IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
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【第191話(セシリアルート)】
前書き
セシリアがじゃんけんに勝った場合のルートです
期待に添えてるかわかりませんが、どうぞよろしくお願いします
――ウォータースライダー前――
「や、やりましたわっ! ヒルトさんっ! わたくしが勝ちましたわよ!!」
臨時開催のじゃんけん大会を制したのはセシリアだった。
嬉しさのあまりから、何度も跳び跳ねる様に小さくジャンプすると、たわわに実った二つの乳房がブルンブルンと跳び跳ねて揺らし、周りの男達から歓喜の声が漏れた。
だが、基本カップルのため、彼女の制裁というオチ付き。
思いっきり頭を叩かれて、謝る彼氏達を他所に、負けた他の子達は――。
「あーあ、負けちゃった。 ……まあ仕方ないわよね。 ヒルト、セシリア、下で待ってるからね?」
あっさりとしたもので、鈴音はそう言うと八重歯を見せて笑顔で言った。
「ま、負けちゃった……。 うぅ……せっかくのチャンスだったのに……」
そんな言葉と共に、どんよりとした雰囲気を醸し出すのはシャルだった。
……勝負の世界は厳しいのだ……と、言いたいがあの落ち込み様は本当に楽しみにしてたのだろう。
悪いことしたなと罪悪感が芽生える――だが、それ以上の落ち込み様なのが――。
「………………」
ラウラだった、俺の幻覚か、口から魂が抜けてる様に見えるのは気のせいではなさそうだ。
未だに負けた事が信じられず、何だかこのまま昇天しないかが心配になる。
「……負けちゃった。 ……仕方ないから、今回はセシリアにお兄ちゃん譲ってあげるよ」
当初、自分の出した手をまじまじと見つめていた美冬だったが、流石に負けた事を理解すると、鈴音同様笑顔でセシリアを見て、皆を促した。
「……負けちゃったけど、まだ始まったばかりだしさ。 皆で下で待とうよ?」
そう言って未だに落ち込むシャルとラウラの背中を押して下へと降りていく四人。
そんな四人を見たセシリアは、ぽつりと呟くように言葉を吐いた。
「……勝ちましたけど、少し複雑な気分ですわね」
「……でも、勝負の世界は厳しいだろ? 国家代表になるのも、こういった勝負からは避けられないって事だからな。 ……まあ、ウォータースライダー滑ってまた皆で遊ぼうぜ?」
「そう……ですわね! うふふ。 では気分を改めて……参りましょうか、ヒルトさん♪」
そう告げるセシリアは、先程と同じ様に腕を取ると、わざと自身の胸を押し付けてくる。
意図はわかるものの、流石に妄想がとまらなくなりそうなのでセシリアには自重してもらいたいのだが――。
「どうかなさいましたか、ヒルトさん?」
「……いや、何でもないよ」
「うふふ、変なヒルトさん♪」
そんな蠱惑的な笑みを浮かべたセシリアにドキッとしながらも、俺達はウォータースライダーの列に並ぶのだった。
そして、並んでから数十分。
順番が来た俺達は、ウォータースライダー頂上に立っていた。
今回並んだのは曲線蛇行型で、向こう側には一直線側の列が。
どちらも人気があるため、行列がずらり……比較的早く順番が回ってきたのは、多分係員の指示が素晴らしいのかもしれない。
隣の一直線型のウォータースライダーを横目で見ていると、係員の指示があり、俺は滑る準備をするのだが……。
「そういや、セシリアは前がいい? それとも、俺の後ろ?」
「え!? ……えと、では今回はわたくしは前で――」
「了解、んじゃ――セシリアが前で俺が後ろね」
言ってからセシリアが前に座ると、俺はその後ろに座って後ろから抱くようにセシリアの腹部に腕を回す。
「ひゃっ……!?」
「ん? 何か変か? もっとくっついた方がいいか?」
