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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第174話】

 
前書き
だ・ぶ・ん・か・な?

最近寒いので皆様お気をつけて 

 
 誕生日会も終わり、時間も10時を過ぎていたので皆は解散したが、俺はまだ美冬と未来の部屋に残っていた。

 二人が部屋の飾り付けを片付けるのを手伝いながらも、いつ渡すかを考えていると……。


「ねぇお兄ちゃん? ……そろそろさ、プレゼント欲しいかなぁ……なんて」

「うっ? わ、忘れてた訳じゃないぞ? 今日はいつもと違って渡すタイミングを逃してただけだからな――その前に、母さんから美冬と未来に誕生日だ」


 言って、俺はポケットからロザリオを二つ取り出した。

 取り出した時に二つのロザリオがぶつかり、軽い金属音が鳴り響く。


「……確か、蒼が未来で翠が美冬だったかな? 何でも母さんいわく、危ないときには守ってくれるってさ。 俺も貰ったし」


 そう言って首にかけたロザリオを見せると、明かりに照らされてキラリと輝く。

 先ほどシャルから貰ったブレスレットも鈍く輝いた。


「お兄ちゃんのは紅なんだね? ……シャルからの誕生日プレゼント、お兄ちゃん似合ってると思うよ?」

「う? ……そ、そっか。 あんまりアクセサリー着けないからな、俺」

「フフッ、確かにヒルトってアクセサリーとかあまり着けないよね? でも良いんじゃないかな? カッコいいよ?」


 後ろに手を組み、徐々に近付いてきて顔を覗き込む様に見上げる未来の行動に、ドキッと胸が高鳴った。

 そんな未来の視線を逸らす様に、顔を背けながら口を開く。


「べ、別にカッコよくないだろ」

「え~? ……お兄ちゃんって普通にイケメンの分類じゃん。 ……うん、カッコいい……」


 まじまじと美冬が見つめ、ぼそりとそう呟くと共に何故か頬を赤く染めた。


「……何で美冬が顔を赤くなるんだ?」

「べ、別に赤くなってないもんっ。 あ、灯りのせいじゃないのっ!?」



 慌てふためく美冬の表情が、目まぐるしく変化していく。

 そんな様子に俺は笑みを溢し、美冬の首にロザリオをかける。


「あ……。 お兄ちゃん、ありがとう。 ……似合うかな?」

「ん、勿論だ。 似合うぞ?」


 言って、頬を撫でると恥ずかしそうに目を閉じる美冬――と。


「……ヒルトと美冬がそうしてると、何だか恋人同士に見えるのは気のせい?」


 ジト目気味に未来が言うと、美冬が慌てて――。


「お、お兄ちゃんとは血が繋がってるんだよっ!? こ、恋人に見えるわけないじゃんっ」

「そうだぞ未来? ちょっと仲の良い兄妹だろ?」


「……仲が良すぎるもん、二人とも。 ……普通だと思春期だから互いに嫌悪したりするらしいけど」

「まあ確かにそう聞くが……俺の家族がイレギュラーなだけだろ? 未来もつまらない事で膨れるなよ、ほら」


 膨れっ面の未来の首にロザリオをかけ、優しく頭を撫でてみると……。


「べ、別に膨れっ面何かしてないんだからっ! ……むぅ、また子供扱いされてる気がする」

「ははっ、頭を撫でるのが子供扱いなら俺、殆どの奴を子供扱いしてるって事になるぞ?」

「むぅ……」


 唇を尖らせ、上目遣いで睨むように見つめてくる未来だが――どう見てもただの上目遣いにしか見えなかった。

 いつもと違うのは尖らせた唇がアヒル口にしか見えないということだ。


「……先に未来にプレゼント渡すかな? 未来、誕生日おめでとう。 今年はぬいぐるみじゃないが文句言うなよ?」

「い、言わないって。 ……ヒルトがくれるもの、何だって嬉しいし」


 頬に赤みが差す未来に、ペンダントの入った小袋を手渡すと――。


「……開けてもいい?」

「フフッ、だーめ」


「……意地悪」


 むすっと再度膨れると、顔を背ける未来。


「冗談だって、ほら、機嫌直せよ? な?」

「……冗談言ったから許さないもん」


 視線を合わせないように、くるりと後ろを向く未来。

 その姿に若干俺も内心焦りつつ――。



「お、おいおい。 ……怒ったのか……?」

「……誕生日に冗談言うんだもん。 怒るのは当然でしょ」


 ごもっともな気がする。

 流石に悪いと思った俺は、素直に謝ることにした。


「その、だな……。 未来、ごめん……」

「…………」


 短くそう謝るが、未来から何の返答も無く、ただただ冷や汗が流れ出るのを感じていると――。


「……あははっ♪ ヒルト、怒ってないよ? 冗談冗談♪」


 くるりと此方に向き直すと、悪戯が成功したかの様な笑みを浮かべつつ、口元を手で覆い隠す未来。


