トップ
暁について
ランキング
イラスト検索
よくある質問
各種マニュアル
45,962人
トップ
>>
ボーンアックスさんのプロフィール
>>
ボーンアックスさんのつぶやき
つぶやき
ボーンアックス
2016年 06月 27日 19時 01分
神座廻り―――ポーズトレスのイラスト、描いてみた(日下旭 [ヨウ])
ボーンアックスです。
とあるADVのCGの、ポーズをトレスし自分のキャラに置き換えたイラスト・第三段です。
今回はコラボ―――筆者+αさん作のSAO二次創作、“『とある拳士の冒険』”より主人公のヨウです。
……理がギャグみたくなってますが、それは流しちゃってください(エッ
―――地味に帽子を被らせるか、外すかで悩んだのはココだけの話でございます……(ォィ
注意事項としましては
・イラストだけじゃあれなので、原作通り―――小っ恥ずかしいオリジナルの碑文、及びそれを読んだ者の感想もあります。
・長いです、ご注意をば
・中二全開と言うか常識全壊というか、非常に痒くなりそうなので、苦手な方は更にご注意を。
そのほか……とある『厭魅凄艶』と言うBGMを合わせれば、より雰囲気がでる……と思います。
また、話の前後の『世界』に繋がりは有りません。
統治後の世界観に合わないじゃないか! と言う突っ込みはご遠慮ください。
宜しい方は↓へ↓へ
………………
降りた先、その次の部屋。……其処に広がるのは青一色の部屋だった。
だがそれは、第四天みたく水底に似た停滞の雰囲気を持つ“藍”ではなく、どちらかと言えば天を何処までも突き抜けて行く様な“蒼”。
何処にも出口がなく狭苦しい空気は微塵も感じられなくて、寧ろ解放感と何かを貫き通した清々しさを感じた。
青色と言う、本来なら落ち着きある色の筈なのに、いっそ激しさと荒々しさすら覚える。
強烈な“何か”を俺へと叩きつけて来るかのような、そんな空気だ。
だがその反面、たった一つの事象へ異常に固執しているようにも思える……と言うかそれ以外が見当たらない。
……ここは一体、どんな理なのか。
部屋中央の台座に置かれているのは、筋肉質なうら若い男の像。
まだ若いが少し前の階の、灰茶に塗られた部屋の少年よりは大人びていた。
しかしながら何処かまだ抜けているのは否めない、そんな中途半端さがある。
部屋通りの爽々たる雰囲気を放つものの、決して他者に理解されぬ懊悩―――ある種の孤独も感じ取れた。
言葉として表すなら、単一の事柄を極めたその一方で、捨てざるを得なかったそれらに複雑の想いを抱いている様な……。
―――台座の碑文には、こんな事が刻まれていた。
『その者、剣を主とする世界に生まれながら最も要たる剣振えし才を……哀しくも塵程すら持ち合わせてはいなかった
それこそが最早妙なる才能だとでも云わんばかりの底辺で、己の手から剣を飛ばすなどは常日頃。
運無き時は自分の手にした剣に、有ろう事か躓く事すらある程だった。
その世界での剣は、己が武器足る象徴、己の強さを示す導
剣がなければその世界に根づき広がり、戦士達をも支え続ける異能すら、碌に使える事がない
自然、男は皆からもれなく落第者だと蔑まれた
戦士としては第一に終始すべき肉体面の強靭さには恵まれたものの、徒手空拳で剣に挑むなど愚の骨頂
武装した相手には数歩届かず無様に打ち伏せられてしまう
無様でも醜くとも良い、剣を扱えるなら何でも良い。こんな愚かな俺にすら、使える剣とてある筈だ
確証など無き不確かな、しかしそれでも折れぬ鋼鉄の精神
その想いを胸に諦める事無く……小さき剣を、巨大なる剣を、繊細たる剣を、剛たりえし剣を、特異な剣を握り、昼夜問わず愚直に振り続ける
自らの手から吹き飛ぼうとも、狙い定めた対象から明後日の方向へ外れようとも、己の剣に体を引っ掛け怪我を負ってすらも、男は剣を闇雲に、ただ闇雲に必死に願いを込めて振り続ける
されど、世界は彼に幸運など齎さない……奇跡すらも与えてはくれなかった
彼が一歩進もうとも、周りは既に十歩、二十歩、それ以上先を行ってしまう
決して背中へ手が届く事はない。否、もしかすると前の者の背中すら、見えて居ないのかもしれない
何故自分はこうまでに愚鈍であるのだ……絶えず努力し続けているのに、何故実らないのか
そも、天は何故自分にだけこの様な才を……呪いを与えたのか
男は当然とも言える恨み事を繰り返し、繰り返し吐き出し続けた
……それでも彼が努力を怠らず、腐り閉じ籠らなかったのは、刃才の無さを笑わぬ友が居たからだ
擲刃により遠方の眉間すら撃ち抜く才を持つ女と、片刃の一閃すら映らせない神速の術技を誇る少女
頂きにすら届く才を持つ彼女等の支えが彼にはこの上ない癒しに、苦行を続ける推進力になり得ていた
そうして何時もと何ら変わらぬ、鬱屈とした雲が晴れぬ日々の中で―――男は目から鱗を落とす
常時と変わらず剣を振っていた彼は、苛立ちから木々へ拳を叩き込む
