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裸体について

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エッセイ

背表紙に赤いマークがあれば、性描写あり、という意味の恋愛小説専門のレーベルがある。

主人公のOLが玉の輿に乗るストーリーが多く、猟奇的な要素が皆無のノーマルストーリーだ。

主人公の女性は、たいてい処女か経験が浅いという設定なので、体を許す決心をするまでの心理描写が書き手の腕の見せどころだ。

しかし、
彼の部屋とかラブホテルに同意の上で入ったあとは、
あっさりブラウスのボタンを外される。
それどころか、シャワーを浴びて、ショーツだけのバスタオル巻きでベッドに座るとか、
そんな具合で、脱衣プロセスはいたってスムーズだ。

やがて下着姿で濃厚な愛撫を受け、(していれば)ブラが取られ、乳房がこぼれ……となるが、
ショーツを脱がされた瞬間の記述が省略された作品もまた多い。
だいたい、「裸」という活字さえ、ほとんど使われない。

ヒロインが全裸になったのはわかりきっているから、あらためて書くまでもないということか。

このあと、ヒロインの白い肌には幸せな愛の試練が襲いかかるが、
私は男性だから、甘い拷問を受けているヒロインのヌードを想像してのぼりつめるのだが、

主たる読者である女性は、ヒロインの感覚に同調するのだろうか。
視覚より、聴覚、触覚に重点が移っていくようだ。

幸せなセックスにおいて、裸になるというのは、当たり前。脱衣して入浴ぐらいの、意識さえしない行為なんだな。

幸せな朝。
二人とも裸で迎える朝。
ハッピーエンドで、ヒロインの美しい裸身を描写することは、あるようだ。
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