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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第657話】

 
前書き
ここから十一巻どすぇ 

 
 衛生軌道上に浮かぶ聖剣、アーサー王が扱った【エクスカリバー】という名称の攻撃衛星。

 人が生を育む青い地球に、そのエクスカリバーの矛先は向けられていた。

 エクスカリバー内部、コントロールルームの中枢で眠る眠り姫。

 彼女の目覚めの時は近い――。


『命令プロトコル、優先順位を切り替え。 モード・エクスカリバー起動』


 音声と共に表示されるカウントダウンの数字、その数字が0を示した時、解き放たれた聖剣は地上を焼き尽くす破壊の剣となる――。


「此方レイン、目標確認。 接触にあたる」

「サファイアっス。 同じく、目標施設内部に突入っス」


 衛星軌道上の宇宙、IS学園を裏切った二人の少女が軌道上に浮かぶ目標内部へと潜入を果たす。

 高度エネルギー収束砲『エクスカリバー』、亡国機業の制御下から外れ暴走した聖剣。

 予定軌道を離れ始めた事で二人を派遣、レイン・ミューゼルとフォルテ・サファイアの二人。

 内部へ侵入後、中枢を目指す二人はこの内部での通信を最後に途絶える。


「これは……」

「なんなんスか? 何か、嫌な予感が――」


 既に運命は動いている、新たな火種と共に待ち受ける運命は――。


 十一月も今日で終わり、明日から十二月。

 成樹も少し慣れたのか遅れを取り戻すべく日々鍛練を続ける一方で生徒会室では――。


「「いえーい!!」」


 鳴り響くクラッカー、豪華なチェアに腰掛けるのはIS学園生徒会長更識楯無である。


「……何でクラッカー鳴らしたんです?」


 ヒルトが小さく傾げていると、楯無は扇子を広げながら答えた。


「やあねぇ、もう明日で十二月なんだから、前祝いみたいなものじゃない」

「前祝いって……」


 ヒルトはそんなことを口にはするが、言うだけ無駄かと思い、口を閉ざした。


「それにしても、寒くなったわねぇ」


 生徒会室及び学園全体暖房が入ってはいるが、外の寒さは流石に冬を感じさせられる。


「ひーくんひーくん。 クリスマスの準備はじめてるー? 寮の飾り付けとか、いちお、生徒会の仕事だよ~」

「そうなのか? まあ飾り付けっていってもクリスマスツリーとか内装ぐらいだろ?」

「ん~。 イルミネーションもするかもだよ~?」


 イルミネーションまでとは本格的だなと思うヒルト。


「何にしてもさ~、飾り付けまだだよね~。 せっかくだから一緒に買い出しにいくのだー。 そうするのだー」

「買い出し?」


 二人のやり取りに、危機感を抱いてるのは更識姉妹。

 本音は元々ヒルトになついていたのだが、一線を越えてからは更にべったりしている。

 ヒルト自身も満更ではなく、慕ってくれるのが純粋に嬉しかったりする。

 それはさておき危機感を抱いた二人は早速――。


「ほ、本音、私も……一緒にいく、から」

「あー、せっかくだから私も一緒しようかしら? ヒルトくん、良いわよね?」


 そんな二人の言葉に、ヒルトは――。


「ん~。 寮の飾り付けだけだったら俺とのほほんさんだけで良くないですか? それとも、二人ともついでに何か買うものがあったりします?」


 ヒルトのそんな言葉に、二人は力強く頷く。


「う、うんうん。 見たいもの、あるし……欲しいもの、ある……」

「そうそう! 世は女尊男卑、ヒルトくんには荷物持ちしてほしいのよ!」


 無論楯無にそんなつもりはない、女尊男卑とはいえ好きな男性にそんなことはさせたいとは思わない。

 とはいえ、ヒルトは根っこが優しいから持つというだろう……。


「んじゃ、四人で――っと、虚さんは買い出しどうします?」

「え? ……せっかくだけど、遠慮するわ。 整備科の備品チェックや足りないものの補充とかしないといけないから」


 ずれた眼鏡を戻すと、楯無のティーカップに紅茶を注いだ虚。


「一夏――は確かクラブに貸し出し中か」


 一夏は今吹奏楽部に貸し出されている。

 ヒルトは以前テニス部で格差をつけられたため、剣道部以降から貸し出しは行われていない。

 というより、好きな人には可能な限り傍にいてほしいという楯無の我が儘なのだが――。


「……てかもう十二月に入るんだな。 毎月毎月襲撃だの何だのあったから、今年最後ぐらいは何も無ければって思うな、これが」


 そんなヒルトの呟きは、勿論裏切られる。

 運命というのはある意味外れることのないレールの上を歩く様なものだ。

 各人違う行動を起こしても、運命が定めた因果率に狂いがない限り、修正されてしまう。

 軽くヒルトは頭を振る――と、楯無は扇子を広げて告げた。


「それはさておき、明日、早速買い出しに行きましょう! 思い立ったが吉日ってね♪」


 軽くウインクした楯無――開いた扇子には、『日曜日』と書かれていて、相変わらず何処からそんなに違う扇子を取り出すのかがヒルトにはわからなかった。 
 

 
後書き
零話後原作沿いつつ、ドイツ、フランス、イギリスとちょい話を広げてからエクスカリバーかな……

予定は変わる可能性もあるので目安程度に 
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