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狂った私をお食べなさい

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花子とオヤジとレーズン

ラムレーズンが嫌いな女がいた。

なぜか
寝る前にラムレーズンのクッキー食べてしまった女は

もぉおぉ~

くっそまずくて、

お水で
砕けてグチャグチャになった
ラムレーズンのクッキーを
喉奥に流し込んだ。

まるで
自分が
水洗トイレになってしまったような気分になった。

水洗トイレの気持ちがわかった気がした。

これからは
大切に使ってあげよう。
ピカピカにお掃除してさー。

や~
カーテン開けたくない。
引きこもりたい。

だけど
暗いのは嫌だから

カーテンを開けようとしたけど

いや

もし
ここでカーテンを
開けてしまったら
私は狼に変身するかもしれない。

と、
その女は
カーテンを開けるのを躊躇してしまった。

寝てる間に
世の中で何が起こってるかだなんて
わからないでしょう?

寝て
起きて

いつも通りに
ドアを開けてみて

果たして
いつも通りの世界が待ってるか

どうかだなんて

そんなの
わからないでしょう。

だから
いつもドキドキしながら
窓とかドアを開けるの

そして鏡を見る。

あぁ、良かった

しわしわのおばあちゃんになっていなくて良かった

って、

いつもいつもホッとするの。

女は
小さなころを
ふと思い出した。

窓あけて寝てたらさ、

姉に

「そんな窓ばっかり開けてたら

花子さんが飛んでくるよ」

って
謎に脅された記憶があるのだ。

そのときは
女も
まだ小さく純情だったので

「いやー
花子さんいやーいやー」

って言いながら
焦って窓をしめて
号泣したもんだ。

この歳になったら

んなわけない

と思うでしょう?

だけどね、

さっき

ラムレーズンが
くっそまずくて
水を流し込んで

水洗トイレの気持ちがわかってしまったのは、

決して
偶然なんかじゃなく
必然だと思った。

なんで
23年生きてきた女が

いまさら
水洗トイレの気持ちなんかわかってしまったのか…

なぜ…

なぜ…

トイレ=花子さん

ほら、

辻褄があうでしょ?!

きっと
花子さんの呪いだと思うのよ。

女は
ひとりで納得して

ひとりで
頷いた。

ねぇ
きっとそうよね。

だから
今日は怖くてカーテン開けれない。

姉いわく

花子さんは
真っ白な顔で
チューリップのあっぷりけ持って
飛んでくるらしいよ。

まぢ怖いー。

ガクガクブルブル震えながら

女は結局
カーテンを開けれずにいた。

そして、

布団を深くかぶり
枕に顔を埋めた。

そして
何も考えないようにした。

考えないようにした。

なのに

なのに

女は

また
酷く怯えた

なんと

なんと

枕から
おじさんの臭いがするのだ。

最近
朝起きたら

枕から
おじさんの臭いがするのだ。

うわー

とうちゃんの
臭いとそっくり


なぜ

なぜ

なぜこんな臭いが。

なぜ

オヤジの臭いがするの。

女は
推理を始めた。

まっ、まっ、まさか

すっ、すっ、すっ、

ストーカー?!

ストーカーが
私の布団で勝手に寝た?

いや

まっ

まさか


布団の中に
おじさんが住んでいる?


やっ

やだわ…

どうやって追い出しましょう…。

女は
そんなことを考えながら
ふと、ひらめいた。

「あぁ、そうか
殺してしまえばいい」

と、思って
枕を窓から放り投げてみた。

くっせーんだよ、おやじ!

ざまー!!

……

あっ、

窓あけたら
花子さんが飛んでくるかもしれないんだった。

と、
思い出した女は
急いで窓をしめて

また再び布団に戻る。

すると

なっ

なっ

なんと!

まだ
おやじの臭いがするのだ。

いったい
どうゆうことだ。

自分の体から
おやじの臭いが…

あっ

やっ

まさか…

私が寝てる間に
どっかのオヤジが

私をレイプしたとか?

そっ、それか

私の体の中にオヤジが住んでい…る?

どうしよう。

あっ

そうだ

「殺してしまえばいいんだ。それだけだ。」

そして
女は窓から身を投げ出して死んだ。

走馬灯が見えた。

たどり着いた先は
カラフルな森で
戸惑っていると

花子さんが迎えにきてくれた。 
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