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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第464話】

 
前書き
更に原作進み&あの方達の出番が……Σ(゜∀゜ノ)ノ 

 
――第二整備室――


 着替えを終えた俺は、急いで第二整備室へと向かうと既に彼女は待っていた。

 ――ISスーツを着用した彼女は、いつもの雰囲気は変わらないものの他の生徒同様スーツ特有の露出で妙な色香を醸し出していた。


「簪、お待たせ――ってかまったか?」

「……ぅぅんっ。 だぃ、じょうぶ……っ」


 否定する様に頭を振る簪、髪が少し乱れたがそれも直ぐ様整えた。

 ――それはそうと、第二整備室内にも他の生徒が複数居る、大会までの間に機体調整をするためだろう。


「ねえ、昨日取った機動データ、こっちに回してちょうだい」

「はーい、ちょっと待ってねー!」


 言いながらデータを転送してる整備班メンバー――一方は。


「武装の軽量化をしたいのよね。 今からで間に合うかしら?」

「うーん……やってみる価値はあるってもんよ! 善は急げー!!」


 言いながら必要な機材をかき集め始めた整備班、そして此方は――。


「ちょっと! ハイパーセンサーの基準値ずれてる! 最後に弄ったの誰!?」

「私だ、すまない」

「ちゃんと気をつけてよね!? 整備ミスは私達全員の連帯責任なんだからねっ!?」

「ぅ、ぅむ」

「わ、わかれば良いのよ……。 ――ふふっ、じゃあ調整に戻りましょっ」


 ――等と怒号の飛ぶ整備班も居た――まあ、直ぐにいつもの様な様子に戻っていたが。

 機体を見ると、見慣れない機体二機が鎮座していて、その回りに整備班が慌ただしく整備を続けていた。


「あの二機、見たことないが上級生の専用機か?」

「うん……。 あっちが……二年のフォルテ・サファイア先輩の専用機『コールド・ブラッド』……」


 言ってから指差す簪、上級生であるフォルテ・サファイア先輩の姿は見えなかったが、多分水分補給だろう。


「……向こうは、三年のダリル・ケイシー先輩の機体『ヘル・ハウンド・ver2・5』……」


 さっきと同様指差して機体の説明をする簪――此方もダリル・ケイシー先輩本人の姿が確認出来ない。


「後……奥にいるのが……」

「ん? ――あぁ、セシリアの機体だな」


 そう言って目で彼女を追う――腕組みし、整備班と何やら打ち合わせしていた。


「そうですわね。 もう少し旋回性能を高める為に、ブースターの出力を上げたいのですけれど」

「それはいいけど、機体制御が難しくなるわよ? 当然、安定性も落ちちゃうし」


 セシリアの機体の整備班、リーダー格の上級生がセシリアを見ながらそう告げるとセシリアは髪をかきあげながら――。


「構いませんわ。 次の大会はわたくしも結果を残したいので。 ……ヒルトさんとも、戦いたいですもの」

「ふーん、有坂君とねぇ。 ……まあ一回やってみようか? やってみてからクセが強すぎるようなら、出力元に戻せばいいんだし」

「そうですわね、ではお願いしますわね」

「任せて」


 上級生に物怖じせずそう告げるセシリア、上級生の方もセシリアの要望を訊き早速作業に取り掛かった。

 ――と、セシリアが俺の視線に気付くと、柔らかな笑みと共に此方に手を振ってきた。

 さっきキスを交わした事を思い出すと、全身の熱が上がる思いだ――と、隣の簪が不機嫌そうな表情で俺を見てくる。


「……どうした?」

「……別に……。 ――少し準備がある、から……ヒ、ルト……、少し時間……潰してきて……」

「え? えと?」


 言葉を待たずに簪は整備室内にある機材やら何やらを集め始めた、他だと必要そうな物を物色し始めてる。

 手伝いたいのは山々だが、どの機材が必要なのかはいまいちわからない俺は取り敢えず言葉通り時間を潰すことに。

 セシリアの機体の更に向こう側には鈴音の機体、甲龍が鎮座していた――パイロットである鈴音の姿が見えないが。

 ……鈴音といえば、この間フェラしてくれって言ってから、俺の顔を見るだけで脱兎の如く逃げ出す始末。

 ……俺個人も、流石に変なお願いし過ぎたと思い、時間が互いに合えばちゃんと謝りたいと思う。

 ……それはさておき、取り敢えず上級生の機体、先ずはフォルテ・サファイア先輩の専用機である『コールド・ブラッド』を見に足を運ぶ――と。