「ぅおいっ! 冗談かよ……内心焦ったぞ」

「ヒルトが先に冗談言うからでしょ? ふふっ」


 そんな未来を見て、心の中でやれやれと呟くと今まで見ていた美冬が――。


「……これはこれで、妹の私が二人の今の出来事見るとみぃちゃんの方が恋人同士に見えるのは気のせい?」

「ま、まだヒルトと恋人同士じゃないよ、美冬っ!?」



 さっきの未来よろしく、今度は美冬がジト目で俺や未来を見ていた。

 これが彼方をたてれば此方がたたずって奴なのか……。


「美冬もそんなジト目で見るなって。 ……ほら、誕生日プレゼント。 十六歳おめでとう」

「あ、ありがとうお兄ちゃん……。 お兄ちゃんも、おめでとう♪」


 小袋を取り出すと、そのまま手渡す。


「ヒルト、開けてもいいよね?」

「あぁ、構わないぞ?」

「お兄ちゃん? 私のも開けていい?」

「勿論だ。 意地悪言うと今度は何されるかわからんからな」


 そう言うと、二人とも軟らかな笑みを浮かべつつ、小袋から中身を取り出すと――。



「わっ、ペンダントだぁ。 ……ヒルトからアクセサリー貰うのって、これで【二回目】だ。 うふふ、嬉しいなぁ……」


 本当に嬉しいのか、手に取って未来はそのままペンダントを眺めていた。

 一方の美冬は――。


「あれ? 私もアクセサリーだけど、リングが二つ……」

「あぁ、それはペアリングだよ。 片方は俺のだ。 ……嫌だったか?」

「ううん、そういえば兄妹なのに二人一緒の物って持ってなかったもんね♪ 専用機の村雲は揃ってると言えばそうなんだけどね」



 笑顔のまま、リングを見つめる美冬――そして。


「お兄ちゃん? リング着けてくれる? 左手の薬指に」

「ん、いいぞ? ……ってお前、左手の薬指って……」

「い、良いじゃん! 魔除けよ魔除けっ」


 顔を再度赤く染め上げ、あたふたしながら告げる美冬だったがまあ誕生日だし、良いかなと深く考えずにリングを受け取った。


「……じゃあリングはめるぞ?」

「う、ぅん……」


 その場に片膝をつき、左手をとると一瞬美冬がピクッと反応し、見上げるように視線を移すと――。


「あ、あははっ。 だ、大丈夫だよ、お兄ちゃん?」

「そうか。 ……まるで婚約指輪をはめる気分だよ」


 実際、その通りにしか見えないのだが。

 ペンダントを眺めていた未来からの突き刺さる様な視線を受け、内心ドキドキしつつもゆっくりはめていく。


「ん……ありがとう、お兄ちゃん。 ……わがままでごめんね? みぃちゃんもごめんね?」

「う、ううん。 ……大丈夫。 美冬、リング良かったね?」


 そう笑顔で伝えると、応えるように頷く美冬。


「……じ、じゃあ私たちもお兄ちゃんにプレゼント渡さないとね?」

「ふふっ、そうだね? ……じゃあヒルト、お誕生日おめでとう♪」


「お兄ちゃん、おめでとう♪」


 二人はそう言い、自分たちのベッドに置いていた俺への誕生日プレゼントを取ると、そのまま差し出してきた。


「あぁ、いつもありがとな? 毎年選ぶの大変だろ?」

「そんな事ないよ? ヒルトって何でも受け取って大事にしてくれるじゃない? 現にラウラから貰ったナイフも大事にするでしょ?」

「……まあな、使う場面は無いと思うが念のため持っておくのも……。 篠ノ之の日本刀がいつ俺に向くかわからんからな」

「あー、織斑君とかいつも斬られかけてるもんね? お兄ちゃん、篠ノ之さんに嫌われてるから絶対あの刃向けそうだもん。 または部分展開して刀出すかもだし。 ……何で専用機を持つ責任とかの説明受けてないあの子が専用機扱うのに学園から批判出ないのか不思議……。 まあ? 篠ノ之博士の妹だからで説明つくと思うけどね」


 多少溜まっていたであろう不満を口に出す美冬。

 ……まあ事実、学園の突起事項やらにそういうのがびっしりと書かれているからな。


「まあ今更言っても篠ノ之が返すとは思わないがな。 ……俺と同じで、後は自分で努力し、周りに認めさせる方向でいけばと思うが……。 そういやさ、何であいつ急にクラスの女子と仲良くなったんだ?」


 そう言うと、二人は気まずそうに視線を合わせた後、未来が口を開く。


「……んとね。 一部の女子だけなんだけど……篠ノ之さんと仲良くしてれば、もしかすると私達にも専用機貰えるんじゃないって結論に達した子達がいるのよ」

「うん。 ……だから、今から仲良くして専用機貰ったら後はもういいって感じに付き合うんじゃないかなぁ……? 女の子って、そんな所あるもん。 特にさ、ISって絶対数が足りないじゃない? 専用機何て一部だし、そんな中で篠ノ之博士の妹さんで、今回専用機貰ったのを見たらもしかするとって……」


