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エロゲー世界に神様転生って勝ち組じゃないのか?

作者:笠福京世
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第15話 大将昇進と前線外交 ターン13~15

 
前書き
設定解説会。満州会戦による人的資源の欠乏の原因や海軍再建の厳しさ。
原作ゲームで侵攻戦に失敗したら、どうしてゲームオーバーになるのかなどの考察。 

 

第三艦隊はマレーの虎での反乱を鎮圧するが、駐留艦隊が東洋征伐艦隊に急襲され撃沈。
その間に第二艦隊と合流した第三艦隊、零号艦隊が東洋征伐艦隊との防衛戦を行う。

エイリス帝国のバリア搭載艦隊にレーザー攻撃を阻まれ零号艦隊が中破するが、
四国から連れて来たUボート部隊による潜水艦攻撃により敵新鋭艦が大破、
大損害を受けた東洋征伐艦隊は惑星ベトナムへと退却した。

小澤少将はデーニッツとラスシャラの補佐を受けて惑星ラバウルの占領に成功した。
日米開戦が始まって半年程の間に日本海軍はガメリカ、エイリスの駐留艦隊を打ち破り
マイクロネシア、マニラ2000、ラバウル、マレーの虎、四国という五つの星域を支配することになった。

伏見空は南方艦隊での功績が認められ中将から大将に昇進。
艦隊司令官としても東郷毅に比肩する実力者であると内外から評価されることとなった。

伏見はラバウル侵攻の指揮を取った小澤も中将の実力があると推薦したが昇進はなかった。
しかし臨時ミサイル艦隊の指揮を取ったラスシャラが少将に昇進し正式に遊撃艦隊の提督として認められた。

――――軍令部総長室――――

さーて、日本人の社畜(みんな)が大好きな仕事の時間だ。

大将昇進は戦功が認められたのもあるが外交の為の箔付けの意味もある。
特例で御前会議に参加しているとはいえ軍令総長の地位は四長官には劣るのだ。

さらに若年の中将ともなれば外交の席で軽く見らえる可能性もある。
エロゲーだから名前のある主要キャラは若い人間が大半だけど……。

マレーの虎で対エイリスの前線外交を行い。
少しでも敵の進攻を遅らせる役割を果たすためには、
モブキャラのオッサン貴族などを相手にする必要があるのだ。

今のところ東洋征伐艦隊のネルソン提督は内通しているエイリス貴族に艦隊再編の足止めを食らっているはずだ。
内通者は植民地の公金を着服している腐敗貴族だ。最初は弱みを握られて仕方なく情報を流していたが、
今や戸塚軍医の報酬の特製精力剤“ビンビナール”目当で喜んで情報を日本軍に流してくる。お盛んなことである。
最終的には欺瞞情報と一緒に公金横領をエイリス本国に流してあちらで処分してもらうつもりだ。

さて、一見すれば日本海軍は戦況を優勢に進めているように思えるが、そんなことはない。

エイリスにとってはドクツ・イタリアとのヨーロッパ星海域こそ主戦場であるし、
インド星海域の惑星インドカレーなど植民地として多大な権益を擁する星域は失われていない。
ドクツ第三帝国さえ下せば日本などいつでも勝てるという考えなのだ。

ガメリカは軍産複合体の四大財閥“若草会”の思惑があり戦争の早期解決を望んでいない。
もしハワイから第三世代艦を揃える太平洋艦隊が全軍で襲ってくれば、
東郷長官と言えども未だ第一世代艦が半数以上を占める日本海軍の戦力で勝つことは不可能に近いだろう。

若草会は戦争で儲けるために予め結果の決まっている大統領選挙というお祭り騒ぎを名目に
太平洋艦隊をハワイ防衛に専念させている。つまり本気になればいつでも勝てると舐められているのだ。

ガメリカ、エイリスの国民にとってはアジア・オセアニア星海域の植民地軍の敗戦など宇宙辺境の話でしかない。

にもかかわらず惑星日本では連日の戦勝によりお祭り騒ぎになっているらしい。
世界日本化計画の方も帝ちゃんの真意とは裏腹に内容が曲解されて、
帝の威光のもとで神国日本が欧米諸国から植民地を開放し八紘一宇うんぬんかんぬんとか……
街宣活動を繰り返す“自称”愛国者達が幅を利かせているそうだ。
秩序と規律が制服を着た人の台詞ではないが「全く、困ったもんだ」と愚痴を言いたくなる。

平良英知(タイラエイチ)少将が療養から復帰した。
別に某無責任な艦長ではなく、超右派として知られる青年将校だ。
艦隊提督としての手腕は東郷長官も認めるということで、
軍内の極右派閥からの圧力もあり新設の正規艦隊である第七艦隊の提督として
東郷長官率いる太平洋艦隊の指揮下に配属された。

