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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第191話(シャルロットルート)】

 
前書き
シャルがじゃんけんに勝った場合のルートです

セシリア、鈴に引き続き見てくださった方

なかなかの欲張りさん(ォィ

初見の方は、いらっしゃいませ

拙い文ですがよろしくお願いします 

 
――ウォータースライダー前――


「あ……。 ぼ、僕が勝ったの……?」


 臨時開催されたじゃんけん大会。

 勝負は決し、勝ったのはシャルだった。

 まじまじと自分の出した手と、他の皆の手を確認するとシャルは――。


「ぼ、僕が勝ったんだ……♪ ……よかった……、ここ一番に弱いと思ったけど。 ……えへへ」


 静かに呟き、シャルは満面の笑みを浮かべた。


「ま、負けましたわ……。 ……やり直す事が出来るのでしたら、やり直したいのですが……。 ――そういう訳にはいきませんものね……」


 負けたことが悔しいのか、少し唇を噛み締めるセシリアだったが、それを周りに悟られないように精一杯の笑顔を作ってみせた。


「ふぅ……やっぱりアタシは負けちゃったか……。 シャルロット、せいぜいヒルトと楽しんで滑りなさいよ!」


 両手を頭で組み、ニッと歯を見せて笑顔でシャルに言う鈴音。

 シャルも、それに応えるように微笑んだ。


「むぅ……。 い、今だけはシャルロットに我が嫁を貸そう。 こ、こんなサービスは今日だけだ……」


 悔しさを隠すように告げると、ラウラは表情を見られないように後ろへ振り向いた。


「うーん、負けちゃったか……。 シャル? お兄ちゃんにえっちな事されそうになったら殴っていいからね?」


 そんなとんでもない発言をしたのは美冬だ。

 負けたのが悔しいのか悔しくないのかがよくわからないが、見る限りだと納得した様にも思えた。


「美冬……ウォータースライダーでどうやればえっちな事出来るんだよ」

「え? ……後ろからおっぱい触るとか?」

「……それやったらここから追い出されるじゃねぇか」

「あははッ♪ それもそうだね♪ ……じゃあ皆、下で待とう?」


 美冬はそう皆に告げると、促すように来た道を戻っていった。


「よ、喜んじゃったけど……やっぱり、何だか申し訳ない気がするよ……僕」

「ん? ……仕方ないだろ? 勝つ奴がいれば負ける奴がいるのも真理みたいなもんだ。 だからシャル、気にするな。 ……それとも、滑るの止めるか?」


 若干意地悪くそう告げると、ハッとした表情になったシャルは俺の腕を取り、絡ませて――。


「そ、それはやだよっ! ……せっかくのチャンスだもん。 僕、ヒルトと一緒にウォータースライダーで滑りたいよぉ……」


 そんな甘えた声をあげ、軽く瞳を潤ませるシャル。

 こういう表情に、俺は弱いんだよな……。


「……わかったから、そんな顔するなよ。 ほら、並ぼうぜ?」

「う、うん! ……ねぇヒルト? このまま腕組んでてもいい……?」

「う? ……ま、まぁ構わないぞ?」

「ふふっ。 良かった……♪」


 そう言うと、そのまま身を寄せるようにくっつくシャル。

 形のいい乳房が俺の肘に当たり、俺がシャルを見ると顔を赤くしながら――。


「ど、どうしたの、ヒルト……?」


 言って、更に密着する様に押し付けてくるシャルに、内心ドキドキしながらも俺は――。


「な、何でもない……ぅん」

「ふふっ。 ……なら良かった、何処か気になるのかなって不安になっちゃったもん……」


 熱を持った眼差しでシャルは俺を見上げ、更に押し付ける様に密着してくる。

 流石に意識がそちらに向かってしまうが――照れ隠しする様に俺は顔を逸らした。

 その様子を見たシャルは、クスッと笑みを溢し、そのまま順番が回ってくるまで密着したままだった――。


 並んでから数十分経過し、案外順番が早く回って来たなと感心しつつ、腕に伝わる乳房の感触が離れるのを名残惜しいと感じつつも、何処か落ち着かなかったので少し一安心する俺がいた。

