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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第101話】

 
前書き
何だかんだでキスばかり書いてる気がする(-_-;)

 

 
――1025室――


ドアノブを回し、ドアを開けるとそこに居たのは宣言通りセシリアだった。


「こんばんは、ヒルトさん」

「あぁ、こんばんは」


互いに普通に挨拶をするのだが、何故だかわからないがセシリアは静かに怒りを貯めているという印象を受けた。


「ほら、部屋に入れよ?」

「……わかりました、では、失礼します」


そう礼儀正しく言うと、俺の部屋に入っていった――。

それを確認すると、ドアを閉め、セシリアの元へと向かうと直ぐ様――。


「ではヒルトさん、ご説明をお願い致しますわね?」


言葉は丁寧なのだが、その表情は菩薩の中に修羅が居そうな……そんな印象を受ける表情だった。


「え……と。――言えることは、俺の不注意でした」


「……それだけですか?」


……ヤバい、何かめちゃくちゃ怒ってる…。

これ以上どう言えば納得してくれるのかがわからない…。


「……ごめん、不注意としか言えない…てか、言い訳になるけど、流石にあれを予測するのは難しいぞ?」


「…………」


おぉぅ…何だか気分は浮気男が彼女に自分の浮気の言い訳をしてるかのような――したことないけど。


「せ、セシリアだって咄嗟にあんなことされるなんて思わないだろ?いきなりだぞ?いきなり」

「……それはそうですが…」



まだ完全には納得していないようだが、少しはわかってくれたのか表情が和らいだ気がした。


「うん、実際セシリアがいきなり俺にキスされたとしてもあんな感じになるさ、これがな」


そう言うと、またフラッシュバックされるように今朝と先程の事――そして五月にあったセシリアとのキス未遂事件まで思い出してまた一気に熱が上がるのを感じた――。

そんな俺の様子を案じたのか、セシリアが――。


「ヒルトさん、お顔が真っ赤ですわよ?大丈夫ですか?」

「あ、あぁ…大丈夫だ、ちょっとな…」

「……今朝の事でも思い出していたのかしら?」



何だかまた地雷を踏んだ気がする――和らいでいた表情がまた険しくなり始めたセシリアを見て内心焦りつつも――。


「だ、だから同じような事が起きたらセシリアだって何が起きたかわからなくなるって!――ほら」

「……?――あっ…」


両肩に手を置いて此方に引き寄せると、セシリアの目が見開かれ、頬が徐々に染まり始める。

――頬を叩かれるかと思ったのだがそんなこともなく、ただセシリアも突然の事に視線を合わせられずにいた。


「……わかっただろ?突然の出来事には対処出来ないって」

「え、えぇ……」



……少し大胆な行動だったかもしれない、今俺とセシリアの距離は非常に近く、抱き締めようと思えばそのまま引き寄せられる距離でもあり、そのまま我慢して離れられる距離でもある。

セシリアもその事に気づいているのか、先程よりも頬に赤みが差し、徐々にその瞳に潤みを感じる――。


「ひ、ヒルトさん……今朝の事、許してほしい…かしら…?」

「う?――あぁ、このままセシリアと気まずくなるのって何だか嫌だし…な」



そう言いながらセシリアの両肩に乗せた手を離す――すると、セシリアは離した左手を包む様に両手で握ってきた。

その行為に、また心臓の動きが早くなる――このままじゃ、心臓加速死する可能性も出てきた――心臓加速死って何だか意味がわからないが。



「……で、ではヒルトさん、お願いがあるのですがいいかしら…?」


包んだ手を導くようにセシリアは自身の頬へと俺の左手を導く――そのまま左手がセシリアの頬に触れると――。



「……キス…してください……」

「……ッ!?!?」


セシリアの言葉に耳を疑う――というか、今日は全体的に皆おかしい、まるでラウラとの事が発端みたいに――シャルも本人は事故とは言うものの、明らかに腕を引き寄せたのだし――今のセシリアもそうだ、直球で言ってきたから今まさに口から心臓が出そうになる――。


「ば、バカ……そ、それは……」

「……駄目…でしょうか…?」

「い、いや――せ、セシリアだって許嫁とかいないのかよ?居るならその人にまずいし、第一、俺なんかとそんなことしたら後悔するのは自分だぞ、セシリア?」


――普通の男子なら、後先考えずにそのままいくのだろうが…俺にはそこまでは出来ない。



――と、セシリアがゆっくり口を開き。


「……許嫁のお話でしたら、確かにそうようなお話は幼少の頃にありましたわ――ですが、今はその方とも連絡はとってはいません…。前にお話しましたが、両親が亡くなってからはそのお話は破談になった――わたくしはそう思っています……例え破談になっていなかったとしてもわたくしはそのお話を受けるつもりはありませんので……」



