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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜

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第8話 堕ちた姫君は、快楽に溺れ「種付け」を望む

 桃色の霧が立ち込める寝室。その部屋に設けられた赤いベッドの上で、この国の姫君が純潔を散らしていた。
 本来なら痛みと異物感しかないはずの、その瞬間は。長時間に渡り染み付いた媚薬の効果と執拗な愛撫によって「極上の快楽」へと変質し――彼女の身体と心を、「天国」へと導いている。

「あぁっ! は、はぁっ、あぁあぁっ! ひぃああぁあぁあっ!」
「いいぞ、いいぞ、いい締め付けだ! 分かるかジルフリーデ! お前の肉壁がピッタリと俺に絡みつき、扱き、奉仕している様が! お前の身体は完全に、俺のモノとなったのだ!」
「ふぁっ!? あぁ、あっ……! ま、また大きく――ひぃぃいぃいっ!」
「まだだ、もっと乱れろ、もっと俺を狂わせてみせろ! 天国以上の快楽を教えてやるぞ! そらァッ!」

 ツインテールに結われた、艶やかな藍色の髪が。大きく弾みながら(かぐわ)しい汗を撒き散らす、白く豊かな乳房が。愛液による、絶え間ない水音が。一突きされるたびに敏感に跳ね、淫らにくねる下腹部が。甘い吐息と嬌声を漏らす、小さな唇が。
 男を誘い、狂わせ、望んでいないはずの射精と――受精に、近づいていく。無意識のうちに彼女の白く扇情的な両脚は、アンジャルノンの屈強な腰に絡みついていた。

 その仕草は、ますます男の剛剣を昂らせ――熱く、硬く、反り返らせてしまう。女を屈服させ、否応なしに啼かせてしまうその凶器は、男を知ったばかりの「聖域」をさらに押し広げ、圧迫し、征服していた。
 彼の逞しい胸板に押し潰され、ジルフリーデの双丘は柔らかく形を変え、互いの体温を伝え合っていく。双方の乳首が擦れ合い、そこから広がっていく情感もまた――姫君の理性を溶かし、目の前のオスに屈服するよう促していた。

「どうだ、欲しいか? もっと激しく突いて欲しいか?」
「うはぁあぁっ! はぁあぁっ……く、うぅっ……だ、誰、がっ……!」
「嘘を付け、お前の身体は正直に俺を求めているぞ。例えば……ほら!」
「ひぃあぁあッ!?」

 今にも唇が触れてしまいそうな至近距離で、アンジャルノンはジルフリーデの快楽に揺れる瞳を覗き込み――屈服を「提案」する。すでに彼は姫君の「弱点」を知り尽くしており、そこを擦られるだけで彼女は軽い絶頂を味わい続けていた。

 姫君はそれでも快楽に抗い、気丈に拒もうとしていたが――すでに届いていた子宮の入口を、剛剣の先端で弄られた瞬間。
 下腹部に走る強烈な快感と衝撃に眼を剥き、腰をくねらせ男のモノを締め付けながら、激しく気をやってしまった。

「ひぃ、ひぃっ、ひぃいっ……! ぁあぁ……はぁ、はぁぁっ……!」
「この媚薬の香の原料には、大昔の魔術師が残したと言われている『幻惑の魔力』が秘められているそうでな。他の薬とは比べものにならん効力があるのだよ。……それこそ男を知ったばかりのお前が、子宮の入口で絶頂出来てしまうほどにな」
「そ、そんなっ……!」

 厭らしく吊り上がったアンジャルノンの口元に吹きかけられる、ジルフリーデの吐息は――すでに彼女の肢体が、眼前のオスに服従していることを意味していた。あとは、折れかけている心だけ。
 そして、その心にとどめを刺すために。アンジャルノンは、快楽に膝を折りかけている姫君に対し――非情の決断を迫る。

