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エロゲー世界に神様転生って勝ち組じゃないのか?

作者:笠福京世
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幕間21 オフランス王女は男の娘アイドルの夢を見るか

 
前書き
いちゃらぶとはまた違う愛のある性交を書いてみたかった。真っ白に燃え尽きました。 

 
――――深夜、ラブホテル「ベルサイユ宮殿」の客室――――

「ん、っ……はぁ、あぁあっ」

勃起した男根の上に跨り、陰部をこすり付ける。すでにシャルロットは濡れていた。

「どうして……もう濡れてるんだい?」

男の娘シャーリー・アキこと伏見空が尋ねる。

「あっ……そ、それは……またアキ様に抱いて頂けると思うと……自然と……」

確かに自分が現役アイドルとセックスできると考えたら、
セックス前に完全勃起してしまっても仕方がないだろう。
そこは男も女も似たようなものか……と伏見空は思う。

今だってオフランスの王女が騎乗位で腰を動かしている……
エロゲー世界に神様転生して来てよかった!

晩餐会でちょっと良い雰囲気になっただけで、これだ。
これだからアイドルはやめられない(意味深)

全裸ではなく乱れたドレス姿のままが更に高ポイントだ。
絹のレースが編み込まれた白のガーターストッキングも欲情を誘う。

シャルロットも憧れのアイドルとの夢の一夜にノリノリだ。

「はぁ、あんっっ……もう朝まで夢を見させて……」

「もちろんだ。今夜は寝かせるつもりはないよ」

すでに女陰は男根を咥えこみシャルロットはゆっくりと腰を振っている。
恥じらいがなくなったわけじゃなく、
恥じらい以上に憧れだった男の娘アイドルを求める感情が強い。

閨のリクエストは一曲や二曲で終わるはずはなかった。

「すっかり淫らなファンになって……
 初めはアイドルにリードされてなすがままだったのに」

最初は男の娘だと知った動揺と性行為に対する羞恥が強かったけど、
今は悦んで男根に奉仕するようになった。

「はぁ、んっ、アキ様、それは言わないで下さい……あぅ♡」

「もう女装姿じゃないけど平気になったの?」

シャーリーはアキに、アキはただの伏見空に戻った。
ただ伏見空という名前は教えていない。
あくまでシャーリーの正体の男性アキ・フシミだ。
あまり深く考えるのは無粋だろう。

「そうだな。も、いいか」

「私のアキ様への憧れは変りません。
 貴方がシャーリー・アキでも、男の娘アイドルでも、素敵な殿方でも……」

「そうなんだ。幻滅されるかと心配してた」

最悪は戸塚軍医“大人の”秘密道具に頼るつもりだったし――。

ふふ、と笑うシャルロット。ようやく自然な笑顔を見せるようになった。
僕との性交渉で強姦による心の傷を癒すことができているのなら嬉しい。

「っく、ちょっと待ってくれないか……いきなり激しすぎないか」

「っ、はぁ、あぁっ……そんなこと……いわないで……
 今夜だけは止めたりできません……」

いくら一夜限りの夢《ワンナイトラブ》とはいっても激しく求め過ぎだ。
このままでは短い曲で終わってしまう。

「もっとゆっくり楽しんでもいいだろ。出してしまうぞ、っ」

また、シャルロットが笑った。笑顔が多くて良いことだと純粋に思える。

「こらっ! 人の話、聞いて――」

喘ぎ声をあげながら腰を振るうシャルロット。
相づちや表情に変化があるから僕の話はもちろん聞いているだろう。

けど今のシャルロットは聞いておきながらこういうことしてくる。
アイドルとの逢瀬を楽しむ、ひとりの女性ファンだ。

「はぁ、はぁっ。ゆっくりなんて、できませんわ……」

大人しいと思っていたけど夜のオフランス淑女は大胆に化ける。

「それにしたって、もっと加減ってものが……!」

ああ、やばい。出る、出してしまう。
ファンに夢を与えるアイドルが、ファンより先に果ててしまう。
握っていた手を離し、自ら胸を愛撫して淫らに腰を振るう
シャルロットもイキそうなているが……果たしてどちらが先か。

ゲッベルスPに馬鹿にされると思ってなんとなく癪に障る。
アイドルとしての意地もあるので、ぐっと我慢するが……。

「も、もうやばい……シャルロット、出そうだ」

「そう、っ。いいわよ、出しても……
 私アキ様だったら赤ちゃんができちゃっても平気……♡」

そう。紳士淑女の嗜みデキナールによる避妊はしていない。
一夜限りの夢の証が、結晶として残るのかは未知数だ。
ただのセックスではなく、子作りを孕んだセックスだということが……
アイドルとファン、二人のイケナイ関係をさらに燃え上がらせている。

「できたら、ちゃんと教えろよ……っ!」

満州映画協会のシャーリー・アキ宛てにはなるが連絡先は教えてある。
シャルロットがイけるように僕も動きを合わせる。
すると、より一層の大きな声で喘いだ。

「はぁんんっっ! あぁ、だめぇええっっ」

「っくううぅうううぅっっ!!」

――どびゅるううっっ、びゅっ、びゅくううっ!