そう真っ直ぐと俺を見つめ、自身の思ったことを話したセシリア――。

そんなセシリアの頬を撫でながら――。


「ん……話はわかったが…だからって俺がセシリアにキスしてもいいものか……」


セシリアが嫌いという訳ではないのだが、朝ラウラとして夕方事故とはいえシャルともした上にセシリアだからな……。

もちろん、これは誰にも言えないんだが、言えばもう現実での地獄絵図が見えちゃうし、被害者は俺で――自業自得なのだが。


だがそんな俺の考えも余所に、セシリアが口を開き――。


「……ヒルトさん…これ以上女性に恥をかかせないでくださいな…」


そっと寄り添うようにセシリアは身体を密着させてきた――そして、潤んだ瞳が俺を捉えると、そのままそっと眼を閉じて少し上向きに顔を上げた――。


「……わかった、セシリア……でも…この事は……」

「……わかりました…。今日の事はわたくしの胸に閉まっておきます…。…ん……」


そう言い、再度上向きに顔を上げたセシリア。

その頬は先程よりも赤く、このままだと白い肌全てが真っ赤になりそうな――そんな感じがした。

両肩に手を置くと、やはり緊張しているのかぴくっと身体を強張らせたがそれも直ぐに治まり、今か今かと待っているかのようにセシリアは再度上向きに顔を上げた――。

それを見た俺は、覚悟を決めゆっくりとセシリアと唇を重ねようと顔を近づけ――。



「……んっ……」

「……!――ん…」


互いの唇が重なった時、セシリアの身体がまたもぴくっと反応するが、それを受け入れると背中に腕を回すように抱き締めてきた――。



――だが、キスしながら俺は思う……結局傷付けてるだけじゃないのか――と。


そしてゆっくりと唇を離すと、セシリアは潤んだ瞳で見上げてきて――。


「ありがとうございます…ヒルトさん。……いつか、わたくしの魅力でヒルトさんを……」

「うっ…――そ、そうだな……セシリア…後悔しないのか?」

「……うふふ、後悔などしませんわ。だってわたくしはセシリア・オルコットですわよ?」


……よくわからんが、セシリアは本当に後悔していない、真っ直ぐな目で俺を見つめるとそのまま笑顔で応えた。


「……そっか。……ちゃんと俺も……考えないとな…」


そう聞こえないほどの小声で喋ると、セシリアは頭の上に疑問符を浮かべていた。


「……っと、いつまでも抱いてると色々まずいから離すぞ?」

「え、えぇ……」


少し名残惜しそうな声で返事をしたセシリアだったが――。


「で、ではヒルトさん。今朝の事はこれでわたくしももう聞きません…また明日から、よろしくお願いしますね?」

「あ、あぁ。よろしくな?」



今のよろしくはどういう意味のよろしくなのだろうか…?

普段通りにすればいいということなのか――。


結論が出ないまま、セシリアが――。


「で、ではそろそろわたくしも部屋に戻りますわね?ヒルトさん、おやすみなさい」

「あ、あぁ。おやす――」


おやすみという返事を待たず、セシリアは慌てたように部屋を出ていった――。

またもや部屋に静寂が訪れるや、ふと唇を指でなぞる――。

……朝起きたときは、まさかこんなことになるとは予想も出来なかった……。

――と、考える間もなく、またドアがノックされた。


「……考える時間すらないな……はーい」



そしてドアを開けると今度は幼なじみの未来が立っていた。


「ヒルト、こんばんは」

「あ、あぁ」

「そういえばさっきセシリアと会ったんだけど……何だか凄く嬉しそうな表情してたけどヒルトは何か知らない?」

「……いや、何も知らないぞ?」


……正直嘘です、多分原因俺なんだろうな……。

……未来には黙っておこう、言えば火種になる……多分。


「未来、外で話さないか?夏だが今日は涼しい方だしさ」

「うーん……。――そうね、いいわよ?」


少し悩む素振りを見せるが、未来は快く外に出ることを承諾してくれた。


「んじゃ、側の公園行こう?」

「ふふっ、りょうかーい」


そう言うや、未来は俺の手を取り歩き出した――。

未来とは子供の頃から手を繋いで出歩いたりしていたから少し懐かしく思う――まあ最近も手を繋いだりしたが。


そのまま手を引かれ、俺と未来は寮の外へと出ていった――。 
 

 
後書き
そういえばISのゲームが発売されるとかなんとか

多分買わないが――作者監修ならもっと買わないが

九巻が9月25日とアナウンスされてるけどどうするかな……何かブルマと太ももがメインとかあの作者が言ってたが絵に書き起こさないとブルマも太ももも何もないような

また露骨なエロぶちこむなら見切るかもしれない 
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