IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第八十六話】
前書き
うーん(-_-;)
下手くそな駄文をまた巻き散らかします
――第三アリーナ――
「八式・天乃御柱、前面に展開!――迎撃モードでオンライン!」
言うや、村雲・弐式の前面に集まる第三世代兵装の【八式・天乃御柱】。
ハイパーセンサーには御柱八機全てのステータスが表示された。
そして、鈍く光ると同時にレーザー発射口が至る所から開いた――。
「はっ!一直線で向かって来るのは無謀ってもんだぜ、有坂ぁっ!」
「有坂!悪いが俺たちも優勝狙ってるんだ!先に倒させてもらうぞ!!」
先に宇崎が俺に言い、次に栗原が言うや同時にガトリング砲を構えた――。
合計八門のガトリング砲――試合開始時と同じように俺に狙いを定めている。
更に付け加えると、マルチウェポンラックに備わっている短距離ミサイルも此方をロックしたのか、アラートが鳴り響いていた。
アリーナ地表を走りつつ、右手に天狼を呼び出し――突きの構えのまま突撃を仕掛けていく。
「ぼろぼろのぼろ雑巾にしてやるよ、有坂ぁっ!?」
宇崎が叫ぶと同時に二機のガトリング砲の砲身が回転――発砲と同時に薬莢が景気よくアリーナの地にばら蒔かれていく――。
迫るガトリング砲の弾丸を察知した【八式・天乃御柱】――キィンッ!――独特の高周波音がアリーナ中に鳴り響いたと同時にレーザー射撃による迎撃、それもガトリング砲から発砲された弾丸全てに対して過剰とも思われるぐらいレーザーが照射され、弾丸を消し炭へと変えていった――。
「ば、馬鹿な!?弾丸全てを迎撃だとっ!?――理央!火線を有坂だけに集中だぁっ!!」
「わかった!――有坂のIS、すげぇなぁ……」
小声で感心するかのように呟く栗原、宇崎も気づいたが何も言わずにヒルトに対してガトリング砲の集中砲火を浴びせる為に射撃を続けた。
だが、その射撃もヒルトのIS本体には届かず、パァンと弾丸が弾けていった――。
明らかな焦りの表情が見える栗原と宇崎を他所に、俺はハイパーセンサーに表示されている【八式・天乃御柱】のステータスを確認――。
――どんな武器にも、機械にも弱点はある。
【八式・天乃御柱】も、こうやって実弾射撃を完全無効化しているものの、それも時間制限付きだ。
――エネルギーパックの残量にも限度がある、シールドエネルギーを流用しての使用も可能だがシールドエネルギーを10変換して、全エネルギーパックに1充電―――正直、緊急の場合以外では変換も厳しい……。
観客席からの歓声が聞こえるなか、マルチダッシュを駆使し、複雑かつ緩急付けての移動を行い、二人の射撃を引き付けていた――。
そこへ、プライベート・チャネルによる連絡が届いた。
『ヒルト、今から二人の足元を射撃するよ。――上手くいかなかったらごめんね?』
『気にするなって、その時は俺が天狼で脚部を破壊するさ。シャルルは遠距離から支援よろしく!』
『――うんっ!』
はっきりと、それでいて力強く返事をしたシャルルはそのままプライベート・チャネルの通信を切った。
ハイパーセンサーでシャルルの位置を視認すると、後方のガトリング砲によってえぐられた地を簡易塹壕にし、寝そべってグレネードランチャーを構えていた。
確認を終えると、その場で上空へと跳躍すると、それにつられるように宇崎も栗原もガトリング砲とマルチウェポンラックに備わったミサイルを向け、再度一斉射撃を行ってきた。
迫るミサイル数基に対して、御柱からの一斉レーザー照射による迎撃――その光の雨がミサイルに降り注ぐとそのまま爆発――アリーナ全体がその衝撃に揺れ、爆煙が俺と栗原、宇崎の視界を覆った――といえど、実際はハイパーセンサーで互いを視認出来るので効果は低いのだが、それでも煙で視界を覆うと一瞬の判断が遅れるのが人間ってやつだ。
刹那、パシュッパシュッと砲撃音が聞こえた――シャルルのグレネードランチャーによる砲撃音だ。
放物線を描くように煙の中を進む砲弾――栗原も宇崎もハイパーセンサーで視認しているものの『クアッド・ファランクスの自重』で回避行動をとれない――。
着弾すると同時にグレネードの破裂音と共に爆発――二人のパッケージの補助前脚部が破壊され、姿勢を保てず、四門のガトリングの重量に負けて前のめりで沈んだ――。
樽形弾装にも弾丸があまり無かったのも原因だろう。
「くっ…!?有坂達はこれが狙いだったのか…っ――玲、パージしてラファールだけで戦――」
「悪いが、パージされる前にやらせてもらうさ、これがぁっ!!」
背部ブースターを点火と同時に再度天狼を構え直す。
そして――一気に栗原へと迫った。
「……っ!?」
「シールドエネルギー削らせてもらうぞ、栗原」
言うや、絶対防御が発動する生身の部分――腕を狙って刃を当てた。
「……っ、有坂、何故攻撃しないんだ!?」
「……戦いは嫌いなんでな、天狼のバリア無効化攻撃を利用してわざと絶対防御を強制発動させればわざわざ刀で切りあう必要もないだろ?」
「………!?」
生身の腕を斬らぬ様に気をつけつつ、そのまま絶対防御を発動させ――。
バシュゥッ――と、シールドエネルギーが0になった栗原のラファール・リヴァイヴは機能を停止した。
一方の宇崎も、シャルルの遠距離射撃を受けてシールドエネルギーを減らしていた。
「宇崎、悪いが俺たちが三回戦に進ませてもらうぞ」
「おー、ぼろ負けなのだ~」
――と、試合前の宇崎に戻っていた。
「宇崎、戻ったのか?」
「うん、私って銃を持つとあんな感じになっちゃうんだよぉ。ごめんねぇ」
「いや、謝る必要は無いさ――悪いがシールドエネルギー削るぞ?」
「おー、優しくしてねぇ…?」
潤んだ瞳が、俺を見つめてくるが――削らなければならないのでまた生身の――むき出しの太股を狙って軽く刃を当てると同時に、シールドエネルギーが0に――。
『試合終了!勝者は有坂緋琉人&シャルル・デュノアペアです!』
アナウンスがアリーナ中に鳴り響くや、巻き上がる歓声――。
よくわからないが、試合は盛り上がったのだろうか?
――戦うのが嫌いだから、少し微妙な感じがしないでもないがな。
――と、栗原と宇崎が。
「有坂、第三試合頑張れよな?俺、応援するから」
「私も応援する~、私たちの屍を乗り越えてけー」
――等、笑顔で応えた栗原と宇崎に対して、俺は――。
「任せな、それに次だけは負ける気何て無いさ、俺はな」
「僕も、ヒルトと一緒なら負けないよ」
――と、いつの間にか俺の左後ろに居たシャルル。
こうして、二回戦Aブロック第一試合も、俺とシャルルが勝ち、第三試合へと駒を進めた――。
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