紫天の主は管理局の少将
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世界は消滅する
さて、お仕事が大変だが、俺は無人世界を一つ買い取った。宝具を使って即座にテラフォーミング。海や森の大自然の綺麗な場所を作った。そこにヴィヴィッドでルーテシアが作っていた巨大な温泉コテージや遊園地、水族館などの娯楽施設を作った。全ての移動は転移ゲートという豪勢な仕様だ。もちろん、従業員も雇って各世界から孤児院の子供達を引き取ってここで英才教育を施したりもする。トレーニング室なども完備して、魔法訓練も出来る最高の施設だ。基本的にここはディアーチェをトップにしてユーリやシュテル、イクス達が普段過ごしている。そして、なにより管理局職員の慰安地としてほぼ無料で提供している為、非常に人気だ。むしろ、委託所や保育園などの替わりにこちらに預けてから仕事に出る局員が多い。
さて、そんな場所にあるアリーナで今世紀に記されてもおかしくない戦いが行われている。被害が出るので海上での戦いだ。
「ちょっ、なんやのそれっ!!」
「フハハハハハ、我が前にひれ伏すが良いぞ、小鴉!!」
ディアーチェが手に持つナコト写本を操り、闇属性魔法を強化しまくってジャガーノートなどを放ちまくっているのだ。それも無詠唱で。
「無詠唱の癖にこの威力で連打しやがって!!」
「ヴィータ、シグナム。俺が盾になる。突撃をかけるぞ」
「おうよ」
「わかった」
「じゃあ、ザフィーラの回復と支援は任せて」
「王様、ちょっと覚悟しいや!!」
「はっ、無駄な足掻きという事を教えてやるわ!!」
ナコト写本によるン・カイの闇で乱発されるジャガーノートをザフィーラが盾となって突き進む。一撃一撃で障壁が破壊されるが、シャマルとヴィータのサポートが入って、何とか持ちこたえている。
「ファルケン!!」
シグナムが矢を放ち、ディアーチェを攻撃する。
「無駄だぞ! 我には効かぬわ、愚か者めっ!」
「ちぃっ!!」
そして、シグナムの攻撃は障壁にはじかれる。さらに攻撃の勢いを増すディアーチェについにザフィーラとシャマルがやられる。
「すまん」
「魔力切れ…………」
だが、その二人を踏み台にして、ヴィータが特大のハンマーを叩きつける。
「ちぃっ!」
流石のディアーチェも回避行動に出るが、既にハヤテが準備していた。
「海より集え水神の槍、彼方より来たれ銀雪の吐息、逆巻き連なり天に座せ」
「くっ、小鴉め、このような物を用意しておったか!」
海水をまき上げて超巨大な氷塊を形成し、その重量を敵に叩きつける物理攻撃。魔法戦記リリカルなのはForceで使用されているが、エイボンの書ではやては作り上げてしまったようだ。
「いくら王様でもこれでどうや!!」
「砕け、ジャガーノート!」
多数の闇の球体が氷塊に命中して、膨れ上がって消滅させる。しかし、それはいっときの事でしかない。
「甘いで! 槍陣を成せ 白銀の破槌!」
「なんだっ!!」
「これでしまいや!!」
「まだだ、まだ終わらんぞ! 喰らえ、飢餓虚空・魔王星(ブラックホール・フェアリーズ)」
ヘイムダルと飢餓虚空・魔王星(ブラックホール・フェアリーズ)が衝突し、氷塊がブラックホールへと吸い込まれた。
「なんやのそれ…………」
「フハハハハ、我の完全勝利だ!」
しかし、飢餓虚空・魔王星(ブラックホール・フェアリーズ)はヘイムダルを吸い込んだだけでなく、周りの物を纏めて吸い取ってしまう。
「ちょっ!? 私の負けでええいからはよ止めて! 吸い込まれてるって!!」
「う~む。それが…………止め方を知らん。しばし耐えよ、小鴉」
「なっ、王様、早く頼むって!!」
ブラックホールは物理現象だし、一度発生したら大変だよな。ディアーチェはナコト写本を急いでめくっていき、慌てて停止させた。だが、遅すぎた。
「王様、ちょっと私とOHANASIしようか。むろん、なのはちゃん式交渉術で。ああ、本人と一緒にやで」
「いや、待て! 我が悪かったから…………」
引きずられていくディアーチェ。俺は別の場所へと眼を向ける。そちらでは激しい戦いが繰り広げられている。多分だが。
「スプライトフォーム! いっくよ、フェイト! これがボクの本気だ。目覚めろ、クラウ・ソラス!」
「くっ、ソニックフォーム。バルディッシュ、バルムンクを発動させて」
『イエッサー』
フェイトはバルムンクを半分に割って、レヴィと戦っている。こちらも二刀流だ。もう、動き出した二人は見えない。ただ、所々で雷が落ちているだけだ。
だが!
だが!
そんな事よりもっとやばい場所が有る。それは空だ。そこでは魔王級の二人が戦っているのだ。それも全力全開で。赤い真紅の光と桃色の光が空の彼方に、星のように見える。戦場は他の惑星だったはずだ。だが、そんなのは関係無い。二人に与えた宝具はやばすぎた。シュテルが所持しているのはムスペルヘイムと呼ばれる世界其の物を宝具とした物だ。その力はスルトの剣も含まれている。
「あっ、星が数個消滅した」
直前で届けられた映像には、高町なのはが放つスターライトブレイカー。それが放たれた瞬間に桃色の龍の形へと変化してシュテルを飲み込もうとする。シュテルはシュテルで膨大な熱量を圧縮した太陽そのものを光線としたようなルシフェリオンブレイカーを放っていた。中心部でぶつかる二つの高エネルギーは余波だけで惑星が消し飛んだみたいだ。
「…………今の時代は化け物だらけですか?」
「否定はできないな」
「みんな、すごいです!」
俺は取りあえず、イクスとユーリの二人と一緒にお茶して待っている。残り二人の戦いが終わるまでだ。
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