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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第421話】

 
前書き
待たせたぜ(・ω<)

原作戻ります( ´艸`) 

 
 次の日、二時限目が終わって直ぐの休み時間、騒がしい声と共に二年の黛薫子先輩が現れる。


「やっほー、織斑くん。 篠ノ之さん。 ――あ、後、有坂くんも良いかな?」


 入るなり一夏と篠ノ之、そして更に【何故か】俺まで呼ばれる。

 篠ノ之が怪訝な表情を浮かべ、俺を一度見るが直ぐにふぃっと顔を逸らし、何時ものように腕を組み、瞼を閉じて一夏の隣に佇んだ。

 呼ばれた以上、行かない訳にはいかない……席から立ち上がると、皆の視線が一様に俺や一夏に集中するのを感じつつ、俺は黛薫子先輩の近くへと移動した。

 ――と同時に、一夏がいつも通りに口調で黛先輩に話し掛ける。


「あれ、どうしたんですか?」

「いやー、ちょっと有坂くんを含めた三人に頼みがあって」


 軽く愛想笑いを浮かべる黛先輩、篠ノ之は相も変わらず不機嫌そうな表情を浮かべていた、原因は俺だろう。


「頼み……? 私と一夏だけでなく、こいつにもですか?」


 こいつ扱いにカチンと来るも、ここで怒っても仕方ないので耐える。


「まあまあ、そう言わないの。 あのね、私の姉って出版社で働いているんだけど、専用機持ちとして三人に独占インタビューさせてくれないかな? あ、因みにこれが雑誌ね」


 鞄から取り出す雑誌、よく見るとIS学園生徒が表紙になっていたティーンエイジャー向けのモデル雑誌だった。


「えっと、あのー、この雑誌ISと関係無くないですか?」


 疑問を抱いた一夏は、直ぐにそれを黛先輩に告げると意外そうな表情を浮かべながら――。


「ん? あれ? 三人ってこういう仕事初めて?」

「はぁ」


 一夏も篠ノ之も、二人して曖昧に返事をして頷くと、軽くため息を吐く黛先輩。


「……一夏、篠ノ之もだが、専用機持ちは基本国家代表及び、代表候補生のどちらか、何でかわからないがタレント的な事もするらしい。 正直、アイドルだのモデルだのは本業の人にさせるべきなんだけどな……」

「まあまあ有坂くん、最近はそうでもしないといけないやんごとなき事情があるのよ」


 黛先輩の代わりに現状を説明した俺、やんごとなき事情があると先輩はいうが、正直言うとただの客寄せパンダ目的にしか俺は感じなかった。


「そうなのか? 箒?」

「わ、私に聞くな! 知らん! そこの馬鹿にでも訊けば良いだろう!」


 芸能関係に疎い二人、篠ノ之は俺を指差しながらそう告げた。


「……篠ノ之さん、いい加減お兄ちゃんを馬鹿呼ばわりするの、止めてよね?」


 ムスッとした表情の美冬が現れ、そう告げると篠ノ之は振り返り――。


「ふん、あいつだって馬鹿だと自分で言ってるではないか。 私はそれに倣ってるだけだ」

「……少なくともお兄ちゃんは馬鹿じゃないよ、貴女より頭の回転速いし。 ……ていうか、何でそんなにお兄ちゃんを敵視するの? 専用機の事を咎められたから?」

「元々気に入らないのだ、一夏を殴るし、今言ったように私が専用機を受理したのにも表立って反対したのはアイツだけだ。 アイツこそ私の事を敵とでも思っているのだろう? なあ?」


 そう言って篠ノ之は振り向き、固まって話し合っていた三人組みに話し掛けた――篠ノ之の取り巻きの子達だ。


「え? え、えぇ、そうね、篠ノ之さんの言う通り!」

「う、うん! し、篠ノ之さんは実力で手に入れたんだよ! だ、だから篠ノ之束博士も専用機用意してくれてた筈なんだし!」

「き、キャノンボールでは最下位争いだったけど、そ、それはコースに無い仕様だったから仕方ないもんね、篠ノ之さんっ」

「ば、バカ! ……さ、最下位争い何て篠ノ之さんに言ったら機嫌を損ねちゃうじゃん……。 ……専用機、貰うまで我慢しなきゃ……!」

「ご、ごめん……」


 狼狽えつつ、篠ノ之の言った内容とはかけ離れた内容を言う三人、最後の方のキャノンボール辺りの話は篠ノ之には聞こえなかったのか、同意してくれた三人を満足そうに見て頷くと――。