が、痛みなどまるでなく―――逆にその幹を深々と抉り取ったのだ
脳裏に伝来する、とある一つの術方……剣の世界に置いては弱法だけにあらず、邪法とすら呼ばれた、己が肉体を用いて振う拳撃の法を。己に宿っていた才は、正しくこちらの方だったのだと
男の行動は早く、思い立った瞬間から必死に邪法の書を漁り、実践し始める
彼の予感は狂いなく的中し、恐るべき勢いで己が内に眠る力を開放して行った
まず道を同じくした少女達をあしらえるようになり、彼女等の援も有り自身すら付けていく
己を笑う者を一撃の元に叩き伏せ、邪なる力だと排斥しようとする者を吹き飛ばし……彼は、以前は全く歯が立たなかった相手にすら、此方が“刃”を立たせぬ武力でねじ伏せる領域にすら到達する
剣の才が悲劇的なまでに皆無な彼ではあったが、裏を返せば何かしら別の巨大な才が眠っている事に他ならない
……それこそが、風を切り振るわれる肉と骨の鉄槌、拳だったのだろう
拳を鍛え、鍛え、鍛え―――――遂に彼は剣の高階を降し、高き世界から周りを見据えるまでとなった
されど、“世界”は彼を嫌い続けた。頂付近に立って尚侮辱を投げかけられ、嫌悪され続けたのだ
邪法と呼ばれる力を身に着けていた事、誰も彼もが彼を底辺だと疑わなかった事、才ある二人の少女を側に侍らせ―――傍目から見れば力を腐らせているとしか判断出来なかった事
人の心理と世界の法が重なり、結果彼は何処まで行っても否定され続ける存在と成り果ててしまった
それでも頑なに男を守り続ける二人に……彼の罪悪感はとうとう限界まで到達する
悪意に押し潰され、祈りすら実らず、生きる事すら男は諦め掛けた
―――とある一人の少年と出会わなければ
彼にもまた剣の才は存在しておらず、同じ波長を持つ者だからか、男も将来性が無い事を感じ取っていた。更にはなんという奇運か……その少年には自身と同じ、巨大なる拳の才をも感じ取った
少年の眼元は泣き腫らされ、彼もまた才が無い故に挫折し掛けているのだと男は悟る
此処で感じたある“予感”を胸に、男は嫌われていようとも構わぬと世界を巡った
そして予感は当たる
剣の才が無い者、拳の才眠る者など男程の人間こそ居なかっただけで……目も眩むほど大勢居たのだ
男はそこで、遂に決意した
―――剣を手に権威を誇り、他者を踏み降して嗤う世界を変えよう
想いをただ胸に抱き、同じ願いに祈る少女と達と共に駆け巡り、彼は最早世界を揺るがすほどに成長した拳を得た
そして―――座にて剣と言う概念を病的なまでに染みわたらせ、武を持てぬ民喰い潰す根源を、とうとう滅したのだ
そうして広がった世界は、器高き“武”が尊重される世界
以前の剣による異能、遠方射撃による“器無き物”などは邪法とされ、己が身を持って鍛え上げた強さを持つ者は尊敬の念を抱かれ、また数多の武法を大地へ広げる世を作り上げた
道具などは一切要らぬ、真に信ずるは両の拳のみ
才など何でも良い、ただ唯一無二の武を持てばよい。戦に積極的であれ、しかし侮には消極的であれ
武とは己の権威のみに有らず、人を導き、自身を導くものであれ
“これが彼の成した理、彼の代の座、彼の背負った真実の総てである”』
「……」
身も蓋もない話だが、詰まる所コイツが統治した後の世界は『人類皆、脳筋になりました』って事か?
まあコイツはいっそ酷い位に、一部除いて周囲から全く評価されなかったんだし、肝心の恨みの根源が剣だのといった、ある意味で“楽”出来る武器、道具だ。
だから、こんな風に考えるのは当然かもしれない。
それに強いのが心でも良いと記されているし、世界の仕組み自体が変わっているんなら、女性だろうが子供だろうが所謂『器高き強さ』を持てさえすれば、伸し上がれる世界なんだろう
……けど武による強さが尊重されたり、道具を使うのが悪だと言われる世の中なら、文明の発展が酷く遅そうだ。
オマケに皆が皆それを重要視するのなら、心の弱い奴や肉体の武に頼れない奴とか、頭脳派な奴には生き辛そうな世界でもある
特別な力を持つ者が現れたら、一発で吹っ飛ばされそうな奇妙な世界になっちまってる。
頑張っては居たんだろうが……治世ってのは誰が行おうと、どうにも上手くいかない物なんだな。
そんな感想を胸に抱き、俺はその部屋を後にした。
―――筆者+αさん、いかがでしたでしょうか?
理に名前を付けるなら『精進窮拳道』ってところでしょうか。
それにしても……今まで上げた三つを含めた中で、一番マシな世界かもしれないですね。
何せ―――
ガトウ ・縁不変―――記憶と自我有りで半ループ
謎の女性プレイヤー・恋慕惨争――殺し殺され抗い続ける
吉岡麟斗 ・我真推重――嘘など無いのに疑心暗鬼
―――ホント碌なのが無い……。
次は黒鉄狼牙さん家のヒロイン『クイーン』です。
どのようなイラスト、どのような理になるかは……まあお楽しみと言う事で。
ではボーンアックスでした。
2016年 06月 27日 19時 01分