鳳苗演義
[10/11]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
配も変わる。その辺りも一応仙術で誤魔化しているのだが、苗=女禍と伏羲、始まりの人同士の魂魄とあらば気付かれることもあるだろう。
「苗よ。お主は居候のみであることを前提に話すのだが・・・お主の家の家主は突然の来客を迎え入れてくれる器量はあるかの?」
「え・・・?え、と・・・人との会話に飢えてる子だから、多分喜ぶんじゃないかな?」
「そうか!それは良い事を聞いた!実はのう、ホテルは予約やチェックインをまだしておらんのよ。あわよくばお主の家に泊まれるかもしれん!これはいいことを聞いたぞ?ニョホホホ・・・」
一瞬脳がフリーズした苗は、ゆっくりと伏羲の発言を咀嚼し、ようやく理解したところで・・・苗は結局混乱を抑えきれなかった。
「え・・・泊まるって・・・ええーーーー!?」
住宅街に少女の声が木霊する。後に判明したことだが、その声は住宅街ほぼ全域に達しており、伏羲もその声・・・というより至近距離では音波に近いそれに危うく吹き飛ぶかと思ったという。
久しぶりに自分の弟分とでも言うべき存在・・・武吉を思い出した伏羲であった。
予想外の発言。まさか出会った初日に人の家に・・・しかも女の子の家に泊まろうとするとは。いや、伏羲がロリコンでない事も悪い人じゃない事も何となく分かってはいたが、いきなり気になっていた人が家に泊まるといいだしたら取り乱すものだ。
(伏羲が同じ家で・・・ね、寝床はどうしようか?一緒にお風呂入ろうとか言われたら断る自信が・・・いやそんな事よりこんなこと考えてるのがもし伏羲やはやてにバレたらもう私は恥ずかしくてお嫁に行けなくなっちゃうかもって何を考えてんの私!?駄目だ、何かもう駄目だぁ!!今日初めて会った男の人をここまで意識するとか自意識過剰もいいところだし、ああもう私おかしくなっちゃってる!?)
理想と妄想と現実が頭の中で入り混じった苗はその昂った精神を抑えきれずに一人悶々と悶えてしまうのであった。・・・それでも伏羲が自分の兄になる想像を諦めきれないのは、果たして如何なる感情が導き出したことなのやら。
・・・実際の所。王天君の調べで伏羲は次の事を把握した。
1、苗の出生は完全に不明。家族らしき人間もこの近辺には見つからなかった。
2、彼女には戸籍が存在しない。
3、彼女の存在を知るものはこの町にしかおらず、しかもここ数日に見知っている。
4、彼女は独り身の少女の家に居候している。
そして八神はやての性格も把握した伏羲はすぐさまこう考えた。
――夢渡りで彼女の心を覗くならば、彼女と寝床が近い方が都合がいい。八神はやてならばその性格や生い立ちから判断して説得は大いに可能であろうから、これを機に苗と同じ家に居候しよう。と。
正直な所、伏羲はもし苗が本当に女禍と関係な
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