見た目も性格も陰湿陰険な野郎だし南方艦隊としてはノータッチだ。

平良少将率いる第七艦隊は海軍の極右派閥の旗頭となっている。
彼らは帝が推進する世界日本化計画の潜在的な不穏分子だ。
一か所に集めておけば監視もしやすい。バカが集まればバカが増すという蟲毒の法則もある。
最終的にクーデターを誘発させて一括処分してしまえば良いと考えている。
東郷長官には言ってないけど原作ゲーム通り放置しとけばそうなるはずだ。


ここで現在の日本海軍の戦力を具体的な数字で表現したいと思う。

まずは満州会戦だが実は正規艦隊の全戦力が参戦した一大海戦だった。
内訳は戦艦8隻、巡洋艦17隻、駆逐艦37隻である。
そして損害が戦艦6隻、巡洋艦10隻、駆逐艦28隻、他各種補助艦艇が8隻である。
修理困難な大破もしくは撃沈である。

敗戦後に残った海軍の戦艦は長門と三笠(中破)の二隻しかなかったのである。
その後に正規艦隊が第一艦隊から第六艦隊に再編されたが、
内実は正規艦隊と誇れるような艦隊編成ではなかったことが分かるだろう。

人的被害も尋常ではなく理由は大きく二つあって……

一つ目は旧式艦の脱出ポッドや避難艇が点検不備などにより動作しなかったこと。
日本海軍は敗北して艦船を捨てて逃げるのは恥という文化があって……、
艦艇のダメージコントロールに対する意識が他先進国に比べて薄い。
この点は軍令部総長に就任してから改めるようにしており、
第一世代艦以降は中破、大破、撃沈の被害でも提督の死者は出ていない。

二つ目は現在日本海軍で敵国提督を始めとした多くの捕虜を抱えているが、
脱出ポッドや避難艇を攻撃することは戦時国際法で禁止されている。
戦域での戦争が終結した後は敵味方問わず脱出ポッドや避難艇を救出することが定められている。
停戦などにより戦争が終わった後は捕虜交換が行われるし、捕虜の虐待等は当然禁止されている。

しかし満州会戦の後に中帝国は戦時国際法を無視して、
戦闘終結後に脱出ポッドや避難艇に対して攻撃を行ったのだ……。
満州会戦後の日本海軍の人的な凋落は上記の大虐殺の影響が大きい。

造船所を拡張して軍艦を建造しても、それを操る人間がいなければ物置も同然だ。
宇宙軍である海軍の軍人には高い技術と専門性が求められる。
つまり海兵と言っても下働きの一兵卒ではなく技術者集団なのだ。
このため一旦壊滅した海軍を再建するには膨大な時間と労力が必要になるのだ。

原作ゲームでも侵攻戦で敗北した場合はゲームオーバーになるが、
実際に星域戦で海軍が敗北し東郷長官や他の提督達のいる司令部が壊滅して捕虜となったら、
新しい軍艦が建造できても組織的に海軍を再建するのはまず不可能だと思われる。
ミッドウェイ海戦以降の日本軍のような状態からの逆転は不可能だ。

そんな状態から残った艦隊から士官をかき集めて
東郷海軍長官と一緒に軍令部総長として半壊した海軍の再建を頑張ってきた訳だが……

日米開戦時の戦力が以下の通りである。

戦艦4隻(長門と三笠を含む)+柴神戦艦1隻
巡洋艦6隻
駆逐艦9+試作特雷型駆逐艦2隻
他各種補助艦艇9隻(連絡艇、整備艦、索敵艦)

すべて第一世代艦である。
満州会戦時には第一世代艦より旧式の艦も混ざっていたとはいえ
日米開戦時の海軍戦力は満州会戦前の状態まで再建されていなかった。

必死の戦争回避や亡国の危機という表現は大げさなものではなかったのだ。
むしろ上記の戦力で中帝国の全星域を早期占領できた東郷長官が凄い。
ちなみに旧式艦を使用している駐留艦隊や治安艦隊が存在するが戦力外である。

その後もエロエロしながら陸海軍統合軍制改革を進めて……

虎の飢え死に作戦時には、

戦艦7隻(長門と三笠やミサイル戦艦も含む)+柴神戦艦1隻
巡洋艦4隻
駆逐艦11隻+試作特雷型駆逐艦2隻
他各種補助艦艇10隻(連絡艇、整備艦、索敵艦)
潜水艦3隻(ドクツ提供のデーニッツ少将の潜水艦隊)

