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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第100話】

 
前書き
まだもうしばらくオリジナルが続きます

多少粗が目立つかもしれないですが

セシリアと未来と、後はラウラ辺りまで

あと今回から数字で話数書いていきます 

 
――1025室――



先程のシャルとの事故(?)の結果とはいえ、まさかの朝のファーストキス(ラウラ)後のセカンドキス――それもシャルが相手だったのだから心落ち着かず――頭の中の二十日鼠がくるくるとひたすら回り続ける様に――答えが見つからない迷路をさ迷うように脱け出せないでいた――。


「……普通に考えたら事故とはいえ、嫌がって無かった=多少の好意はあるって事なんだろうけど。……一度それで早合点して失敗したことあるからなぁ…」



……出来ればもう穴に埋めたくなる恥ずかしい思い出、あれのせい――いや、自業自得なんだがそのせいで慎重になってるんだよな…。

もやもやした気持ちを振り払うかの様に頭をブンブン振り、何とか忘れようとは思うものの、朝のラウラとのキスもフラッシュバックで思い出される上に先程のシャルとの事も――。

全身の血液が沸騰するかの様に熱が上がるのを感じる――。

――と、部屋の扉をノックする音が鳴り響いた。


「……はーい」


とりあえず今は、先程の事を置いておいて、ドアを開けると――。


「やっほー、お兄ちゃん」

「なんだ、美冬か…」



ドアの前に居たのは妹の美冬だった、しかし――。


「むぅ、妹になんだは無いでしょ?」


頬を膨らませ、上目で睨んでくる美冬――。

だが誰がどう見ても怖くなく、逆に異性ならドキドキする事間違い無いだろう――多分。


「わ、悪い美冬、そういうつもりで言った訳じゃなくてだな――」

「……わかってるよ?どうせお兄ちゃん、今朝の事でも思い出してたんでしょ?顔赤いもん」



そう指摘する美冬は、制服のスカートのポケットからコンパクトタイプの手鏡を出して俺の顔を写す――。


「うぉ…まるで茹で蛸みたいに真っ赤だな、俺」

「そうだよ、何だかこのまま熱で倒れちゃうんじゃないかってぐらい真っ赤だもん」


手鏡を直す美冬は、また頬を膨らませて睨んできた。


「と、とりあえず部屋に入れって。な?」

「……うん」


部屋へと招き入れると、俺は自身のベッドへと腰掛ける――。


「…………」


「…………?」


何故か立ったまま俺を見る美冬。

遠慮せず座ればいいと思うが……と、美冬が口を開く。


「お兄ちゃん」

「ん?どうした?」


若干言いにくそうにしていた美冬だが――。


「……お兄ちゃんの膝に座っても…いぃ?」

「ぅ?――あぁ、構わないぞ?ほら、遠慮するな」


ポンポンと膝を叩き、美冬を招くと――。



「じ、じゃあ失礼します…」

「……!?」


何と、わざわざ対面で膝に座ってきた美冬――流石に俺も驚きを隠せず、美冬を見ると――。


「す、座ったからいいでしょ?対面じゃないと、目を見て話せないもん…」

「そ、そりゃそうだが…だからって――まあいいか、たまには」



深く考えても多分答えは出ないだろう、なら美冬がこれでいいなら構わないって事だし――嫌になったら降りるだろうしな。

そんな美冬は俺の両肩に手を置くと、口を開き、喋り始めた――。


「最初にお兄ちゃんの朝起きたことについての説明って思ったけど……それよりもまずはお兄ちゃんに報告があります」

「報告?――夕食が美味しかったとかか?」

「そ、そんなこと一々お兄ちゃんに報告しないよっ!!――もぅ……。――報告ってのはね?さっき、日本政府の方から連絡があったの」

「政府から?」


政府から美冬に連絡があったって何事だ…?

特別美冬は政府に対して何もしてないはずだが…。

そんな風に考えつつも、美冬から出る言葉を待っていたら――。


「んとね?この度――晴れて日本代表候補生に選ばれましたー。パフパフー♪」

「おぉっ!?やっとあの中途半端な代表候補生候補からランクアップか……てか最初から代表候補生にしとけばいいのに」



何て言っても仕方がない、何にしても代表候補生に昇格したならそれでいいかってのが結論だな。

……まあ、何か知らんが代表候補生の子にモデルやらせるとか過労死させる気かよと思わせるほどスケジュール詰まる子もいるらしいが、未来はそう言ったことは完全に断っているとか。

美冬にも多分これからそんな話が来るのだろうが、断るだろう。

てかアイドルしたかったら最初からそういう専門学校に行ってる筈だしな。



「美冬、言わなくてもわかってるとは思うが――」

「ふふ、わかるよ?双子だもん、芸能関係の仕事は断るように――でしょ?」


そう言い、ウインクする美冬。

そんな美冬の頭を撫でると、いつものように笑顔で応えた――。


「えへへ、代表候補生になったのもお母さんの設計するISに乗りたいのもある――って言ってもお母さんが作るのは完全ワンオフタイプだから私が乗れるって事無いかもしれないけどね。――でもそれよりも、災害救助に役に立てたらって思ってだしね。――現状は、IS使ってのスポーツとは名ばかりの代理戦争みたいな事ばかりだけど…」

