KANON 終わらない悪夢
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118快獣さんも懐柔
偽マコピー、若教主様と祐一の結婚式は、その後は恙無く?執り行われた。
北島三郎さんの舞台セット「大型漁船」とか、タカラヅカ歌劇でアンドレさんがオスカルさん迎えに来る天馬の馬車みたいなのまで用意され、過去に教団の劇団猊下で使われた大型セットさん総出演で祝われた。
舞と佐祐理は医務室に行ったが、美汐さんは巨大セットの1つと合体して、早着替えでギラギラのウェディングドレスみたいな衣装被せてもらって、一応他家の者にも演出上の配慮がされていたのに気付いた。
「ああ、ゆうくん、私達飛んじゃってるよ」
ベルトとワイヤーで恋ケツして、何かタイタニック的な飛び方なので縁起が悪かったが、kinkiの光一クン王子か猿之助さんみたいに、ワイヤーで信者さんの上飛んでいる二人。
デブい猊下飛行用の太いワイヤーなので、お約束でも切れない。
プレデターさんは、鎧武者も操れるゴーレム使いになったのだが、演出側はどんな能力者なのか知らないので、「天孫に翼を与えられて自由に飛べるようになった少女」的な演出になった。
(信者さんの前で、ゆうくんと恋ケツしちゃってるっ、もう頭がフットーしそうだよ)
な感じらしく、みーちゃんもご満悦。
天野家でもここまでハデハデの演出はできないし、恥ずかしいのでさせない。
自分で歩くことも出来ない、飛行用巨大ウェディングドレスとかも無い。
「「「「「おお、歌舞伎座の公演みたいじゃ」」」」」
結婚式とか大好きなジジイババア大喜び、大きな声では言えないが、親戚一同集まる食事会でもある葬式も大好き。
何か生物の本能で、自分の生命に限界を感じて以降は、新しい命が生まれるイベントとかを好むようになるらしい。
『…ぽんぽこたぬきさん』
黙って見ていれば、外では結婚式が許されない戸籍上の実の姉のためにも、もっかい結婚式ができたはずなのだが、暴れたので天使の人形に処刑された。
ちなみに教団内なら、二親等以内の叔母である、秋子ちゃんの結婚式までも可能。
舞は二度に渡ってケツ関係で処刑されたので、股間にベルトまで巻いて飛行する演出は使えない。
ケツにナプキン貼って、根性で無理矢理復活したヒキコモリの舞は、佐祐理女帝様の取りなしで、シンデレラ城的なセット上に立ったが飛行は無し。
佐祐理と一緒に黒子にダブルウェディングドレス被せてもらって、今日もレズ的に結婚して、二人で幸せなキスをした。
現人神様とのキスとか、天孫様に翼を与えられた少女的な演出は、天使の人形にお仕置きされた直後なので、姉に間違った外交的信号を送らないためにもノーサンキューされた。
代わりにザコちゃんとかチョロインさんが弟と空飛んで、舞にめっさ睨まれている。
「私、王子様と結婚式して、空まで飛んじゃってるっ、もう死んでもいいっ」
幸薄すぎる子は目の幅で泣いて、故郷に凱旋して現人神に嫁入りして、死んでしまっても良いぐらい感激していた。
化粧なんかもしてもらって、元は公家顔(近親相姦顔)で、メンバーの中ではザコちゃんの次ぐらいにブサイクなのだが、アイプチだとか色々すると、一応母親みたいな美人になれた。
(教団の化粧技術スゲーー)
天使の人形も驚いて思わず昇天?教団の美容部テクニック。
この娘は不幸すぎるので多少幸せにしてやろうかと思ったが、幸運のパラメータがほぼゼロというかマイナスなので、さすがの天使の人形でもお手上げ。
贅沢な食事とかさせるだけで、一家心中かと思ってトラウマスイッチオン。むせて吐いてしまうぐらい不幸だった。
そんな幸福の絶頂を壊す化け物が、わざわざチョロインさんの晴れ舞台の時刻に到着した。
「さ、寒いっ」
暖房効いて信者も大量の集会場で、何故か寒風が吹き始めた。
舞の電話から30分程度、音速で丘の上を「飛行」した快獣ペギラさんが到着した。
