第T章:剣の世界の魔法使い
ヒースクリフ(後編)
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待たずに開く。
部屋の中は、背後の巨大なガラス窓から差し込む光によって満たされていた。窓の真ん前には半円形のテーブルが置かれ、七つの席がある。左右の四つには重装備の男たち…血盟騎士団の幹部だ…が座る。その隣、中央に近い方の二席はあいていて、そして中央の一際背もたれの高い椅子のある席には、赤衣の男が座っていた。
銀色の長髪をオールバックにし、首筋で結っている。角ばった学者めいた顔つきに、金属めいた真鍮色の冷たい眼。魔術師然としたローブに身を包んだこの男こそ、《血盟騎士団》団長にしてアインクラッド最強の男、《聖騎士》ヒースクリフである。
「久しぶりだね、キリト君。いつ以来だろうか」
「六十七層の攻略会議以来だ」
キリトはヒースクリフの問いかけにも、落ち着いた声で答える。しかしシェリーナには、キリトが緊張を隠そうと努力しているのが感じられた。
ヒースクリフが苦笑する。
「あれは我々にとってもつらい戦いだった。《最強》と言われていながらも、戦力は常にギリギリだよ。そんな私たちから、君は貴重な副団長を引き抜こうというのだ」
ヒースクリフが一泊あけて、堂々と言い放つ。真鍮色の眼が一瞬、面白がるように光る。
「キリト君。欲しければ剣で……《二刀流》で奪うがいい。君が勝ったら、アスナ君を連れていくがいい。しかし、もし君が負けたなら……君が、《血盟騎士団》に入るのだ」
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