IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第103話】
前書き
内容はバトル
下手くそな駄文ですが見てやってください
書くのは好きだけど文才の無さでなかなか上手に書けないのは勉強不足か自分の限界か…
――第三アリーナ――
衝撃の一日から次の日の放課後、現在俺は第三アリーナに居る。
――今日の授業は珍しく、普通の授業メインで午後がISの授業――といってもまさかの爆弾解体だが。
……よりによって俺が解体する爆弾だけ難易度が高かったのは気のせいだろうか?
何か昔の映画でよく見た水銀レバーがスイッチに触れると液体が混ざってボンッ――もちろん、そんなの解除出来なかった――出来るはずのない俺はもろに爆発と爆風を受けた訳だが、ISを装備していたため本体にダメージはなかった。
因みに、液体の量自体は小さな小瓶に半分入ったぐらいなので、被害は俺だけ――。
他の子は二択型か三択型の爆弾なのに俺だけ難易度高いとはこれ如何に――嘆いても仕方ないのだが。
それはそうと、何故今日は第三アリーナに居るのかと言うと、訓練ではなく――。
「ヒルト、準備はいいか?」
「あぁ、準備は出来てる――勝ち負け関係無く勝敗が決したら俺とラウラの恩人のもう一人の教官――『ハルト教官』との関係を言うさ」
――二年生、三年生の学年別トーナメントも今日の午前で終わり、マッチされていたドリームマッチは一年生のトーナメントが中止という事でそちらも中止になった。
だから放課後は全アリーナ開放され、また全学年生徒の訓練が始まった。
第三アリーナも、他に生徒が居たが無理を言って俺とラウラとの決着をつけるため――ってのも、中途半端に試合が終わったのが気になる俺がラウラに頼み込んでやることになったのだが。
因みにペアではなく一対一での戦いだ――。
「……嫁とはいえ、手加減は出来ないがいいのか?」
「当たり前だろ?手加減されても嬉しい訳じゃないさ。――てか嫁じゃないから」
嫁と言われる度に思い出すのは昨日のキス――まあラウラとだけじゃ無いのだが、一番強烈だったのがラウラだった訳で――。
――今朝は流石にシャルもセシリアも俺を見た瞬間に顔が真っ赤になったのだが、昼にはもう普通に喋れる様になっていたのは……女の子だからだろう。
俺は今でも思い出してしまうが……。
――と、ハイパーセンサーに試合開始のシグナルが点灯する。
機械音声でのカウントダウンもあるのだが今回はシグナルタイプ。
点灯したのをきっかけに俺は天狼を呼び出し、ラウラも両手のプラズマ手刀を展開した。
シグナルが赤から緑へと変わる――それが合図となり、互いの刃が交差した。
刃が交わると、火花が激しく舞い散る――。
ラウラは空いた左手プラズマ手刀を縦に振るった――その一撃を、前と同じように手首を掴む事で阻止する。
「前と同じような状況だな、ラウラ」
「ふむ、ならこれならどうだ?」
「何ッ…!――グゥッ…!?」
ワイヤーブレードを二基展開し、脚部装甲に絡み付いてきた――。
そして、ラウラは腹部装甲に蹴りによる一撃を加え、距離を離すや直ぐ様脚部装甲に絡ませたワイヤーブレードで勢いをつけてアリーナのバリアーへと俺を叩きつける様に投げた――。
「ぅぉっ――何の!!」
全身のスラスターを点火、姿勢制御を行うと同時に脚部ランドホイールを起動し壁――もとい、バリアーをランドホイールで滑走した――俗に言う壁走りというやつだ。
激しくアリーナのバリアーと脚部ホイールが摩擦し、火花を散らせて壁走りしながら俺は疾風を呼び出す――。
その間も姿勢制御を行い、安定させるや矢を展開し――放つ。
「ふっ…ヒルト、まだ私のAICは健在だぞ」
ラウラが左手を眼前に翳す――AICが展開されるや放たれた矢は空間に固定されるように止まるとその場で落ちた――落ちたのはラウラがAICを解除した結果だ。
「やっぱり遠距離は効果がないな――っと……行かせてもらうさ!!」
地表へと着地するやそのままランドホイールで滑走――砂塵を撒き散らせながらラウラに向かって突撃をかける――。
それに反応したラウラは直ぐ様ワイヤーブレードを全基展開、一直線に此方へ目掛けて放った。
一直線に向かって来たワイヤーブレードは途中、まるで生き物の様に六基全てが複雑な軌道を描き始めた――。
人間、目の前で何かが変わった動きをすると注視し、そこから予想外の事が起きればそれに心乱され、冷静に判断が出来なくなる――。
ラウラのワイヤーブレードの複雑な軌道にはそうやって相手の動きを単調化させる狙いがあるのだと思うのだが――もちろん、ただの俺の考えすぎ説が一番高いのだが。
ワイヤーブレード全てが分かれ、周りを包囲する様に六基すべて襲い掛かる――だが抜け道は一つだけ有り、ラウラもそれを承知した上での包囲網だったのだろう。