 ……やはり、周りがカップルだらけとはいえ、突き刺さる視線というのはキツいものだ……。

 誰もいなければ、もっと感触を楽しめるものだが――。


「それでは次の方たち、準備してくださーい」

「ほら、準備しないとね? ……ぼ、僕が前ね?」

 珍しくシャルからの自己主張――普段のシャルなら、俺がどっちが良いかを聞いてくるのだが……。


「わかった、ならシャルが前で俺が後ろだ」


 何にしても、断る理由も無いためシャルが前に座り、俺が後ろに座って足を伸ばす。


「ん……えへへ。 な、何だか恥ずかしいね……?」

「う? ……そ、そんなこと言うと意識するだろ、シャル……」


 そんなシャルの言葉に、ドキドキしながら腰に腕を回すと――。


「ん……ヒルト? もう少し上を持った方が……」

「上? ……この辺りか?」


 腰を抱いた腕を少し上に持ってきて、シャルに聞くとまた首をふるふる振りながら。


「も、もう少し上……かな?」

「もう少し? ……こうか?」


 更に上に腕をやるのだが、流石にこれ以上腕を上にあげると両腕にシャルのおっぱいが乗ることに――だが。


「んんっ……もう少し……上に……」

「……ば、バカ……、これ以上は――」

「……ダメ? しっかり掴まえてないと、僕……不安になっちゃうよ……?」


 そんな言葉と共に振り向いたシャルの表情は、本当に不安なのか眉を下げていた。


「……セクハラって言うなよ?」

「い、言わないよぉ……。 ……ヒルトになら触られても嫌じゃないから……」

「……ッ。 ……じ、じゃあもう少し上な……?」


 身体全身に熱を帯びるのを感じ、抱いた腕を上にあげると両腕にシャルの乳房の重みを感じた。


「こ、これでいいよな?」

「……うん。 ……ねえヒルト? ……もしだけど、これで【事故】でヒルトが僕の胸を触ったとしても……【事故】……だからね?」


 事故という言葉を強調し、シャルは俺の腕に手を重ねる。

 ……事故なら触っても……という邪な考えが過るが、流石にまずいので細心の注意を払わなければ。


「そろそろ準備は良いですか?」

「あ、はい。 お願いします」


 係員が声をかけ、抱く腕に力を少し込めるとシャルが小さく声を上げた。

 今回選んだのは曲線蛇行型のウォータースライダーの列。

 どちらも良さそうだったが、今回は此方を選んだ。

 それはそうとして、小さく声を上げたシャルが――。


「……ヒルト?」

「ん? ど、どうした?」

「……えへへ、何だかこうやってヒルトに抱かれるのって……凄く嬉しくて……。 僕、ヒルトと一緒に過ごした思い出が増えて嬉し――――わあぁぁあああっ!?」

「ぅおっ!? 絶対あの係員わざとだろ!!」


 いきなりウォータースライダーを滑り出し、シャルも俺も驚きの声を上げた。

 しかも、あの係員――いつまでもイチャイチャしてるんじゃねぇよと呟いてたし。

 曲線蛇行型とはいえ、二人がくっついて滑っているので徐々に加速していくそれに、流石のシャルも声を上げていた。

 ……前って、そんなに加速度が凄いのかな?

 そんなとんちんかんな考えをしつつ、少し抱いた腕に力を込め直すとまた小さく声を上げたシャル。

 密着しているためか、触れあった肌と肌とで互いの体温を共有してる感覚が伝わってくる。

 思ったよりも時間は掛からず、最後のコーナーを上がると一気に加速し、他のカップル同様に激しく水飛沫をたてると共に加速したスピードは減速し、気付いたらずぶ濡れになっていた。


「あ、あれ? ……もう終わりかぁ……」

「その様だな、回転率高いならまだ滑れそうだが――もう列が凄いことになってるしな」


 ちらりと見ると、ウォータースライダーの列が一時間待ちという――どれだけ人気だよ、ウォータースライダー。

 いつまでも腰を抱いてるとシャルも気になるかもと思い、抱いた腕を離すとそれに気付いたシャルは振り向き、少し寂しそうな表情を見せた。


「いつまでも抱いたままだと目立つだろ? ほら、シャル……」


 立ち上がり、手を差し出すとシャルは迷うことなく手を取った。

 そのまま引き上げる様に引っ張ると、慣性に従うようにシャルが俺に身を寄せた。


「……少しだけ、このままでも……いぃ……?」

「え……? ……ま、まあ少しだけならな? 流石に目立つが……」

「えへへ……ありがとう、ヒルト。 ……わがままでごめんね?」

「……構わないさ、シャルがこれで少しでも不安が取り除けるなら……な?」

「……うん」


 こうして遊んでる時は普通の少女なのだが、日に近づいてくる【現実】に不安を感じてても仕方がない。

 ……国家代表になれなきゃ、自由国籍権をとって他の国の代表になる道を選ばないと彼女を待ってる運命は残酷なものだし。

 あやすように軽く頭を撫でると、それに反応したシャルは、照れながら笑顔で応えた。

 それから暫くして、俺とシャル、二人は皆が待つ場所へと戻っていった……。 
 

 
後書き
ウォータースライダーの係員さんは、こんな感じでいちゃつくカップルに八つ当たり

――してる気がするかもしれないような?

ここまで三本見た方、基本会話が違うだけでやってること同じじゃねぇかと不満を持つ方もいると思いますが――。

時系列が同じだから仕方ないのだ

 
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