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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第九十四話】

 
前書き
書き直しました九十四話です。

――と言っても、実はある程度は書いてボツにした方を利用しただけだったりしますが

こっちは最初に一度考えて、書いてる途中今一だったからまた新しく書き直したのが昼にあげた幻の九十四話

それも無理矢理過ぎとの指摘もあったので削除、もう少し練ってからこの九十四話を書き上げようとも思いましたがこうなりました

駄文ですがどうぞ 

 
――一年寮学食――


『本日の一年生第三試合トーナメントは事故により中止となりました。なお、二年生、三年生のトーナメントは明日から予定通り行います。第三試合に出場するペアは、今後の個人データ指標と関係するため、残りの試合は後日全て行います。場所と日時の変更は各自個人端末で確認の上――』



――と、アナウンサーの言葉が途中途切れる、学食のテレビを誰かが消したからだ。

三回戦で中止になるのは残念だが、俺達一年生はまた来年があるから問題は無いだろう。

煽りを受けて二年生、三年生のトーナメントが中止にならなくて良かったと思う。


そんな中、ずるずるとラーメンを啜っている一夏が――。


「ふむ。シャルルの予想通りになったな」

「そうだねぇ。――あ、ヒルト。七味取って」

「………………」

「ヒルト?」


再度シャルルは俺の名前を呼んで俺はやっと気づく。


「どうしたの、ヒルト?」

「いや、何かこのやり取り二回目な気がしてな…デジャヴかな?――ほら、シャルル」

「そうかな?僕は初めてだと思うけど……ありがと、ヒルト」



七味を受けとるシャルルは、いつものように笑顔で応えた。

正直、俺達当事者なのにのんびりし過ぎな気がしてならない。

つい先ほどまで教師陣から事情聴取――主に俺が勝手に戦っていたのが一番悪いのだが…少なくとも俺はラウラをどうにかして助けたかった。

――自分勝手なエゴだろう…結局俺も一夏には偉そうに言える立場では無いのだと思う。

それはそうと、その事情聴取からやっと開放された時には時刻は食堂終了ギリギリの時間帯。

――とは言っても、俺がギリギリに終わっただけであり他の当事者は直ぐに開放された(俺以外)から急いで食堂へと戻ると、既に食堂に居た一夏とシャルルが女子一同に囲まれている状況だった。

――それで、俺がやって来たのでまたざわつき始めたのだが、とりあえず俺達が夕食を食べてからという事になって、食事優先でテーブルに着いた。

――二人は俺が来るまで何も食べていなかったらしく、直ぐにラーメンとうどんを頼んでいた。

そして、学食のテレビ放送にてトーナメントにおける重大な告知があるという学内放送があってテレビに帯が入り、そして先ほどの内容がテレビに流されたという事だ。



ラーメンを食べ終えた一夏が満足したのか――。


「ふー、ご馳走様。学食といい寮食堂といい、この学園は本当に料理が美味くて幸せだ」

「まあ作る人も調理師免許持ってるしな、材料も厳選されてるし。――……まあそれが全部日本人の税金で賄われてるのが現状なんだがな……それだけじゃなく全国で行われてるIS簡易適性試験もだが…」


最後の方の言葉はぽつりと小さな声で喋った為二人には聞こえなかったようだ。

――ISに力を入れているためか、日本どころか世界中でISの簡易適性試験が行われてるのだが、日本は特に無駄金ばかりかかってるのが現状だ。

講師だけならまだしも、役に立ちそうにないスケベな爺もその簡易適性試験に来るので無駄な人件費がかかり、更に出される昼食も特注仕出し弁当という豪華な内容。

……まあ、選挙権を有する一般人がほとんど気分で選んでる政治屋が蔓延るのも原因だが――元をただすと一般人の俺らが悪いことになるが、これが。



それはそうと、何やら三回戦に進んだ女子一同が酷く落胆している様にも見える。

そう、例えるならせっかく救命ボートに乗ったのに転覆したぐらいの落ち込み様――違うか。


「……優勝……チャンス……消え……」

「交際……無効……」

「……うわあああああんっ!」


そんな泣きダッシュを披露するのはさっきも言った三回戦に進んだ女子達だ。

既に敗退していた他の女子一同は何故か皆安堵したかのように見えるのだが――。


「どうしたんだろうね?」

「さあ……?」

「……何かしら事情があるんだろ。――美冬、何か知ってるか?」


水色の髪の色で長さはセミロング程ある女子の隣に居た美冬に声をかけると――。


「にょっ!?――さ、さあ…?あはははは、【更識】さんは何か聞いてる?」

「知ら、ない……」


激しく動揺した美冬は、何故か自分の隣の子に聞いていた。

その子も美冬にいきなり話題を振られたせいか、少し動揺しているようにも見えた。



「てか美冬、その子困ってるじゃねぇかよ」

「ぶー!お兄ちゃんがいきなり話を振るからでしょっ!――ごめんね、更識さん?」

「…………」


謝る美冬に対して、何故か伏し目がちになる――ん?更識さんって――。


「なあ美冬、もしかしてその子が今回の美冬のパートナーの子か?」

「にょ?――うん、そうだよ?更識さん、この人が私のお兄ちゃんの有坂ヒルト。――で、お兄ちゃん。この子は【更識簪】さん。四組の子でクラス代表で日本の代表候補生だよ」


