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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第663話】

 
前書き
久な更新 

 
 週末、場所はテーマパーク入り口付近。

 約束の時間の二十分前から待機していたヒルト。

 学園で待ち合わせ、その後テーマパークっていう流れかと思ったのだがそれだと邪魔が入るかもしれないからとセシリアに言われ、微妙に納得出来ないもののあまり逆らわずにテーマパークで待っていた。

 ソフィーもそれで良いらしく、結局各人バラバラに出発後、テーマパークで待ち合わせという事に。


「あ♪ お待たせー♪ ヒルト、待ったぁ?」

「よぉ、早いなソフィー」

「えへへ……。 テーマパークって久しぶりだから楽しみで♪」


 満面の笑顔のソフィー、膝丈まであるコートを羽織り、膝上のフリル付きミニスカート、中のブラウスもお洒落に着こなしていた。


「……寒くないか?」

「寒いよぉ! そういえばセシリアは?」

「まだだよ? まあまだ待ち合わせ十分前だし来るだろ」

「そうだね♪ じゃあセシリアが来るまで二人でお話して待ってよ♪」


 同意してヒルトとソフィーは会話を続けた。

 待ち合わせ時間が過ぎてから二十分、幾らなんでも遅い事にヒルトは――。


「何かあったのか、セシリア。 もう二十分経つが」

「うーん……。 でも女の子って準備に時間が掛かっちゃうから」

「ソフィーは掛からなかったのか?」

「あ、あたしは寝癖凄いから……かなり時間かかっちゃうかも……あはは」


 恥ずかしそうにそう告げるソフィー、女性の寝癖直しにしろ化粧にしろ時間は掛かるものだろう。

 そう思っていた矢先、息を切らせてセシリアが走ってくるのが見えた。


「ご、ごめんなさいヒルトさん! ソフィーさん! 約束の時間に遅れました……」


 肩で呼吸をするセシリア、服装もブルーのワンピースに上はホワイトのコートでお洒落に着ていて流れる金髪と相まって人目を惹いていた。

 バラの香水をつけてるらしく、香りが二人の鼻腔を擽った。


「いや、構わないよ。 支度に時間が掛かったんだろ?」

「は、はぃ……。 すみません……」


 深々と頭を垂れたセシリア、若干涙目になっている辺り遅れるつもりはなかったのだろう。

 薄いピンクの口紅をつけ、涙目の彼女にヒルトは――。


「気にするなって。 なあソフィー?」

「そうですよぉ! せっかくテーマパークに来たんですから、暗い顔とはさよならして楽しみましょ♪」

「は、はい……♪」


 ヒルトとソフィーの言葉に、セシリアの表情も和らいだ。

 一方で既にテーマパーク内に潜む謎の集団がコントみたいな事をしていた。


「見た目は男、心は乙女、名探偵シャルロック・ホームズ!!」


 シャルロット・デュノアが探偵の出で立ちで口にはパイプを咥わえ、可愛らしくウィンクしてポーズを決めていた。


「シャルロック・ホームズ……一体何者なの……?」


 簪がごくりと生唾を飲むと、不適にシャルロックことシャルは微笑む。


「僕はただの探偵さ。 ――じゃないよ!! 何やらせるの!? ていうかこの服、何で着てるの、僕!? 後、僕ってそんなに男の子に見える!? 僕は女の子だよ! そりゃ最初は男装してたけどさ!!」

(そう言いながらシャルって、ノリノリでホームズの格好に着替えてるじゃん)