「……つまり。これは全て、禁止薬物を使われたせいで見ている幻に過ぎん、ということだ。今ここで俺に抱かれ、喘ぎ、絶頂し続けているお前は……媚薬で狂わされているだけであり、本当のお前ではない」
「……ほ、本当の、私では……ない?」
「そうだ。今のお前は、俺が創り出した幻惑の世界に適応するために生まれた、仮初めの姿でしかない。ここで何が起きたとしても、全ては夢。現実の出来事ではない」
「全て……夢……」
「そう、夢だ。このまぐわいも、その果てに待つ絶頂も、お前のせいで起きたことではない。その上で、問おう……ジルフリーデ」

 アンジャルノンの言葉も、全てが嘘ではない。強力な媚薬と、それに乗じた激しい責めがなければ、こんな詭弁に容易く騙されることはなかっただろう。
 しかし、下腹部から自分を責め続ける剛剣に翻弄され、判断力を鈍らせてしまった今の彼女に――彼の誘惑を拒む力は、残されていない。

「この俺にキスをしてみろ、ジルフリーデ。お前の方から、自分の意志で」

「……っ」

 故に。蕩けた貌でアンジャルノンの唇を仰ぎ、子宮を疼かせている彼女は――微かな理性との鬩ぎ合いの果てに。桜色の唇を自ら(・・)突き出すという、選択に至る。

「ジ……ジルッ! 騙されてはなりません! だ、だめぇえっ!」
「……んっ……」

 そこまで調教されてしまった今となっては、最愛の母であるアリアレイテの叫びさえ、届かない。

 ジルフリーデはそのまま、白く優美な両腕を、アンジャルノンの太く浅黒い首に回して。しっかりと、抱き寄せて。ふくよかな巨峰を押し当て、彼の胸板に密着させて。
 くびれた腰も、射精を渇望している腹部も。身体の境目さえ分からなくなるほど、強く彼の肉体に擦り付けながら。

「……ちゅっ」

 きつく瞼を、閉じたまま。心からの屈服と、永遠の服従を誓うように――アンジャルノンの欲深な唇へと、己の愛を捧げてしまうのだった。

 最初にアンジャルノンの方から行ったような、乱暴なキスとは違う。優しく慈しむ、甘い口付けであった。
 本能により淫らにくねり、男のモノに絡み付いている「聖域」とは裏腹に――そのキスはまるで、恋人同士の神聖なひと時のようである。

「……よくぞやり遂げたな、ジルフリーデ。流石は気高き聖国の姫君よ」
「ちゅ、ちゅっ……」
「ならば俺も、その愛に応えねばなるまい。待たせたなジルフリーデ、今こそ『種付け』の時だッ!」
「ちゅうっ……!? ん、ひぃっ……あぁあぁああぁああッ!」

 心の底からジルフリーデが屈服した今こそ、完全に彼女とこの国を手に入れる好機。
 そう意気込んだアンジャルノンは、彼女から唇を離した瞬間――くびれた腰を両腕でしっかりと掴み、大きく双丘を弾ませる彼女の上体を、勢いよく抱き起こした。
 次の瞬間。座したまま密着し、向かい合う格好となった彼らは、より深く熱く絡み合う。自身の体重により、さらに奥へと剛剣を受け入れてしまった姫君は――かつてない快楽に絶叫しながら腰を振り、胸を揺らし続けていた。

「あっ、あぁああっ! ひ、ひぃ、ひぃいぃいぃっ! あぁあぁああぁはぁあぁあぁあッ!」
「どうだジルフリーデ、俺の味は! 男というモノは! まぐわいというモノは! こんな時でなければ、決して味わえぬ快楽であろう!?」
「はっ……はいぃっ! アンジャルノンの……アンジャルノン()のモノが、私を……私の全てをっ! うぅぅっ、はぁあぁあぁああーッ!」

 かつてアンジャルノン率いる帝国軍を憎み、彼らに剣で立ち向かう女傑だったはずの王女ジルフリーデは。

 憎き仇敵だったはずの男に抱かれ、胸を吸われ、剛剣を突き入れられても。怒るどころか笑みすら浮かべて、自らの意思で腰を振るようになっていた。
 上下左右にくびれた腰を淫らにくねらせ、ふくよかな乳房を揺らし続け、その勃起した先端を舐めしゃぶられながら、恍惚の笑みを浮かべる彼女には。もう、勇敢な剣士だった頃の姿など――微塵も残されてはいない。

