IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第109話】
前書き
ちょい短めです
――一組教室――
一時間目の授業が終わり、現在休み時間。
休み時間に入ったと同時に俺は頭を抱えていた――さっきまではウキウキ気分だったのだが……。
「あぁ~~、期末どうするかなぁ……」
そんな独り言をぽそりと呟き、再度頭を抱え込んだ――。
……やっぱり美冬に教えてもらうのがいいかな…。
そう思い、頭を上げると背後から声が――。
「ヒルトさん、どうかなさいまして?」
「あ……セシリアか」
どうもいつもの俺と様子が違うのに気を使ってか、セシリアが声をかけるタイミングを計っていたようだ。
「いや、さっきは海だー、水着だーってウキウキしてたんだが今は期末テストの事を思い出して俺の気持ちが深海一万メートル海底の底に沈んだ気持ちなんだよ……はぁ……」
盛大な溜め息をつき、机に突っ伏しているとセシリアか。
「こほん、ヒルトさん?も、もし良ければ――」
――とセシリアが言葉を続ける途中で来たのは。
「どうしたのヒルト?何かスゴく溜め息ついてたけど?」
「シャルか……今の気持ちが深海一万メートル海底の底に沈んでるんだよ…がく……」
「え?え?」
事情がいまいち読み込めないシャル、それに対して途中遮られたセシリアが再度口を開く。
「――で、ですからヒルトさん?もしよろしければわたくしが教えますわよ?」
「……セシリアが?」
「え?ヒルト、何の話なの??」
「……要約するとだな、俺はバカだから夏休み補習祭りになるかもしれないって事だよぉ~…しくしく――それはさておき、そういやセシリアって入試首席だったな」
そう言うと、セシリアがいつものモデルポーズを取りながら――。
「えぇ、そうですわよ?このセシリア・オルコット。入試試験トップですわよ」
ふふんと言った感じで胸に手を当てるセシリア――。
「……てかシャルも難しい転入試験を突破したんだよな?それを言えば未来もラウラだが……」
「う、うん。それほど難しくはなかったかな?ねぇ、ラウラ?」
そう言ったシャルの後ろにはラウラがいつの間にか居た。
「うむ、私にとってはあの程度の試験など些末なもの――だが、嫁の一大事なら私が勉強を見てやろう」
――等と、腕組みしながら言うラウラ……。
シャルも――。
「僕も教えようか?期末テストの範囲もわかるし」
等と、シャルも教えてくれると言うのだ――そしてセシリアが若干こめかみをピクピクさせつつ。
「お待ちなさいな。ヒルトさんに勉強を教えるのはこのわたくし、セシリア・オルコットの務めですわ!」
そんなことを高らかに宣言するセシリア――教えてくれるのはありがたいが。
――と、ラウラが先に口を開き。
「私が教える、だからヒルト、私を選べ。今なら軍隊式にスパルタで教えて――」
「スパルタならいいや、ラウラはパスで」
「なっ――」
速攻でパスした。
スパルタ方式なら確かに覚えられるが――残念ながらそれをやられるともれなく俺の泣きダッシュが……。
そんな俺に断られたのがショックだったのか、若干ラウラの口から魂が抜け出ている感じがした――スパルタじゃなきゃ良いんだが。
「で、ではヒルトさん。わたくしが教えますから選んでくださいな」
「僕が教えるよ?だからヒルト、僕を選んで?」
そう言って詰め寄るのは金髪コンビのセシリアとシャルだ。
「シャルロットさん?今回はわたくしが教えますのでお引き取りくださいな」
「ううん、僕がヒルトの勉強を見るからいいよ?」
「わたくしが見ますわ!」
「僕が!」
「喧嘩してるから二人ともいいや、今回はパスで」
「えぇっ!?」
「そ、そんなぁ……」
二人共々意気消沈する――正直、こんなことで喧嘩してほしくないからなぁ…。
「やっぱり美冬か未来辺りに頼むかな…」
「む……ヒルト、スパルタで教えないからもう一度チャンスをくれないか?」
そう言ってきたのは息を吹き返したラウラだ――と、シャルもセシリアも――。
「け、喧嘩しないから僕にもチャンス……くれないかな…?」
「わ、わたくしももう言い争いませんわ…」
……教えてもらうのは俺なのに、何故教える側がこんなに必死になるのだろうか…。
「な、なら三人共教えてくれれば良いだろ?俺としては教えてくれる人が多ければ多いほど良いんだし…」
事実、三人が教えてくれるなら一人が教えるよりも負担が少なくなるんだし――だが。
「だ、だがそれでは……」
「う、うん……」
「……二人きりで勉強する事が出来ませんわ…」
……丸聞こえなんだが…。
軽く溜め息をつくと、俺は――。
「……誰を選んでも争いになるんだったら俺は美冬に教えてもらうぞ?だからこれで納得してくれ。出来ないなら悪いが美冬に頼むことにするから」
そう言うと、流石に納得したのか三人は――。
「わ、わかりました……」
「う、うん……」
「わかった、嫁の指示に従おう」
……何か立場逆な気がする普通だったら――。
――でも、まあいいか……期末が終わったら三人には何かお礼しないとな――。
そうこうしている間に、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
「ではヒルトさん、今日の放課後から教えますわね?」
「僕も教えるよ。ヒルト、後で苦手な教科教えてね?」
「私もシャルロットと共に向かおう。――因みに保健体育の勉強なら――」
――と、途中で言うのを止めたラウラはそそくさと席に戻っていった。
……織斑先生が来たからである。
……とりあえず、期末近いからテスト範囲絞ってやるかな…。
後書き
色々テストだーとか書いてますが話が週末まで飛びます
テストの話を書くにしてももう記憶の遥か彼方の向こう側の記憶になってて忘れてます
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