射精により精子が避妊のなされてない膣内に吐き出される。
シャルロットもイってるように見えるが、本当は分からない。
アイドルになってからは男も女も随分と演技派だと分かったからだ。

「はぁ、あぁ……ふふ、アキ様……同時にイケたの。嬉しい♡」

けどシャルロットが口に出した言葉を本心ではないと疑うほどスレてはいない。

「焦りすぎだよ……まだまだ夜は長い」

シャルロットの気持ちも分かる。
明日にはエイリス帝国の艦隊がパリ星域に到着するという。
そうなればシャルロットとはお別れだ。

転生者に過ぎない僕でも大日本帝国への郷土愛はある。
前世も日本人だったが、大日本帝国と日本を同じと言ったら殺されるだろう。
せっかく惑星マダガスカルから占領から解放された惑星パリに戻って来たんだ。

ロンドンに連れて行って一緒に日本まで来て欲しいなんて言えない。
特命全権大使としての安全保証は100%ではないし、
なにより結婚を申し込むとかならともかく
セックスフレンドの一人として連れて帰るなんて相手に失礼だろう。

暫く余韻に浸って互いに動かない。
次の選曲(プレイスタイル)を考えながらも、
次は何曲目(プレイ回数)かなんて考えないことした。

「そんなに、イきたいなら、何度でもイカせてやる……っ!」

ロンドンの外交会議で日英米の講和が実現すれば、
第二次世界大戦は事実上の終結だ。
冷戦構造といえるような戦争状態に陥るかもしれないが……
ひとまずは戦火も落ち着いたと考えるべきあろう。

そうなれば婚約者の山下利古里と結婚し家庭を持つつもりだ。
夜の机上演習には励んだが、やぱり実践(子作り)もしたい。
福原いずみちゃんも利古里ちゃんとの初夜が終われば本番解禁だ。

そんな状態でオフランスに子供が生まれたら大変だろう。
利古里の性格から状況によっては離婚もありえるかもしれない。
ただ生まれたら生まれたなりの責任は取るつもりだ。
山下家には土下座、腹切り、寿司、天ぷら、どんな謝罪でもするつもりだ。

「はぁあっっ! だ、だめえぇっ、今、イッたばかりだからぁ」

「そりゃあ僕だって同じだ。男だって出したばかりは辛いんだぞ!
 子種だってありったけくれてやるさ!」

僕の方から腰を突き上げただけが、シャルロットもそれに合わせてくれた。
二人で、二人の意志で交わる。したいように、したいことをする。

プレイボーイのオフランス人は、
遊戯のセックスと愛情のセックスを区別して考える。
愛のある性交をラポールセックスという。

ラポールを日本語に訳せば「心が通い合っている」という意味になるだ。
ベルサイユ宮殿に朝が訪れたとしても、
互いに倒れるまで子作りセックスを続けるだろう。
それくらい僕らは互いを求めていた。

「はぁ、はぁっ……でも歌い続けるのは流石に疲れるな」

息を荒げる伏見を愛しそうに見つめるシャルロット。
その目には欲情とは違う慈愛が宿っていた。

「ふふ……っ、今のアキ様、とても可愛い顔してましたわ」

「お互い様だよ。シャルロットもとろけまくって
 はしたなくらい、いやらしい顔してるよ」

いつもの伏見なら可愛いと言われれば負の感情を頂くはずだがそんなこともない。
二人はお互いだけが知るヒミツを打ち明けあった関係だからだ。

ちょっとした一言、二言を交わすだけで、
伝えたかったことが十分に理解されているように感じる。

この時間が愛しくてたまらない。
時が止まってしまえばいい。
それでも絶頂へむかって時間は進んでいく。

もし二人の関係に幸せのピークのようなものがあるとしたら、
その夢の時間を、最初の出会いに、偶然の一夜に持っていきたいと互いに感じていた。

だとしたら、このままずっと朝が訪れなければいい……。

「はぁ、あぅうっっ、またイクっ、はぁ……アキ様ぁ♡」

「そうか、僕も……っ、また出そうだ!」

腰を振って打ちつける。シャルロットの絶頂が近いのも、肌感じ取る。

「出すぞ、シャルロット。受け止めろ……っ」

そして最後の一突きを、強く突き上げる!

