KANON 終わらない悪夢
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130少し、頭冷やそうか?
現在、月宮の里と教団はマコピーに支配されている。
ゴージャスさゆりんが無効で、さらに広範囲でマコピーが上書きした。
舞の鬼武者はいるが、マコピーなら祭具殿に有る守護闘神20~30体ほど全機発進させて、今回ぴろも来ているので、巨大化すると夜の街最強だった、カズヤのアニキぐらいの魔物になる。
目が周囲に10個、貫く腕とか棘棘の触手も角も10本、大きさ5~10メートル、ホテル・モスクワみたいなロシアン・マフィアとかチャイナマフィアが、自動小銃とRPG持ってきて北海道進出しても、全滅させて一人残らず食った、巨大魔獣と同等の化け物が出現している。
現在舞が乗っている鬼武者は、ハーフかクォーターが出した使い魔の魔物に、術者の脳とか手足を移植した簡易版で軽量版。
純血の妖狐が放った使い魔に、心中した妖狐の嫁とか婿の脳を移植した完全版でもなく、敵方や親族に殺された子に、自分の分身を与えて新たな化け物として最誕させ、復讐させた本物の鬼ではない。
神域で方舟の出入り口にいるような、サイバーデーモンとか羅漢仁王像みたいな化け物には鬼武者では勝てない。
奥の方から走ってくる、マジ守護者の見えない怪物にも勝てない。
ぴろの場合、砲弾食らっても物理攻撃無効、消滅系の術も無効、見えない守護者がガス吐いても酸素奪っても無効。
遠隔操作しているマコピーさえ無事なら、全部猫パンチで吹っ飛ばせるし、本体である妖狐を見た瞬間に従って傅く。
屋上付近控室
プールから救出され、全身緑色になっていた若教主様とチョロインさんは、プールの水の冷たさと外気温、恐怖感も合わせてガッタガタ震えたまま。
一応風呂に入れてもらったが、特に若教主様はPTSDも発症していた。
「食べないでっ! 殺さないでええっ!」
余程酷い目に合わされたか、非ぬことを叫んで怯えまくって、何か見えない魔物から逃げて、壁に張り付いて頭を抱えて震えるだけの生き物に変えられてしまっていた。
カバンちゃんみたいに、サーバルちゃんから「食べないよ~」と言ってもらえないで、もう少しで妖狐のフレンズにマジ食べられしていたが、秋子ちゃんの指令により…
「入れ替わっても、食べちゃだめなんだっけ?」
とアニメ版の目が離れた表情で思われて、証拠隠滅不許可、各種殺人技とか関節破壊技を喰らわなかった。
それでも波動拳食らったり、仮面被った奴に空中殺法で切り刻まれたり、10連コンボくらい喰らって、ライン逃げしても当て身で投げられたり、骨法とかスターゲイザーとか超忍蜂入れられて燃やされたりして、KOされたと思われる若教主様とデッカイ月人さん。
ワシントン条約違反の追い込み漁とか、防御キャンセル削りメクリ技で、腹パン膝蹴り堕胎以外の処刑は、全部受けたかもしれない。
美汐の術を食らった、校長先生とかレディースの総長みたいな感じで怯えきっているので、若教主様は披露宴もご欠席。
案外バスの中で美汐に術を食らっていた方が、解呪方法もあるので、憂遇過ぎる状態にならずに済んだかも知れない。
地獄披露宴、椿の間
「フ~ンフン、フフ~ンフンフン♪」
相変わらず超ご機嫌で、結婚行進曲でも鼻で歌い、祐一に纏わりついて腕組んで、披露宴の新婦の席に座り込んだマコピー。
客人からは、美汐と同じ術を使った外見は、偽マコピー、月宮真琴さんに見えていたので問題なかった?
