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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》

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【第161話】

 
前書き
ちょい短め

THE駄文ですな

 

 
「この馬鹿者が。……有坂が篠ノ之をIS強制解除まで追い込み、尚且つ、生身の篠ノ之に危害を加えようとしていたのならば模擬戦の介入も【ルールブック】や【学園特記事項】にも書いてある通りに第三者の介入、または乱入を良しと記載されているが――」

「…………」


 ビーチへと戻ったその瞬間から織斑先生の説教を受ける一夏。

 流石に今回の介入を擁護するものは居なく、織斑先生の弟だから免除されるという訳もなく、怒濤の説教を受けている。

 現在進行形なのは、今も怒られているからだ。

 ……まあ、俺に落ち度は全く無いからな、模擬戦中の煽る会話とかなどはISの大会でもよくあるとのこと……心理戦とかだろう。
 そんな光景を眺めながら俺は手に持つスポーツドリンクを飲み干す。


「……流石に今回は織斑君の事、誰も擁護しないね。お兄ちゃん?」

「ん?……そりゃそうだ。……俺が篠ノ之の身体を傷つけたり、PTSDになるほど精神的に追い詰めたりしたならいざ知らず、どこをどう照らし合わせても非が無いからな、俺」



 そう隣にやって来た美冬に伝えると、未だに怒られている一夏へと視線を移した。

 流石のあいつも、自分のしたことの問題に気付くだろう。

気付かなかったら馬鹿確定、気付いても反省しなかったらすげぇ馬鹿確定だがな、これが。

 辺り一帯のビーチを見渡すと、大方片付いたようにも見えたが見えない部分に機材があったり、ラファール・リヴァイヴ用の試験パッケージが転がっていたりした。


「――ともかく、帰ったら今日中に反省文の提出だ。後、残り少ないがビーチにあるIS用機材をお前一人で片付けろ。いいな?」

「……わかりました」

「……では、残った機材の撤収作業は織斑一夏一人で行う。他は旅館に自分の荷物を取った後、クラス別のバスに乗り込んで待機しろ。昼食は途中のサービスエリアでとるからそのつもりで――では、解散!」


 高々と辺り一帯に鳴り響く織斑先生の手を叩く音。

 それを合図に一年生は皆が各々にさっきの模擬戦の話をしながら一旦旅館へと戻っていく。



「さて、俺は戻る前にあの馬鹿と会話でもするかね」

「……お兄ちゃん、喧嘩しちゃダメだよ?」

「しないって。殴っても殴られても痛いし、気分良いものじゃないからな。……まあ、馬鹿には拳をお見舞いするのが俺の流儀だが――何てな」

「もぅ……。――お兄ちゃんの荷物、運んでおくね?後、飲み物も用意しとくから」

「助かるよ。……流石は俺の妹だな」

「べ、別についでだもん。それに、今日お兄ちゃんの誕生日だし」

「お前もだろ?もちろん、未来もだが」

「……だね。じゃあ戻ってるからね、お兄ちゃん?」


 言うや、駆け足でセシリアが居る集団に合流した美冬。

 俺はくるりと回って一夏の元へと向かった。



「よぅ、少しは乱入したこと反省してるか、一夏?」

「……ヒルト。――何の用だよ?」

「反省してるかの確認だ。まあ俺に言われた事を気にしてるならそれは事実として受け入れないといけないがな」


 言うと、思い出したかのように悔しい表情を見せた一夏。


「……俺には【誰も守れない】――でも俺は、弱いつもりはねぇよ。白式だって第二形態移行したんだ。訓練だって毎日――」

「その訓練だが、自主的かい?それとも、篠ノ之や鈴音に誘われたからやってるだけか?」


「それって関係あるのか?箒や鈴に誘われて訓練するのも努力の一つだろ?」


 そう言いながらスポーツドリンクを飲み、作業を続けていく一夏。


「……努力の在り方何て人各々だ。お前がそれを自分の努力だというなら何も言うことはない。……ただ」

「ただ……何だ?」

「そうやって【人に連れられてやる努力】はただ慣性的にやるみたいなもんだろ?……言うなれば、【人にやらされてる努力】って奴だな」

「……それの何処が悪いんだよ?」

「……悪いとは言ってないし、価値観を押し付けるつもりも無いが他人に強いられた努力じゃ、本当の自身の糧にはならないぞ?……心構えだけでもいいから自主的に訓練や努力する方に気持ちを向けてみればいいさ。……そうすれば、誰だって守れる力を得られるさ」


「…………」


 そう告げると、黙って何かを考え始めた一夏。


「……まあわからなくても、後々わかるさ。……今一反省してるかわからんが、もう今日みたいな乱入は止めてくれよ?次、そんな事したら美冬が黙ってないからな」


 多分、美冬だけじゃなく他の皆も黙って無いだろうなと思うと少し苦笑した。


「……ヒルト。……悪い、自分勝手な思いで乱入して」

「ん?……まあ悪いと思ってるならまだお前も人としての成長の余地があるさ。……偉そうに言える立場じゃないがな、ははっ」


 そんな笑い声が辺りに響くと、一夏も同じように笑みを溢した。


「……ヒルト、次の模擬戦からはちゃんと手順を践んでからやるからな。今度は負けねぇ」

「……上等だ。俺も負けず嫌いだからな、熨斗つけて倍返ししてやるよ。ワハハハッ――先に戻ってるからな、一夏?」

「おぅ。じゃあまたバスでな」

「……一夏。お前だけは少なくとも篠ノ之の味方になってやれよ?……俺も気にはするがな」

「え?何だって?もう一回言ってくれないか?」

「二回も言うかよバーカ。……お前の誕生日にあげるの、補聴器確定だな。ハハッ」


 それだけを言い、俺は試験用ビーチを後にする。

 今日でここを離れるとなると、少し感慨深くなるな。

 何にしても、確か山田先生が初日に皆を写真に撮ってたよな。

 しかも水着――一応買っておくかな。

 そんな邪な考えをしながら、旅館へと戻っていった。

 時刻は十時前、まだまだこれから夏の日差しが強くなっていくだろう……。 
 

 
後書き
次は原作通りのバス内での出来事 
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