エロゲー世界に神様転生って勝ち組じゃないのか?
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第23話 災害対策艦隊の派遣 ターン24~26
――――印度洋艦隊司令部――――
ベトナムに侵攻してきたエイリス艦隊は第三艦隊と海兵艦隊により撃退する。
損害も軽微で、後詰の零号艦隊と潜水艦隊の出番はなかった。
東郷長官からはアルビルダ海賊団を壊滅させ、
元北欧のお姫様、海賊アルビルダの身柄を海軍で拘束したという連絡があった。
出動したのは第一艦隊、第八艦隊、遊撃艦隊、特設艦隊で損害は無い。
第八艦隊の福原いずみ中将は提督として見事な初陣を飾ったそうだ。良かった。
軍令部は戦闘詳報を分析し、侵攻してきたエイリス艦隊の構成から
前線外交によりネルソン提督の足止めに成功していると確信する。
惑星インドカレーには、植民星域間で独占的に貿易を行う超巨大企業、東インド会社の本社がある。
エイリス帝国にとって植民星域の臍のような存在だ。失うわけにはいかないだろう。
「伏見総長、残念ながらドクツ第三帝国との星間貿易が不可能になったそうです。
米英ソの三国が連合国共同宣言を発表。
日独伊の三国を枢軸国だと断定し、枢軸の包囲と貿易封鎖を共同で行った為です」
秘書官の遠藤中佐が軍令部がまとめたレポートと共に声をかけてくる。
ソビエトは日ソ不可侵条約を結びながらもか……ま、ダブルスタンダードは外交の基本か。
「そうか。我が国はともかくドクツは苦戦中。
レーティア総統も通信をする暇もない様子だ。
この状況で連合国の包囲網を突破し、互いに物資を供給するのは困難だろうね」
ドクツとの貿易が停止、造船コストの増加はやむを得ないか。
「はい。仕方ありません。第三帝国は巻き返すことができるでしょうか?」
「それは天才総統次第だろうけど、難しいだろうね。
東郷長官は今のところ日本からドクツへの軍事援助は考えていない」
「そうですね。アドルフ総統が過労で倒れたという噂も聞いてます」
「療養中であることは事実だ。
宇垣外務長官がコンサートが中止になったと嘆いていた。
ゲッベルス宣伝相が代行を務めて仕事の半分を引き受けているそうだ」
まあ仕事の半分というのは嘘だろうけどね。
全権独裁者が一切の執務もできないというのが他国に知られるのは拙いのだろう。
「可能であれば印度洋艦隊の力でエイリスという障害を取り除くのがベストだけど……」
「東郷長官はインドカレー侵攻よりも、ハワイ侵攻を重視してますね。
77式バリア戦艦に続いて、防衛艦である77式バリア艦の開発が最優先で進めるそうです」
「間違ってないよ。それに今のままだと太平洋艦隊が張り子の虎だ」
――――翌月、軍令部幕僚会議
「東郷長官も中々に辛辣だな」
「マイクロネシア防衛戦の戦闘詳報ですよね。どうかしましたか?」
「第一艦隊のみで無傷で撃退。お見事だね。
遠藤中佐は太平洋艦隊の配置についてどう思う?」
「どうと言われても……私には」
「マイクロネシアに第一、第四、第六、第七艦隊。
ラバウルに第三、第八、特設艦隊。日本には第二艦隊……」
「印度洋艦隊はベトナムの第三、海兵艦隊が主軸ですね。
後詰としてマニラ2000にいる零号、遊撃、潜水、海援艦隊は、
いつでもハワイ侵攻作戦に加わることが可能です。
……理に適っているでは?」
情報参謀の栗田中佐が訪ねてくる。
「理に適ってるからこそ辛辣なのさ」
「どういうことですか?」
「新たに昇進した提督の中で、第三艦隊の小澤中将はラバウルを任されてる。
新任の第八艦隊を指揮下に置くに相応しい力量があるってことだ。
逆に平良中将は昇進しても東郷長官の下に置かれている。
東郷長官は第七艦隊をお飾りにして戦勲を与えないつもりだろうね」
「なるほど。平良中将に対してですか。
第七と第八艦隊を一緒にしないというのは軍令部総長の提言ですか?」
「正規艦隊の配置については口出ししてないよ。
ま、東郷長官もこちら意図はご存知だから、配慮してくれたんだろうね」
「東郷長官も大したお方ですね」
「そうじゃないと海軍長官は務まらないよ。
それに知ってる? 技術開発が随分と進んだって件」
「はい。ドクツ第三帝国からの技術提供によって
平賀博士が伊号1型潜水艦の開発、量産に成功したと聞いてます」
「あーそっちか。
空母を優先させたのもあるけど、潜水艦の開発はむしろ遅いくらいだ。
デーニッツ提督の献身的な協力のお陰で兵員の訓練が進んで
早期配備が可能になったけどね」
「他に何か?」
「東郷長官が他国の情報屋から技術情報を貰ったらしいよ」
「女性スパイを誑し込むのは伏見総長も以前になされたと聞きましたけど?」
(¬_¬)ヘー フシミ ソウチョウ ッテ
(*´ェ`*)オトコ ハ ミンナ ケダモノ
(¬_¬)トウゴウサン トハ チガウッテ キイテタノニ
(*ノェノ) エー ショック- デモ ワタシモ
「いやいや。中帝国の件は相手から積極して来たわけだから防諜の一環だよ!防諜の!