もう舞でも美汐でも撤去できないし、当主や教主もその権限を持っていない。
現人神様がもう一人増え、自分の居場所がココだと言ってしまえば、誰にも逆らえない。
「はい、ゆういちア~ン」
「ア~ン……」
先程の「狩り」の直後で腹は減ってないのか、料理にも大して手を付けず、新郎に「ア~ン」攻撃。
天然なのか、他の新婦、特に舞を挑発しているのか、マコピーにも世間の常識回路も良心回路もイエッサーも搭載されていないので、故意なのか恋なのか虎威なのか濃い嫌がらせでイケズなのか不明だった。
「ゆういちちゃん、おねえちゃん、ゆういちちゃんのとなりにいきたい」
現在の舞は「我ら四天王の中でも最弱の存在」の、8歳の舞ちゃんだったので、マコピーに敵うはずもなかった。
「だめよ~、舞ちゃん、お姉ちゃんと一緒にいてね~」
「うん」
佐祐理に抱っこされ、18歳児は鬼武者でも暴れなかったので、怪獣大決戦にならず、ぴろにぶっ殺されずに済んだ。
「フフフーン♪」
ドレスを汚さないようにしているのか、時たまグーでフォークを握って、自分で口から迎えに行くような無作法で肉類だけ食っていたマコピー。
来客には正しいマナーで、若教主様がお食事しているように見えているかもしれない。
「美汐、こっち来て」
「「「「「エ?」」」」」
祐一の反対側、チョロインさんが座るはずだった場所をポンポンと叩き、巫女姿の美汐が呼ばれた。
あゆのタヒ体は、祐一の直近ではないが、介助お食事係付きの別席を用意されている。
「良いの?」
月宮の里での結婚披露宴に、天野の家の者が座るのは有り得ないので、一瞬遠慮しようと思った美汐だが、現人神様の命令で、月宮当主まで席を立って案内したので、仕方なく花嫁の席に座った。
今回は故意でも虎威でも無かったので「計画通り!」とは思えなかった。
(多分、明日もこんな感じ?)
美汐の予測と予知でも、倉田家の次期当主で直系の娘は、天野本家に呼ばれるはずもなく、絶対立ち入り禁止。
鬼武者にでも乗って、武力侵攻しなければ入れない。
忌み子川澄舞は立入禁止ではないが、汚れた血と経歴を持った人物であり、現在イザナミでもないので祐一の嫁としては認められない。
佐祐理と結婚して栞にも托卵したガチレズの疑いも有るが、姉として参列するなら渋々許可。滅びの巫女を嫁入させると世界が滅びる。
舞が嫁入りする特例は、佐祐理がいてこそ成立して、月宮の里でも不可、教団内部だけ神とのハーフとして持て囃されている。
消去法で、明日は「天野」美汐と、友人でもあるマコピーが嫁入り。
一族の娘も差し出して、敵ではない月宮の者は招待されるかもしれないが、花嫁ではなく巫女の一人扱い。
名雪様御行幸、秋子様御行幸なら喜んで迎えて、血が繋がっていない叔母と甥、従兄妹同士?の結婚でもする。
昨日まで天野家に帰り次第、ぶっ殺されるはずだった保健医も、逆転ホームランで先見衆筆頭のBBAの方が殺処分。
ここまでの災厄を予見できなかった罪と、ザコちゃんにも侵入されて、ややこしいジジイババアは全員死ぬか、紙の化け物に入れ替わられた。
天野家でも、変なゴムマスク被って「錦織一清~」「俺は浅沼静馬だ~」とか、V字開脚溺死は無くなった、らしい。
栞、香里は倉田分家、母方の祖父の兄の家に献上されて、どうなるかも不明。
多分、天野家に入場拒否された「倉田」佐祐理、舞ペアが参戦して、更に面白おかしい状態になるか、血の雨が降る。
天野の家なら美汐が呼ぶのでマコピーも出張しているが、倉田分家に5体もの鬼武者がブリッツクリークすると、対抗手段が存在しない。
明日トレーラーで帰還すると、分家とは言え倉田城内なので、祭具殿からは徒歩距離。
神ならぬ美汐にも、明日も血の雨が降って、時々曇りぐらいの天気だと思えた。
