紫天の主は管理局の少将
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聖王のゆりかご
機動六課の出動からしばらくして経った。本来ならジェイル・スカリエティの事がジュエルシードでわかるのだが、こちらはそれを防止しているし、あちらも戦力が減っていると思いたいが、俺のようなチート野郎が居る場合もある。大穴でスカリエッティその者が転生者という可能性もある。
さて、どうすっかな……こっちから仕掛けるか……いや、戦力は過剰だが、実戦経験が足りないか。それに聖王も確保したい……いや、そうか。聖王が動かない事も考えられるな。やはり、強化が必要か。
「シュテル、居る?」
執務室から呼ぶと、隣の部屋からシュテルが入ってくる。
「ご主人様、なんの御用でしょうか」
「ああ。ちょっとディアーチェとレヴィ達に仕事だ。予定は空いてるよな?」
「そうですね。ディアーチェは家事をしていますが、レヴィはユーリと共に遊んでいるだけです。昨日は蝶々を追いかけていたそうです」
「そうか。なら、イクスも交えてディアーチェと一緒に機動六課メンバーと教導を行え。徹底的に扱き上げろ。魔力の回復は聖杯で体力の回復は生命の杯の使用を許可する。監督にシュテルも行け」
「それではご主人様の仕事が大変になりますが……」
「構わん。子狸に手伝わせる」
「畏まりました」
「どうせなら結界術も使うか……確か精神と時の門があったな。これも使え」
「時間経過による老化はどうなさいますか?」
「生命の杯から作られるのはエリクサー、エリキシルとか呼ばれる物だ。薄めて飲めば廊下遅延にはなるさ」
「わかりました。それでは、行ってまいります」
「頼む」
さて、これで実戦訓練は大丈夫だろう。問題は……場所だろうな。ちょっと調査してみるか。
「エーベルヴァインだ。ティーダ・ランスター一等空尉とヴェロッサ・アコース査察官を呼んでくれ」
『畏まりました』
念話で事務に連絡した後、大量の仕事を終わらせていく。しばらく時間が経つと、連絡が入った。
『ティーダ・ランスター一等空尉とヴェロッサ・アコース査察官です』
「入れ」
ティーダが入って来た。その後にヴェロッサも居た。2人が中に入ってくる。2人に席を進めて、書類を送る。
「それで、何の用だい?」
「送った書類を見ろ」
「こいつは……」
「聖王のゆりかご。危険なロストロギアのある場所だ」
「これがミッドにあるのですか?」
「ああ、ある。まあ、かもしれないだがな」
「つまり、ここを調査しろって事だね」
「そうだ。まだ可能性だがな。それと、ジェイル・スカリエッティの違法研究所が存在する可能性もある。レリックは聖王のゆりかごの制御ツールみたいな物だ。そんなものを狙っているという事は……」
「聖王の人造魔道士が存在する可能性がある」
「プロジェクト・Fか」
「じゃあ、俺達だけじゃきついな」
「それらしい場所を知らせてくれれば、援軍を送る。俺の個人戦力を動かして殲滅するぞ」
「了解だよ」
「そんじゃ、行ってきます」
さて、これで問題無いだろうが……聖王のゆりかご。出来れば欲しいな。そうか、もう一つ手段が有ったな。聖王教会に協力要請を出すか。
俺はコンソールを操作して、騎士カリムへと直接回線を開く。
『エーベルヴァイン少将、どうしましたか?』
「少し頼みたい事がある」
『何か?』
「聖王が身につけていた物の一つって盗まれていたよな」
『ええ。それがどうかしましたか?』
「レリックの事だが、アレは聖王ゆかりの代物。ゆりかごに聖王を接続する為の物だ。おそらく、集めているのはジェイル・スカリエッティ。つまり、聖王のクローンが存在する可能性がある」
『それは……どうしましょうか?』
「何、それならそれで対策を取る。そこでだ。少し渡して欲しいのがある。聖王ゆかりの代物だ」
『残念ながらそれは不可能ですね』
「そうか。まあ、こっちでどうにかする」