 憤るシャルだが、何故その格好をしたのかはシャル自身が着たんだからと思わず美冬は思ってしまった。


「てかあんまり騒いでるとヒルト達にバレちゃうよ!?」


 美春の指摘に、慌てて口を塞ぐ一同――バレてはいなく、三人は入場ゲートを潜った先にあるテーマパークのマップを見ていた。


「ヒルト、何処に行くのかな?」

「……というか、自腹切ってあたしたち、何でこんなことを……」

「それは、か、彼が間違った事をしない為だ!」


 未来、鈴音、エレンと続き、セラが一言。


「思いきって合流したらデートに参加できる」


 そんな一言、三人のやり取りを見るより合流してなし崩しにデートの雰囲気をなくした方が良いのではとも思っていたら――。


「ちょ!? いつの間にかヒルト達居なくなってるじゃん!?」

「「え!?」」


 コントとセラの言葉、一瞬の合間にヒルト、セシリア、ソフィーの三人は消えてしまっていた。


「お、お姉ちゃんどうしよ――」


 簪が隣にいる楯無に声をかけるも、既に彼女の姿はなく、扇子のみが置かれていた。


「先手必勝」


 扇子に書かれた言葉の意味に気付いた面々は、声を大にして叫び、周りの客から注目を浴びることになった。


「あ、あはは……さ、叫んじゃってごめんなさい!」


 恥ずかしさで未来は思わず周りに謝ってしまった。


 テーマパークの中央にやって来た三人。


「一応マップは見たけど、二人は行きたい所はあるか?」


 ヒルトがそう告げると、セシリアからまず口を開いた。


「わたくしはお任せしますわ。 遊園地は殆ど経験がありませんもの」


 セシリアの言葉に、ソフィーは小さく頷くと。


「それじゃあ、皆でドッグパークに行こうっ♪」

「ドッグパークか……」


 名前の通り様々な犬がいる場所だ、ヒルトは軽く興味をもち、それを敏感に感じ取ったセシリアは――。


「あら、それは良さそうですわね♪ ヒルトさんも、いぬきちだけじゃなく他のワンちゃんとも関わりたくありませんこと?」

「ん? まあ動物は好きだから気にはなるけど――そういや二人とも、どんな犬が好き?」


 何気無くヒルトは二人に聞くと、セシリアが先ず答えた。


「うふふ、勿論我が英国の誇る名犬、シェルティーですわよ? 優雅な毛並み、凛々しい顔立ち、愛くるしい仕草。 ヒルトさんもお気に召しますわよ?」

「成る程。 ソフィーはどうだ?」

「あ、あたしは……やっぱりいぬきちが可愛い……かな? あはは」


 照れたように頬をかくソフィー、たまに彼女といぬきちが遊んでる姿を目撃しているヒルトは納得したように頷いた。


「まあいぬきちは何だかんだで可愛いからな」

「はいっ♪」

「…………」


 二人のやり取りに軽く嫉妬するセシリア、勿論セシリアもいぬきちが好きだ。

 頭を撫でると嬉しそうに目を細めるいぬきち――それらを思い出していた時だった。


「セシリア、どうかしたか?」

「ひゃっ!? な、何でもありませんわよ!?」


 気付くとヒルトが近くにいて、思わず飛び退くセシリア。

 普段ならこんなことは無いのだが、セシリア自身余裕がないのかもしれなかった。

 そんな談笑を続けて、とりあえずドッグパークを目指すことになった三人。

 ヒルトとソフィーの談笑を見てセシリアはもう少し釜ってほしいと謂わんばかりに視線を向けるが、ヒルトはセシリアの視線に気付かず、小さく頬を膨らませる。

 そんな時だった。


「はいよーはいよーごめんなさいよ~」


 ヒルトとソフィーの間に割り込むようにテーマパークの清掃員がデッキブラシを入れてきた。

 キャップとサングラスにマスクと明らかに怪しい清掃員の正体は更識楯無、だがヒルトもソフィーも気付かず――。


「わ!? す、すみません、邪魔しちゃって」

「ご、ごめんなさいっ」


 掃除の邪魔をしたと思った二人の素直な謝罪に、楯無も一瞬ギョッとしたものの、そそくさと清掃しながら消えていく。

 一方でセシリアはその無粋な清掃員が二人の空気を壊したことに、安堵と共に小さな罪悪感に苛まれていた。

 嫉妬――やはり好きな人を独り占めにしたいという気持ちは誰しもあるのだ。


「セシリア、さっきから会話に参加してないけどどうしたんだ?」

「え!? い、いえ、何でもありませんわよ?」


 咄嗟に誤魔化したセシリアだが、ヒルトはセシリアの表情に小さな陰りを見せたのを見逃さなかった。


「何にしてもさ、ドッグパークでワンコと触れ合おうぜ? ほら」


 手を差し出したヒルト、ソフィーもそんな二人のやり取りにニコニコ笑顔を見せていた。

 心を支配しかけていた嫉妬心が晴れていくのを感じたセシリアがヒルトの手を取ろうとしたその時だった。


『やあ、ぼくたちドボン太。 皆で一緒に踊ろうよ』


 ヒルト、セシリア、ソフィー達の前に現れたのはテーマパークのマスコットである無数のドボン太くん達だった。 
 

 
後書き
ダークソウルムズいーΣ(゜∀゜ノ)ノ

一対一心掛けても気づいたら二体居る

とりあえず職場チェンジ

正直エアロバイク48キロコンテナから一人で降ろすとか鬼畜過ぎる('A`)

新しい所もコンテナあるけど、合間休憩あるし比較的軽いから楽っす 
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