神様の秋子でも、佐祐理お姉さまが妹になった栞さんを大変お気に入りで、一弥きゅんも栞ちゃんとはオトモダチ、舞お姉さまも栞をお気に入りで、托卵まで終了しているので、お腹の子供の母として参戦するのは、まだ知らなかった。
「にゃううう~~、グルグルグルグル」
高級なカーペットの上で爪とぎして、背伸びして背中の毛も擦りつけているぴろ。
そんなアルターでスタンドに、エサをやって魚でも食わせて、モフモフしている花嫁さん。
ぴろは休憩を終えて、祐一の膝に乗って匂い付けを開始して、口の横から出る匂いを擦りつけ、ヨダレをダラダラ垂らし、ナワバリ主張の尿スプレーもして、白いタキシードのズボンをヌルヌルで猫クッサイ布に変えた。
「コイツ、ワシのもんじゃ」と猫的にマーキングされ、ネコアレルギー名雪の接近も許可しない。
「あの、猫ションは勘弁してください」
縄張り主張なので、座布団や布団みたいに猫ションでずぶ濡れの刑にはならなかったが、思いっきりマーキングされた。
マコピーから足踏み、汚い言葉での罵り、玉蹴り、顔を踏みにじられる、足を舐めさせられる、首輪つけられてお散歩、足コキ、ニーソで踏まれる、尿の直飲み、人間便器で溺れるまで飲まされるのは大歓迎だったが、お付きの淫獣からヤラれて喜ぶほどの上級者ではなかった祐一きゅん。
「ゴロゴロゴロゴロ」
淫獣も飼い主でスタンド能力者と同じで、ゴキゲンだった。
それからも地元の政治家とか政治家とか役人から祝辞があったが、青い顔したチョロインさんがもっかい連行されて来て、暗殺とか純血の妖狐に消去される恐怖に震えながら本来の場所に戻され、美汐も家同士の関係を損なわないよう、席を譲ろうとした。
『あぁ?』
「ぴぃっ!」
妖狐様で現人神様の一睨みとガン付けが怖かったので、美汐は撤去されなかった。
マコピーの隣だけは泣いて嫌がったので、何故か美汐の隣。
「真琴…」
みーちゃんは空気読んで、自分を不可視状態にして祐一側に寄り、まるで若教主様とチョロインさんが左右に座り、披露宴をしているような演出をした。
プレデターは自分の定位置「ゆうくんの膝の上」まで移動して、自分が座っていた席に月宮家の花嫁を呼ぼうかと思ったが、屋上の緑色のプールで行水させられるのは嫌だったので、接近する程度で済ませた。
マジ切れしていない冷静な状態の美汐には、世間の常識回路と良心回路とイエッサーと、空気読み取り装置が搭載されている。
熱暴走してよく壊れます。
「それでは、新郎新婦によるケーキ入刀とさせて頂きたいと思います。カメラをお持ちの方は前列までどうぞ」
「うそ~~ん」
神前なのに定番のケーキ入刀の儀は存在した。
まず自分の戸籍上の夫を、多数の女と交換で売った妻が、いつものカメラ装備で最前列に。
「くっ、悔しいっ」
美汐は早速壊れて、いつもの心中用の懐剣を逆手で抜いて、膝の上に乗って切りかかり、ゆうくん入刀しそうになった。
「憂遇っ」
魔物の腕力で懐剣を振り下ろそうとしている、新妻の腕を掴んでもつれ合って格闘しながら、心の声で「ゆうくんと一緒になれないなら、いいよね? イイよねっ?」とか鬼神の表情で了解を求められてしまう。
現在錯乱状態のプレデター美汐さんは、高位術者にしか見えないので、来客には見えない。
『死んでっ、一緒に死んでっ、ゆうくんっ』
「兎遇っ」
『まあ、仲が宜しいことで』
そんな二人を佐祐理が楽しそうな顔をして撮影していた。
目を盗むタイプの術なので、写真とかビデオには残るらしい。
『美汐?』
自分がマコピーから、空間転移系の術を掛けられている状態なのを知った美汐は、懐剣をしまって着席した。
「…はい」
緑色の氷水で「少し、頭冷やそうか?」される寸前だったので、『シューート!』されて地形が変わる前、妖狐様が笑顔の内に撤収した。
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