背部ブースターを点火、一気に加速するや一直線に抜けきる――包囲したワイヤーブレードの穴の部分が、ラウラ正面への抜け道――ラウラもそれを見越してプラズマ手刀を再度構えて瞬時加速をかけてくる――。
このまま近接戦闘を行うのもラウラの思うつぼだろう――なら、ISの機能の一つを使って一瞬の判断を鈍らせるのが一番効果が高い筈――。
瞬時加速で迫るラウラ――そして俺は、ISの持つ機能――『光学迷彩』を使用して姿を眩ませた――。
「何ッ!!――光学迷彩も持ってた――」
「後ろとらせて貰ったぜ、ラウラぁっ!!」
「ッ!?」
光学迷彩を使用した瞬間、背部ブースターを切り空へと跳躍――ブースターを切ったのはその軌跡で位置がバレないため、空へと跳躍したのはランドホイールでの滑走で舞う砂塵で位置を予測されない為――。
そのままラウラの背後を取ると鈴音戦でも披露した併せ技――『無反動旋回(ゼロリアクト・ターン)』と『三次元跳動旋回(クロス・グリッド・ターン)』の同時使用を行った――旋回技の併せというのも変な感じなのだが、この併せ技なら弧を描くように後ろを取るよりも更に速く攻撃に転じられる――。
理屈で言えば180度旋回を空中でその場で出来る――でいいのかわからないが、そんな感じで行えるとのこと。
――曖昧な表現なのは、この併せ技を誰も行った人がいない為である。
無防備なラウラの背部に展開した天狼による一撃を加えると、一気に絶対防御まで発動させ、シールドエネルギーを大幅に減らした――と同時に光学迷彩を解除する――使用したままだと、シールドエネルギーが減少するためだ。
「やああぁぁあああっ!」
追撃の一撃を加えようと見よう見まねで居合いの構えを取り――一閃――だが。
「クッ…流石にこれ以上ダメージを受けるわけにはいかない」
静かにそう言うラウラは、天狼の切っ先をAICで受け止める――。
「っ……やっぱり梃子でも動かないか…」
「一対一でのAICは完璧だ、悪いがヒルト、これで――終わらせる」
そう言うラウラは、既に回収していたワイヤーブレード六基による包囲攻撃を行う。
天狼を手放して右へスライドするかのように回避を行うが避けきれず、何度かワイヤーブレードによる斬撃がシールドバリアーに当たり、エネルギーが減少した――。
手放した天狼は、ラウラの手によってアリーナ壁際まで投げ捨てられた――。
その後も追撃するかのように、ワイヤーブレードが襲い掛かるも、スラローム回避によって大幅にタイミングをずらし、距離を取った――。
「ふぅ……やっぱり強いな、ラウラ……」
そう額の汗を拭いながら一人呟くと、疾風を呼び出す――。
「村雲……悪いがまた力、貸してくれよ…。―――ォォォオオオッ!呼応しろ、疾風ッ!!」
キィン――また村雲から高周波音が鳴り響くや疾風が小さく輝きだした――。
――と、同時に、封印されていた疾風の新たな機能が開放され、説明文がハイパーセンサーに表示されるが……。
「悪いが、見てる暇なんて無いさ、これがなぁっ!!」
ホイールを全開にし、右方向へ大幅に迂回しながら疾風を構える――。
その間も、ワイヤーブレードによる連続攻撃を行うラウラだが、今一俺を捉えるタイミングが掴めないのかホイールで通過した後に地表にブレードが突き刺さる。
矢を何本も展開し、上空へ跳躍――右方向へ放物線を描くように流されながら射撃を行う――放たれた矢は空気を切り裂く音を響かせながら何本もラウラを襲う。
「む……!」
ワイヤーブレードを回収しつつ、放たれた複数の矢をAICで受け止めたのを見るや――。
「射抜く…ッ!!」
疾風から光の粒子が収束し――白い光を放つ弦と共に現れたのは同じく白い光を放つ矢――。
地表へ着地すると同時に弦を引き――それを放つと白い尾を引き、軌跡を描きつつラウラに迫る――。
「ッ……避け――」
そんな一言を発しようとするラウラ――だがそれよりも速く、俺の声がアリーナに響く――。
「――散ッ!!」
その一言がキーワードとなり、尾を引く光の矢は弾け――光の散弾へと変わり、ラウラを強襲する。
「何!?―――ぐぅぅ…っ…!!」
弾けた光の散弾の直撃を浴び、一気にシールドエネルギーが減ったのかラウラの表情が苦虫を潰したかの様な――明らかに苦戦しているといった表情をしていた。
「一気に決めるぜ、ラウラ!!」
砂塵を巻き上げ、スラローム移動しつつ、疾風を上空へと投げる――すると、二対の剣へと分離し、それを受けとると構えて突撃をかける。
――説明文を見なくても何故か俺にはわかった、疾風の光の矢が弾けて散弾になるのも――疾風の二対の剣は……見たらわかったが、これまでは全くそんな素振りも無かったから少し変わった弓程度にしか思わなかった。