 そして、待ち侘びていたジルフリーデの陥落に沸き立つアンジャルノンの剛剣も。「待望の瞬間」を感じ取り、大きく刀身(・・)を膨らませながら彼女の肢体を押し倒し、蹂躙していく。
 再び彼女の裸身に覆い被さった巨漢は、突き上げられるたびに弾む乳房と喘ぎ声を愉しみながら――抽送の速度を高め、降り切った彼女の「子宮」を目指し続けていた。

「ついにこの時が来た……! 待ち侘びたぞ、ジルフリーデ! さぁ、孕め……俺の子を孕め! 俺だけに忠誠を誓い、身を捧げる奴隷となるのだァッ!」

「は、はぃいぃっ! 誓いますぅうぅっ! 私は、ジルフリーデは、アンジャルノン様のっ……ぅあ、はぁあっ、あぁあぁああぁあああんっ!」

 確実に彼女を妊娠させる。その目的にのみ邁進するアンジャルノンの連撃から、ジルフリーデは下腹部に迫る「昂り」を悟り――なおも、男を受け入れていく。
 もはやこれは、陵辱ですらない。偽りの世界で育まれた、愛の営みであった。

「出すぞ、出すぞ、しっかり受け止めろ! しっかりと孕め!」

「はいっ! はいぃいっ! ジルは、ジルは孕みますぅっ! アンジャルノン様の、アンジャルノン様の子を……はぁあぁあぁああーっ!」

 母の声さえ届かなくなり、狂乱の性交に溺れ、妊娠に向かい突き進んでいくジルフリーデ。そんな愛娘の変わり果てた姿を見せ付けられ――アリアレイテは悲しみに暮れた表情のまま、身を震わせている。

「ぬぉおぉッ!」

「はぁあぁっ……ぁあぁあぁああんっ!」

 ――そして。極上の快楽による互いの絶叫が、この寝室に轟き。

 同時に絶頂を迎えた2人が、きつく腰を絡ませ合い。ジルフリーデの強烈な締め付けにより、アンジャルノンの剛剣がその時(・・・)を迎え。

 子種を待ち焦がれている姫君の子宮に、熱く焼け付くような白濁の奔流が注ぎ込まれる。

 この場にいる誰もが、そう確信していた――その時であった。

「姫様ぁあーっ!」

「ジルゥウーッ!」

「ジルッ!」

「――!」

 刹那。姫君の聴覚に響き渡る、仲間達の叫びが――媚薬によって押しやられていた理性が、蘇る。

 快楽一色に染められていた、彼女の瞳に現れる、かつての気高さが――失われかけていたジルフリーデの心に、「本来の自分」を宿していった。

 ――アンジャルノンの子供など欲していない、「本来の自分」を。

「ぬっ……おぉっ!?」

「はぁあ……あぁあぁあーっ!」

 それが。聖国の全てを圧倒的な「力」で踏み躙って来た巨漢が、初めて余裕を崩された瞬間であった。

 膣内射精される直前。絶頂により弛緩していたはずのジルフリーデの膂力は――仲間達の呼び声によって生まれた「気力」だけで。

 自身に「種付け」を行おうとしていたアンジャルノンの巨体を、突き飛ばすほどの威力を発揮したのである。

 しとどに汗ばみ、淫らな匂いを放つ豊満な肢体の奥では、すでに降り切った子宮が受精の準備を整えていたのだが。白くか細い両腕でアンジャルノンの胸板を押し除け、剛剣を引き抜いた彼女は――その「生殖本能」にさえ、打ち勝っていたのだ。

「はぁ……あぁっ……!」
「バッ……バカな!? 媚薬は確かに効いているはずッ……!」

 そんな彼女の淫靡な身体に降り掛かる、白濁色の粘ついた雨が。微かな理性を以て「種付け」を拒んだ姫君の選択を、象徴している。

 どんな時も支え合い、ここまで辿り着くために冒険して来た仲間達の叫びは――媚薬効果さえ塗り潰す、限界以上の力を呼び覚ましたのだ。
 
 

 
後書き
・カスタムキャスト製おまけ5
 
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