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KANON 終わらない悪夢

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127だから押し込もうとしても、耳からなんて入れないんだよっ!


 それからの祐一も苦難の道を歩む。
 多分、未来仏MIROKUへと転生する前の苦行だとか、天竺まで行って有り難~いお経を貰って帰るまでに、108の艱難辛苦が待ち構えているように、大変な出来事が起こる。
 控室で姉と新妻に睨まれながらの休憩中に、ザコちゃんから半笑いで式次第を渡された。
 その死刑宣告には勿論こう書いてあった。「若教主、月宮真琴様、御結婚披露宴。会場、椿の間、16:20分」。
「うそ~~~んっ」
 流石に今回はムリ、と言った若教主様のお姿が見えないので、間違いなく着替えに行っている。
 それもダイアナ妃もビックリな100メートルヴェールとか、佐祐理の十二単(じゅうにひとえ)を超える巨大セットに間違いない。
 明日の美汐さんの衣装、お婆ちゃんのお下がりの40年以上前の花嫁衣装とか、紙屑にしか見えないような、超絶豪華な衣装に着替えに行っている。
 マコピーが持っている、風に飛ばされて一回無くして泥に染まって、茶色に汚れて裂けてるヴェールなんか、500枚ぐらい作れるような大きさのが用意されている。

 犬神家の一族だとか、横溝正史ミステリ大賞に出てきそうな呪われた旧家でも、クソジジイババアは紙の化け物に入れ替わられたり操られているので、白いマスクした「錦織一清~」とか「俺は浅沼静馬だ~」みたいな花嫁が乱入したり、中の人が入れ替わろうとする不届き者は出なかった。
 ただ、マコピーが偽マコピーの立場を羨んで、入れ替わろうとする妖術とか使うと、流石の秋子ちゃんでも抑止できない。
 祐一キュンも、若教主様で初恋の女の子である隣の花嫁が、少し背が高かったり、歩き方がガサツだったり、「フフンフ~ン」とか、ご機嫌で鼻歌を歌ってたり、ヴェールとか白無垢を持ち上げるとマコピーに入れ替わっていて…
「あの、元の沢渡、いえ、月宮真琴さんは、どこにいらっしゃいましたか?」
 と敬語で聞いても、血がついた歯でニッコリ笑われると、ションベン漏らしてその場で卒倒する。

 さらに、午後の部では先々代当主の忘れ形見である、チョロインさんの素性まで明かされてしまい、月宮本家から嫁に出す準備がされているようで、また死刑囚みたいに腰が抜けて歩けない祐一クンも、左右から関係者に拘束された状態で着替えるために連行された。
「タスケテ~」
「あはは~、さあ、私達も着替えですよ」
 佐祐理お姉ちゃんは、(レズ)関係の協定で売られてしまったので、今回も助けてくれなかった。
 更に舞と美汐が祐一と行動を共にしようとしたのも止めて、別室に着替えに連れて行った。
「うぐぅ」
 道中チョロインさんは、ハイヒールで歩いたことなんか無かったので、足首を捻挫しながらぐねってしまったり、スッ転んで差し歯を折ったり、顔を強打して化粧も崩れて鼻血が止まらなくなったり、更にブサイク度がマシマシになって、色々と碌でもない目にあって対価を支払い続けていた。
 あまりにもすっ転んで、ハイヒールを脱いだら背丈が足りずに、ドレスの裾を踏んでコケる気の毒な娘を、祐一が支えてやる。
 更に、車椅子の母親や、祐一を連行している関係者と一緒にエレベータに乗っていると、何故か電源を切られて止まった。
 照明まで消されて非常灯だけになった。
「いやあっ、助けて~~っ」
 暗いところも狭い所も駄目な気の毒な娘。
 母親からは早めに引き離されたが、小さい頃は虐待とかネグレクトも経験して、僕だけがいない街のヒロインみたいな人生だったかもしれない。
「おかあさ~んっ」
 この場合、本家直系の娘がもっとブサイクだったり、BBAで嫁入り出来なかったのに、庶子も庶子、先々代の当主と、どっかの旅館の仲居と言うか、マッサージ嬢で客に求められたら体まで売っていた女が産んだような子を認めなかった連中の、破壊工作と言うか嫌がらせだった。
 里の者に嫌われまくっている、母の素行の悪さも多大な影響を及ぼしていたが、華やかな門出、華燭の宴の直前にエレベータの籠の中で過ごす羽目になった、幸運のパラメータがマイナス表示の娘。
 本来、祐一は引き離されて別行動している間に、披露宴中ずっとエレベータで過ごさせられる予定だったが、同じ籠で閉じ込められた。

