IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
【第八十四話】
前書き
二回戦です
前に言った通り、クアッド・ファランクス出します
――第三アリーナ更衣室――
母さんと親父の手続きも無事に終わり、少し時は流れて朝の九時前。
Aブロック第一試合の俺とシャルルは更衣室で着替えてスタンバイしていた。
大会も二日目、今日も変わらず客席は満員御礼状態だ。
一回戦で敗退した生徒も、観客席から試合を観戦したり、又は上級生の試合を見に行ったりしている。
「ヒルト」
俺の名を呼ぶ声が聞こえた、勿論声の主はシャルルだ。
「おぅ、どうした?」
「今日も勝とうね?勝てば午後は――未来さんとボーデヴィッヒさんとの試合だし…」
そう、今日は二回戦と三回戦――午前中が二回戦で午後が三回戦となっている。
アリーナもフル活用され、Bブロックも第四アリーナで行われている。
「ん、やる以上は勝つさ――それに親父や母さんも居るんだし、パートナーにシャルルだ。勝利の女神まで居て負けたら切腹ものだ」
「勝利の女神って――僕…の事…?」
おずおずと、此方に熱い眼差しを送ってくるシャルル。
「……ちょっと台詞がくさかったか?シャルル以外誰が居るんだ?」
「く、くさくないよっ?その…いきなりだったから僕びっくりしちゃって…勝利の女神かぁ…えへへ」
はにかむような仕草をし、照れた表情をするシャルル。
「シャルル、今日の対戦相手は宇崎玲と栗原理央だ。クラスメイトで専用機は無いが、新しいレギュレーションになって機体性能は殆ど変わらない――だからシャルル、気をつけろよ」
「もちろんだよ、ヒルトもクラスメイトだからって手を抜かないでね?」
「……あぁ、わかってるさ。戦いは嫌いだが――だからといって戦わずってのも悪いからな」
そう言い、ピットへと移動を始めた俺。
「じゃあ先に行ってるぞ、シャルル?」
「うん、僕も後に続くね」
カタパルトに接続するとカウントダウンが始まり、シグナルが緑色に変わると同時に俺はカタパルトから射出された――。
――第三アリーナ中央――
ピットから射出されると同時に、観客席から歓声がわき上がった――。
その様子に俺は若干の戸惑いを覚えつつも、アリーナ中央へと着地すると同時にその衝撃で砂ぼこりが舞い上がった――。
「有坂!」
「おー、有坂くん~。試合よろしくね~」
――着地して立ち上がると同時に栗原が俺の名を呼び、宇崎は俺に挨拶した。
「おっす、二人ともおはよう。――栗原、なんだ?宇崎、こっちも試合よろしくな」
「お、おはよう…――じゃねぇっ!――有坂!今日は負けねぇからな!?勝つのは俺達だ!」
「おはよう~――うん~、勝つのは俺達だ~」
――栗原の言葉に続くように宇崎も同じように言った。
搭乗機は二人ともラファール・リヴァイヴなのだが、このパッケージ装備の【クアッド・ファランクス】ってなんだ…?
見たところ、普通のラファール・リヴァイヴにしか見えないのだが…?
……展開されていないだけなのかもしれないな。
クアッド・ファランクスで検索かけたいが…何分もう試合が始まる時間帯だ…。
検索だけやっておくかな、これが。
そう考えていると、また観客の声援がわき上がったので何かあったのかと思うと――ピットからシャルルが出てきた歓声だった。
カタパルトから射出され、シャルルもアリーナ中央へと降り立つと――。
『Aブロック二回戦第一試合、有坂緋琉人&シャルル・デュノアペアvs宇崎玲&栗原理央ペアの試合が始まります』
淡々としたアナウンス口調――。
ハイパーセンサーの隅で、検索をかけたクアッド・ファランクスの説明文が表示されているが、今は試合開始の合図を待たないといけない。
アナウンスの声をきっかけに、静まりかえるアリーナ――それが否応なしに俺の心臓の鼓動が高くなっていく…。
目を閉じ、軽く呼吸し、何とか落ち着かせると試合開始のカウントダウンが始まる。
ハイパーセンサーのカウントダウン表示が0になったその瞬間――。
『試合開始してください!』
その言葉を合図に、栗原と宇崎、二人はパッケージ装備を展開した――。
「……なっ!?」
――俺の目には、その姿は異形に見えた。
ガトリング砲を四門搭載し、固定する為だろうか補助脚部も四本、ガトリング砲の弾装に到っては樽形という――弾詰まりが起きそうな樽形弾装を四基積んでいた。
四門のガトリング砲×2――つまり、二人ともがまず俺をロックすると――。
「有坂!先にお前から倒させてもらうぜっ!」
「おー、ドカンと一発、やっちゃうよぉ~!」
「ちぃっ、俺からかよっ!?」
「ヒルト!?離脱―――!!」
そんなシャルルの叫びをかき消すように、合計八門のガトリング砲が火を噴いた――。
後書き
次回は戦闘です
少し遅れるかもですがご容赦を
ページ上へ戻る