「……成る程。 ……これは言った方が良いのか言わぬが華なのかわからんな」


 多分、言ったとしても聞かないだろう。

 美冬も未来も篠ノ之に嫌われてる訳では無いが、そういう事を言うと余計なお世話だと言われるらしいし。

 そんな風に言われても篠ノ之を気にする二人は、良い奴だと思うのだがそれが篠ノ之にはお節介にしか見えないし、聞こえないのだろう。


「……まあ本人が良いなら私達はこれ以上言えないからね。 ……それよりさ、開けてみてよ♪」

「ん? ……じゃあまずは未来のから開けるよ」


 そう言って未来を見ると、笑顔で頷く。

 それを合図に開けるとそこにあったのはニット帽だった――夏なのに。


「ニット帽? ……しかも、ドクロがデザインされてる」

「うん。 一応夏にも被る事も出来るよ? ……ヒルトなら似合うかなって思ったんだけど……」

「うーん、調子にのってるって喧嘩売られそうな気もするが……」

「ふふっ、お兄ちゃんなら返り討ちに出来るじゃない? ……って、もう喧嘩しないんだっけ?」

「当たり前だろ? 殴れば相手も痛いし、自分の拳も痛める。 ……それでも、馬鹿には殴るがな」


 そう言うと、あははっと軽く微笑する美冬。


「まあ、結局暴力だからな。 ……それは置いといて未来、ありがとな?」

「ううん。 ヒルトはもっと帽子持たないとね?」

「……未来が帽子好きすぎなんだろ? ベレー帽とかどんだけあるんだよ」

「……いっぱい?」


 少し考え、出た答えがいっぱいということは、数を数えるのが億劫なのだろう。


「……まあいいや、何にしてもベレー帽似合ってるもんな? さて、次は美冬からのプレゼント~」



 袋を開けて取り出すと、中に入っていたのがサングラス……。


「……二人して俺をがらの悪い不良にする気か?」

「そ、そんな訳ないじゃん。 お兄ちゃんがかけたらカッコいいと思って」


 取り出したサングラスのレンズは、まさかの赤でこれをかけてさっきのニット帽被ればパッと見不良にしか見えない。


「……まあ、大事にするよ。 しかし、美冬は今年も【何でも言うことを聞く券】をくれるのかと思ったぜ」

「ぶー。 いつまでもそんなの贈れないよ~。 それに、お兄ちゃん一枚も使わないじゃん」


 軽く頬を膨らませ、見上げる美冬は一枚も使わない俺に不満を垂れた。


「いや、使い道無いだろ? 何でもって言っても美冬にも出来ないことあるし」

「そ、そうだけどさ。 ほら、マッサージとかご飯とかあるじゃない?」

「成る程、なら今度マッサージしてもらうかな」


 言うと驚いた表情を見せ、何故か少し頬を赤くしながら――。


「な、なら今度マッサージしてあげるからシャワー浴びといてよ? ……あ、汗くさいと嫌だし」

「わかったよ。 ……さて、そろそろ戻るかな」


 言って立ち上がると皆から貰ったプレゼントを抱える。

 ラウラのナイフは危ないので腰のベルトにホルスターを着けたが……。


「もう遅い時間だもんね。 ……ヒルト、抜け出すって言ってたけどもういいからね? ……昨日、もぅ先に済ませちゃったもん……」

「う……? ……あ、あぁ……」


 未来の言葉に、昨日したキスを思い出して顔が赤くなる。

 未来も思い出したのか顔が真っ赤だった。


「……ん。 美冬、未来、おやすみ。 また明日教室でな」

「うん。 お兄ちゃん、おやすみなさい」

「ふふっ。 遅刻しないようにね? ヒルト、おやすみなさい」


 その言葉を聞き、俺は手を振って部屋を後にする。

 時間は10時を回っているからか、通路には人が疎らに居た。

 主に飲み物を買いに行く子達だろう。

 ……誕生日、なんだか今年は楽しかったな。

 去年とは違い、女子に囲まれての誕生日だからだろう。

 去年の俺だとまず考えられない状況だがな、これが。

 軽く欠伸をしながら、貰ったプレゼントを大事に抱えて俺は自室へと戻っていった――。 
 

 
後書き
IS視聴

自分の食べ掛けを渡す一夏の精神を疑ってしまう

後はアリーナってバリア張られてなかったっけ?

それと射撃ターゲット全部真ん中=凄いの構図は飽きた

アニメだから意味無いかもだがやはりここは狙った箇所に当てる縛りプレイを

突っ込めば突っ込むほどダルくなる

後はいつも何で怒ってるんだと言う一夏には考える力が無いとしか思えん 
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