 即座に車椅子から立ち上がった母親が非常電話を取り、電話先を怒鳴りつける。
「お前、アタシらを閉じ込めとくか、カゴごと落とすように言われて金貰ったな? 残念だったなあ、こっちには現人神様も一緒に乗ってんだ。高いもんに付くぞ、2分以内に動かさなかったら、お前の家族全部殺す」
 教団の実質ナンバー2に怒鳴りつけられた、気の毒な管理員。
「ひっ、あの、私は監視室の者で、電気室かエレベーター室で電源を落としたのが居るんじゃないかと?」
「よし、そいつら殺して電源入れたら、お前ら全員に200万やる。心配すんな、教団で始末するから罪にはならん、バールでも持って今すぐぶっ殺してこい、じゃないとお前が死ぬぞ」
「はっ、はい、今すぐ動かしてきますっ」
 祐一も周囲の人物も、このBBAを敵に回すと、即ぶっ殺されるのを理解させられた。

 ほんの少し待たされただけだが、幸運度マイナスの子には、当然苦痛が与えられた。
「も、漏れちゃう(青)」
 チョロインさんは、休憩中にウェディングのままトイレに行くのも難しかったので、長いドレスを脱いで、神前結婚で着替える時にしようと思っていたのが裏目に出て、膀胱がパンパンになっていた。
 そこで何故かこんな時だけ男前な表情で微笑む祐一。
「小さい方かな? マイハニー」
「え? うん」
 もう美少年から直飲み出来る上級者になった祐一なら、ウェディングドレスのままの恋人で妻の飲尿直飲みも、人間便器顔面騎乗も大ラッキーだったので大喜びした。
「じゃあね、俺が全部飲んであげるから、少しづつ出してくれる?」
「エ?」
 最初、耳元で囁いてくれる相手が、何を言っているか理解したくなかったチョロインさん。
 気の毒な娘は、自分の両肩を抱いて満面の笑顔で見つめてくれる変態の顔、自分の恋人で結婚式もした妻の尿を、早速直飲みして楽しめるのだと思っている最低な男の笑顔を、いつでもどこでも自分を危機から救ってくれる、王子様の笑顔だと勘違いしてしまった。
「お、王子様… そんなの汚いよ」
「君に汚い所なんて無いよ」
 色々と下の方が緩い感じで、恥ずかしい思いばかりしている娘は、感激して泣き始めてしまった。
 自分が主人公でヒロインのトゥルーラブストーリーが、これから始まるのだと勘違いさせられてしまった。

 もし舞と美汐が同行していたら、「君に汚い所なんて無いよ」セリフで祐一がぶっ殺されていたか、チョロインさんの方が術で始末されていた。
「さあ、そのまま壁にもたれて」
「はい、王子様」
 スカートの中に入られ、下着も降ろされるが、もう何もかも見られて連日快楽堕ちして、潮吹いてお漏らしして対魔忍になった顔を、じっくり観察されるぐらいは当たり前の関係になった王子様なので、感涙しながら尿道にディープキスされるのを受け入れた。
「あううっ」
 栗ごとバキュームクンニされてしまったので、自分の意志に反して発射してしまう。
「だめえ、そんなに強くっ」
 イージーリスニングが流れているだけの、非常灯の下で尿をゴッキュゴッキュ吸われて飲まれて、尻ごと抱きしめられて逃げることも出来ないし、逃げた瞬間に王子様の顔と服にスプラッシュしてしまう。
「ふ~、ふ~~、むほおっ」
 鼻からキッツイアンモニア臭を出して、発酵させたアンコウ鍋でも食べるように、濃ゆくてキッツイ匂いで、舌が痺れるぐらいの毒物?を一気にイった変態。
 それでも気の毒な少女は、これこそが愛の行為なのだと信じて、感激して泣き続けた。
「私の王子様…」
 全量バキューム飲尿で吸い出され、残り汁までジュージュー吸い出し、少し発情させてしまったが、直下には昨日中出ししたの精子が入っているので、そちらはバキュームしなかった変態。
 もそもそしながら下着を履かせて、自分の子供が入っていると思われる下腹部にも頬ずりしてからスカートから出た。
「ごめんなさい、現人神様で王子様に、おしっこなんか飲ませるなんて」
「いいんだ、好きな女の子のだから、汚くなんか無いさ」
「うあああっ」
 幸薄い娘は、それだけで感激して、座り込んで泣いてしまった。

