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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第474話】

 
前書き
お待たせ

月曜日から仕事だから急いで書いたφ(..)

少し乱丁気味かもしれませんが、見てくださいませ 

 
 タッグマッチ大会まで残り三日、噂というのは瞬く間に広まるものだ。

 というのも、まあ簪が大会の特訓を俺ではなく一夏と行っているというのが何度も目撃された結果だが。

 俺個人は彼女がそう決めたなら構わないとは思う、とはいえ大会で優勝目指すなら普通ならパートナーとの連携を優先するべきなのだが。

 まあそういったわけで俺は現在単独で訓練中――ではなく、シャルとラウラ二人を相手取って模擬戦を繰り広げていた。


「ラウラ! 回り込んで!!」

「ああっ!!」


 シャルとラウラの連携は前より上達していて、ラウラは直ぐに俺の後ろへ回り込むとAICで俺の動きを拘束する。


「チッ……ハァァアアアッ!」

「ッ! ヒルトはAICは数秒の足止めが限界か……!」


 咆哮が轟くや、AICを強制解除させて距離を取る俺だが――。


「後ろががら空きッ! もらったよ、ヒルト!」


 粒子展開を終えたショットガン――レイン・オブ・サタディを構えて背後から発砲――散弾の雨が背後から降り注ぐが、ほとんどの散弾は大型のシールドが阻み、決定打にはならなかった。

 だが二人の攻撃の手が止む事はない、直ぐ様ラウラのワイヤーブレードが俺を強襲した。

 左右交互に迫る一撃一撃をスラローム回避しつつ、牽制の意味も込めて俺は粒子展開されたギガント・マグナムを放つ。


「いけぇぇええッ! ギガントォッ! マグナムゥッッ!!」


 噴煙と共に加速、巨大な拳がラウラ目掛けて加速――そして俺は更に叫ぶ。


「イグニッションッッ!!」


 俺の叫びに呼応し、瞬時加速したギガント・マグナムはその加速力を増した。


「ッ……!」


 ラウラは直ぐ様AICを展開して防ぐのだがギガント・マグナムの勢いは止まらない――停止した筈の拳が少しずつ彼女へと迫る、そして――。


「あぐぅッ……!」


 AICを強制解除し、巨大な拳はラウラに直撃した――それに少し油断した俺はシャルからブレッドスライサーによる二連撃を受け、シールドエネルギーを大きく減らした。


「ヒルト、ラウラばかりじゃなく僕にも気を使わないとね?」


 ウインクする彼女――だがそれに見とれれば痛い反撃を受けるだろう。

 手のひらに光の粒子が集束、北落師門を呼び出す――黒い刀身の刀はまるで太陽の光さえも吸収しているように感じた。

 空気を切り裂くように横に振るう、それを合図に俺はスラスターを全開起動させ、ラウラに迫って一閃。


「甘いぞ、ヒルト!」


 ひらりと後方宙返り、それと同時に大型レールカノンが稼働、火を噴いた。

 砲弾はアリーナ地表を大きく抉る、俺はラウラの射撃を察知した瞬間クイックブーストで右方向へと逃れる。

 だが油断は出来なかった――シャルのライフルが既に俺を捉えていたからだ。

 三点バーストによる射撃、直ぐ様対応したかったのだが機体硬直によってそれは叶わず、射撃によってシールドエネルギーが減少した。

 それを好機ととったのか、シャルは左腕のシールドをパージ、現れたのはシャルの切り札でもあるパイルバンカー《グレー・スケール》、一撃の威力なら現行の武器でもトップクラスの威力を持つ武装だ。

 それを構え、瞬時加速による突撃をかけるシャル、そしてラウラはその援護にワイヤーブレードを全て射出、此方を包囲する様に張り巡らせた。


「っ……なんのッ!!」


 時間差で攻撃を行うラウラのワイヤーブレードを身体を捻り、盾で受け流し、刀で切り払って全てを退けたその瞬間、眼前にはシャルの姿があった。

 不味い――そう思った矢先、構えたグレース・ケールの一撃がまるでスローモーションの様に映る。

 そして、気付くと俺は咄嗟に瞬時加速を行っていた――【後方へ向かって】、急速に離れた俺はパイルバンカーの一撃を受ける事なく無傷で二人から離脱出来た。


「そ、そんな……必中だったのに……」

「後方への瞬時加速……ヒルト、いつの間に……」


 当てたと思った一撃を避けられ、シャルは信じられないといった表情を見せた。

 一方のラウラはまるで俺の技術向上が自分の事のように嬉しいのか表情を綻ばせた。


「……だが、今は模擬戦。 ――ッ!!」

「ッ……あぐっ!?」


 ラウラは追撃するため直ぐに瞬時加速を行い間合いを詰めると同時にプラズマ手刀による連撃を叩き込んできて、防御体勢を取れなかった俺は直撃を食らって大幅にシールドエネルギーを減らした。