「そうか、更識さん、美冬が世話になったな。ありがとう」

「……いえ…」


か細く、小さな声で俯きながら喋った為か若干聞き取りにくかったが――。



「何にしても君の力もあったから美冬も三回戦に進めたんだ、自信を持っていいさ、これが」

「うん、私のミスを更識さんがカバーしてくれたから二回戦勝てたようなものだもん、ありがとう更識さん?簪ちゃんって呼んじゃだめ?」

「………だ、め……」

「はうっ!まだだめかぁ……しょぼん」

――わざとらしくしょぼんって言ったぞ美冬。

そんな美冬は、直ぐに笑顔になると共に更識さんに手を出すと――。


「……でも、せっかくペアになったんだからせめて友達にならない?更識さん?」

「え………っ?」


差し伸べられた美冬の右手と、美冬の顔を交互に見ながら、おずおずとその手を握ろうとしたその時――。



「そんなことだろうと思ったわッ!」


そんな叫びが聞こえてきたため、何事かと思い声がした方へと振り向くと――。


「ぐはぁっ!」


そんな呻き声をあげたのは一夏だ、見ると腰を落として捻りを加えた正拳突きが腹部に見事に刺さっていた。

――犯人は篠ノ之だ、表情を見る限り怒っている様だが…。


そして膝から崩れ落ちる一夏に対して追撃を加える篠ノ之――。


「ふん!」


一夏のみぞおち目掛け、蹴りを入れる篠ノ之――その一撃は何と一夏の身体を一瞬浮かせるほどの威力だった。


「ぐ、ぐ、ぐっ……」


悶絶する一夏を他所に、ずかずかと足音を立てて去っていく篠ノ之。

さすがに今のを見ていた女子の表情は皆ドン引きしているようにも見えた。

――と、気づくと更識さんもいつの間にか居なくなっていた。


「美冬、更識さんは?」

「さっきの篠ノ之さんの声にびっくりしてそのまま食堂出ていっちゃった……」

「そっか、まあ四組に居るだろうし会いに行けば問題ないだろ」


ポンポンと頭を撫でながら言うと、目を閉じて気持ち良さそうに――。


「うん……そうだね。――そろそろ部屋に戻るね、お兄ちゃん?」


そう俺に告げると、くるりとスカートを翻して食堂を後にした美冬。

それを見送ると俺はシャルルの元へ戻った。


「なあシャルル、あいつ何かしたのか?」

「一夏?んと――」


何が起こったかシャルルの説明を聞くとこうだ。


一夏が篠ノ之にした先月の返事――これは俺も美冬の携帯を届けに行くときに聞いたやつだな、確か【突き合う】とか言ってたがそれは勘違いで正しくは【付き合う】だった訳だが。

その返事を一夏は――。


『付き合ってもいいぞ』


そう篠ノ之に言った瞬間、近くに居た女子は一瞬ざわついていた様だが俺はその時美冬が更識さんを紹介していた時だったので全く気づかなかった。

んで、その返事を聞いた篠ノ之は襟元を掴んで聞き直し、その返事をした一夏が言ったのが――。


『買い物くらい』


――という返事をしたため、今一夏は呻いて床に突っ伏してる状態とのこと。


「……自業自得じゃないのか?……まあ篠ノ之はやり過ぎな気もするがな」

「……そうだね。ヒルト、僕もう食べ終わったからそろそろ部屋に戻らない?怪我が無くなったってさっきヒルト言ってたけど…やっぱりちゃんと見ないと僕も気になるし…」

「ん?別に痛みはもう無いぞ?――あばらとか肋骨とか折れてた気もするが、何か治ってたしな、これが」



そう、何故かあのラウラとの不思議空間から出た後、痛みが全く無くなっているのだから驚いた。

あの時必死だったから痛みとか気にしてる場合では無かったのだが、少なくとも腕は青アザが出来ていてもおかしくない一撃を受けていた筈だし、背中の小さいながらもついた刀傷も無くなっていて、吹き飛ばされた時に折れたと思ったあばらとか肋骨も折れていなかったという――。

深く考えてもわからないから怪我が無くて良かったぐらいにしか思わなかったのだがシャルルは――。


「ダメだよっ!僕がしっかり全身見てあげるから、もしかすると後で痛くなるかもしれないでしょ!?」

「……それはあるかもな、んじゃ、迷惑かけるがシャルル、しっかり見てやってくれ」

「了解、……ふふっ、ほんとヒルトは世話がやけるんだから」


手を取ったシャルルは、そのまま俺を連れて部屋へと戻っていった――倒れた一夏も気になるが、まあ良いだろって事で。 
 

 
後書き
本来、更識簪との出会いは二巻から三巻にかけての合間の話で入れようと思ってましたが、急遽入れました。


――批判も受けてますが、自分自身一夏が辿る予定だった運命がヒルトに代わったと思って書いています。

だから流れが同じにはなりますが、中身が違ったり、解決が違ったりと変えてはいます。

ですが、それも自分の空っぽな脳味噌だとなかなか限界もあるので良ければ生暖かい目で見てあげてください


それでもこれはダメだとかあるなら申し訳ないとしか言えないです

万人に受ける話をかけるほど自分は優れているとは思ってなく、尚且つ今なお書き方を勉強している身ですので粗があったり、矛盾したり、言葉がおかしかったりと気になる所もあると思いますが、自分も人間なので完璧には出来ないのです

指摘があれば徐々に直していき、尚且つオリジナル――主に原作補完的な内容とかを書いていきますのでよろしくお願いします


最後に、十二時にあげて直ぐに消し、迷惑をかけたことをこの場を借りて謝らせていただきます。

申し訳ございませんでした 
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