「あぁああぁっ、イク、もう、だめええぇっ、んぁああああああああぁ」

――ぴゅーっ、どぴゅっ、どくんっ、どっぴゅるっっ!

シャルロットの膣の中、次の射精はすぐやってきた。
流石にちょっと疲れて、互いの動きが止まる。
この短時間の間で二回イったが、今晩で一番激しい愛のある性交だった。

「はぁ、あぁ……また、イッちゃった……」

「ああ……気持ちよかったよ。シャルロット」

事後の、この雰囲気、ラポールの感覚に浸る。
膣からは、精液が溢れ出していた。
戸塚軍医に教わったが僕の催淫精液はデキナールの効果とセットらしい。
つまり子作りセックスの際には催淫効果は発揮しないのだ。

「……ずっと、こうして――」

シャルロットが僕の口を唇で塞ぐ。
唾液から僕と同じことを思っているという気持ちが伝わって来る。
それが、何となく嬉しい。

互いに夢から覚めてしまいそうだから「愛してる」なんて言葉は使わない。
眩暈がしそうなくらい幸せな気持ちだけど、あくまで一夜限りの関係だ。

甘い口づけが、いやらしい口づけへと変わり、萎えてた男根が復活を始める。
シャルロットは口づけを終えると少し微笑んで、また腰を動かし始めた。

「ちょっと待ってくれ! 連続三曲だぞっ、休ませてくれよ」

これまでは間に休憩を挟みながら歌を楽しんで来たのに……。
聞く耳をもたないシャルロット。
どうしてだ、どこでスイッチが入ってしまったんだ。

「んっ、っ……幸せを恐れなくてもいいのよ。
 私もずっと悩んでいましたの」

「……ああ、そうだなねっ」

たぶん互いに似たようなことを考えてた気がした。
シャルロットは強姦というトラウマの記憶からの解放。

僕も兎に角セックスさえ可愛い女の子とできれば十分だと、
冷静になってみれば随分といい加減な考えで生きて来た。

転生時に神様がいってた残りの寿命の話もある。
だからどこかで普通の幸せなんて手に入れることないと、
この世界で自暴自棄になっていたのかもしれない。


命短し、恋せよ少女
朱き唇、褪せぬ間に
熱き血潮の冷えぬ間に
明日の月日はないものを

僕もまた歌ってみよう
この世界の聖女たちよ
純真爛漫な美少女たちよ
つつましやかな灯火で
僕の人生を包んで欲しい

朝日が昇り静かな早朝が終われば、
昼も夜も一日中いつの喧騒に戻る
それは十分わかっている
人生の節目、おお喧騒よ、幻影よ!
新たな情愛と騒音に向けて出発だ!
 
 

 
後書き
本日のレシピ(ゴンドラの唄は大正時代の曲だから著作権はセーフ)

まずは男の娘アイドルの曲『ヒミツの珊瑚礁』『Dazzling World』をBGMに流す。
フランス原産のリキュール「ヒプノティック」(催眠術)を用意する。
フランス書院の官能小説またはジュブナイルポルノを用意する。
味付けにシャルロット・パルトネーのイラストを用意する(公式・非公式は任意)

大体こんな感じです。たぶん、これで誰でも(似たようなエロシーンが)書けます。

アブサントリキュール(できればフランスのペルノ)を用意する。
最後はロマン派詩人の詩集でも読んで書き加えれば終わりです。

ラポールセックスについては『愛とラポール』(超業平さんの同人誌)を参考にしています。

タイトル元ネタSF名作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』ではなく
アダルトゲーム『オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか』から。

この作品とは関係ありませんが、
歴史好きでK○EIの『信長の○望』や『三○志』シリーズが好きなんです。
また黒歴史として社史から消されたストロベリーポルノシリーズも好きです。

デーニッツ、ゲッベルス、シャルロットと六連続更新ができました。
あれゲッベルスの幕間だけ……おかしいぞ。ゲッベルスはAラインなのに!
シャルロットはCラインですが、のぶほしさんのリクエストに答えました。
ゲッベルスは良くも悪くも「えろかみ大帝国」(負け組)のパロディ時空の影響が(汗)
いや原作ゲーム見ても、十分にアレな性格だな。やっぱり……。
ゲッベルスの幕間はリベンジ予定です。
感想、アンケート、リクエストなどは確約できませんが応えたいという気持ちはあります。
やはり応援してもらえると嬉しいので!

あと青空文庫とかそうですが著作者の死後50年で保護期間が終わる……。
つまり現代のアイドルソングの歌詞はアウトだが、明治・大正・昭和初期であれば!?
大帝国の世界観的にもマッチするし、素部らしいことに気付いた。
大正デモクラシー時代の名曲があればご推薦ください♪ 
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