つぶやき

海戦型
 
不幸キャラとリアリティ
どこぞのウニ頭さんの「不幸だ~!」とかでなく空気・不遇キャラでもなく、物語内での生い立ちとかに不幸があるキャラについての話。
ラノベは勿論二次創作でもそれなりに見る不幸キャラたちですが、私はこれがあんまり好きになれません。本屋に並んでいるレベルの文章ではそうそうないんですが、ネット小説のレベルになると時折駄目だと思うパターンを見かけるんです。

1つが、唐突に自分の不幸を語りだすキャラ。
特にこれといった脈絡も積み重ねもなくいきなり他のキャラに対して自分語りを始めます。俺の家族は~とかそれから俺はこんな目に~とか今だって苦しんで~とか。これだと不幸自慢をして同情を誘ってるようにしか見えないんですよね・・・
ちゃんとそこへ至るまでのシチュエーションを整えていれば違和感は和らぎますが、たいていの場合ものすごくキャラクターの心理描写が乱暴です。自分の考えた不幸設定を語りたくてしょうがないとでも言わんばかりですが、そのためにキャラの心理を歪めるのは止めてもらいたいです。

もう1つが、不幸設定と形成された人格に不一致があるキャラ。
これはさらに何種類かに分けられますね。
①矛盾型 ②はりぼて型 ③謎型 って所ですか。

①はその人の経歴からして絶対に無視できないであろうシチュエーションを堂々と無視したり、逆に決して選ばないであろう道を堂々と選ぶタイプです。そこで何も言わなかったら何でそんなキャラ付したの?と質問すると本人なりに理由を説明してくれますが、そもそも人が読む文章ならその辺の考えも含めて最初から読者に理解できる形で用意するべきです。

②は設定があるだけで活かされることはない。それだけです。他に特筆することもありませんが、キャラクター性の薄っぺらさか若しくは作者さんの未熟さを感じずにはいられません。明らかに人格形成に影響を及ぼしそうなものまであっても特に活かされないので①と同じ疑問にたどり着きます。

③は本当に謎です。不幸の内容まで書かれまくっているのに形成されたキャラクター象はそこから堂々と外れています。そうはならないのでは?という違和感を抱きますが、こういうタイプは大体物語の最初の段階で一通りの不幸を喋り尽くして一本道で本編までたどり着いているので言い訳の余地すらありません。


これらすべてに共通して言えるのが、文章を通して作者さんの思慮の浅さが一発で看破されてしまう事です。不幸までは考えたけどそれ以降を考えていなかった、の一言に尽きると思います。
自分はフィクションにも細かいツッコミを入れてしまう面倒くさいタイプの人間です。でも、アニメも小説も人間の感情や生い立ちに嘘を入れてしまうのは見逃せない。例えエンターテインメント優先であっても、キャラの生い立ちや心理は物語の根幹をなす重要なファクターです。そこの作りこみが甘いと全てが台無しです。キャラを作ることとキャラの心理を分析することは別々に行わなければ不協和音を生みます。

設定なんて全部活かされてなくてもいいし、ちょっと不自然な所があってもいいです。
でも、キャラの心理や立ち位置、方向性をちゃんと考えたかどうかは必ず文章に現れます。
フィクションの中でさえ嘘っぽく思えるようなキャラを生み出したくないのなら、そこに最低限でもいいからリアリティを含めてほしいというのが一読者としての意見です。



・・・そいうえば細かいところを気にするのは理系の特徴とか言うけど、私も母もバリバリの文系です。

以下、どーでもいい実話。偶然見ていた映画「海猿」にて

私「ペラペラしゃべってないでとっとと行かないと脱出できなくなるでしょ」
母「何で関係者以外が指令センターに入り込んでるんですかねぇ・・・」
私「酸素無いとか言ってるのに何でさっさと進まないの?自殺志願者なの?自分に酔ってるの?」
母「救助者の二人はもう窒息してると思うんですがねぇ・・・」
私「いや・・・えっ?何でそんなとこに携帯電話置いてんの?っつーか防水ケータイじゃないよね?」
母「一刻を争うって言ってんのに喋ってる時間とか無いと思うんですがねぇ・・・」
私「いやいや、リアルに片手で落下してる人間を捕まえるとか無理だから。重みで脱臼するから」
母「あの場所にいて船の沈没後に救助とか海水の動き舐めてるとしか思えないんですがねぇ・・・」
(姉゜Д゚)<映画館とか一緒に行きたくねえなコイツ等 
海戦型
 
Jジュン様、コメントありがとうございます
重箱の隅をつつくように全部が全部納得できる形に・・・っていうのはプロの作家さんでも難しいと思います。条件になるような伏線撒きに至っては苦手な部類なので私自身今後も精進を続けなければならなかったり・・・

あの「星のカービィ」を生んだゲームクリエイターの桜井政博氏が「プレイヤーは作り手の苦労を知る必要はない」ってどこかでコメントしていましたが、あれは小説にも当てはまると思います。読者側からはいろいろ言えても作者側に立つと考えさせられる。ある種呟きで自分を戒めてます(笑) 
海戦型
 
黒猫大ちゃん様、コメントありがとうございます
実を言うと私も時々できてるか不安になります。でも小説書くときは自分をちょっと疑ってるくらいがちょうどいいと思います。自分の作品が面白いなんて思い上がってては成長もしませんしね。

TRPGのお話はなかなか興味深いです。ミステリー要素が絡むと怖い二者択一や予想外の行動と言うのもポイントになるのか。そっちはどちらかと言うと完成したキャラをどう崩していくかみたいな要素がありそうですね。 
黒猫大ちゃん
 
ははは、耳がイタイ。
 自分が出来ているかどうか分からないから、チョイと耳がイタイですね。

 ただ、薄っぺらいと言うのは同感ですか。
 作者の御都合主義で動かされて、このキャラ設定でその考え方や行動はないでしょうが、……と、紙面の向こう側や、画面の向こう側からツッコミを入れる。
 その類のキャラは、商業、二次、オリジナルの全てに存在しますね。例え、数百万部売り上げた売れっ子作家の作品の中にもね。

 ちなみに。
 昔、クトゥルフの呼び声と言うTRPGをやって居た時に……。
 怪しげな地下に向かう階段を下りて行った先に存在した地下室。その地下室の真ん中に、巨大な石棺が存在し、その中に何か……。
 ……とマスターが説明し出した瞬間、ダッシュで部屋から逃げ出す事を選択した3名のPCと、その石棺の中を覘いた2名。

 ゲーム的には2名が正解ですが、一般人の意見としては逃げ出した3名が正しい。
 もっとも、逃げ出した3名は、階段を昇りきった後、その狭い階段にバリケードを築いて、後の2名とグールが上がって来るのを邪魔をする、と言う暴挙に出たのですが。

 おっと、イカン。妙に長く成った。
 そのTRPGの結末は、廃墟と化していた館が謎の火災ですべて焼失しちゃいました。
 バリケードを築いたのは私ですが、油を流したのは別のヤツ。最後に火を付けたのも別のヤツでしたが。