むしろ女スパイの誑し込みは東郷長官が本家、本元だって! だからジト目は止めて!」
他の幕僚もいるんだから虐めないで!!
( <((●))> _ <((●))> )ジィーッ
って、めちゃ見てたの誰っ!?(汗)
( -∇-) マ,コノヘン ニ シテオキマショウカ
(/ω\) イヤーン タラシコンダノハ ホントナンダ-
――――翌月、軍令部総長室
第三艦隊と海兵艦隊はベトナムに展開しているが、
僕と利古里ちゃんは定期的に連絡艇で惑星日本に帰っている。
街で柴犬様に会ってもふもふさせてもらったという
遠藤中佐と栗田中佐が二人でキャッキャウフフしてる。羨ましい。
欧州の情勢は主に外務を通して届いてるけど悪い報告ばかりだ。
ソビエトが焦土戦術を行いマインシュタイン元帥が戦死したそうだ。
原作ゲームの知識として知ってたとはいえ憂鬱な気分になる。
ドクツの敗北の報により、大ローマでぴえとろによるクーデターが発生。
クーデターを決意した際には「……飛ばねぇ豚はただの豚だ」とか言ったらしい。
巨乳系アイドルのムッチーニ総統は追放され、イタリンは三国同盟を破棄。
しかし北アフリカから撤退してきたロンメル先輩が、
クーデター軍を瞬く間に鎮圧し大ローマはドクツ軍に占領された。やったね!
そろそろルート分岐を考える必要がある。
ドクツ第三帝国の滅亡は避けられないだろう。
デーニッツの潜水艦隊は、印度洋艦隊に配属されている。
僕に帰還を求めてきたら許可して、レーティアの救出を助けるつもりだ。
欧州外交では以前から考えていた手があって、
デートで二人っきりになったときに帝ちゃんに相談して委任状も預かっている。
対エイリス戦線については東郷長官は口出しするつもりはないらしい。
問題はハワイ制圧後のことだ。
できればワープゲート探索実験を行ってカナダ方面からの侵攻を提言するつもりだ。
すでに平賀博士に探索実験を依頼しており、
実験により発見された汎用駆逐艦サムナー級が入渠している。
カナダ方面のワープゲートが見つからなかった場合はCOREルートに突入だ。
東郷長官がCOREに殺されて主人公補正がキングコアに移ったら悪夢の始まりだ。
ちょっとしたアクションがBAD ENDやGAME OVERに繋がる可能性がある。
対ガメリカ戦線は東郷長官に任されている。
清くエロく正しく生き残る為に、
最悪の場合は対立してでも戦争の主導権を奪う必要さえあるだろう。
あとちょっとでエロエロできそうなキャラもいるのだ。
いきなりキングコア編突入で末期戦争モードとか辞めて欲しい。
退廃的なセックスシュチュは堪能できそうだけどな!!
ぶっちゃけ東郷長官は今や敵に回したくない人間No.1だ。日に日に恐怖を感じる。
ちなみにNo.2が明石大佐で、No.3は猫平内務長官だ。
大日本帝国の奥の院にいるという人間国宝の伊藤閣下にはお会いしたことはない。
「っ! 提督、マレーの虎の駐留艦隊から緊急連絡」
「大原海軍中将から? 内容は」
「はいっ、マレーの虎で“宇宙台風”が発生。
印度洋艦隊に災害対策艦隊の派遣を要請」
このタイミングで災害か。発生の条件とかは覚えてないから対応が後手に回る。
けど記憶にあったイベントだから、もしもの備えは欠かしてはいない。
「宇宙台風ならバリア艦が有効だ。
東郷長官に連絡して太平洋艦隊に配備予定の
新造バリア艦の戦隊を災害対策艦隊に編成するよう要請」
「災害対策艦隊の編成は?」
「第三、海兵艦隊は今はベトナムから動かせない。
これから山本大将にお会いして第二艦隊に動いてもらうようお願いする。
秘書官はマニラ2000にいる遊撃、潜水、海援艦隊の各提督に連絡を!」
「はいっ」
「各参謀は災害対策マニュアルに従って作戦計画の準備を」
「はいっ!」
「東郷長官の太平洋艦隊に負担をかけて、
これ以上ハワイ侵攻計画を遅らせるわけにはいかない。
宇宙台風は艦隊を派遣し撃退する。早急に対処するぞ!」
後書き
30ターン以内にハワイが占領できない場合は……
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