「ほら、三人も同意している」

「そう見えるなら、私がいくら言っても意味無いね」


 呆れた表情を浮かべ、美冬はため息を溢すと可哀想なものを見るような目で篠ノ之を見てから席へと戻っていく。


「ふん、上手く言い返せないから逃げたようだな……」


 勝ち誇る様な清々しい表情を見せる篠ノ之――こんな時、何かを言っても多分耳には届かないだろう……後で美冬にフォロー入れるか。

 そう思っていると、鈴音が教室内に入ってきた。


「遊びに来てあげたわよ! ――って何々? モデル雑誌? ……もしかして、あんた達に依頼が来たの? ふふん、仕方ないわね、せっかくだからあたしのモデル写真、特別に見せてあげるわよ。 ヒルト、見たいでしょ?」


 手を後ろに組み、俺の横にやって来た鈴音がそう言う――と、俺が喋るより早く一夏が。


「いや、いい」

「あんたに聞いてる訳じゃないわよ、バカ一夏! ねぇ、ヒルトは見たいでしょ?」

「ひでぇ……。 最近何か冷たいよな、鈴のやつ……」

「私に聞くな、バカ!」


 鈴音の態度に、隣の篠ノ之に同意を求めるように言う一夏だが、篠ノ之は素っ気なく対応すると共に一夏の頭を叩いた。

 そんなやり取りを他所に、俺は鈴音に対して頷くとパァッと花開く様な笑顔を見せ、制服のスカートのポケットに手を入れる。


「ちょっと待ってね? 今見せるから!」


 取り出した携帯の画面をタップし、画像をスクロールさせていくと目的の画像が見つかったのか、俺にそれを見せる。


「……へぇ、可愛いな」

「お……?」

「む……」


 モノのついでと謂わんばかりに、一夏も篠ノ之も気になったのか覗き込む様に画像を見る二人。

 写し出されていた画像には、服装をカジュアルに着こなし、可愛く写っている鈴音の姿がそこにあった。

 ぶっちゃけ、これだけ可愛く写っているのを見ると妹や未来の写真も見たくなる……が、二人は俺の言い付けを守るようにそういった仕事は断っている――というか、来るのがグラビア関連ばかりだと言っていた気がする。


「可愛いな、結構カジュアルに着こなしてるし、鈴音の元気よさが伝わる感じだし可愛さも出てる、正直悪くないぞ?」

「ぅ、ぅん。 ……て、てか、別にあんたに可愛いって言われて、嬉しく無いんだからねっ!」


 言葉とは裏腹に、笑顔の鈴音は更に画像をスクロールさせようと携帯を弄ってると、休み時間の終わりを告げるチャイムの音が鳴り響いた。


「あ、そろそろ戻らないと。 一夏くん、有坂くんも。 確か今日は剣道部に貸し出しよね? 放課後、剣道部に寄るからまたその時に!」


 そう言って教室を出ていく黛先輩――鈴音も、スクロールする手を止めると携帯を直して。


「あたしも戻るわねヒルト。 確か今日は午後からはISの合同授業だったわね。 模擬戦らしいけど……まあ、授業始まればわかるよね。 じゃあね、ヒルト。 ついでに一夏も」

「俺はついでかよ!」


 そんな一夏のツッコミも気にせず、足早に教室を出ていく鈴音――と、篠ノ之がぶつぶつ何か独り言を呟いていた。


「……そうか、今日は一夏が剣道部に派遣される日か。 …………」


 ピンク色の妄想でもしてるのか、僅かに頬を朱に染める篠ノ之、とりあえずそろそろ織斑先生が来るため、俺も一夏も席へと戻ると未だに妄想に浸っている篠ノ之――と、織斑先生がやって来てため息を溢し、篠ノ之の側までやって来るとゴツンッと鈍い音と共に拳が振り下ろされ、頭を抱える。


「くっ……、い、いきなり何をするのだ!!」


 怒気と共に声をあげる篠ノ之は、殴った張本人を見ると顔が青ざめる。


「もうとっくに授業は始まっている。 さっさと席へ戻れ、それと篠ノ之、織斑もだが反省文の提出は今日の放課後までだ、忘れるなよ」


「わ、わかり……ました」


 すごすごと頭を擦りながら席へと戻る篠ノ之、一方の一夏も反省文に関して頷くと、織斑先生は教壇に立ち――。


「さて、今日は近接格闘戦における効果的な回避方法、及び距離の取り方についての理論講習を始める、教科書の――」


 早速授業が始まると共に、教科書を開く音が其処ら中から聴こえてきた。

 いつも通りの授業、キャノンボール・ファスト襲撃があっても、授業だけは変わらず、一様に織斑先生の話に皆耳を傾けるのだった。 
 

 
後書き
そして次は午後の授業をば( ´艸`)

模擬戦っす( ´艸`)

 
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