月宮の里と教団マイナス30度設定の冷房開始。
『ユウイチサン…』
舞が電話で「月宮の里」と言ったので、道路案内で里の方に行って色々と壊滅させてしまった快獣さん。
『JIISANハ、ドコダ~~?』を里でやってしまった悪鬼羅刹の一人。
先日に続いて月宮の守備隊も酷い目に合わされ、オーロラエクスキューションで冷凍されて、アナザーディメンションで爆撃され、降下したらしたでメリケンサックで物理攻撃。
若教主様とかザコちゃんみたいに、昨日今日改造が始まったような化け物ではなく、舞の魔物が野良で暮らしていた頃から憑依させられ、舞に瀕死にされたりもしたが、命を繋がれた後はユウイチサンから貰ったエネルギーで、2ヶ月間改良に改良を重ねてデブって重装甲。
本人のご要望どおり絶対に死なない、死ねない、殺せない化け物に成長した。
『あはは~、栞まで来てしまいました~』
ヤンキー全員止められるゴージャスさゆりんの圏内ですら、破壊と殺戮を行使できる放し飼いの快獣。
後部甲板からトマホークミサイルとか発射しなくても、口から冷気のブレス吐いて、縮地で音速で走って、悪魔の翼で空も飛ぶ。
ある意味舞より悪質なバケモンで最終兵器な彼女。
佐祐理お姉ちゃんフェイズ3改装どころか、キャシャーンとかデビルガンダムに改造された、キョウジ・カッシュ@シュバルツ・ブルーダーさんぐらい不死化改造されているので、もう人類の科学力では人間に戻せない。
『オンギャアアアア!』
もう「くあせふじこ」の段階は超えて、「キシャーーーーー!」とか鳴くピンクジャージの悪魔とかも超えて、ブチキレてらっしゃる快獣。
このまま神罰執行形態とかデビルガンダムになって巨大化すると、こちらもJ隊とか米軍でも止められない、最終兵器な彼女。
栞ちゃん、ケツアナまで鋼鉄の肉体で、呼吸法により鋼の硬さなので、どこかのオナホの銘柄みたいに「ゆるふあ、トロマンとは何事か? この俺のガチムチのケツの筋肉でイケ」みたいな状態なので、舞方式の処刑も効かない。
現在、銃夢ラストオーダーの烈火さんと同じで「俺は止まってる時でも超音速だぜ」なので術とかも届かない。
怪獣栞への勝利条件「レベルを上げて物理で叩け」。
本来この後、先々代当主の娘であるチョロインさんが、認知もされていない庶子から、人生の逆転大ホームランを打って、月宮家正統血統の所有者でありながら現人神様にも嫁入して、さらに神人で巫女で不老不死?ぐらいまで発表されて、闇の社交界デビューもしてプリンセス扱い、王位継承権というか家督相続権所有者なのが発表される段取りだったが、持ち前の幸運パラメータゼロなのが災いして怪獣さんがキてしまった。
偽マコピーの方は、神社と天の磐戸、神域への入り口を守る一族の末裔で、一応月宮姓も名乗れて、宗教法人の財産とこの場所は継ぐが、王位継承権とか、広大な里の土地の所有権とか水源の権利とか、住民の生殺与奪権は1ミリも持っていない。
教団内では年長者にでも「若先生と呼べ(伊良子清玄)」と言えるぐらいの権力者だが、里に行くと下っ端で顎で使われる存在。
もし「魔物に憑かれました」とか言ったりスルと、一瞬で首を刎ねられるぐらいのペーペーである。
『ガオオオオッ!』
すっかり発声術もお使いになられるようになって、昼間のパパでは対処できない快獣さん。
それでもザコちゃんスイッチャーが、巨大スクリーンに投影されていたチョロインさんの写真を切り替え、先程「奇跡の恋シーズン1」に出演していたヒロインの写真に切り替えた。
「皆様、本来欠席であった巫女で神人のお一人、美坂栞様が駆けつけてくださいました。盛大な拍手をっ!」
『エ?』
教団の野望とかネ右一欲棒とか、全部破壊する予定だった快獣サンも、何故か懐柔されて、この後は貧しい口が美食に釣られてワンワンキュンキュンアヘアヘ言わされてしまい、佐祐理お嬢様に次いでお嬢様の、真琴お姉様(実はタメ年)の妹にされる。