ようやく第二世代艦が配備されるが占める割合は二割ほど、残りは第一世代艦隊である。
現在も第二世代艦への切り替えを進めているが三割にも満たないのが現状だ。

第五以下の正規艦隊の提督の階級が少将なのも納得だろう。
慣例であれば中将以上が正規艦隊の提督なのだが、
正規艦隊と言っても中身は特雷型駆逐艦隊だったり、巡洋艦が旗艦だったりするわけで……。

こんな現状戦力で九つの支配星域を管理しているわけだから、
太平洋艦隊、南方艦隊の前線防衛網が破られたら、もう終わりって感じなのだ。
上記のようなことを考えると原作の侵攻戦に失敗したらゲームオーバーも妥当だと言える。

陸軍が本土決戦に備えて計画していた試作超弩級戦艦大和とか浪漫に構っている余裕はない。

東郷長官も現状戦力をシッカリ認識しているので、
惑星ハワイの侵攻は時期尚早であると意見が一致している。

しかしマイクロネシアとラバウルを得たことで、
血気盛んな青年将校たちは鬼畜米英恐れるに足らずと奇声を上げている。
彼らを抑える東郷長官は大変だろうと思う(他人事)

とりあえず空母やバリア戦艦といった第三世代艦の実戦配備が進んでいる。
先進国の主力艦隊と真っ向から戦える戦力が今の日本海軍には整っていないことが伝わったと思う。

このような状況だからア・バオワ重慶で宇宙イナゴによる災害発生の報告を受けても
艦隊を派遣して撃滅することは難しいと返答するしかなかった。星域住民を避難させるのが精一杯だ。
お陰で星域の治安も悪化し貴重な資源が食い荒らされてしまった……泣きたい。

こないだ。精神的に落ち込んでいた陸軍の山下長官を慰めてあげたから、次は僕が慰めてもらおう。性的な意味で。

とにかく軍制改革を進めながら海軍の増強を図り来るべきハワイ侵攻の作戦計画を練り準備する。


そんな中でレーティア総統の仲立ちもあって普通に話せるようになったデーニッツ提督から
ドクツ第三帝国によるバルバロッサ作戦(ソビエト侵攻)が開始されたとの報告を受けた。 
 

 
後書き
ゲームでは分かり易くレベルやランクなどで事象を数値化して表現します。
艦隊の耐久力はHPで表現されていますし、様々な提督の技量も数値化されています。
例.東郷毅は戦術家として優れている→スキル大戦術に同一戦域の味方艦隊の攻撃力が10%上昇

この二次小説ではゲーム中の数値の変化をどうやって文章で表現しようかと楽しんでます。

例えば伏見空はオリジナル提督なので指揮上限が360でした。(東郷毅は510)
この東郷長官との指揮上限の差を、指揮官としての実績の乏しさ、
周囲の評価および階級の低さを理由に説明していました。

今回はイベントフェイズでクリア特典の愛(特定キャラを贔屓強化する)を使って
指揮上限が360から450に変更になったことで、
数値の結果を南方艦隊の連戦連勝で実績を上げて大将に昇進という形で表現しました。

指揮は艦船を配備するのに必要な能力値で高ければ強力な艦船を指揮できます。
一人の提督にの艦隊には最大四艦船を配備できますが、
最大指揮が高ければ戦艦+戦艦+空母+駆逐艦といった配備が可能ですが
最大指揮が低いと戦艦+巡洋の二隻配備とか駆逐艦+駆逐艦+巡洋艦で限度とかになります。

ゲーム中で明言されているわけではありませんが、
階級の高い人物ほど指揮上限が高く設定されている傾向があります。

日本海軍:山本中将510、南雲中将330、小澤少将360、田中少将180、柴神960
ドクツ軍:レーティア総統560、デーニッツ少将360、ロンメル元帥420、マインシュタイン元帥450
ガメリカ:ダグラス司令官450、ハルゼー提督390、キャッシー240、朽木・イザベラ300
その他例:リンファ300、ハニトラ150、四国総督270、ラスシャラ390、初期汎用キャラ270

ちなみに原作ゲームでは階級とか分からないキャラも多いし、昇進イベントとかも特にないです。
ただしイベントフェイズで(エッチしたりして)指揮値があがることもあります。
そういう数値的な変化を階級の昇進というかたちで表現できればと考えています。
また指揮が高い提督には権威や武威が高い人物が多いのも特徴ですね。

かなり原作ゲームを意識して書いている作品ですので、
原作ゲームの数値的な制限を超えた行動を取ることはないと思います。

戦術フェイズの結果とかも戦艦の主砲のレーザーにより240のダメージとか面白くないので、
おおざっぱに大破、中破、小破、撃沈といったファジーな感じで書いてます。

原作ゲームを遊んでない方で二次小説を読んで興味を持たれたら是非とも購入を♪(いつもの宣伝) 
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