IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第八十話】
前書き
遅れて申し訳ないです
少し標準語の勉強をしていました
そして二回戦!
――って前に書いておいてなんですが、もう少し後になりそうです
その前に、前々から入れる予定だったヒルトと美冬の両親を出したくて、後二話程使わせてもらいます
更新ですみません
――1025室――
初日のトーナメント戦全試合が終わり、現在は夜。
因みに美冬は試合に勝った、圧勝とはいかなかったが特に苦戦はしていなかった。
そして現在、俺もシャルルもシャワーを浴び終えて、今は互いにベッドに座って談笑していた。
――と、そこへ俺の携帯が鳴り始めた…。
「悪いシャルル、電話鳴ってるから――」
「うん、じゃあ僕は部屋を出て――」
「違う違う、別に聞かれても気にしないって、電話に出てもいいか聞こうとしたんだよ」
「そ、そっか。――勿論出ても大丈夫だよ」
笑顔で応えたシャルルに、俺も笑みを返すと携帯を手に取る――。
……母さんから?
珍しいな、いつもは美冬の携帯に連絡するのに。
そう思いながらも、電話に出ると――。
「もしも――」
『はぁい、ヒルト。お母さんですよぉー』
「いやいや、番号見たら母さんってわかるから――」
俺が『母さん』という単語が出ると、シャルルの表情に変化があった――。
「――それで母さん、どうしたんだ?いつもなら美冬の携帯に連絡するのに、俺の方にかけてくるなんて」
『うふふ。…お母さん、たまにはヒルトの声が聞きたくなるのよぉ?』
「……本当かよ?まぁ…あんまり会わないからそうなるのかもしれないが」
『本当よ?ほ・ん・と・う♪――まあそれは置いといて――』
置いとくのかよっ!!
――という虚しい突っ込みを心の中で行い、母さんの言葉を待っていると。
『実はお母さん、明日そっちに行こうかと思うの』
「はい?そっちって……何処に来るんだよ?てか母さん今アメリカじゃ――」
『もう日本よぉ?――だから明日、IS学園へ行こうと思うのよ♪』
「はあっ!?明日学園に来るって!?」
その大きな声に、一瞬シャルルがびくっと反応するが、直ぐ様何やら考え事をするかのように顎に指を当てて瞼を閉じた。
『もぅ、お母さんが来るんだからもっと喜びなさいよぉ』
「う、嬉しくない訳ではないけどさ、急過ぎだろ?――てか母さん来るって事は親父も――」
『勿論よぉ?お母さんのボディーガードで旦那様ですからぁ』
――等と、電話越しに若干のろける母さん、多分くねくね身を捩ってるかもしれない……。
「のろけはいいから――ったく、急だよな、いつも」
『ごめんねぇ?――お母さん、美冬ちゃんと未来ちゃん、二人に直接会わないといけなくて』
「美冬だけじゃなく、未来にもか?」
『そうよ?――詳しい話は、二人に直接するつもり。だから明日の朝一番にそっちに行くから迎えに来てくれる?』
「朝イチって――六時なら大丈夫だが…」
『うふふ、じゃあ六時ぐらいに正門前駅で待ってるわね?』
「げっ……一番遠い駅だし…まあいいさ、六時に美冬と迎えに行くよ」
『はぁい、じゃあヒルト、早く寝なさいよぉ?』
「わかってるって、美冬に連絡したら寝るから――じゃあ明日、おやすみ」
『おやすみなさぁい』
その言葉を聞き、通話ボタンを切るや――。
「ね、ねぇヒルト…?そ、その……」
「……?どうしたシャルル?」
遠慮しがちにシャルルが言いにくそうにしていた。
「――その、お、親子水入らずの所…邪魔したくないんだけどね?……ぼ、僕も明日、一緒に迎えに行っても……いい…かな…?」
――と、いつも通り下から覗き込み、上目遣いで見上げてくるシャルル。
「ん?構わんぞ?――てか別に積もる話がある訳じゃないんだから遠慮するなって」
「ほ、本当っ!?い、一緒に行ってもいいのっ!?本当に本当だねっ!?」
俺の右手を取り、両手で包むように握ると密着するぐらいの距離まで近づくシャルルに、また心臓が跳ね上がるように鼓動した。
――さ、流石に慣れないな…男がこれをしたら気持ち悪いとしか思わないがシャルルは女の子だからな…。
ふと、先日起きた『僕の事を自由にしていいよ』事件を思い出した。
――多分、次あんなことあると欲に忠実になるかもしれないな…。
でも……シャルルも危うく感じる…まだ俺だから堪えれたが他の男なら絶対即えっちするだろうしな…。
「ほ、本当だから。――だ、だからシャルル、離れてくれないか…?」
「え?――~~~~っ!?」
――自分の体勢に気がついたのか、跳び跳ねる様に離れたシャルル。
このやり取りも何度か続いているため、思わず笑顔になる俺。
「はははっ、とりあえず今から美冬の部屋に行ってくるよ。シャルル、先に寝て構わないぞ?――朝早いが、起きれるか?」
「だ、大丈夫だよ。ちゃんとアラームセットするから」
「ふふっ、まあしなくても起こすがな、これが」
「――ヒルト、その時はよろしくね?」
「あぁ、じゃあ行ってくるよ」
そう告げ、1025室を出るとその足で美冬と未来の部屋へと向かった――。
――その道中――
「あら、ヒルトさん?」
「ん?――セシリアか、風呂上がり?」
「えぇ、先ほど上がったばかりですわ」
美冬や未来の部屋に向かう途中、風呂上がりのセシリアと出会った。
そういえば、外人さんは皆、風呂は水着を着るとか聞いたが本当だろうか?
――まぁ、今気にする事じゃないか、これが。
「悪いセシリア、ちょい急いで美冬の部屋に行かないといけないから」
「美冬さんにですか?――何か急用ですか?」
「ん?あぁ、明日の朝6時に急に親父と母さんが来ることになってさ。だから連絡しないといけなくてな、これが」
「そうなのですか?――」
――と、途中で言葉が止まったセシリアを不思議に思いながらも、その表情から伺うと今の俺が発言した言葉の意味の整理をしているように感じた。
そして、少ししてからセシリアは口を開き――。
「ひ、ヒルトさん、今わたくし……聞き間違えたかしら?ヒルトさんの親が来るとお聞こえしたような――」
「ん?間違ってないぞ?……6時に親父と母さんが来るって確かに行ったがそれが――」
「そ、それは本当なのですかっ!?」
「……っ!?」
凄い剣幕で迫るセシリアに、後退りしつつも俺は――。
「ほ、本当だって。さっき電話がかかってきてな。今は日本に居るらしいが……多分俺の自宅か近くのホテルにでも泊まってるのか――」
等と説明をしてると、突然咳払いをするセシリア。
「コホン……。ヒルトさん、――わたくしもヒルトさんのご両親にお会いしてもよろしいかしら?――そ、その…ヒルトさんにはいつもお世話になってますので、ご両親にご挨拶をと思いまして…」
「あぁ、構わないぞ?とりあえず朝の五時に正門前駅に向かうから起きれるか?」
「え、えぇ、勿論大丈夫ですわ。わたくしはセシリア・オルコットですから」
――早起きとセシリアって何か意味があるのだろうか?
……考えても答えが見つからないが、これが。
「じゃあ五時に寮の前で、それじゃあ美冬に連絡しないといけないからまた明日」
「えぇ、ヒルトさん。また明日――おやすみなさい」
その言葉を聞き、俺は早足気味に美冬達の部屋へと向かった――。
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