「ヒルト、今度こそもらったよッ!!」

「くっ……離脱するしか――」

「悪いがヒルト、離脱はさせない」


 離脱しようと急上昇する俺を捕らえたのはラウラの停止結界――ピクリとも動かず、さっきみたいに強制解除しようと力を込めたのだが、停止してる合間に接近してきたシャルのパイルバンカーの一撃が腹部装甲に叩き込まれる。

 装甲に阻まれたとはいえ、痛みは痛覚を通して全身へと伝えていき苦悶の表情を浮かべた俺。

 シャルはそれを見て申し訳なさそうに眉根を下げつつも、模擬戦という事もあってそのままパイルバンカーを打ち込み続け、俺の機体のエネルギーはゼロになり、それと同時に模擬戦終了のブザーが鳴り響いた。

 模擬戦後、ロッカールーム内で――。


「ふむ、ヒルト。 やはり技術が向上しているな?」

「ん? そうか?」

「そうだよ、必中だと思ったのに避けちゃうんだから僕ビックリしちゃったよ」


 ラウラがそう言い、俺自身はわからなかったがシャルも同意する様に言うのでそうなのかもしれない。

 何て言うか、褒められると妙にくすぐったく感じてしまう。

 額の汗をタオルで拭っていると突如ラウラが――。


「ヒルト、噂を聞いたのだが……パートナーと上手くいってないのか?」

「ん?」

「あ、それは僕も聞いたよ? ――ってよりも、更識さんが一夏の所に通ってるの、僕見ちゃったんだよね……」


 何だか不味いものでも見たように言うシャル、ラウラは俺を真っ直ぐ見据えつつも何処か不機嫌な表情を見せていた。


「上手くいってないのか……どうなんだろ? まあ彼女が一夏の所に行くのは構わないが、やはり大会の時ぐらいは連携の訓練はしたいところだな、これが」

「……そうだよね。 僕だったらヒルトと上手く連携出来るようにずっと一緒に居るのに。 ほ、ほら、六月の大会の時みたいに、ね?」


 シャルの言葉にあの時の訓練がフラッシュバックされるように脳裏に過った――と、ラウラも対抗するように。


「ひ、ヒルト、無論私も付きっきりでヒルトとの連携訓練を行うぞ?」

「ん、ありがとな、ラウラ」

「う、うむ」


 照れたのか僅かに視線を逸らすラウラ、シャルはそれを見てニコッと笑顔になった。


「……まあさ、あまり彼女の事を悪く言うなよ? 正直な話、俺はそんな話をシャルやラウラ、他の子から聞きたい訳じゃないからな」

「う、うん」

「わかった。 だが……少しは後悔させた方が良いのでは?」


 言ってから何処からともなくナイフを取り出したラウラ、明かりに照らされたナイフの刀身は光輝いていた、ラウラが欠かさず手入れをしてるのがわかる。


「ナイフは仕舞えよラウラ。 ……こういう事は言って気付かせるよりも自身で気付かせた方がいいと俺は思うしな」


 俺の言葉を聞き、ラウラはナイフを仕舞うと口を開く。


「だが、気付かない可能性もあるのでは? その場合はどうするのだ、ヒルト」

「……気付かない場合は、彼女自身が後々後悔するんじゃないかな?」


 そう言葉にする俺だが、本当に気付かない場合はどうしようかと不安が過る。

 制服に着替え終え、荷物を纏めるとシャルとラウラの二人も着替えを終えていた、ISスーツの上から制服を着たのだろう――というか、着替えが早すぎてビックリだが。


「とりあえずこの話はお仕舞いって事で。 ……でも、気にかけてくれてありがとな、二人とも」


 俺の言葉に、二人とも照れくさそうな表情を見せ――。


「う、ううん。 ひ、ヒルトの事を気にかけるのは当たり前だもん」

「む、無論だ。 夫婦なのだ、嫁の事情を気にかけるのは夫の役目だ」


 二人してそう言い、俺の隣へやって来ると腕を取り――。


「ヒルト、今日は僕たち二人と食べようよ。 ね、ラウラ?」

「うむ、私はそのつもりだ。 ではヒルト、私達二人のエスコートを頼む、紳士的にな」


 無茶な事を言うラウラに、苦笑が漏れ出るも、俺は二人を連れて寮の食堂へと向かった。

 大会まで残り三日、果たしてどうなるのやら……。 
 

 
後書き
そしてあとがき、これを書き上げつつ、ゴッドイーター2レイジバーストをやって、テラリアやって、ガンダムブレイカー2をやってとゲーム三昧

待たせて申し訳ないです 
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