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真・恋姫無双~徐晃の道~

作者:Rabbit
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プロローグ

皆さんこんにちは、あるいはこんばんは。

またはおはよう。

姓は徐、名は晃。字は公明です。

……いやいや、マジだよ?

冗談でも、精神病患者でもない。

前世であっさり死んで、なんやかんやあってこうなった。

では、その模様を簡単にどうぞ。



本来なら俺は、2012年に生きる人間だった。

性別は男。歳は21。フリーターである。

褒められた状況ではないな。

名前は、まったく覚えてない。

以前の自分に関してのことは、欠片も覚えていないのだ。

で、そんなある日俺はご臨終だ。

2tトラックにドーン。

以上だ。

まあ、説明するようなことも無い状況だった。

意識が無くなってすぐ後、目の前には妙齢の美女が。

「初めまして。残念ですが、あなたはお亡くなりになりました」
「いや、そんなことはどうでもいいです。それより、非常にお美しい」

俺の祖父と父親の教えだ。

美しい女性を見たら、正直に容姿を褒めるべし。

これは小さい頃から言われていたので、今ではすっかり癖になっている。

だが、小さい頃は中々言えなかった。

だって、そういう年頃じゃん?

好きな子にもイタズラをするような年頃じゃん?

しなかったら、父親からは投げられ、祖父からは稽古が6割増しで厳しかった。

酷いもんだろ?

ちなみに、祖父は小太刀二刀流殺人剣。

だが、時代の流れと共に名称が変わり、今は小太刀二刀流剣術になっている。

そして、父親は合気道の達人。

家には父親の獲得した、かつてのトロフィーや賞状などが飾られている。

酔うと、これらを自慢してくる。

非常にうっとうしかった。

こんなことは覚えてるのに、自分の名前などは思い出せない。

「あら、お上手ですね」

女性の言葉で引き戻された。

しかし、笑顔でかわされたか。

まあいっか。

「話を戻します。あなたは亡くなってしまいましたが、お望みでしたら転生も可能です」
「現代に?」
「それは無理なので、別の世界になります」

そっか。しかし、転生か。

面白そうだな。

でも、転生先によっては色々と問題がありそうだ。

だが、それらのリスクを差し引いても、俺の好奇心が刺激されるのも事実。

「転生しよう」
「わかりました。では」

女性が指を鳴らすと、ルーレットが現れた。

何で?

「では、このルーレットで転生の際の特典を選びましょう」

特典?嬉しいけど、何で?

俺が美女って褒めたからか?

「では、ストップをお願いします」
「…ストップ」

俺がストップの声をかけると、ルーレットは停止。

ルーレットの矢印が示す先には、『身体能力強化』とある。

「はい、おめでとうございます!当たりです」

当たりだと?

じゃあ、ハズレもあるのか?

今ならルーレットが止まってるから見える。

『死亡フラグ満載人生』、『短命の人生』、『モブ中のモブ人生』などなど……。

落差がでかい!!

「では、続いて行ってみましょう」
「もう1回?」
「もう1回です。では、回転」

再びルーレットが回り始める。

ハズレは本当に勘弁願いたい。

ハズレじゃなかったら、何でもいい。

「……ストップ」

高速で回っていたルーレットが、ゆっくりと回転を止めていく。

俺は両手を組み、祈り続ける。

「あらあら、大当たりです」

大当たり?

逆に不安だ。

止まったルーレットへと目を移すと、示す先には『才能・カリスマ性獲得』とある。

カリスマはともかく、才能って何の?

「特典も決まったので、ではいってらっしゃい」
「いや、まだどこに転生するのか聞いてな……」

最後まで言えることなく、再び俺の意識は途切れた。

 
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