「だよなぁ…一度IS装備のカタログ見たが、明らかに武装ばかりだし……宇宙開発に銃なんか必要なのかって思うしな」



まあそれを言ったら村雲の武装もだが、第三世代兵装の御柱だけは違っていて、本来の用途は宇宙から飛来する隕石群の破壊用に最初、開発したって昨日来たときに言ってたもんな…それが銃弾とかも自動に迎撃出来るという事で村雲・弐式用の第三世代兵装になった訳だが――この技術を他に提供する気は更々無いらしい。

……よくよく考えれば、戦場の根底を揺るがす迎撃兵器かもしれないからな。

まあそんな事を考えても仕方がないのでその辺りに置いておいて――。


「そういや昨日母さんにメールしたが、その時に美冬用のISと未来用のIS用意してるって書いてたが――」

「あ、それは昨日の試合前にお母さんから聞いたよ。――でも正直、今代表候補生になったばかりじゃない、私?そんな私がいきなり専用機貰うのってやっぱり気が引けて……頑張ってる他の皆にも悪いし…。――みぃちゃんも同じこと言ってたよ…」


そう伏し目がちに言う美冬――美冬の性格上そうだよなぁ、未来もだが、クラスメイトの子も練習機借りられるかもわからない中で、ISの勉強もしてるからな…。

そもそも、467機しかないのが間違いだよ、最低でも学園に150機ぐらい無いと授業や放課後のトレーニングにならないだろうし、IS操縦シュミレーションみたいなのが無いのも疑問なんだよな…。

ここで考えても、結局無いのだからどうしようも出来ないが…。

伏し目がちな美冬の頭を再度撫でながら――。


「未来もか?……でもさ、代表候補生になるのって並大抵の努力じゃなれないだろ?努力しても皆が報われる訳じゃないが……でもさ、成功した人皆努力したからこそ代表候補生になれ、その一握りから代表になれるんだから…な?」


「……ありがとう、お兄ちゃん…。――もう少し考えてみるね?本当に専用機を得てもいいか、自分自身を試してみるよ」

「ん、美冬がそう決めたならそれでいいさ。でも、お母さんも俺も、美冬なら間違った使い方しないと思うし、専用機受け取るだけの力はあると思うからな?美冬になかったら俺なんか直ぐに返上しないといけないしさ、はははっ」


そう笑顔で言うと、美冬も柔らかな笑みを浮かべた。


「ありがとう、お兄ちゃん。――そろそろ戻ろうかな、お兄ちゃんもまだみぃちゃんとセシリアに朝の事、説明しなきゃいけないでしょ?」

「あ、あぁ…てか美冬はいいのか?」


聞き返すと、俺の首筋に腕を回して――。


「ううん…もう怒ってないよ?……でもお兄ちゃん?もっと気をつけてね…?お、お兄ちゃんに彼女出来るのはいいんだけど…もう少しだけ……私だけのお兄ちゃんで居てほしいなぁ…なんてね。えへへ」

「……ったく、俺も大概シスコンだな……出来るだけ善処するさ」


そう言うと、美冬は笑みを浮かべて応えた。


「ん…じゃあ今度買い物付き合ってね?朝、お兄ちゃん言ってたし」

「了解、俗に言う兄妹デートってやつだな…多分」

「ぅ…べ、別にデートじゃないじゃん、買い物だもん……でも、お兄ちゃんがどうしてもって言うなら、デートでいいよ?」


膝に座っていた美冬が立ち上がり、俺に背中を見せながら腕を組んだ。

表情が見えないのが気になるが……。


「んじゃ、どうしてもって事で」

「……っ!?――し、仕方ないなぁ…。――じゃあ、彼女の居ないお兄ちゃんが可哀想だから妹の私がデートしてあげる♪」


若干今日は素直じゃなかったな、美冬。

――まあ、久々に兄妹水入らずで買い物だからだろうな、嬉しそうなのは。


「じゃあお兄ちゃん、買い物行く時はこっちから連絡するからね?」

「おぅ、いつでもいいからな」


そう言い、美冬は手を降るとそのまま部屋を出ていった――。


「はぁ…、セシリアが来るって言ってたから待たないとな……」


そんな呟きが部屋に響くと――コンコンッとドアを叩く音が聞こえてきた。

多分セシリアだろう……さて、どう言えばいいのかわからないが…説明すればわかってくれるだろう、多分。


若干不安な気持ちを残しつつ、部屋のドアを開けた――。 
 

 
後書き
多少穴がある設定の補完的には書いてますが――穴だらけ過ぎて変なところにまた穴が空くかもです 
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