構えた二対の剣による二連撃――二刀流何かしたこと無いから見た人にはめちゃくちゃな型にしか見えないだろう斬り方で攻撃を行うも、やはり素人の太刀筋は見極められやすく、簡単に両腕のプラズマ手刀によって受け止められた。
「――やっぱ俄の二刀流じゃ無理か」
「……な、なら次からの訓練で私が教えよう」
――等と、対戦中にも関わらず、ラウラは頬を朱色に染めて訓練相手に立候補してきた。
「それは有り難いが良いのか?少なくとも俺に関わると自分の特訓疎かになりがちになるぞ?」
特別力は入れていないが交差した刃からは火花を激しく散らせていた――。
「嫁の相手をするのが夫の務めだ。だからヒルト、遠慮するな」
「嫁じゃないんだがな…あんまり嫁嫁言ってるとえっちないたずらするぞ?それが嫌ならヒルトって呼びな」
えっちないたずらと訊いて、目を見開き更に顔が赤くなったラウラは、何かを考えている様だったが――。
「隙あり!」
疾風を手放しバックステップ、つばぜり合いを解除されたラウラは少し体勢を崩した。
「悪いな、一応試合中なんでな、これが!」
肩部装甲へと右掌打による一撃、後に懐に飛び込んで手放した疾風の一振りの剣を左手で取ると斬り上げる様に振るうのだが――。
咄嗟に翳したラウラの左手からAICが発動し、俺の左腕を絡めとる様に封じた――。
「っ……AICまだ使えたのか…何となくそろそろ使えなくなったと思ったが」
「それはヒルトの早計だったな。では…今回は私の勝ち――」
「……そうかな?」
そう俺が不敵に笑みを浮かべると右手に光の粒子が集まり始める――。
それが形成されると現れたのは――先ほどラウラが【壁際に投げ捨てた天狼】だった。
「ば、馬鹿な!?確かに私は壁際に――」
「さて、何故でしょうか?――の前に、今回は俺の勝ちだ!」
縦に振るった天狼は、ラウラのシールドバリアーを崩壊させ、絶対防御を発動させると試合終了のブザーが鳴り響いた――。
「悪いな、今回は俺の勝ち。――てかラウラ油断しすぎだな、前の方が強く感じたぞ?」
「そ、それはお前が私の心を乱すからだ!――そ、それよりも何故ヒルトは手放した天狼で攻撃が出来た?少なくとも回収はしていなかったはず――」
至極真っ当な質問をするラウラに対して俺は答える――。
「……そんなに難しく考えるなよ、ただの【具現維持限界(リミット・ダウン)】を応用しただけさ、これがな」
「なっ…!?」
驚いたように目を見開き、俺を見るラウラに対して俺は――。
「ははっ、驚くような内容じゃないだろ?誰でも思い付く様な応用技なだけだ、これがな」
そう笑顔で応えながらISを解除すると俺は再度口を開く――。
「さて、何にしても勝敗は決したからな――ラウラ、先に聞くが俺の言うこと、ちゃんと信じてくれるか?」
「あ――あぁ……嫁の言うことを信じずにどうする?何を言ってもお前を信じるのが夫である私の務めだ」
――多分もう訂正しても嫁のままなんだろうな…それよりも、ラウラは何でああいった応用技を聞いて驚いたのかが不思議だ。
誰もが考えると思うんだが……。
まあ考えてもわからないから、今はラウラに言わないとな。
「ん、まあ特別な関係って訳じゃないんだが――お前の言ってるハルト教官って実は俺と美冬の親父なんだ」
「…………え?」
突然の親子宣言に、ラウラも開いた口が塞がらないのかぽかんとしていた。
「……まあそりゃそうなるわな。――携帯の写メに残してるんだが、見覚えないか?」
「……あ…教官……」
携帯を取り出すと、画面を操作して撮った写メを呼び出す――実は一昨日、念のために家族で写メを撮っていた――写してくれたのはセシリアだ。
俺と美冬を両脇に置いて肩を抱き、母さんはその後ろから笑顔で見守るみたいな構図になっていた――……頬擦りされそうになった時は流石に親父の顔を退かせようとしたが。
ラウラは俺から携帯を受け取ると、その画面を食い入るような――だが何処か懐かしむような表情を見せた。
「……親父に会いたいか、ラウラ?」
「え…?――ああ、私も教官と色々話がしたい……」
「そっか、暫く親父は日本に居るって言ってたから予定聞いてみるさ。――その時に会おうぜ?」
そう俺が言うと、ラウラは応えるように柔らかな笑みを浮かべた――そのラウラの笑顔に、ドキドキさせられたのは俺だけの秘密にしよう――。
後書き
ラウラが負けたのは、ヒルトが急に強くなった訳ではなく自分自身の油断とAICへの過信で負けたと思ってください
とりあえず、ラウラと有坂陽人の絡みは本編辺りで絡ませようかと
次もバトルです
一夏とバトル――ぬこ神さんの要望で書かせていただきます
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