「おっ、敵情視察ッスか?」

「え?」


 振り向くとダークブルーの髪の女性が立っていた――両手は腰に当て、真っ直ぐ俺を見つめている。


「フフフン、敵情視察しても無駄ッスよ~。 ……コールド・ブラッドのセッティングは、ちょくちょく替えるんッスからね~」

「はぁ……」


 曖昧な返事をした俺を他所に、彼女は自身の機体に歩み寄る――多分、彼女がフォルテ・サファイア先輩なのだろう。



「一応自己紹介……ッス、自分はフォルテ・サファイア……ッス、気軽に先輩って呼ぶッスよ~?」

「あ、はい、サファイア先輩」

「……くぅぅーッ! やっぱ先輩って呼ばれるのは気分がいいッス……!」


 何に対して感激してるのかわからないが、目の前のサファイア先輩は喜んでいる様に見える。

 頬を指でかく――と。


「おーい、フォルテー。 感激は良いから、一旦テストするぞぉー」


 その声に反応して振り向くと、今度は真っ赤な髪で肌が真っ白な白人の女性が気だるそうに立っていた、よく見ると髪の根元は金色の為、元は金髪なのだろう――多分、彼女は……。


「……ぉ? おめぇが噂の有坂ヒルトか?」

「え? ……何の噂かは知らないですが、俺が有坂ヒルトですよ」

「そっかぁ。 一応自己紹介だ、三年のダリル・ケイシー、ISヘル・ハウンド・ver2・5のパイロットだ」


 気だるげな言葉とは裏腹に、ちゃんと自己紹介をした上級生のケイシー先輩――。


「先輩ー、テストってマジッスかぁ?」

「当たり前だろ、バカ。 調整する度に機体のチェックは豆にだな――」

「先輩は変な所で几帳面なんッスよー、普段はヤル気無しな癖にー」

「何だとー? 確かにヤル気は少ねぇけど、お前だって対してヤル気ねぇだろー」

「何ですとー。 少しはヤル気あるッスよー!」


 ――と、往年の夫婦漫才を見せられるが如く始まったやり取りに、俺も上級生の整備班グループもただただ見ていると――。


「良いから、テストいくぞー!」

「しょうがないッスねぇ。 ……じゃあ、起動してテストッス!」

「じゃあな有坂ヒルト、敵情視察もほどほどにな」


 ヤル気あるのかどうかはわからないものの、二人は鎮座している自分の専用機に乗り込むと、そのまま第二整備室を後にした。

 二人の整備班も、慌てて二人を追うと、残された俺は――。


「……簪の準備は終わってるかな」


 そんな独り言を呟きつつ、見てみるとまだ機材を集めていた。

 ――この状態で戻っても仕方がない為、セシリアや鈴音の元へ――だが、セシリアの姿が見えず、機体も無いため多分彼女はテストに出たのだろう。

 だが、鈴音は居るので彼女の元へと向かう。

 カツンカツンと整備室内に響き渡る靴音、それに気付いた鈴音は四つん這いのままで顔だけを俺の方へと向けた。


「おっす、鈴音」

「ひ、ひひ、ヒル、ト……!」


 俺だと気付き、アワアワとした表情と共に真っ赤に染まる顔。

 逃げ場もなく、脱兎の如く逃げ出す訳にもいかない彼女は何だか小動物の様に思えた。


「そんなに慌てるなよ、何もしないから」

「で、でででもアンタ……あ、ああアタシに……ぁぅ……」


 ボシュッと湯気が出るぐらい真っ赤に染まった彼女――やっぱり前の発言が原因だったか。


「……あれは気にするなよ」

「……ぇ?」

「気にするなって、俺の顔見る度に逃げられたら俺の方が寂しくなるし、な。 ……前言った事はさ、忘れろって」


 そう告げる――まあ事実、避けられるのは非情に寂しく感じてしまう。


「……んじゃ、取り敢えずもう気にするなよ? 俺は戻るから、明日からはちゃんと普通に、な?」

「ぁ……」


 何か言いたそうな鈴音を残し、今度こそ簪の元へと戻ると機材が揃っていて、既に準備万端といった感じだった。


「……ヒルト、お待た、せ……」

「ん、そんなに待ってないさ。 ――そろそろ始めようか」

「……うん」


 肯定する様に頷くと、簪は右手を正面に軽く突き出す、右手の中指にはめられたクリスタルの指輪が淡い光を放ち始める。


「おいで……『打鉄弐式』……」


 言葉に呼応するように、クリスタルの指輪が光を放ち、簪の全身を包み込む。

 光が収束すると、そこには『打鉄弐式』を纏った簪が浮遊していた。 
 

 
後書き
横道それまくりー

まあ、それたい年頃なのですよ

てかヒルト謝ってなかったな 
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