「ああ、あの人(先々代当主)も「朝はやっぱり、これが一番だよなあ」って言ってたから、男からすると美味しいんだろうねえ。これから毎朝、寝起きの一番濃いのを渋いお茶替わりに飲んでもらうんだよ」
「エ?」
 両親も同じような高度なプレイを、毎朝楽しんでいたと聞かされ、ちょっと引いた。
 その後、エレベータ室での格闘に、管理員が勝利したのかエレベータも動き出した。

 椿の間
 昨日に続いての地獄披露宴。当然来るはずの苦行なのだが、文字の認識を拒否して幼児退行していた祐一には、披露宴の文字は読解できなかった。
 朝には「若教主、真琴様、御結婚式」の文字を見て、白目剥いてアヘ顔ダブルピースしたので、下に書いてある地獄まで見えなかった。

 前日の新婦は、女帝でお姉さまでガチレズバリセメの人が偽装結婚。
 倉田の家人が見ても、爺やさんとかメイドさんの誰から見ても「ああ、やっぱりお嬢様って…」という結論を円環の理から導いて、お姉さま同士がついに結ばれて、妹達で巫女全員も「嫁」として迎える日なのだと認識した。
 メンバーの中の誰ひとりとして、佐祐理お姉さまが祐一さん、ゆうくん、弟君を狙っているとは思っていなかった。
 一弥君用の胤として利用、舞と結婚するための接着剤でサンドイッチの具にするのだと認識していた。
 それでも新郎?と言うか、祐一の隣に純白タキシード着て並んだ異母姉。
 忌み子川澄舞は、実の弟をマジで故意しちゃってる基地の外側に駐屯している人物で、
「運命の少年で約束の少年が、偶然血が繋がった弟だったけど、オマエラもキニスンナ」と言い切るガチ勢だったので、全員とてもキニシた。

 椿の間と言うのは、神棚とプチ鳥居まで拵えてある大広間で、地元の政治家とか有力者、月宮一族とかミッシリ詰め込んでも、屋内で神前儀式が出来る場所で、人前苦手なはずの猊下が、姪のために全力で詔唱えていた。
「うぐぅ」
 自分も新婦気取りなのか、娘の介添をしている教主まで最前列。
 救出されたチョロインさんも、暗殺に怯えてビクビクしながらも最前列に引っ張ってこられたが、母親のBBAは今までの行いと性格が災いして会場を追い出され、何故か現当主が介添えをしていた。
「憂遇」
 自分の後ろからの明確な殺意に怯える祐一きゅん。その殺意は花嫁で若教主に向けられていた。
 その衣装は十二単でもウェディングドレスでもなく、貫頭衣にグルグル模様書いたような、電波でも防ぐための白い服で、グルグル入りの頭の変な被り物まであって、顔が隠れていたらKKK団(クー・クラックス・クラン)か、黒かったらジャイアントロボのBF団とか、ナディアのガーゴイルみたいな、秘密結社の熱心な信者が、全員キワドイ宗教用の衣装着てズラリと並んでいた。
(うわ~、ヤベ~~)
 当然、祐一くんもその変な衣装着せられて、南海奇皇(ネオランガ)呼べそうな赤いグルグルの渦巻き入りの、カルト教団の正装を着せられちゃって、写真もビデオもガンガン撮影されていた。
 学校や近所で写真バラまかれたりしたら一生モノの恥で、もう学校へ行けない不登校児になってヒキコモリになる。
 近所のBBAに知られると、「まあ、お宅は月宮教団さんの所でしたか、あちらは集金とか勧誘ノルマ厳しいですよねえ?」と半笑いされて、もう少し集金もノルマもゆるい学会さんとか天*教を勧められてしまう。
 カルト信者だと知られると、複数入信させるために、輸血禁止のエホバの人とか、戒律キツ目のモルモンなガイジンヤンキーが、家に訪ねてきてしまう。

