IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第八十五話】
前書き
THE駄文になってしまったかもです
それでも良ければ見てやってくださいませ
――第三アリーナ――
試合開始と同時に火を噴く合計八門のガトリング砲――その無数の弾雨がヒルトを襲う――。
「うぉっ!?――避けてみせるさっ!」
その場で上空へ跳躍――先ほどまで俺が居た場所は、八門のガトリング砲による一斉射撃により、アリーナの土がえぐりとられるように形が変わっていた――。
そんな上空へと逃れた俺を、再度両腕のガトリング砲を構えた栗原と宇崎は――。
「逃がさねぇぜ、有坂!」
――と、ニヤリと口元を緩ませる栗原――一方の宇崎は――。
「あひゃひゃひゃひゃっ!!死ね死ね死ねぇっ!?」
――何かに取り付かれたかのように口調が変わっていた。
「ぶっ!?宇崎、キャラ変わりすぎだろっ!?――シャルル!」
「了解、僕に任せて!!」
栗原と宇崎、二人によるガトリング砲の十字砲火を右、左、右と連続クイックブーストで避け(全ては避けきれず、装甲に当たるが全て弾いている)つつ、俺はシャルルの名を叫んだ。
それに応えるように、呼び出したアサルトカノン《ガルム》をシャルルは両手で構え、宇崎自身へ向けて発砲――だが。
「デュノア、邪魔するなぁーっ!?ひゃははははっ!!」
アサルトカノンの射撃を、宇崎は上半身を逸らすだけで避けた――見る限りだとシールドバリアーの範囲を狭めてダメージを最小限にする狙いのセッティングだろう。
バリアを突破されたら直ぐに絶対防御が発動する危ないセッティングではあるが、これもある程度は理にかなっているのかもしれない。
クアッド・ファランクス自体を盾にすれば本体はダメージを受けず、最悪パッケージパージすれば本体だけで戦えるのだから――。
俺を狙うのを邪魔されたからか、右腕側の二門のガトリング砲がシャルルの方へと向き――。
「削ってやるぜぇ、その装甲をなぁっ!?」
二門のガトリング砲が再度火を噴き、一直線にアリーナの土をえぐりとるように進みながら弾雨がシャルルを襲う――。
――だが。
「簡単にやられる僕じゃないよ、宇崎さん?」
笑顔で応えたシャルル――その正面にシールドを三枚展開、面制圧射撃を防ぎつつ上空へと飛び上がると同時にスモークグレネード二個を栗原及び宇崎の足元へと転がした――。
普通のスモークグレネードではISに対して効果は無いのだが、技術は進み、ハイパーセンサーにも感知するスモークグレネードやフラッシュバン等も開発されている。
小さく爆発すると同時に、栗原&宇崎の辺りをスモークが覆い、二人の視界を遮った――。
「くっ…!?有坂達は何処から来る…っ!?」
そんな栗原の声が聞こえる中、俺とシャルルは一定距離離れ――。
「ふぅ…シャルル、クアッド・ファランクスの性能わかるか?」
「うん――通常兵器の口径25mm7砲身のガトリング砲四門搭載したパッケージだね。――説明文だとISの絶対防御を飽和できる程の弾頭を浴びせる事が出来るらしいけど――」
「25mmガトリング?――戦闘ヘリに搭載されてるタイプか?――てか飽和だと意味が違う気がするが…まぁいいか…」
「うん、一応この説明だと最強の攻撃力を手に入れた『砲台』って――」
「……ISの売りである機動性を捨ててのパッケージね…。この狭いアリーナなら効果的だが、ISの良さを殺してまで使うパッケージじゃないな――広い場所で使う場合だが――てかこれを考えた奴はどう思って作ったのかねぇ…」
ハイパーセンサーの端にあるクアッド・ファランクスの説明文が書いてある画面を開き、説明を見ると先ほどシャルルが言った通りの説明が書かれていた――。
重量と反動制御で一歩も動けない……か。
ならば、あの『補助脚部』を攻撃すればパッケージを支えられなくなるって事だな。
「シャルル、あのパッケージの攻略法見つけたぞ」
「本当?」
「あぁ、単純だがあのパッケージの『脚』を狙うぞ」
伝えると、最初はわからないような表情をするシャルルだが――。
「……そっか!自重で動けないパッケージ――その『脚』を崩せば――」
「そう、体勢を崩すだけじゃなく上手くすればガトリング砲も無効化出来るって訳さ、これがな」
自重で動けない=支えとなる脚が重要な役割を果たす――という事は補助脚部の前脚部分を破壊すれば体勢を維持、反動制御するのも難しくなり、まともに戦えなくなるはず――。
後は、上手くいけばガトリング砲も使えなくなるはず、砲身が曲がって――前に倒れたらの場合だが。
――と、痺れを切らした宇崎が。
「理央!ミサイルの爆風でスモークを消すぜ!?」
「玲、わかった!その後はガトリング砲で――」
「奴等の装甲を削り取って勝利だぜ…ひゃははははっ!!」
バシュ!――マルチウェポンラックから、短距離ミサイルを発射する宇崎。
着弾点を自身の五メートル先のアリーナ地表にセットしたのも爆風によるダメージを軽減するため――。
その地点にミサイルが着弾すると、小規模の爆発が起き、二人の周りのスモークが吹き飛ぶようにかき消され、そのパッケージ装備のラファール・リヴァイヴ二機が姿を表した。
「――シャルル、俺が囮になるから二人の補助前脚部に集中射撃、又は補助脚部辺りの地面を吹き飛ばしてくれ」
「了解、わかったよ――ヒルト、やられちゃダメだからね?」
「ん?――村雲・弐式――いや、第三世代兵装【八式・天乃御柱】の真骨頂――シャルルにも、栗原や宇崎にも、観客全員にも見せつけてやるさ!」
ニッとシャルルに笑顔で応えた俺は、そのまま地上へと着地するや――体勢を低くし、地上を走って一直線に二人に向かって突撃していった――。
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