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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第391話】

 
前書き
モッピー知ってるよ。
山田先生はモッピーより乳牛って事。

    _/⌒⌒ヽ_
   /ヘ>―<ヘヽ
   ((/ ̄ ̄ ̄\))
   /    ) \
  /  | | //ヽ ヘ
  |  ハ | /イ | |
  レ |/ レ| N\|||
  /| |≧ ヽ|≦ |||
 / ヽ|゙    ゙|/ /
 \_(ヽ  ̄ /⌒)ヽ
  / | T ̄ ̄| ヽ |
 / /ヽノ   \_ノ|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 

 
 全スラスターの出力調整を行っていると、不意に俺に近付く足音が聞こえてきた。


「有坂君、どうでしたか? 参考になりましたか?」


 そう言ってやって来た山田先生は、ISスーツだけをその身に着ていて、先程と同様、豊満な乳房の谷間が視界に映った。


「山田先生。 えぇ、流石は代表候補生ですよね。 正直、皆とクラスが一緒という幸運はそうはないですね」

「そうですね。 代表候補生は毎年何人かは入学しますが、専用機を持って入学してくる子って、案外少ないんですよね。 三年は一人、二年は二人ですから」


 そう言われ、上級生の専用機持ちで真っ先に顔が思い浮かんだのは我等が生徒会長、更識楯無その人だった。

 残りの二人はまだ会ったことがないのでわからないが……。


「有坂君、話は変わりますけどキャノンボール・ファスト本番では妨害有りのバトルレースになりますから、立ち回りが重要ですよ」


 そう説明する山田先生、立ち回りもそうだが実は遠距離武器がギガント・マグナムだけという罠。


「立ち回りですか……。 先行逃げ切りとかは難しいですよね、流石に」

「そうですね。 先行だと皆さんから狙われますからね……。 あ、そうです。 せっかくだから先生と模擬戦してみますか? キャノンボール・ファスト想定の高速機動戦闘です」


 提案する山田先生は、胸の前で手を合わせて笑顔で答えた。


「良いのですか? 訓練機組の様子は見なくても?」

「えぇ、今は織斑先生が見てますので。 有坂君、どうですか? 先生と模擬戦」


 正直、それは非常にありがたい。

 勿論歯がたたないだろうが、それでも実戦想定で、しかも元がつくとはいえ、代表候補生だった山田先生と手合わせ出来るのだ。


「では、よろしくお願いします山田先生」


 頭を下げ、一礼すると――。


「はい! 何せ私は先生ですからね♪」


 軽く胸が弾む――たわわに実ったそれは、本当に柔らかそうで一度顔を埋めてパフパフしてほしいものだ。

 そんな良からぬ妄想をしていると、山田先生はISを展開し、ラファール・リヴァイヴを展開した、


「一応キャノンボール・ファスト仕様にカスタマイズされてますので。 シールドをサイド・スラスターとして使用していて、増設スラスターが背部に三基です♪」


 仕様変更した機体を説明しながら御披露目する山田先生。

 三基に増設された巨大なスラスターの存在感が凄かった。


「かなり巨大なスラスターですね。 見た感じだと何かの転用物に見えますが……」

「えぇ、この増設されたスラスターは元々は大気圏離脱用の物を転用しているんです。 使用している燃料がロケット燃料なので、全体が大きくなってるんですよ」

「成る程。 勿論誘爆対策はなされてますよね?」

「勿論です♪ 一学期に授業で教えましたが、調整で絶対防御の範囲圏内を広げているんです。 有坂君も、村雲に乗っていた時、シールドバリアーの範囲圏内狭めてましたよね?」

「そうですね。 最初のセシリアとの模擬戦では過剰なぐらい広く守ってましたから、今もですが手引き書見ながら調整してますよ」


 そう思い、四月の調整していた放課後の少しした時間を思い出す。

 基本的に訓練後に、少し時間をとって調整してまた次の日に調整してって形でやっていたが……やったことなかったから、何日も時間を取ったな……。

 そう思っていると、山田先生が――。


「少しずつ覚えていけばいいですよ♪ わからない所があれば、代表候補生の皆さんも居ますし、先生に訊いても良いですからね? 一通り自分だけで整備できるように訓練は受けてますから♪」

「わかりました。 わからない時などは先生に訊きにいきますね」

「はい♪ ではそろそろ始めますよ。 有坂君、心の準備は良いですか?」


 軽く首を傾げ、笑顔でそう告げる山田先生に俺は頷き、打鉄を身に纏うと――。


「了解です、準備万端、いつでも大丈夫ですよ」

「では、スタートラインに並びましょうね♪ 鷹月さん、フラッグの準備をお願いします」


 山田先生が鷹月さんを呼ぶと、彼女は小走りで走ってきて――。


「わかりました。 タイミングは私任せですか?」

「はい♪ 鷹月さんに一任します」


 そう言って山田先生は集中し始める、そんな中、俺は鷹月さんに視線を送ると彼女は少し頬を紅潮させて視線を逸らした。

 だがそれも一瞬で、再度合わせてくると、柔らかな笑みを浮かべてからフラッグを構え。


「では……。 ……3、2、1、スタート!!」


 フラッグを振ると同時に全スラスターを点火、山田先生も、背部増設スラスター三基が点火し、激しい白煙が立ち込めると同時にスタートダッシュを切る。

 アリーナに白煙が立ち込める中、加速力は山田先生に軍配があがり、徐々に俺を引き離してまず最初のリングを通過する、それに続いて通過すると山田先生からプライベート・チャネル通信が繋がる。


