に愛するこの私の手で……」
「必ずや、成し遂げて見せようぞ!」
平良英知は暗い野望を胸に秘めて愛国維新の準備を進めるために闇へと消えた。
後書き
愛国獅子団の参加者は原作ゲームには登場しないオリキャラたちです。
この作品は特定の政治団体や思想団体や歴史上の人物を非難批判するものではありません。
一先ず「心が汚れてる人にはエロく見える画像」で検索して心を落ち着かせて下さい。
争いの悲惨さや人間の愚かさみたいなものをパロディで表現しようとしているだけだゾ。
ネタ提供のぶほしさんに感謝。というか二人でチャットしながらメンバーを考えました。
お陰で酷いことになった。ヤバいわ。セーフとアウトの境界が分からなくなってくる。
平良は和平END(早期完結)を許さないという理由で反乱を起こすみたいですね。
もし愛国維新が成功すれば、平良を主人公にしたスピンオフ作品が書かれる予定です。
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