「栞様は舞様から水と氷の精霊を貸し与えられてお命を永らえ、現人神様からもお力を授かり、難病で余命一年の命から、不死と不滅の肉体を手にしたのです」
ザコちゃん照明係が栞にピンスポットを当てて、テーマソング的なものも栞仕様に変更される。
『アレ?』
ジジイババア大盛り上がりで、拍手喝采して視線コッチ向いてマジ泣き、黄色いババア声援とか、ジジイの低音で「栞様~~!」コール付き。
先程ビデオで見てしまった「キセキの故意シリーズ」のシーズン1ヒロイン本人のご登場で、会場興奮のるつぼ。
あとは惰弱な妹を救いに、炎のような姉がフェニックスの聖衣でも纏って降臨すれば完璧である。
香里もこの場なら佐祐理のお目こぼしが有り、愛しの舞お姉さま(左手の魔物)とも、ネ右一クンとも結婚式ができたのだが、その機会は永久に失われた。
『さあおいで、栞ちゃん。僕達の結婚式だよ』
『ア? ハイ…』
何かワケワカンナイ内に、舞台上の天使の人形にも呼ばれて、会場最後尾のドアから真ん中の通路を渡って、スポットライトと共に舞台へ。
栞のテーマ魔法使いTAIオフボーカルver?が流れている間に、ケツ圧と血の気が頭から下がり、大人数の声援の前でケツ液が顔面装甲とか耳に集まってしまい、懐柔栞さんが無力化された。
『信者の皆さん、ご紹介します。僕の恋人で「婚約者」。先程皆さんもご覧になられた、奇跡の恋のヒロインです。もうこんなに元気になって、今日のこの日を迎えました』
『アレ?』
ウヤムヤの内に自分も花嫁の一人として紹介されてしまい、お相手もこの時間に珍しく起きている天使の人形なので、祐一状態のように、イキナリ蛙掛けからのランニングラリアット、喉へのエルボードロップからチキンウィングフェイスロックで引き摺って立たせ、ロープ方面に投げて跳ね返ってきた所への32文ロケット砲などの、ジャイアント馬場方式の殺人フルコースを叩き込めず、延髄蹴りから卍固めのアントニオ猪木方式の処刑も行えず、立ち技からネックハンギングツリーも、見せ技のフランケンシュタイナーとかもできなかった。
「憂遇ぅ」
真ん中で巨大セットと巨大羽と巨大ティアラに固定されていた若教主様も動けず、血の気が引きまくった青い顔で「うぐぅ」の音を繰り返していた。
イジメっ子や姉以外の女は余り殴らない主義の栞は、さっきまで行動をともにしていたマコピーに似てなくもない女は、奈落の底(舞台の)に叩き込んでまで処刑せず、凄い体重で足を踏んでから通過する程度で済ませた。
「兎遇~~~~~~っ!」
栞用セットと思われる、安珍清姫にでも使うようなツリガネが来て信者から隠れると、ザコちゃん黒子が取り付いてワイヤーとベルト装着、ウェディングドレスも被せて空中散歩開始。
「あれ? ここにも座古さん?」
里の方で間違って住人撲殺したら紙の化け物で、他にも凍らせたりアナザーディメンションしたが、紙なので殺さずに済んだ。
ページ総数の半分ぐらい異世界に送り出してしまった女が、何故か舞台上にもいて驚かされた。
「オイッス!」
『お? おいっす』
現在ドリフの舞台公演生中継なのか、下唇出して「オイッス」で挨拶された。
売店にもザコちゃん、照明も音響もザコちゃん。演出も衣装もザコちゃんかもしれないので、流石の快獣さんもちょっと怖くなった。
既に月宮の里も、犬神家の一族みたいな呪われた倉田家も天野家も、大半紙の化け物に侵食されてオワッテいた。
自衛隊、米軍、警察公安。GRUやCIA、敬天会なんかも全部紙の化け物に浸透されてしまいオワッテいた。
もう北海道に治安出動の命令が下っても、その途端、総理大臣の目の前にいる自衛隊幹部とか官房長官が紙の化け物になり、数体が正体を現して暴れるぐらい支配が終わっていた。
逆に若年ガンとか難病とかで「もっと生ぎたい」人は、紙の体で暫く生きるのを許されたり、その代償にぶっ壊れた体とか戸籍を背乗りされ、破壊工作とかに利用されている。
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