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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第110話】

――1025室――


週末の日曜日――とりあえず期末テストの赤点回避だけは何とか防いだ。

これもセシリア、シャル、ラウラ三人による協力のおかげだ。

美冬も未来も、問題なく赤点回避――どころではなく、美冬は平均が90以上、未来も98以上だから参る。

俺なんか平均60なのに――。


それはそうと今は日曜日、来週から臨海学校が始まる。

とりあえず出掛けて水着を買わないと行けないのだが母さんからのメールの返事を打っていた。

――メールの内容は、どうも母さん達も臨海学校に着いてくるそうな、IS関係者として学園側から許可をもらって。

理由は美冬と未来のISだと思うが、二人は断るつもりなのは知ってるのか…?

――俺が言わなくても本人達が告げるとは思うが。

――後、海という事で親父も母さんも水着を買うから向こうで会いましょう――とのこと。

……まあ良いんだけどな。


とりあえずラフな格好に着替える――黒いシャツにダメージジーンズ――シンプルだ……多分。

これにもっとシルバーのチェーン着けろだの言ったのは友達だな…そこまで調子に乗ったらヤバイだろ。

――夏場はあまりファッションとか意識しないからな…暑いし。

とりあえず着替えも終えたので、必要な物をポケットに突っ込むと俺は部屋を出ようとドアを開けた――すると。


「きゃっ――」


ドアの先で小さな悲鳴が聞こえた――ドアが急に開いたからだろうか?

とりあえずドアを開けきるとそこに居たのは――。


「ん?――シャルか、どうしたんだ?こんなところで?」

「あ……え、えっと……」


ドアを開けた先に居たのはシャルだった――服装が半袖のホワイト・ブラウスにその下にはライトグレーのタンクトップ。

そしてティアードスカートを――またこれも短く、シャルの脚線美が俺には眩しく映った。


――スカートの短さだけがどうしても気になるよな……これじゃあ他の男も絶対見るだろうし。

等と思っていると、頬を赤く染め、少しもじもじしていたシャルが――。


「あ、あのねヒルト?……も、もし今日、他に誰とも用事がなかったら……僕と一緒に買い物行かない…?」


そう言いきると視線を逸らし、後ろに手を組んだ――。

だがその表情は少し不安そうな表情にも見えた。

そんなシャルの様子を案じ、俺は笑顔で応える――。


「俺なら構わないぞ?途中母さん達と合流するが、それまでは一人で見て回ろうかと思ってたしな」


その俺の笑顔に安堵したのか、シャルは嬉しそうに笑顔で応えた。


「ほ、ほんと!?――よかったぁ……断られたらどうしようかって、僕ずっと不安だったんだ。……えへへ」


ホッと一息ついて笑みを浮かべるシャルを、本当に可愛いなと改めて思った。


「んじゃ、早速行こうぜ?――後、勉強見てくれてありがとな?おかげで夏休み補習祭りにならなくて済んだよ」

「う、うん。僕で良ければまたいつでも教えるからね?……こ、今度は二人きりで……ね?」

「……あ、あぁ」


かぁっと顔に熱を帯びるのを感じ、曖昧な返事をして顔を背けると俺は部屋に鍵をかけて寮の通路を歩き出す――その隣をシャルが歩き、俺達は駅へと向かった――。




――駅前ショッピングモール『レゾナンス』近く――


モノレールに乗り、駅前へと到着。

……ここは俺や美冬、未来が住んでいる所の隣駅だ。

基本的に買い物はいつも近場の商店街なのだが、物を探すときは此方によく来ていた。


――『レゾナンス』――


交通網の中心であるここは電車に地下鉄、バスにタクシーと移動手段には困らない場所だ。

市の何処からでもアクセスが可能であり逆もまた然り――。

そして、駅舎を含んだ周囲の地下街全てと繋がっているのが特徴――とのこと。

そしてこの『レゾナンス』にはありとあらゆる物がある――食は欧・中・和と完備し、衣服も量販店から一流ブランドまで網羅し、更に各種レジャーも揃っていて俗に俺や友達は『ぼくのかんがえたさいきょうのみせ』と中学時代に言っていた。


――まあこのレゾナンスのおかげで、うちの街の商店街がピンチになったのだが、そこは知恵を絞って、商店街内で使える専用のスタンプという物を用意したおかげでここに負けず、土日は人でいっぱいになる商店街に早変わりしたわけだ。


それはそうと辺り一帯は人、人、人――これははぐれたら合流が難しいだろうなぁ――と思い、シャルに手を差し出す。


「え?」

「迷ったら不味いからな、手繋ぐぞ?嫌だったら俺のシャツを掴んでもいいが?」


言うや、言葉の意味を理解したのかさっきの俺と同じようにかぁーっと赤く顔が染まるシャル――。



「つ、繋ぐよっ。ま、迷ったら大変だしねっ?こ、これならヒルトともはぐれないしっ。…………えへっ…」


若干狼狽ぎみで一通り喋り終えると、シャルは小さく笑みを浮かべて俺の手を握った――握った手は俺よりも小さく、手のひらからシャルの体温が伝わってくる――。


「んじゃ、入ろうぜ?」

「う、うん!」


手を引き、ショッピングモール『レゾナンス』へと俺達は入っていく――途中、やはりシャルの容姿もあるのか擦れ違う男の人皆がシャルを見るため、シャルは恥ずかしさからか顔を俯きつつもきゅっと繋いだ手に力を込めてきた。

少し握り返すようにすると、シャルが嬉しそうに笑顔で応える――。

そんな笑顔に少しドキドキしながら目的のショッピングモール二階へと向かった――。


その後ろに、二人の影が迫ってることにこの時、全く俺は気付いていなかった――。 
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