 多分ネオランガみたいに、南国からガングロのロリとか術者が家来として日本まで来たり、兄と近親志望の社会人妹とか、声がみやむーの潮とか夕日様も来る。
 2期には北海道が独立国になったり、王様にされたり、ネオランガさん空飛んだりもする。
(夕日様…)
 祐一キュンもマゾい男なので、小学生の女王様系ヒロインの下僕志願だったが、ロリ系女王様キャラはまだいなかった。

 それよりも、まず直近の脅威としては、昨日と同じペラいコスプレ巫女服着せられて、控室と同じ表情のまま睨んでいる病んだ姉と新妻が、真後ろから怒りの熱量を発しているのを気にした。
 武装はしていないが、素手でツキノワグマでも、グリズリーでも倒せる二人と怪獣なので、とても気になった。
(ゆうくんをあのおんなからとりかえす、ゆうくんをあのおんなからとりかえす、ゆうくんをあのおんなからとりかえす、ゆうくんをあのおんなからとりかえす、ゆうくんをあのおんなからとりかえす、ゆうくんをあのおんなからとりかえす、ゆうくんをあのおんなからとりかえす、ゆうくんをあのおんなからとりかえす、ゆうくんをあのおんなからとりかえす(無限ループ))
 もう恐怖で膝が笑ってしまって、少しチビっているゆうくん。膝まで垂れていた。

(ゆ う い ち……)
 散々良い思いしたヒキコモリの姉が交代させられ、こんな時に限って胴体の人格で嫉妬の化身、超ヤンデレ姉の人格が来てしまった。
 魔物というか、この場合精霊化された霊体が舞から分離して、祐一に憑依して半分溶け合って、後ろから抱き付いて肩に噛み付いた上で絞首。
 心の声で女のマジ悲鳴とか泣き叫ぶ声をタップリ聞かされ、幼児の舞ちゃんが泣いている子供の泣き声とか、バンシーみたいな声も耳元からステレオドルビーサラウンド5.1CHでウィスパードされてしまって、子泣きじじい並に背中の精霊舞の重量が増していく。
(どうして相手が私じゃないのっ? 祐一を幸せにしてあげられるのは姉さんだけなのにっ、どうしてっ? どうしてえええっ!?)
 以前、祐一クンロボのAIとして勤務していた頃のような、機械のような冷静さを全く失い、弟に憑依して全力で霊気を吸い取って、精神力とかをガリガリ削っていく姉。
 当時は完全一体化して、股間も合体したままで栗が巨大化するまで擦り倒されたりして、大変満たされていらっしゃったらしい。

(うわ、怖ぁ~~~)
 今回怪獣さんは、悪霊化した舞お姉さまが怖すぎて接近してこなかった。
 最終兵器彼女から、メリケンサックとか塩コショウマスタード目潰しとか、各種プロレス技関節技の物理攻撃を受けないので、それだけは救いだったが、姉と新妻の精神攻撃で弐号機パイロットみたいに精神汚染寸前。
 霊体が見える人物なら、綾波レイさんの霊体多数がウフウフ笑いながら、青葉さんを取り囲んでビチャッと分解してみたり、クローン体が多数ゲラゲラ笑いながら水槽で浮いていたりするような、とても怖い系の姉の生霊に憑り殺されていて、精霊体食べられている最中の祐一くんが見えた。
 もちろん美汐さんからのマイナス波動もアリアリ、心の痛みとか苦痛が延々続くより、怪獣さんに加えられる肉体的苦痛の方が、遥かに楽だったのにも気付かされる。
(痛いっ、痛いいいいっ!)
 霊体も姉に食われて、霊力も精神もガリガリ研磨されているが、どこかの伽椰子さんと息子さんより怖い顔した、恐怖映画どころじゃない真っ白な姉が、怨念篭りまくった顔して目の前を浮遊しているので、くるぶしまで漏らした祐一きゅん。
(ゆういち~、ゆういち~~~、姉さんだけを見て~~~~~)
 顔と目つきが怖すぎて目をそらすと、強引に視界に入ってくる姉。目を閉じても脳内に侵入してくる。
 いつかの粘菌美汐さんみたいに、どうにかして祐一に同化しようと、穴という穴から精霊体を捻り込んで来るので「だから押し込もうとしても、耳からなんて入れないんだよっ!」と、胴体以外の魔物を全部ぶっ殺してしまった時と同じ苦情を言う羽目になった。

 
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