『スタートダッシュ、なかなかやりますね有坂君? 次は上昇ですよ!』

『了解です!』


 直ぐ様返事をし、山田先生の後ろについて追従し、二つ目のリングを通過、大きめのコーナーに入ると山田先生は減速、アウトコースから入っていくのに対して俺はインコースから攻める。

 大きめのカーブの為、右側の二基のスラスターのみで瞬時加速、一気に小回りで周り山田先生を抜いてトップをとった次の瞬間、粒子形成を終えたマシンガンを発砲してきた。


「……ッ!?」


 左側の盾二枚を直ぐ様背後を守るように配置し、マシンガンの銃弾を防ぐと共にトップをとったアドバンテージを利用して、対艦刀カリバーンを粒子形成させ、それを手放す。


「……!?」


 手放したカリバーンが、山田先生に迫る――のではなく、山田先生が迫っていき、表情が一変するが、直ぐ様対処するようにピッチアップで回避、だがそのピッチアップにより俺との距離が大きく離れる。

 その間にカリバーンを再度手元に呼び出し粒子が四散――ギガント・マグナムを展開すると、器用に体勢をかえ、後ろ向きにコースを進みながらギガント・マグナムを時間差で放ち、妨害行動に出る。


「っ……トップを取られると不味いですねぇ……」


 山田先生の額から汗が伝う――ギガント・マグナムをサイドロールで避けると更に加速し、中央タワー頂上付近で更に距離が詰まる。

 ここでの妨害は難しい為、旋回に意識を集中させ、先ほどと同様に瞬時加速で急旋回して折り返し――。


「ここです!」

「なっ!?」


 折り返しのコース向こう側から放り投げられたグレネードが眼前に――瞬時加速を止め、ピッチダウンで下に避けると頭上で爆発、大きく減速させられコースアウトギリギリで持ち直すもののその間に山田先生は俺を抜き、次のリングを通過、両手のマシンガンで弾幕を張った。


「クッ……」


 盾四枚で防ぐも、スラスターを兼ねた盾故に点火したままだと減速は必至、スラスターの起動を停止し、防ぎきると再度盾四枚を背部へと回し再点火、一気に加速していく。


『弾切れ……ですが、まだ先生には接近戦用の武器がありますよ!』


 マシンガンをかなぐり捨て、左手に近接ブレードを呼び出した山田は、戦闘機のマニューバーの一つ、木の葉落としで減速と共に俺の背後を取る。

 レースだとこんな必要は無いが、山田先生は実戦訓練を教えてくれてるのだ、一位になってゴールするのではなく、生徒である俺に、接近戦も体験してもらおうという心遣いだろう。

 勿論これは俺の勝手な推測だからわからない――だが、貴重な経験をさせてもらうということなら、俺もそれに応えるだけだ。

 北落師門を呼び出すと、それを振るう。

 山田先生も同時に近接ブレードを振るっていて、刃が重なると小さく火花を撒き散らせた。

 アリーナ地表が徐々に迫り、互いの刃が何度も交差し、切り結びながら最後のリングを俺も山田先生も潜り抜ける。

 一瞬の攻撃の隙をつかれ、打鉄の装甲に山田先生の近接ブレードが触れると少し減速すると共に、装甲から火花が散った。

 その一撃の差で山田先生が先にゴールを切り、次点で俺がゴール――負けたとはいえ、貴重な経験をさせてもらった事にはかわり無く、俺は――。


「山田先生、ご指導ありがとうございました。 色々参考になりました」

「いえいえ、先生も有坂君のお役にたてたのなら嬉しいです♪ では、先生は織斑くんにも教えてきますね? 彼にも同様に経験させないと、ですから♪」


 笑みを浮かべて人差し指をたてる山田先生、少しずれた眼鏡を直すと、そのまま一礼して俺の側から離れていった。


「ヒルト君、お疲れ様」

「ん? やあ鷹月さん、スタートのフラッグ、ありがとうな?」

「ううん、ちょうど手が空いてたからね」


 やって来たのは鷹月さんで、彼女もISスーツに身を包んでいる。

 ――正直、実は鷹月さんの見た目って結構好みだったりする。

 とはいえ、他がダメという訳ではない、俺自身好きになればその子がタイプだし――まあ結論つけてないが。


「鷹月さんはコースを回るのか?」

「勿論。 私達訓練機組も貴重な経験出来るし、何より勝てばデザート無料券もらえるから」


 ニコッと笑顔でそう告げる彼女も、やはりデザートには弱いようだ。

 まあ、女の子全般に言えることだが。


「あ、それじゃあそろそろ戻るね? ……そ、それと……か、かっこよかったよ? 何だか、三回目なのに、ヒルト君直ぐに操縦技術が上がっていくから。 ……わ、私も負けないからね?」


 そう言って走って訓練機組へと戻る彼女、カッコいいと言われ、少し照れながら俺はまた再度調整に戻っていった……。

 その頭上では、一夏が山田先生と模擬戦をし、グレネードの炸裂音の後に地面へと【何か】が墜落する音が聞こえたが、多分一夏だろう……。 
 

 
後書き
モッピー知ってるよ。
モッピーは大和撫子って事。

    _/⌒⌒ヽ_
   /ヘ>―<ヘヽ
   ((/ ̄ ̄ ̄\))
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