後ろからセシリアの顔を覗き込むと、あまりの顔の近さに互いに真っ赤になってしまった。
「い、いぇ……急だったものでびっくりしただけですわ……」
「そ、そっか。 ……確かに、よくよく考えたら結構大胆な事してるもんな……俺」
束ねられたセシリアのポニーテールが肌に触れると、妙にくすぐったく感じつつも、何気にセシリアはうなじ美人な気がしてならなかった。
「そろそろいきますよ。 いいですかー?」
係員から声をかけられ、俺達の前にスライダーを滑ったカップルとの距離が安全な位置(ぶつからない)まで移動したのだろう。
「了解です。 セシリア、準備いいか?」
「え、えぇ。 ……少し、緊張いたしますわね。 ……ですが、ヒルトさんとこうやって肌と肌の触れあ――キャアァァアアアッ!?」
「ぅおっ! あの係員、いきなりかよ!?」
セシリアが色々言ってる途中で、座っていた部分がガコンッと音をたてると共に水が流れ出し、一気にスライダーを滑り始めた。
何気にあの係員からリア充爆発しろと聞こえてきたのだが――一応、女子の係員だけど。
勢いよくウォータースライダーを滑走し、激しく水飛沫を上げながら曲線蛇行する。
加速する勢いが凄まじいのか、声をあげるセシリア。
俺としてはISの加速度と比べると、見劣りする気がするのだが――。
――と、腰に抱いた手に、自然とセシリアが自分の手を重ねてきた。
表情が伺えないのが残念ではあるが、やはり少しは怖いのかもしれないな……。
最後のコーナーを曲がり、更に急になったスライダーを滑り落ちる様に流されていくと、激しく水飛沫が飛び散り、滑り終えた俺とセシリアは、びしょ濡れ状態だった。
「……ぷっ――はははっ! びしょ濡れになったな、セシリア?」
「え、えぇ。 ……ですが、わたくしとしては貴方との思い出がまた一つ、増えましたわ……」
水も滴るいい女とは誰が言った言葉だろうか?
俺が見る限り、今のセシリアがまさにそうだ。
……俺には、勿体無い気がするが……でも、好かれる事自体は嫌じゃない。
腰に抱いた手を離すと、セシリアが此方に振り向き、名残惜しそうに見上げるが――。
「皆待たせてるからな。 セシリア、行こうぜ?」
「そ、そうですわね……。 ……あの、ヒルトさん?」
「ん? どうしたセシリア?」
「……また、機会があれば次は二人で来たいですわね。 室内プールでもよろしいので……」
「……そうだな。 でも次はそんなサービスたっぷりな水着はやめろよな? ……ほ、他の奴には見せたくないし……」
小声でそう伝えると、聞こえていたのかセシリアは頷き、そして――。
「え……? うふふ、わかりましたわ……。 ヒルトさん、今度機会があればわたくしの水着も選んでくださいな。 ……シャルロットさんの水着もお選びになられたのでしたら、やはりわたくしも……」
そんな少し嫉妬した様な表情を浮かべるセシリアの頭を軽く撫でながら。
「あぁ、俺で良かったらな? ただ、どんな水着を選んでも文句は言うなよ?」
「も、もちろん文句は言いませんわよっ。 ……ヒルトさん、たまに意地悪ですわ……」
軽く頬を膨らませて睨むセシリアだが、どう見ても上目遣いの為、可愛いとしか思えなかった。
そんなセシリアを見て、意地悪っぽく笑むとまた頬を膨らませる。
「さて、あまり待たせても皆に悪いから戻るぞ?」
「あ……。 ま、待ってくださいなっ」
そう言ってセシリアは俺の隣に並ぶと、俺はその歩幅に合わせて皆の元へと戻っていった――。
後書き
IS視聴
セシリアの暗殺ぶりが凄まじい
だが、皆もちゃんと不味いと言えば……
後、セシリアの暖かいですわねという言葉に対して、一夏の炊きたてだからな!は、ご飯炊く俺としては暖かいというより熱すぎる気がするが
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