仕方無い。聖王の用意はこちらでしよう。王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を開いて中身を調べる。検索項目は聖王オリヴィエ。すると数件がヒットした。俺の王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)は古今東西、多世界に至るまでありとあらゆる宝具が存在し、力もオリジナルと一切変わらない。それを改造できるし、中に入っているのは血なども本物だ。エレミアの義手はオリヴィエによって無数の血を吸い、宝具としては申し分ない代物だ。
「さて、この義手や衣から聖王の遺伝子を採取っと」
接合部から遺伝子情報を取り出して形成する。俺も多少は戦闘能力があったほうがいいか。このエレミア特性義手を改造して設置するか。後はこの遺伝子の細胞を培養し、強化していく。
「レリックも使うか……くっくく」
しばらく改造し、作成した義手を籠手に改造し装備する。そして、とっておきのアイテムを装備する。他に色々と機能を追加したし、樹形図の設計者を活かせる方法だ。
数日後、徹底的に仕事を片付けて居ると、連絡が来た。
『目標の代物がありそうな場所を発見したよ。ただ、ガジェット反応や生命反応が多いね』
「了解した。直ぐに戦力を送る」
『頼む』
通信を切った後、俺は魔道書を取り出す。これは紫天の書とリンクしている魔導書だ。
「ディアーチェ、シュテル、レヴィ、ユーリ。仕事だ。行くぞ」
『うむ。問題ない』
『了解です』
『おーし、暴れるぞー!』
『頑張ります』
転送を行い、俺自身が移動する。目の前にヴェロッサとティーダが居る。
「ちょっ!? 少将!!」
「君が出るのかい?」
「ちょっと細工したからなんとかなるよ。さて、来い」
召喚を起動して、ディアーチェ、シュテル、レヴィ、ユーリを呼び出す。皆は既に戦闘準備を完了した状態でこちらに来た。
周りは森の中、あるのは洞窟だけ。さあ、さっさと楽しもう。
「レヴィ、先方はお主がせい。我らは後から援護する」
「はーい」
直ぐにレヴィが突入する。その後、ヴェロッサの犬たちが突入した。中に入り、ガジェット達をみるみるうちに破壊していく。レヴィはクラウ・ソラスを使っているからAMFなんて完全無視だ。
「とんでもねえっすね」
「当たり前だ。オーバーSランクを4人投入だぞ」
「圧倒的だね」
「お前ら、働かんか!」
「は~い」
程なくして制圧出来たが、ナンバーズが存在せず、さっさと逃げられたようだ。データの除去が完了していなかったし、爆破されそうになったが、そっちは解除した。
「さて、聖王のゆりかごだけど、これはどうするんだい?」
「何、せっかくんほゆりかごだ。もらうんだよ」
「だけど、聖王じゃないと動かせないんすよね?」
「ふん。アンリの事だ、対策済みだ」
「取りあえず、ボクは探検してくるね」
「私もいきます~」
子供2人が探検に出かけたので、俺達は玉座に移動する。移動と同時に瞳を取り出して自分の瞳に合わせて埋め込んで融合させる。赤と緑のオッドアイになる。後はレリックを取り出して、玉座に座る。
「ディアーチェ、シュテル。サポートを頼む」
「はい」
「うむ」
直ぐにレリックを起動すると聖王のゆりかごが起動していく。
「システムリカバリー完了」
「接続問題無し。エネルギー供給開始……魔力が足りんぞ」
「聖杯に接続を開始」
「うむ。エネルギー問題は解決だな。動力炉の起動も確認した」
直ぐに聖王のゆりかごが起動し、俺の制圧下に入った。後はこれも宝具扱いになるから魔改造していく。
「それで、これはどうすんだい?」
「拠点に使えるようにした。いざとなればこれを使う」
「そうか。申請しておく」
「頼む」
全ての準備を終えて、聖王のゆりかごを本局へと送らずに王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)にしまい込む。
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